去年の今頃は-鳥インフルエンザ騒動
去年の今頃は、鳥インフルエンザ騒動でたいへんでした。
ツル類の一大渡来地の鹿児島県出水で、鳥インフルエンザに感染したナベヅルの死体が見つかったのです。世界のナベヅルの7割が集まっていると言われている出水です。もし、集団感染が広がったらナベヅルの絶滅が心配されました。そのため、渡来地は立ち入り禁止。そして、地元の日本野鳥の会鹿児島県支部では、感染が広がらないように死体を探すパトロールを正月返上で行いました。感染した死体がカラス類などに食べられ、さらに感染が広がるのを防ぐには、いち早く死体を発見するしかありません。広大な干拓地を極寒のなか、パトロールをするのですから、その苦労はたいへんなものがあったことと思います。あれから、一年たちました。
今のところ、鳥の死体から高病原性のウィルスが見つかったという報告は松江のコハクチョウの1例のみ。これ以上、大事なきことを祈ります。ただ、韓国や中国では、今シーズンも鳥インフルエンザの報告が散見しています。日本の今年は、11~12月が暖かく、冬鳥の渡来がかなり遅れてました。各地から冬鳥が少ない、ツグミの姿を見ないという報告が伝えられていました。しかし、さすがに暮れになりツグミの群れに出会うなど、冬鳥の姿も多くなりました。それにともない鳥インフルエンザの季節も到来したことになります。
ところで去年、あれだけ出水のツル類が危ない、絶滅するかもしれないと騒がれたわりには、その後の対策はなされていない印象があります。今のところ、大きな対策がされたとは聞こえてきません。いずれにしても、ツルの群れは相変わらず出水に集中したまま。喉元過ぎれば熱さを忘れるのたとえ通り、無策のままツル類の集団化は続き相変わらず集団感染の脅威は去っていません。
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