H川さん来訪-日本産鳥類文献リストの完成
今日、大阪のH川さんが来訪されました。
H川さんは、退職後の趣味として日本の鳥に関する本のリストを作るという作業をされていました。そのリストが完成し、印刷物としてまとめるため、寄稿して欲しいとの依頼です。
私も拙著の『野鳥を読む』(1994・アテネ書房)の制作にあたって、約1,700冊のリストを作り本文の執筆にあたりました。この時のリストは、私の蔵書を中心に清棲図鑑などの文献リスト、山階鳥類研究所の蔵書リストを参考にて作ったデータベースです。そのため、現物を見ていないタイトルもたくさんあり、不備がけっこうありました。
ところが、H川さんはリストの制作に当たっては現物を確認するというこだわりを持って作業にあたりました。現物を見るためには、全国の図書館や博物館を回らなくてはなりません。そのため、自動車に寝泊まりしながら、全国の鳥関係の本を探す旅をされたのです。現物を見た証拠に表紙、目次、奥付をスキャニングしています。そして、このリストはなんと14,000タイトルにおよぶとのこと。凄いものです。
「8年かかりました」と、苦労話を楽しそうにされるH川さんと、鳥の本について語り合うひとときは至福の時でした。今まで発行された鳥関係の本は我々の財産である、これを生かしてこそ野鳥たちのためになる、こうした人のやらないことをやらなければ未来はないというのいうのが、図らずも2人の共通認識であることがわかりました。そして、この財産が、今あまり生かされていないことを懸念しています。
ただ困ったことがあります。以前、H川さんが我が家にお出でになったのは6年前、蔵書をスキャニングさせて欲しいということで、段ボール箱5,6個分の本をお貸ししました。数ヶ月後、返却されたのですが、この本の段ボール一箱分くらいがどうしても本棚に入らなくなってしまいました。そのため、床に積んで置いたらそれが”核”となって本の山ができ、それが今では壁になってしまったことです。
リストの印刷完成は、5月頃とのこと。楽しみです。
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