目の不自由な方の野鳥録音
インターネットとはありがたいもので、思わぬ交流ができます。今日、会ったMさんは、拙ブログを読んだのをきっかけで1ヶ月ほど前に「(野鳥録音は)場所的には、どの辺で録音するのがいいですか?」という質問メールをくれたのが最初です。「都内でもできるけど、軽井沢などに行くと良いよ」などと返事を書いたら「さっそく軽井沢の野鳥の森で録音してきた」と返事をくれました。ここまで、性別も年齢も職業もわかりません。文章がつたないのでちょっと心配になって「自己紹介してほしい」と言ったら「20歳、目が不自由で、点字の校正が仕事」とのこと。文章の変換ミスは、コンピュータの機能の問題でした。
そのMさんが六義園に来るというので、今日の午後いっしょに歩きました。介添えの方も同行です。驚いたのは、全盲で白い杖をついているのに歩くのは私より早いのです。そして「メジロが鳴いた」など、すぐに鳥の声に気がつきます。今日の六義園での発見はモズです。この季節、六義園にモズがいるのはとても珍しいことです。ただ、鳴いていませんので「モズが見える」と教えたら「さっき声が聞こえた」と、すでに彼は発見していたのです。参りました。脱帽ですね。
ところで、目の不自由な人はどんな機材を使って録音しているのでしょう。さっそく、Mさんが使っている機材を見せていただきました。目の不自由な人のための録音機というのがあって、名称はプレクストークです(写真)。
Mさんは、これにオーディオテクニカのAT9944を外付けして録音していました。今日もプレクストークは首から下げて、リュックにはAT9944が入っていました。
プレクトークのサイトです。http://www.plextalk.com/jp/
機能についてはよくわからないのですが、さすが目の不自由な方用の機材であって操作ボタンは大きく使いやすそうです。Mさんは手探りで、操作をしています。暗闇のなかでの録音ならば、健常者も同じ条件なのですから、この操作性は他の録音機にほしいものです。Mさんは、このセットで先日、軽井沢野鳥の森でオオルリの録音をしているのです。
Mさん。今日の六義園は、とても天気が良い上に、午後にも関わらず野鳥も良く鳴いてくれました。おかげでとても貴重な体験ができました。これからも、がんばって野鳥録音にチャレンジしてくださいね。
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