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2012年4月16日 (月)

ご紹介-『渡り鳥の世界―渡りの科学入門』

  1週間ほど前から花粉がスギからヒノキに変わって酷くなりました。昨日から花粉症にカゼが加わり、いちだんとひどくなりました。この違いを表現しようと思ったのですが、なかなか難しいですね。ハシブトガラスとハシボソガラスの違いから、ミヤマガラスになった感じと言えば分かっていただけるでしょうか。ということで、今日も書籍ネタです。
 中村司先生は、日本野鳥の会の全国大会、日本鳥学会の学会、日本鳥類保護連盟の愛鳥週間の集いによくお出でになっていました。挨拶をすると小柄な先生が、にこにこ笑って深々と頭を下げられるので、私は腰をさらに折らなくてはならず、いつも困ってしまいます。司先生の父上は、中村幸雄と言いコノハズクが「ブッポウソウ」と鳴くことを鉄砲で射て実証された方です。さらに、蜂須賀正氏(まさうじと読む。こう書かないと何で彼だけ”氏”を付けるのかと言われたことがある)と、ボルネオに有尾人を探しに探検に行き、新種の鳥を捕獲した採集人の一人でもあります。中村家は、2代続いて鳥類研究をおやりになっている由緒ある家系です。
 先日、樋口広芳先生の退官パーティでお会いしたら80歳を超えたとのこと。そうとは思えないかくしゃくとされた先生は、なんと英語でスピーチされていました。
 その中村先生のご研究のライフワークは”渡り鳥”です。その集大成とも言える本が、発行されました。『渡り鳥の世界―渡りの科学入門』です。先生は、渡り鳥を多方面から研究されています。ホルモンの作用から星座を見ているかの実験などをされています。この本では、ご自身の実験を軸に最新の研究を紹介し、渡り鳥の謎について解説しています。
 鳥の質問で多いが、渡り鳥についてです。なぜ渡りをするのか、どうやって渡りをするのか、野鳥に興味を持ったら誰でも生じる疑問です。この本では、謎の一つひとつを解説されています。中村先生はある意味、渡り鳥を極めた方です。それだけに、解らないことは解らないとおっしゃっています。そして、とてもわかりやすいのです。解っている方が書けばわかりやすく書けるのは当たり前のことなのですが、それがなかなかできません。論文も一般書も書ける方は、凄いと思います。
 そして何よりも、渡り鳥を単なる研究対象としてではなく、敬意を持って鳥たちを扱っています。その鳥へ向ける温かいまなざしは、挨拶される先生そのものです。
 ときあたかも渡り鳥の季節、ご興味のある方はぜひご一読いただければと思います。

Wataridorinakamura

『渡り鳥の世界―渡りの科学入門』 (山日ライブラリー)
定価:1,260円(税込)
著者:中村 司
装丁:新書版200ページ
出版社: 山梨日日新聞社 (2012/02)
ISBN-10: 4897107261
ISBN-13: 978-4897107264
 なぜか、アマゾンでは新刊書あつかいされていません。他の書籍販売サイトを検索していただくか、大型書店で探してみてください。

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