スワロフスキー野鳥ステップアップ塾終了
去年の10月から月1回講義を行ってきたスワロフスキー野鳥ステップアップ塾、最終回となりました。本日は、得意のカラスの話で最後をしめました。
講義を終わっての質問コーナーで「ハシボソガラスが集団で1羽のハシボソガラスをいじめていた。そのようなことがあるのか?」という質問をいただきました。この会場に来る途中のことで見て来たばかりの話。1羽が数羽から執拗につつかれていたというのです。また、会場にいたスワロフスキーのT本さんも以前、同じような行動を見たと言われ、やはりハシボソガラスだったとの報告もいただきました。
私は、ハシボソガラスを見る機会が少ない環境に住んでいますので、このような事例は見たことはありません。私が見ているハシブトガラスでは、身体をぶつけ合ってのケンカを見るのは1年に1回あるかないかです。たとえば、空中で絡み合って地面に落下して離ればなれになってケンカは終わりというのを見たことがありますが、1対1であっという間に終わりました。長時間のケンカ、さらに1羽が複数羽が攻撃するのは、ハシブトガラスでは見たことはありません。慶応大学の伊澤先生は、飼育下のハシブトガラスではケンカをして強弱がわかると2度とケンカはしなくなったと報告していました。
ハシブトガラスの場合、勝敗が決まれば”参りました”というサインがはっきりと出し決着が付くのかもしれません。ハシボソガラスは、そのサインが明確でないために、ケンカが長引くのではと、今日は答えました。ただ、これはあくまでも推測です。
また、ケンカの原因がわからないのでなんとも言えない部分もあります。ケンカのネタがたとえば、雌の取り合いのようなものであれば、根が深く長引きますし、食べ物ならば簡単に決着が付く(お腹の空いている方が勝つ)と思うのです。
いずれにしても、カラスが騒いでいると見過ごすのではなく、ケンカの様子まで観察されるようになった受講者の方は、野鳥を見る目がステップアップしてくれたことになります。
受講者の皆さま。長い間お付き合いいただき誠にありがとうございました。
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