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2012年5月28日 (月)

どこから肉になるのか-カラスの共食い

 先日、朝からハシブトガラスの声がうるさくて目が覚めました。声は、午前6時頃から六義園でさかんにしていました。開園時間の9時に園内に入ったときも、同じようににぎやかでした。オオタカがいるのかと思っていましたが、巡回中の職員の方が「弱ったカラスがいる」ということで、なっとくが行きました。カラスがカラスを襲っていたための騒ぎでした。
 現場に行ってみると、近づいてもうずくまって飛ぶ力もないハシブトガラスがいました。

Crow120525

 このカラスは、肛門をつつかれかなりの量の出血をしています。職員の方が捕まえると簡単につかまり、逃げる力はありません。かわいそうですが、このままでは苦しませるだけなので埋めてやりました。
 このカラスは、カラスに食べられそうになっていたことになります。カラスは、共食いをするから残酷だとイメージがあります。野生生物の世界では、共食いはけして珍しいことではありません。ことカラスに限ったことではないことをまずお断りしておきます。
 不思議なのは以前、私がハシブトガラスの死体を拾って持って歩いたら、あっという間に100羽ほど集まってモビングをかけられました。かなり怖かったです。はやし立てることで、仲間を助けようする意図を感じました。
 そうかと思うと、交通事故にあった仲間のカラスを数羽のカラスが食べているところを見たことがあります。
 今回の朝からの騒ぎで、考えられるのは番相手が傷ついた連れ合いを守ろうとしての戦いです。それにしては、長時間でしたし多くのカラスが参加していたので、守ろうとするカラスと食べようとするカラスがいて、そのいさかいでなかったかと推測します。
 以前から私が疑問に思っているのは、いったいハシブトガラスは、どこから仲間と認識し、どこから肉と認識するのかということです。動かなくなったというのは、今回の生きていたのですからありません。また、動かない死体を持っていてもモビングをかけられました。ですから、その線引きがわからないのです。
 頭の良いカラスだけに、刺激に対しての反応は単純でないことは十分、想像できます。しかし、今までの観察例から推測すら思いつきません。
 これもカラスの謎のひとつです。

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コメント

死体を持っていると集合するのはモビングなんでしょうか。私はちょっと違う感じがしています。威嚇される感じがないからです。この行動は死体ではなく、黒いものを持っているだけでも起こります。音声は明らかに集合の意味を持つものですから、集まることに意義があることになりそうです。しかしながら、未だにこの集合については未だに合点がいく考えに至っていません。

シバラボ様
 慶応大学のI沢先生も、黒いスリッパを持っただけでも反応したとおっしゃっておりました。黒いものを持っている人はたくさんいるのですから、すべて反応しているとは思えません。人を見ているのでは。
 モビングの定義がやや曖昧で、よくわからいのです。集合がかける鳴き方をモビングコールとしていました。
 このあたりから整理が必要ですね。

やや擬人化のし過ぎであるかもしれませんが、カラスが高い知能を持ちながら、その集団が厳格な社会的な秩序を持たない烏合の衆である事を考えると、ヒトの集団心理的なものに近しいのかと思いました。

世間に殺人事件への反応とホームレスの死への反応のようなもの、というか。
言語的なものではありませんが、「あれは」「あいつは」と騒ぎ立てる感覚と、傍目に死にそうなものを死んでも当然と踏みにじるような感覚というか。つがいや、つながりのあったカラスが助けようとする所からもそれは伺えます。

「肉か、仲間か」という判断よりも、どちらも「状況」に向けられる集団意識と野次馬的な感覚であるとしたほうが、説明がしやすいのです。

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