樋口広芳先生の退職パーティ
午前中は、六義園の調査でした。ハシブトガラスが、枝を折って巣材する行動が見られました。これも春のきざしです。
昨夜は、カラスの研究でもお馴染みの樋口広芳先生の退職パーティでした。樋口先生は、東京大学大学院教授として日本の鳥学を率いて来た方です。私は日本野鳥の会在職中、会の研究センターにいらした先生にたいへんお世話になりました。
長年、教職の立場にあっただけに教え子の方々、私のように日本野鳥の会や学会を通じて指導を乞うた方々が集まって、とても盛大なパーティでした。主催者側発表160人も参加されたということで、会場はいっぱい。熱気にあふれていました。
樋口先生がすごいなあと思うのは論文はもちろんのこと、エッセイの文章もとてもお上手なことです。えてして学者の書く文章というのは、わかりに憎くて読むのに苦労します。ちりばめられた専門用語がひとつの壁となり、ほんとうにこの先生は解って書いているのだろうかと疑問を感じるような解説もあります。ところが、樋口先生の著書を読むと、わかりやすい上にわくわくさせられ自然や野鳥の魅力、あるいは生命の素晴らしさが伝わってくるのですから、すごいと思います。
鳥業界の中では”樋口広芳”がビックネームだと思うのですが、バードウォッチャーの中には意外と知られていません。私が日本野鳥の会在職中、理事になられ研究センター長に就任しました。総会で全国から集まられた支部の方々の前で挨拶をされましたが、樋口先生を知らない方がけっこういました。いったい、この人は何なんだという顔をしていた人がいたのが印象的でした。要するに当時、すでに『赤い卵の謎』(思索社・1985)も『鳥たちの生態学』(朝日新聞社・1986)も出版されていたのですが、これらの本を読んでいない地方のリーダーが多かったと言うことになります。
樋口先生は、とてつもない勉強家であり、自然を見る素晴らしい感性をお持ちです。それをやさしく解説してくれるのですから、こんなありがたいことはありません。その恩恵に浴すことがないのでは、なんとももったいないことだと思います。
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