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2012年5月

2012年5月31日 (木)

安西さんのラジオ番組『季節のいのち』

  よくお叱りを受けるのは、私が担当している文化放送の『朝の小鳥』と日本野鳥の会の安西英明さんが出演されているNHKラジオ第一の『季節のいのち』の時間がかぶっていることです。どちらの番組も日曜日の朝5時20分に放送なのです。『朝の小鳥』は、5時15分でしたが以前のスポンサーが少しでも遅くして欲しいと言ったところ同じ放送時間になってしまいました。
 先日、日本野鳥の会理事会のおり、安西さんから『季節のいのち』の「放送時間が5時30分になるので、ご迷惑をかけることはなくなります」というお話しがありました。こちらのせいで時間がかぶってしまったのに、なんとももうしわけない話です。
 私は、ラジオほど野鳥の声を流すのに最高のメディアはないと思っていますが、現在ある野鳥の番組はこの2つだけ。そのたった2つの番組が同じ時間に放送とは、なんとも残念でした。しかし、これからは時間がズレて2つの番組を聞くことができますから、ぜひお聞きいただきたいと思います。NHKラジオは全国で聞けます。文化放送は、関東地方と一部の地方のみですが、インターネットで聞くことができます。下記のURLでお聞きください。
   http://radiko.jp/#
 なお、安西さんの『季節のいのち』は、安西さんがやさしい語り口でやさしくバードウォッチングの見所を解説してくれます。流される野鳥の声は膨大なNHKのライブラリから選ばれた音源ですから聞き応えがあります。
 それでも、安西さんのお話では希望する音源がないことがあるとのことでした。そういえば以前、スズメの交尾の声を貸したことがありました。NHKのライブラリとは言え、安西さんの要望に耐えられるシーンをとらえた音は難しいことになります。それならば、やはり安西さんも野鳥録音をするしかないですね。バードウォッチングの超ベテランの方が、録音機を持ったら鬼に金棒、きっと良い音が録れると思います。

2012年5月30日 (水)

念願のタマシギ

 昨日今日と兵庫県にタマシギを録りに行ってきました。例によって、ヒクイナ研究家のW辺さんのご案内です。
 タマシギは録音の難しい鳥です。まず、関東平野では激減し、限定された場所の鳥となりました。ですから、私はタマシギと3回遭遇しているのですが、録音はもちろん声を聞いたことはありません。とにかく少ない鳥になってしまいました。また、水田のような開けた環境では音は良く通ります。そのため、道路が巡っているところでは車の音をさけようがありません。また、タマシギが鳴き始める5月はオオヨシキリが渡ってきてしまうし、カエルが鳴き始め、とてもにぎやかななかで録音しなくてはなりません。
 ところがW辺さんの話では、兵庫では4月に鳴いているとというのです。要するに、水田に水が入るとやってきて雌がなわばりを持ち雄を呼ぶのです。4月ならば、オオヨシキリはまだ来ないしカエルも鳴かないだろうと、お願いしておりました。
 しかし、今年は3~4月の寒さのせいか、水田に水が入ったのは5月中旬。それに合わせてタマシギが水田にやってきたのは1週間前だったのです。カエルは鳴いているかもしれないし、オオヨシキリもにぎやかに違いありません。それでも、まだ聞いたことのないタマシギの声を聞きたいと、うかがったしだいです。
 毎度、難題のお願いにW辺さんも慣れて、見つけておいていただいたタマシギのいる水田は道路から離れていて、とても静かです。また、周辺にアシ原がないのでオオヨシキリもいません。農道に車を止め、真っ赤な夕日が雲の間に消えていくのを待ちます。早いと午後5時に鳴くというのですが鳴きません。「鳴くかな」「せっかく来てくれたのに鳴かなかったらどうしよう」「鳴いてくれ」と気がつくと手を合わせて祈っているW辺さんです。
 薄暗くなった7時20分、かすかに「ポウ、ポウ」というタマシギの声が聞こえました。これをきっかけに、鳴き続けてくれました。だんだん声が大きくなり力が入っていくのもわかります。それと鳴く前に「ウッ、ウッ、ウッ」という前奏があることを知りました。
 この季節、カエルの声は避けようがありません。しかし、カエルの声のおかげで水田の風景を感じることができます。PCM-D1で録音、低音ノイズの軽減、ノイズリダクションをかけています。

「Painted-snipe120530.mp3」をダウンロード

 しかし、この手の単純で深みのある声は耳に付きます。帰り道、他でもタマシギが鳴いていないか探しながら水田を巡ったのですが、何度もタマシギの声が聞こえました。いずれも空耳でした。これは、帰りの新幹線のなかでも鳴いていました。
 W辺さん、お世話になりました。お礼申し上げます。

2012年5月28日 (月)

どこから肉になるのか-カラスの共食い

 先日、朝からハシブトガラスの声がうるさくて目が覚めました。声は、午前6時頃から六義園でさかんにしていました。開園時間の9時に園内に入ったときも、同じようににぎやかでした。オオタカがいるのかと思っていましたが、巡回中の職員の方が「弱ったカラスがいる」ということで、なっとくが行きました。カラスがカラスを襲っていたための騒ぎでした。
 現場に行ってみると、近づいてもうずくまって飛ぶ力もないハシブトガラスがいました。

Crow120525

 このカラスは、肛門をつつかれかなりの量の出血をしています。職員の方が捕まえると簡単につかまり、逃げる力はありません。かわいそうですが、このままでは苦しませるだけなので埋めてやりました。
 このカラスは、カラスに食べられそうになっていたことになります。カラスは、共食いをするから残酷だとイメージがあります。野生生物の世界では、共食いはけして珍しいことではありません。ことカラスに限ったことではないことをまずお断りしておきます。
 不思議なのは以前、私がハシブトガラスの死体を拾って持って歩いたら、あっという間に100羽ほど集まってモビングをかけられました。かなり怖かったです。はやし立てることで、仲間を助けようする意図を感じました。
 そうかと思うと、交通事故にあった仲間のカラスを数羽のカラスが食べているところを見たことがあります。
 今回の朝からの騒ぎで、考えられるのは番相手が傷ついた連れ合いを守ろうとしての戦いです。それにしては、長時間でしたし多くのカラスが参加していたので、守ろうとするカラスと食べようとするカラスがいて、そのいさかいでなかったかと推測します。
 以前から私が疑問に思っているのは、いったいハシブトガラスは、どこから仲間と認識し、どこから肉と認識するのかということです。動かなくなったというのは、今回の生きていたのですからありません。また、動かない死体を持っていてもモビングをかけられました。ですから、その線引きがわからないのです。
 頭の良いカラスだけに、刺激に対しての反応は単純でないことは十分、想像できます。しかし、今までの観察例から推測すら思いつきません。
 これもカラスの謎のひとつです。

2012年5月27日 (日)

日本野鳥の会-総会・理事会

 週末の土日は、日本野鳥の会の総会と理事会でした。こんな天気の良い週末に会議で缶詰です。この季節の開催については、議題にもなりました。ただ、日程はあちらを立てればこちらが立たず、日本列島は北から南に長いのですからいつ開催しても不満は出る、しかたがないというのが結論となりました。
 それにしても、この季節に北はオホーツク支部から南は西表支部まで、スタッフを入れて60名がよく集まったものです。今回の研修は「自然再生自然エネルギーの現状と問題点」でした。原発事故以降、脚光を浴びているメガソーラーや風力発電、大規模であれば鳥へ影響がないわけはありません。そして、大企業が参入していることで大規模な開発は、影響も大きなものがあります。自然エネルギーの開発は、地域で小規模に行うべきと言うのがひとつの解決方法と受け取りました。このほか、密猟問題などさまざまな事柄に発表、議論が行われました。
 このなかで今回はじめて「カメラマンのマナー」についてが、議題としてあげられました。今までなかったのが不思議なくらいです。地方のブロック会議では議題となったことはあるそうですが、中央では初めてのこと。千葉県から県下であった事例報告が行われ、なんらかの対策を講じて欲しいとの提案がありました。
 マナー違反のカメラマンを日本野鳥の会の会員とは限らず、会員だと思われてしまうことが問題。無法駐車などしていたら警察を呼び、法律に基づいて排除。対策に熱心な支部に情報を集約し、対策を共通できるようにしたらという意見がでました。
 ただ、具体的は方策は出ず、みんな問題だと思っているのですが、どうして良いかわからないというのが現状だと思いました。今回のことで、本部事務局や各支部でも、なんらかの対策を考えることになれば、この問題も一歩進むことができるでしょう。

2012年5月26日 (土)

祝・トキの巣立ち

 昨日、喜ばしいニュースがありました。新潟県佐渡で、自然状態のトキの雛が初めて巣立ちをいたしました。放鳥後、昨シーズンは全敗、今年はなんとか巣立ちまでたどり着いたことになります。
 私は、トキの卵や雛がハシブトガラス、ハシボソガラス、トビにやられるたびに、これらの鳥が悪者になるのに心を痛めました。多くの鳥たちの繁殖のようすを見ていると、トキと同じように捕食者にやられるのはあたりまえのことです。東京のハシブトガラス自体、ハシブトガラスにやられ、トキのように繁殖率は悪いのです。報道の仕方をみていると、あたかもトキだけがカラスやトビにやられているように伝えられています。しかし、自然のなかで生きていく以上このていどの試練は当たり前のこと。それを乗り越えた親鳥が、子孫の残せるのではないでしょうか。日本で生きて行く以上、カラスからの脅威を避けることのできない親鳥しか子孫を残せなくしてしまったのは誰なのか、1度考えて欲しいものです。
 ところで、先日粟島の帰りに撮った新潟駅の売店の写真です。

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 トキの誕生に便乗したお菓子が山積みとなっていました。その数10種類、ランキングまでポップされています。ところで、私にはどれも買う気になれないのです。まんじゅうは言うにおよばず、○○の卵はどこでもあります。いずれも、ありきたりのお菓子に”トキ”と名付けただけで独創性を感じないのですが、いかがでしょうか。それに巣ごもりのトキは、灰色に描くべきだろうと監修してしまいました。
 トキが巣立っためでたい話題に水を差して申しわけございません。

2012年5月25日 (金)

『週刊野鳥の世界』-監修終了

 このところの仕事の一つとしてデアゴスティーニ・ジャパンの『週刊野鳥の世界』の監修がありました。毎週週末に送られてくるpdfファイルで、内容に間違いがないかチェックする仕事です。本日、121号の監修を終了、2年5ヶ月にわたる仕事が終わりました。
 この仕事は、神奈川大学教授の浜口哲一さんからの紹介でした。2年にわたる長期の仕事だから旅行に行くこともあるだろう。そのため、一人では心許ないので手伝ってくれないかというものでした。ところが、数ヶ月で浜口さんはお亡くなってしまいました。まさか、それを予想して私に声をかけてくれたのではないと思いますが、浜口さんの遺志を継いでの仕事となりました。私も一人では心許ないので立教大学の上田恵介教授にお願いして、監修体勢を整えました。
 当初、売れなければ途中で発刊は中止になるという話でした。模型を組み立てるような形式のものは、中止の場合はパーツのみ売るそうです。『野鳥の世界』の場合は、世界中の鳥を扱うことになっていましたら圧縮して編集し直すとのことでした。
 しかし、これは杞憂。発行して半年ほどの情報では、かなりの売れ行きとのこと。少なくとも毎週580円を支払って野鳥に関する雑誌を購入する熱心なファンが日本野鳥の会の会員数以上いることがわかりました。関わった者としてうれしい限りです。
 さらに、評判が良いため100号で終了予定が120号となり、本日監修した121号は総索引です。圧縮するどころか世界中の鳥をじっくりと扱えるようになったのです。
 前述のようないきさつで関わったため、企画が固まってからの監修でした。そのため、私の路線からはややはずれるものもありました。また、内容的にはかなり専門的で高度な記述が多く、監修するにも苦労するほどでした。その苦労も今日で終わりとなります。浜口さんの笑顔を思い出すと、ちょっと寂しい気持ちになり、そしてほっとした気持ちでいます。
 この雑誌を読んで勉強しているバードウォッチャーが相当するいることになりました。日本のバードウォッチング業界の発展に、なんらかの影響を与えることになるのでしょうか。 

2012年5月24日 (木)

目の不自由な方の野鳥録音

 インターネットとはありがたいもので、思わぬ交流ができます。今日、会ったMさんは、拙ブログを読んだのをきっかけで1ヶ月ほど前に「(野鳥録音は)場所的には、どの辺で録音するのがいいですか?」という質問メールをくれたのが最初です。「都内でもできるけど、軽井沢などに行くと良いよ」などと返事を書いたら「さっそく軽井沢の野鳥の森で録音してきた」と返事をくれました。ここまで、性別も年齢も職業もわかりません。文章がつたないのでちょっと心配になって「自己紹介してほしい」と言ったら「20歳、目が不自由で、点字の校正が仕事」とのこと。文章の変換ミスは、コンピュータの機能の問題でした。
 そのMさんが六義園に来るというので、今日の午後いっしょに歩きました。介添えの方も同行です。驚いたのは、全盲で白い杖をついているのに歩くのは私より早いのです。そして「メジロが鳴いた」など、すぐに鳥の声に気がつきます。今日の六義園での発見はモズです。この季節、六義園にモズがいるのはとても珍しいことです。ただ、鳴いていませんので「モズが見える」と教えたら「さっき声が聞こえた」と、すでに彼は発見していたのです。参りました。脱帽ですね。
 ところで、目の不自由な人はどんな機材を使って録音しているのでしょう。さっそく、Mさんが使っている機材を見せていただきました。目の不自由な人のための録音機というのがあって、名称はプレクストークです(写真)。

Plextalk

 Mさんは、これにオーディオテクニカのAT9944を外付けして録音していました。今日もプレクストークは首から下げて、リュックにはAT9944が入っていました。
 プレクトークのサイトです。http://www.plextalk.com/jp/
 機能についてはよくわからないのですが、さすが目の不自由な方用の機材であって操作ボタンは大きく使いやすそうです。Mさんは手探りで、操作をしています。暗闇のなかでの録音ならば、健常者も同じ条件なのですから、この操作性は他の録音機にほしいものです。Mさんは、このセットで先日、軽井沢野鳥の森でオオルリの録音をしているのです。
 Mさん。今日の六義園は、とても天気が良い上に、午後にも関わらず野鳥も良く鳴いてくれました。おかげでとても貴重な体験ができました。これからも、がんばって野鳥録音にチャレンジしてくださいね。

2012年5月23日 (水)

犯人は誰だ?

 数日前のことです。出かけようと、玄関を出るとドアの前に小鳥の羽毛が散っているのに気がつきました。

Nazonoumou

 色と大きさからスズメのものだとわかります。翼や尾羽の羽毛で、これだけの量の羽毛を失えばかなり厳しい状態だと思います。いったい誰がどうしたのでしょう。
 我がマンションは10階建ての7階部分。西側を六義園、東側を本郷通りに面しています。玄関は、本郷通り側にあります。スズメは、ふつうにいます。ただ、まだ幼鳥は見ていません。それに散った羽毛は幼綿羽はなく、成鳥のものです。ですから、犯人は成鳥のスズメを捕らえたことになります。
 7階ですからネコが上がってきたとは思えません。となると、猛禽類ということになります。スズメを捕らえるのは、オオタカかツミでしょう。なかでも、ツミの可能性が高いと思います。ここ1ヶ月ほど前に六義園で、ツミの声を聞いています。ひょっとすると近くで繁殖をしてるのかもしれません。それとも、繁殖年齢にいたらない若鳥が立ち寄ったのでしょうか。
 しかし、人の近く、さらに閉鎖された空間までスズメを追い詰めて捕らえることをするのでしょうか。それとも、ツミが都会で生きていく上で新たに習得した狩りの仕方なのでしょうか。
 それにしても、なぜよりによって我が家の前だったのでしょう。考えれば考えるほど、不思議な羽毛でした。

2012年5月22日 (火)

デジスコ通信に投稿-「なぜ、餌付けを悪いと思わないのか」

 先日、山の中でオオルリの密猟者に遭遇しました。寝不足の頭でしたので、うまく対応できなかったというか逃げられました。
 オオルリが懸命にさえずっているのですが、どうも様子が変です。よく見ると、1畳ほどの大きさカスミ網が張ってあって、雄のオオルリが1羽入った籠がおいてあります。そして、テープでオオルリのさえずりを流しています。そばには、四駆がとめてあって2人のオヤジが座っています。
 そのため、オオルリが賢明にさえずっていたのです。網が小さいせいか、テープの音質が悪いせいか、捕獲されることはありませんでした。
 密猟者の一人は土建会社のネームの入った作業服を着ています。こちらは、3人だったので「見つけた以上、通報するしかないか。車のナンバーは宮城の○○○○ね。会社は××土建ですか」と言ったら「囮のオオルリを逃がしますから勘弁してください」と、ペコペコ謝りながら、あっという間に逃がし、あっという間にかたづけて行ってしまいました。
 今まで、日光などで山歩きをしても密猟者に会ったことはありません。そのため、密猟者への対応経験が私にはありません。実は、ここは携帯電話が通じないところですし、人気のない山の中です。もし、逆ギレされ向こうが武器になるような物を持っていたらと思うと、気の小さな私としては逃げてくれて良かったと思ってしまいます。ところで、悪いことをしていると解っていいると、この密猟者のように平謝りに謝るパターンが多いのではないでしょうか。あるいは、いろいろ言い訳をするのが普通です。
 しかし、野鳥カメラマンが餌付けをして野鳥を寄せているのを注意をしたら逆ギレされたという話を聞いたことがあります。逆ギレするのは、悪いことをしているという認識がないためではと思います。私が鳥を見始めた1960年代は、人の手から鳥が餌をとって食べるなんて夢のようでした。しかし、今や多くの鳥があっという間に餌付いてしまいます。ですから、それを利用して写真を撮る流れができてしまったのは当然と言えば当然です。
 退職後、野鳥写真を撮り始めた多くの団塊の世代に人たちにとっては、夢であった餌付いた鳥なのですから罪悪感は希薄ではないか。という話を『デジスコ通信』に投稿しました。ご高覧いただければ幸いです。
 http://www.digisco.com/mm/dt_63/toku1.htm
 いろいろな活動に、野生動物の生活には影響を与えない。関わらないというコンセプトを当てはめては考えています。

2012年5月21日 (月)

金環日食は野鳥に影響を与えるか

 この週末は、日光市で行われた柳生博日本野鳥の会会長の講演会。その後、E村さん、A部さん、Tさんと栃木県東北部の山の中で野宿をし、コノハズク三昧の夜を過ごしました。この山の中でオオルリの密猟者に遭遇とネタがたくさんありますが、今日はこれでしょう。金環日食が野鳥に影響を与えたかです。
 次の図は昨夕、日光の山のなかに置いた録音機のデータです。タイマー録音で午前3時から開始、8時終了です。5時間分を表示しています。なお、ステレオをモノラルに変換、増幅し波形が見やすいようにしています。

Eclipse120521

 まず、3時台の長く大きな波形のピークはフクロウの笑い鳴きです。まだ、夜の鳥の時間です。実際に、小鳥たちが鳴き始めたのは日の出時間の午前4時30分の30分前です。いくつもピークが見えます。鳴いているのは、コサメビタキ、クロツグミなどです。
 日光の金環日食は7時30分頃です。私が見ていて太陽の欠けたのがわかるようになったのは、午前7時15分頃。ちょうど、この頃に波形のピークがあります。このピークの声はクロツグミです。ただし、さえずりではなく「コッ、コッ」あるは「キョ、キョ」と聞こえる地鳴きです。この声は、朝さえずる前に鳴いたり、夕方さえずりの後に出す声です。ですから、このクロツグミは明るかった太陽が暗くなり始めたのに反応してしまったのかもしれません。
  ただ、私の見ている限りでは、思ったほど暗くなりませんでした。kochanさんのコメントのとおりでした。ただ、晴れているのに暗くなるという今まで感じたことのない不思議な雰囲気がありました。
 日光の一例のみで野鳥が金環日食に反応したかどうかは判断できませんが、このような例がほかでもあれば面白いと思ってのネタの提供です。

2012年5月19日 (土)

温度の上がらない電池-eneloop-plus

 5年ほど前に買った充電式ニッケル水素電池eneloopが、そろそろ寿命が来たようです。充電器中にマークが点滅するようになってしまいました。また、電池の縁のカバーが剥離するなど、見るからに古ぼけてきました。買ったときは1500回充電可能ということでしたので、そのくらい使ったのかもしれません。また、充電して5年間後にも使えるというのが売りですが、使用も5年がめどなのかもしれません。
 ということで、池袋の量販店に新しい充電式の電池を探しに行きました。このまえ、強力というのが売りのeneloop-proを買ったのですが、電池の持ちを実感できませんでした。使い方がまちまちなので比較するのは難しいのですが、印象では感じませんでした。
 今回、売り場を見てみると、eneloop-plusというのがありました。こちらは、「過昇温防止機能付き。エネループに万一の誤使用時にも電池温度上昇を約50℃以下に抑制する機能をプラス」でplusだそういです。要するに熱くなりにくい電池であると解釈いたしました。

Enelooppius

 実は、いちばん良く使用するPCM-D1は、かなり熱くなります。冬は温かくて良いのですが、夏はやけどしそうになるほど熱くなります。50度は超えていると思います。機材にとってもこれは良いことではないので気にはなっていました。少なくとも録音時は日陰に置くなどの対策は講じていますが、それでも心配です。
 ですから、温度が上がらない電池というのは魅力的です。さっそく購入、今年の夏はPCM-D1とeneloop-plusでクールに録音できればと思います。

2012年5月18日 (金)

夢かうつつかアオバズク-六義園

 昨夜、ふと目が覚めると0時でした。年取ったせいか、このところの早起きによる時差ボケか、それとも歯痛のせいか目が覚めました。ぼんやりしていると「ホホ、ホホ」という声が聞こえます。アオバズクです。この間の粟島では、夜アオバズクの声を聞きながら眠るという贅沢な体験をしました。きっと粟島の夢を見ているのだと思っていると、起きている自分がわかりました。マンションの厚い窓ガラス越しですから、かすかに聞こえる程度、空耳かもしれないと思い窓を開けると確かに聞こえます。
 すわ録音と、電気を灯すと聞こえなくなってしまいました。ぼんやりした頭で、長時間録音ができるPCM-D50を選び、確か夜は雨の予報でしたからビニールに包み雨の当たらないベランダに置いておきました。
 朝起きると寝ぼけて設定したわりには、録音は無事に行われていました。音源をチェックすると午前1時30分頃から本降りの雨の音、そして雨が小ぶりになる3時頃には、もうハシブトガラスのネグラ立ちの声が入っています。勝負は0時から1時30分まででした。
 スペクトル表示を丁寧に見ていくと、アオバズクの声の600Hz~800Hzにパターンがありました。聞いてみると確かに鳴いてます。夢ではありませんでした。アオバズクの部分のボリュームを上げ、それ以下の低音を下げ、ノイズリダクションをかけています。

「BrownBoobook120518.mp3」をダウンロード

 録音できたのは、10秒間程度鳴く声が2回。かなり遠いです。ガラス越しでこの程度は聞こえたのですから、最初は近かったと思います。渡りの途中に六義園に立ち寄ったものですが、鳴いても答える声がないで短時間で鳴き止んでしまったようです。
 六義園では、1950年代に繁殖していたと言われています。近くの上中里の平塚神社では1980年代も繁殖していました。ですから、六義園でも当時は5月中旬に夜に声を聞くことがありました。ところが、六義園側に引っ越してきて12年、アオバズクの声を聞いたことはありませんでいた。やはり、カラスのねぐらの存在をフクロウ類が敬遠してのことでしょう。昨夜の六義園のアオバズク記録は、1988年以来、24年ぶりとなります。

2012年5月17日 (木)

日食は、2度美味しいかも

   いよいよ金環日食が、4日後にせまってまいりました。当日の天気が心配な今日この頃です。今、気になるのは天気とともに金環日食でどれだけ暗くなるかです。以前、皆既日食のときに暗くなったために、鳥たちが鳴き始めたという報告があります。もし、同じように暗くなるのだったら、夜明けがまた来たと思って野鳥たちが鳴き始めるかもしません。そうなると、5月21日は夜明けのコーラスを2回楽しめることになります。
 この金環日食によって起こる野鳥たちのコーラスを録音するチャンスは貴重です。この日、長時間録音をすればピークが2回来るようすを捕らえることができるかもしれないのです。
 今日時点で、天気予報は曇り模様。曇りで金環日食が見られなくても、暗くなれば2度目のコーラスを録音することは可能です。天気とはあまり関係なく日食を楽しめるのは野鳥録音ならではのことではないでしょうか。
 さて、どこで金環日食を迎えるか、思案のしどころです。

2012年5月16日 (水)

BIRDER誌で打ち合わせ-夜の鳥特集

 本日午後は、BIRDER誌の編集部へ。20年以上ぶりに文一総合出版社へ行ったら場所が変わっていました。ところで、打ち合わせは杉野編集長と8月号の”夜の鳥”特集についてです。
 一昨年からYAMAHA W24でタイマー録音をするようになって、夜の鳥たちの世界を垣間見ることができるようになりました。たとえば、日光戦場ヶ原の夜はフクロウとオオジシギ、ホトトギスが競演していました。同じく山のなかは、ヨタカ、ジュウイチ、ホトトギス、フクロウ、トラツグミがコーラスをしていました。夜の自然が、こんなにエキサイティングで生き物たちの息吹で満ちあふれているとは思ってもみませんでした。今までの昼間のバードウォッチングでは、野鳥の魅力の半分しか体験していなかったことになります。
 しかし、昼間のバードウォッチングと違って、夜や夜明け前に自然のなかに身を置くというのは、それなりの覚悟と準備が必要です。そのため、失敗はしたくありません。できる限り成果を上げるために事前のタイマー録音による確認が有効だと思います。夜の鳥たちを楽しむためにタイマー録音で鳥たちの活動を確認し、次に野宿をして生で聞くという楽しみ方はいかがでしょうか。
 そんな、夜の鳥の楽しみ方をいろいろ企画してきました。どんな特集になるのか、どうぞご期待ください。

2012年5月15日 (火)

今年も粟島

 12-14日と粟島に行ってきました。Tさんとカミさんが同行です。
 12日は高速船は欠航するほど大荒れ、フェリーはかなり揺れました。この日は、寒い上に風が強く、その上小雨が降るというわびしい感じの天気です。夕方の気温を見たら5度、風も強かったので体感的には真冬でした。パジャマ、レインコートなど、持って行った服を全部着て、使い捨てカイロを腰に入れても寒かったです。唯一の慰めは、島にある乙姫の湯という温泉でした。
 12日は、島を一周して状況の確認をしました。ヒヨドリやツグミが多く、行き交う鳥影は少なくありません。じっくりと探せばいろいろ発見がありそうです。この日は夕食を早め食べ、オオミズナギドリのコロニーへ行きました。現地着は午後8時頃となりましたので、あたりは暗くなっていました。曇りでときどき小雨が降っているので、思ったより暗い中での観察となってしまいました。しかし、道路から見ていると目の前をオオミズナギドリが飛び交い、ときどき鳴き合う声がすぐ近くで聞こえました。おそらく、車で行けるオオミズナギドリのコロニーなんて粟島だけではないでしょうか。
 13日は、午前4時より活動を開始。歩いて行ける畑で最初に見た鳥は、ホシムクドリというさい先の良いスタートです。ただ、まだ寒くて鳥は少なめ、にぎやかなのはヒヨドリとカワラヒワという感じです。竹林の近くでは、不明のツグミ類のさえずりがさかんに聞こえ録音しました。マミジロ似なのですが、わかりませんでした。また、ネコのような声がしたので、すわコウライウグイスかと思ったらネコでした。
 午前中は、島の北にある鳥崎へ。ここでは、ヒヨドリ1000羽くらいの群れが海を渡ろうと右往左往していました。何度も海へ出ようとするのですが、また戻ってきます。風のせいかときどき姿を見せるハヤブサのせいか、とうとう海に出るとことまでは見られませんでした。
 午後、Tさんが馬場のあたりの海辺で、ハシグロヒタキを発見。だんだん、粟島らしくなってきました。ここでは、胸に赤みのあるツバメがいました。大陸の亜種なのでしょうか。
 その後、竹林の上まで登ると良い感じの森が広がっていました。見上げると、エゾビタキ、センダイムシクイ、キビタキの♀、そして一瞬ですが、眉が白く見えるキビタキが見えました。マミジロキビタキかと思ったのですが、翌朝この場所に置いた録音機には、ムギマキのさえずりが入っていたので、ムギマキだったのかもしれません。
 昨夜は、9時に寝てしまいましたが、Tさんの話では隣の神社でアオバズクが良く鳴いていたとのこと。バイノーラルのマイクを持ってきたので、録音機を仕掛けておきました。アオバズクは、午後9時に鳴き始めて2羽が鳴き合い、さらには雌らしい声も入っていました。連休に粟島を訪れた仲間からは、今年はアオバズクが鳴いていなかったと報告を受けていたのです。やっと、到着してくれたようです。
  14日朝は、午前4時から活動開始。ツグミ類がほとんどいなくなり、ホオジロ、カシラダカは健在。相変わらず、ヒヨドリとカワラヒワがたくさん飛び交っています。
 この日は午前中、どんどん気温があがり暑くなりました。牧平を歩くと日陰から日陰へ歩いて行かないと干からびそうでした。ここでは、ノビタキが雌雄合わせて6羽、ノビタキの群れというのを初めて見ました。このほか、ホオアカが多く、近くの森からはツツドリの声が絶えず聞こえ、ときどき飛び交っていました。ここでのヒットは、ブッポウソウ。森から飛び出してくれました。なお、ここに置いた録音機には、早朝コルリが良く鳴き、ぐぜりからさえずりへだんだん歌が上手くなっていく様子が録音されていました。
 ということで、天候も日替わり鳥も日替わる粟島でした。帰りの高速船では、イルカ100頭の群れが船と平行して通過するなど、最後までエキサイティングな粟島でもありました。
 お土産代わりのムギマキのさえずりです。YAMAHA W24でタイマー録音。午前4時頃です。ボリュームの調整、低音ノイズの軽減、ノイズリダクションをかけています。
「mugimaki_flycatcher120514_0300e.mp3」をダウンロード

2012年5月11日 (金)

無意味な剪定

 この季節、街を歩いていると丸坊主になった樹木を見つけることがあります。殺風景というか不思議な光景です。私が、ハシブトガラスの営巣調査を行っていたときは、丸坊主にされた木は、かならずカラスの巣があった木でした。巣落としを園芸業者に頼むと、木を切るのが商売の業者は剪定までしてしまうようです。
 写真は、近所の風景です。左側が私立中学です。この丸坊主に剪定されたヒマラヤスギでは、毎年ハシブトガラスが営巣していました。雛が落ちない限り高い木ですので、静かに子育てをしてた夫婦です。もしかしたら、雛が落ち生徒が攻撃されたのかもしれません。
 そのためでしょうか、このとおり丸坊主にされてしまいました。同じように、校庭にある樹木は全部丸坊主にされています。

Sentei

 しかし現在、右側の個人宅のヒマラヤスギに巣があります。剪定されたヒマラヤスギを雄は、見張り場として利用しています。今のところ、順当に子育てが進行しているようです。
 大きな樹木を何本も剪定するのは、相当お金がかかったことと思います。しかし、カラスにとっては、他の木を利用すれば良いだけのことでした。そして、雛が落ちれば生徒がまた攻撃される脅威は、以前と変わることはありません。
 ただ、お金を使って、殺風景な校庭になっただけのことでした。 

2012年5月10日 (木)

バイノーラル録音-カミナリ

 今日は、見事に天気予報が当たりました。午後2時頃に真っ暗になったと思ったら、突風が吹きカミナリが鳴りはじめ、大粒の雨が降ってきました。
 これは、バイノーラル録音の実験をするチャンスと思い、ベランダにマイクと録音機をセッティングしました。録音的には残念なことに、カミナリは遠くで鳴っておりましたので、やや迫力に欠けますが、こんな音で録れました。
 録音は、Primo EM4201とYAMAHA W24の組み合わせ。イヤーフォンかヘッドフォーンで聴いてください。カミナリが鳴り風が吹き雨が降り出したところです。編集加工はしていません。
「thunder120510_1355.mp3」をダウンロード

2012年5月 9日 (水)

『朝の小鳥』6月分収録-ききなしが聞こえない

 今日は、文化放送にて『朝の小鳥』のスタジオ収録でした。6月の放送分のナレーション録りです。6月のテーマは、以前登った兵庫県妙見山の鳥たちです。
 収録後の雑談で、ディレクターのS木さんもアナウンサーのI川さんもホトトギスもジュウイチもそれぞれ「ホトトギス」「ジュウイチ」と鳴いているようには聞こえないと言われました。以前も聞きなしをシナリオに盛り込むと、そのようには聞こえないと言われたことがあります。
 どうも私たちは、そう鳴くものだと思い込んで聞いているためにそのように聞こえてしまうのではないかと思いました。たとえば、ホトトギスは「キョキョ」の連続でその抑揚、アクセントが聞きなしの「特許許可局」や「テッペンカケタカ」に似ていることになります。ホトトギスがホトトギスと鳴くと言っても「ホ・ト・ト・ギ・ス」と言っているわけではありませんので、そのようには聞こえないということになります。ジュウイチも「ビリ、リリーン」と鳴いているのであって「ジュウイチ」と言っているわけではありませんので、そうは聞こえないというのが正直な意見です。
 初心者の方に「今、焼酎一杯と鳴いたのがセンダイムシクイ」と言っても、わかってもらえないことがあります。こちらとしては、当然そう聞こえると思って言っていても、初心者の方には「ピー、ピー」鳴いているとしかわからないのです。
 鳴き声の表記や表現は鳥仲間に代々言い伝えられてきたものであり、そう鳴くと思い込んでいるからそのように聞こえるものであることがわかります。これから、ききなしネタが使えないというになると、シナリオを書くのに苦労をしそうです。
  6月の放送内容は下記の通りです。
  3日 ホトトギス
  10日  ミソサザイ
  17日  クロジ
  24日  ジュウイチ

2012年5月 8日 (火)

ハシボソガラスの営巣-その後

 ご近所で巣作りしたハシボソガラスのその後です。
 前回の記事は「都心でハシボソガラスが巣作り」です。
 現在、都心でハシボソガラスが繁殖するのは、とても珍しいことです。少なくとも、今回ハシボソガラスが巣を作っていた場所は、私のハシブトガラスの営巣調査を行った地域です。ここでは、5年間で延べ250個を調べましたが、すべてハシブトガラスでした。
  営巣をHさんが発見したのは3月初め、私が確認したのは4月6日。その後、数回見に行っていますが、卵や雛の様子はわかりませんでした。少なくとも、4月6日は2羽が巣のまわりにいて私を警戒いたしました。また、5月1日には、1羽が巣のそば、もう1羽が線路を挟んで反対側のビルの上で見張りをしていました。
 ですから、そろそろ雛が出ている頃ではなかいと、昨夕ようすを見に行きました。行ってみると、カラスの気配はありません。小1時間待ってみましたが気配はなし。巣の中も静かです。周辺を歩いて探しましたが、ハシボソガラスはいませんでした。
 ハシブトガラスですと巣立った後も巣のまわり、親のなわばり内でしばらく過ごします。ハシボソガラスの経験がないのでわかりませんが、こうも一気にいなくなるとは思えません。ひょっとすると、失敗したのかもしれません。
 今回は、観察回数がとても少ないのでなんとも言えませんが、少なくとも巣立ちまではいたらなかったようです。六義園のネグラに向かうハシブトガラスのコースに近い巣ですので、難しかったのかもしれません。
 いずれにしても、都心でのハシボソガラスの繁殖。これが新たな傾向の始まりになるのか、今後も注意が必要です。

2012年5月 7日 (月)

連休の録音-日光

 連休後半は、日光でした。道路は混みますし、3日の大雨のおかげで水音はうるさいという中で、少しでも効率良く録音をしようと思案いたしました。
 先日、バイノーラル録音の実験をした水場は、ジャバジャバと水音を立てて流れているので、この前に置くのは断念いたしました。少し離れた所に置きましたが、川音沢音からは逃げられず、強くノイズリダクションをかけてやっと聞くことができる音にすることができました。鳥は、キビタキ、シジュウカラ、クロツグミ、アカゲラです。Primo EM4201とYAMAHA W24の組み合わせ、タイマー録音で午前4時30分頃です。

「burog120505_0300.mp3」をダウンロード

 翌日は、上に行けば沢がないだろうと思い霧降高原で試みました。ただ、こちらは車やバイクが一晩中走っている可能性があります。しかし、車の合間に鳥が鳴いてくれれば何とかなるのではという皮算用です。翌朝、回収に行くとバイクが追い抜いていき、明け方の寒さの中、オープンカーが走っているのですから、さぞ夜中もうるさかったことでしょう。ところが午前3時~4時は7台、4時~5時は4台、5時~6時は8台で、コーラスのピークの4時台は少なく、多くのさえずりを生かすことができました。その一部です。鳥は、エゾムシクイ、ウグイス、ゴジュウカラなど。同じく、Primo EM4201とYAMAHA W24の組み合わせ、タイマー録音で午前4時20分頃です。ボリュームの調整、低音ノイズの軽減、軽くノイズリダクションをかけています。

「burog120506_0300.mp3」をダウンロード

  いずれもヘッドフォーン、またはイヤーフォーンで聞いて比べてみてください。
 今回のように悪条件のなかいろいろ思案思考して、少しでも良い方向を見いだして録音する、知識と経験を生かして録音をすること。これも野鳥録音の楽しみであるのではと思いました。

2012年5月 3日 (木)

ダイシャクシギビール-干潟茶屋

 4月、谷津干潟にハイイロヒレアシシギを見に行ったおり、谷津干潟自然観察センターのなかにある干潟茶屋で、ハマシギビールをごちそうになった記事を書きました。
 そのおり、ダイシャクシギビールも近々、発売すると教えていただきました。先日、一晩置いた録音機回収のおり、干潟茶屋に行くと、ダイシャクシギビールが完成とのこと。さっそく試しました。ハマシギビール同様、ラベルには長島充さんの版画のダイシャクシギが描かれています。

Curlewbeer

 ハマシギビールがエール系で濃厚な味わいに対し、ダイシャクシギビールはすっきり系です。昼から飲むには、ダイシャクシギビールのほうがしっくりくる味でした。好みもあると思いますので、どうぞ飲み比べてお確かめください。
 昼からビールを飲んだので眠くなり、録音した音を聞きながらセンターのソファで昼寝をしてしまいました。おかげさまで、至福の時を過ごすことができました。

2012年5月 2日 (水)

カラス営巣調査-六義園

 今日は、天気が悪いという予報でしたが、午前中はなんとか持ちました。そのため、六義園のハシブトガラスの巣を探しました。未調査のエリアがありますが、今日現在10個の巣を確認いたしました。
 過去13年間の調査で、六義園におけるハシブトガラスの巣の数は多い年で24個、少ないと15個です。今シーズン、巣材をくわえたカラスを見たところで巣を見つけられなかったり、私に威嚇をするカラスがいるのに巣を見つけられないところもありました。ですから、まだこれから見つかることと思います。
 ここ数年の傾向では、巣の数は減少気味です。また、巣が高いところに作られている傾向があります。かつては、3mほどの高さにあり、雛の成長ととともに来園者を攻撃するなどの軋轢が生じました。しかし、高ければ人との距離が保てるので、ここ数年は来訪者が襲われたというアクシデントはありません。
 ただ、まだ密度は高いですね。今日、発見した巣のなかには10数mしか離れていないものもありました。はじめ、1つは試作巣かと思いました。しかし、しばらく観察していると、どちらの巣にも親鳥がいることがわかりました(下写真)。

Crownest120502

  去年は、頸椎症で上を向いて行う調査がとてもつらいものでした。頸椎症がやっと直ったのは今年に入ってからのこと。今日は、午前中いっぱい上を向いていたので、首が痛くなりました。私にとって、頸椎症は職業病ですね。

2012年5月 1日 (火)

キビタキが渡っていく-六義園

この冬は、冬鳥が不調だった分、今期の夏鳥は順調なような感じがします。六義園では、オオルリが先月中旬より記録され、ここ数日はキビタキの番となりました。
 今日は、六義園のセンサスの日。K藤さんとK久保さんが同行してくれました。センサスコースをしばらく行くと、やはり迎えてくれたのはキビタキのさえずりです。
  YAMAHA W24で録音、ボリュームの調整、低音ノイズの軽減、ノイズリダクションをかけています。

「narcissus_flycatcher120501.mp3」をダウンロード

 渡り途中とは、思えない元気なさえずりです。これだけ、きれいな声の雄は、さぞ姿もきれいだろうと3人で一生懸命探しましたが、どうして見つかりません。六義園の木々は、すでに葉が生い茂り小鳥たちの姿を隠しています。逆に鳥からは、こちらの姿が見ないようで頭の上で鳴いてくれました。それにしても、きれいな声でした。
 

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