いちだんと増えた日光のシカ
今回の日光行きで、驚いたことがあります。シカとの出会いがすごく増えたことです。写真は、日光市所野にある乗馬倶楽部の敷地です。写真には11頭写っていますが、全体では14頭まで数えました。
ここでは、夜にシカの群れがいるのは何度も見ていますが、昼間の明るいなか身体をさらしているのを見たのは初めてです。地元も人も、珍しいと言っています。このほか、別荘地を行くと庭にシカがいました。それだけ、シカが増えて人を恐れなくなってしました。
ハンターの減少、高齢化、そして放射性セシウムの検出が追い打ちをかけて、シカを狩ることなくなった効果でしょう。これに加え、今年3月の日光は雪が多く食べ物を求めて里に下りてきたことも考えられます。
この写真でもわかりますが、本来林床にある下草がまったくなくなっています。昆虫によっては、根こそぎすみかを奪われたことになります。鳥にとっては、食べ物となる昆虫と身体をかくす場所がなくなりました。ウグイスなどの減少が心配です。
昔、読んだ生態学の教科書で、ある島でシカを増やそうとハンターが天敵のコヨーテを排除したら、シカが爆発的に増えた。しかし、あるところから食べ物を食べ尽くし、以前の数より少なくなったという話を思い出しました。島のように閉鎖された環境であれば、この論理も通用すると思います。しかし、広大な地域では果てしなく破壊の連鎖が広がっていくことなるのでしょうか。
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鹿対策に狼の導入を! http://japan-wolf.org/content/faq/ 懸念があったら参照
投稿: 名無し | 2013年1月20日 (日) 21時49分