取材を受ける-カラス問題
今日は、久しぶりにカラスの問題について新聞社の取材を受けました。記者の方は東京のカラス捕獲事業が10周年を迎えたのを機に検証してみたいとのこと。そういえば、私がカラスに関わるようになったのは、1999年に行われたカラスシンポジウム以来。あれからもう10年以上たってしまったことになります。では今、東京のカラスはどうなっているかというと下記のグラフを参考にしてください。
このグラフは、東京都のWebサイトに発表された数字を元に制作しました。ただ、東京都はカラスの”生息数”と言っていますが、正しくは12月に40数ヶ所のネグラに集まるカラスの数です。そのため”ネグラ入り数(緑色)”としました。また、捕獲数(オレンジ色)はトラップを使用して捕らえられた数=殺された数です。巣落としによる雛や卵の駆除数は含まれていませんので、実際はこれ以上のカラスが殺されています。
グラフをみると、捕獲が行われて3年後に、6割くらいの数になります。しかし、その後は2006年のようにネグラ入り数を上回る数を捕獲しても減少することは無く、下げ止まった感じになります。さらに、ここ3年は増加傾向さえ見えます。
この捕獲事業は、緊急対策であったはずですが、すでに10年経ってしまいました。また、目標は7000羽にするということでしたが、ほど遠い数字です。このグラフを見る限り、現状の捕獲では、これ以上のカラスの数を減らすには効果がないことがわかります。東京都は、カラスを減らす効果のない対策をやり続けていることになります。
効果がなければ対策を変えるというのが、民間では常識です。この常識が行政では通じないようです。そのために税金が無駄遣いされ、カラスが無為に殺されていきます。いったいいつまで東京都は、カラス捕獲事業を続けていくつもりなのでしょうか。
« 芝川第一調整池-あしだちの会 | トップページ | 『朝の小鳥』12月分スタジオ収録-海外での野鳥録音 »
「考証」カテゴリの記事
- 地震の時に謎の声ー六義園(2023.05.11)
- サブソングはコルリかも-訂正(2023.04.07)
- オオダイサギの鳴き声-芝川第一調節池(2023.02.01)
- 黒田長久さんのことーその5(2023.01.11)
- 黒田長久さんのことーその4(2023.01.10)
「番組・報道」カテゴリの記事
- 「朝の小鳥」70周年特別番組のお知らせ(2023.08.10)
- 『朝の小鳥』スタジオ収録(2023.05.10)
- 『朝の小鳥』スタジオ収録-4月は六義園の渡り鳥(2023.03.15)
- 『朝の小鳥』スタジオ収録-3月は鳥にまつわる言い伝え(2023.02.15)
- 『朝の小鳥』スタジオ収録-2月は舎人公園(2023.01.18)
「研究」カテゴリの記事
- コマドリとタネコマドリの微妙な関係-その2(2023.03.31)
- コマドリとタネコマドリの微妙な関係ーその1(2023.03.30)
- 伊香保の謎の鳥-鳴き声をアップ(2021.12.11)
- アオバズクの鳴き声-倍音の課題(2021.10.13)
- コガラのさえずりの課題(2020.11.20)
コメント