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2012年7月

2012年7月31日 (火)

かゆみ止めの効果

 昆虫の季節ですが、困るのは蚊の猛攻です。六義園に通っての経験では、1980年代は蚊に刺されるのは晩夏の頃、8月下旬からでした。ところが、今世紀に入ってからは、初認は連休明けが普通となり、7月から9月まで最盛期が続くようになりました。
 風の弱い時は蚊取り線香、風のあるときは蚊除けスプレー、暑くて汗の多いときは蚊除けジェル。酷いときは、これらを組み合わせて対策をしています。それでも、蚊に刺されたときは、かゆみ止めが必要になります。
 我が家の薬の棚には、4種類ものかゆみ止めがありました。それも、皆使いかけです。出先で、かゆみ止めを忘れ買うためです。地方の薬局だとメジャーなものしかなかく、結果いろいろなかゆみ止めが溜まってしまいました。
 六義園の調査をしていて蚊に刺され薬を塗り、そのままセンサスを続けます。そうすると、どのくらいで薬が効いてきたかだいたいわかります。
 ここに並べた薬の効果は、そんなに違いありませんでした。だいたい10数分で効いています。20分でだいたいかゆみは消えてくれます。12分なのか15分の違いがあるかもしれませんが、蚊の種類、刺された場所などの他の要因を考えると、違いを検証するのは難しいですね。
Kayumidome

 右からラナケインは、キャッチフレーズの「1秒でも早く」で秒単位でかゆみが消えるような印象がありますが、やはり10分以上はかかります。ムヒアルファEXは、他の薬が5~600円なのに対し1,000円以上します。それだけに、効きは早いように思えますが、まだ1回だけなので気のせいかも。ムヒSは、もっとも手に入りやすい薬、たぶんこれは石垣島の小さな薬局で買ったものです。塗った後に薬剤が固まり、こすれてとれてしまうことが少ないのが良いです。キップパイロールは、切り傷からやけど、虫さされまでさまざま皮膚のトラブルに効きます。我が家では、子供の頃からある常備薬で”黄色い薬”と呼んでいました。この間、久しぶりに蚊に刺されたときに使ってみましたが、10分ほどでかゆみがなくなりました。葉は、ドクダミです。葉を蚊に刺されたところにすりつけると、10数分でかゆみが和らぎます。アサガオも効果があると言われていますが、アサガオのほうが、汁にねばりがありとれにくいです。

2012年7月29日 (日)

脚輪の付いたカワセミ

 4月20日のことです。六義園の鳥仲間のS根さんから「カワセミの死体を拾ったけれど、金属製のリングが付いている、どうしたら良いか」の電話をいただきました。さっそく、六義園で待ち合わせをして見せてもらいました。

Kingfisherring

 カワセミは、胸のオレンジ色がまだ薄い幼鳥で下くちばしに赤みのあることから雌。文京区千駄木にある須藤公園で見つけたものでした。なんでも、数日前からいたカワセミが窓ガラスにぶつかって弱っていた、心配で様子を見にいったら死んでいたとのこと。その経緯は、S根さんのブログに記事となっています。
  http://komaroku38.exblog.jp/17812217/
 http://komaroku38.exblog.jp/17820630/
  金属製のリングには"OXA-05836"の記号と環境省を意味する文字。これは、山階鳥類研究所が環境省の委託を受けて行っている標識調査のリングです。山階には後輩が何人もいるので、すぐに連絡。クール便で送って欲しいとのことでした。
 本日、正式な報告がありました。なんとこのカワセミは、皇居で去年の10月に標識されたものでした。なんでも去年、皇居では巣立ちが確認されていないので生まれは別のようだとのこと。それから5ヶ月、直線距離で4km離れた須藤公園にやってきたことになります。
 今日、久しぶりに六義園で「カワセミの若鳥がいた」とB場さんが報告してくれました。今ではカワセミは珍しい鳥ではなくなりましたが、少ない時には、夏から秋に若鳥が飛来していました。繁殖期が終わると、その年生まれの若鳥が生まれた場所を離れて漂行をする印象がありました。今日、六義園にやってきたカワセミも若鳥です。
 この標識されたカワセミも、都内で生まれ都内を移動していたと思われます。それも、そんなに遠くまで行かず、都内を転々と移動して行くように思います。こうした若者が新天地を見つけては、分布を広げて行くのでしょう。
 1960年代は、幻の鳥とまで言われたカワセミが復活し、分布を広げた経緯にはこんな習性が働いたのではないでしょうか。

2012年7月27日 (金)

トビは地鳴きをするのか?

 この間、行徳野鳥観察舎にある野鳥救護施設で録音を試みました。持ち込まれた傷病鳥獣が、保護飼育されています。自然状態では、見聞きすることが難しい鳥や獣のようすを観察することができるので、ときどきお邪魔しています。大きめの禽舎にはトビが数羽、収容されていました。そのトビが気持ちよさそうな声で鳴いていましたので、PCM-D1を禽舎の前に吊してしばらく録音をいたしました。
 離れて見ていると、「キョキョキョ・・・」とつぶやくように連続して鳴く声が聞こえてきました。少し離れた禽舎には、ツミもチョウゲンボウもいるので、その可能性のある声です。よく見ていると、この声と同じタイミングでくちばしを動かしているトビがいます。私は始めて聞く声です。いろいろ調べても、トビの地鳴きの記載はないので確証はありませんが、地鳴きのようです。
 PCM-D1で録音、ボリュームの調整、低音ノイズの軽減、多少のノイスリダクションをかけています。



 トビの鳴き声については、「ピーヒョロロ」以外の声の記録を見つけることはできませんでした。多少のバリエーションの違いがあるものの私自身、これ以外の声は聞いたことも録音したこともありません。
 普段よく聞くのんびりとした鳴き方の「ピーヒョロロ」は、さえずりだと思っていました。ところが、トビの巣の近くにハシブトガラスが来たときも「ピーヒョロロ」と激しく鳴くだけ。さえずりも威嚇も「ピーヒョロロ」で、ゆっくり鳴くか激しく鳴くかの違いでした。ですから、別の鳴き方をする地鳴きはないと思っていたのです。
 今回、ほんとうにトビが鳴いていたのか、そしてトビならば、この鳴き方を自然状態でもするのかなど、課題となりました。
 それにしても、トビって身近な鳥のわりに資料が少ない鳥ですね。

2012年7月26日 (木)

講演会のご案内-日本バードカービング協会

  以前、記事にいたしました日本バードカービング協会が主催するバードカービングコンクール(2012年10月21日~28日 於:東京都美術館)に関連して、協会では鳥に関する講演会を行います。協会会長の内山春雄さんの講演に加え、アホウドリを絶滅の危機から救った長谷川博教授とカラスの知恵に関する研究と鳥の渡りの解明をされた樋口広芳教授をお招きし、日頃の研究について講演していただきます。

主催 日本バードカービング協会(JBCA)
1.「バードカービングの可能性」  内山春雄・日本バードカービング協会会長
 10月27日 10:00から11:30  東京都美術館(上野) スタジオ
 定員50名 入場料500円

2.「デコイによるアホウドリの保護活動」 長谷川博・東邦大学教授 
 10月27日 13:00から14:30  東京都美術館(上野) スタジオ
 定員50名 入場料1000円

3.「鳥の渡りと地球環境の保全」 樋口広芳・慶応義塾大学教授
 10月28日 10:00から11:30  東京都美術館(上野) 講堂
 定員200名 入場料1000円

 聴講ご希望の方は、下記あて、メールまたはFAXでお申し込みください。
 先着順で受け付けし、定員になり次第、締め切りといたします。
 申し込み・問い合わせ先
 日本バードカービング協会 水上清一
 メールアドレス mizukami.s@nifty.com FAX 042-559-0662
 なお、この情報はご興味をお持ちの方への転送は大歓迎です。

 日本バードカービング協会のURL.
  http://homepage2.nifty.com/jbca/
 このイベントに関するURL.
 http://homepage2.nifty.com/jbca/news/kouennkai.htm

2012年7月25日 (水)

カルガモの雛の声を録る

 この前、安西英明さんからNHKのラジオ番組『季節のいのち』にカルガモの雛の声を貸してほしいとのことで音源をお渡ししました。先週の日曜日に放送されているはずです。
 この音源は、東京都北区の浮間公園で録音したものです。まだ、孵って10日ほどの雛の群れに録音機を向けて録りました。まったく警戒心がなく親鳥に引きつられて、足元まで来たので録音しました。浮間公園のいちばん奥なので、道路や線路から離れています。それでも、かなりの騒音で加工にはずいぶん時間がかかりましたし、納得できる音にはなりませんでした。安西さんには「無理に使わなくても良いから」と言ったのですが、雛の声が小さく騒音の多いところにいるのを知っている安西さんは「そのほうがカルガモの雛らしい」と、うれしいフォローをいただきました。
 今年もカルガモの雛を見つけて録音しようと思っていましたが、浮間公園以上の条件のところはなかなかありません。そこへ千葉県市川市の行徳野鳥観察舎からカルガモの雛が持ち込まれたという情報をいただきました。ということで、本日さっそくお邪魔いたしました。
 カルガモの兄弟は2組いて、孵って2週間ほどの雛数羽がすでに禽舎に離されています。そして、持ち込まれたばかりの孵って2、3日の雛が、まだ段ボールの中に入っていました。身体が濡れているので、とくかく温めているとのことで段ボールのなかには保温器が入っています。段ボールは禽舎のなかに置いてあります。そのため、ドバトやヒヨドリ、ハシブトガラスの幼鳥が絶えず鳴いて、とてもにぎやかです。
 その騒音のなか、段ボールに近づいて耳をそばだてると、カルガモの雛がかすかに鳴いています。とても小さな声です。これでは、いくら静かなところでも録音は難しいことでしょう。はたして、ここで録音できるのか心配になりました。とりあえず、頭の中に雛の声を入れておき、後で他の鳥との区別ができるようにしておきます。そして、段ボールの中へYAMAHA W24をつるし録音ボリュームを低めに設定して録音してみました。低めにしたのは他の鳥の声が入らないためです。とにかく、近くで鳴いてくれた音のみを収録してやろうという試みです。
 YAMAHA W24で30分間録音。雛の声のみをピックアップ、低音ノイズの軽減、ボリュームの調整、ノイズリダクションをかけています。



 「ピーイ、ピーイ、ピーイ」と伸ばす声と「ピピピ」と短く連続で鳴く2つのパターンで鳴いています。それぞれ意味があることでしょう。音域は2,000~4,000Hzと、高めですので喚起を促される音です。ただやはり声量は低く、これで親鳥とのコミュニケーションが取れるのだろうかと心配になります。考えてみれば、大きな声であれば天敵にも聞こえてしまうわけで、これが親子でギリギリのコミュニケーションを取ることができる音量なのでしょう。
 この「ピイ」と言う声が、いつから「ガアガア」と声変わりするのか、次の課題です。
 毎度のことながら、H尾さん、S藤さん、N長瀬さん。さらに他のスタッフの皆さん、お邪魔いたしました。お礼申し上げます。

2012年7月24日 (火)

「夏休み子供科学電話相談」でした

 今日は、NHKラジオの「夏休み子供科学電話相談」でした。国会中継が午前9時からのため、8時から1時間のみの放送となりました。今までは、8時30分開始でしたが、今年は30分早い開始です。わずか30分早くなるだけで、ずいぶん早起きをしなくてはならない感じでした。今日は、5時20分に起きての準備でした。野鳥録音のためならもっと早起きをしてもがんばれるのですが、鳥以外だとかなり苦になります。
 毎度、鳥の質問が少なく肩身が狭いですね。私の出演日も含め、同じく野鳥担当の中村忠昌さんの日もお子さんお孫さんのいる方、ぜひ鳥の質問をお寄せください。
 放送が終わっても仕事はまだ終わりではありません。NHKのWebサイト用の収録があります。その日の質問から1問選んでスタジオでマイクを前に1人でしゃべるのです。時間は1分程度で、質問と答えを話さなくてはならないのです。これが、けっこう難しいのです。原稿はもちろんありません。メモ程度で話ます。それなのに原稿を棒読みしているようになるのは、素人なのでどうぞお許しください。
 下記のURLで、先生方の解答を聞くことがあります。ラジオを聞き逃した方、どうぞお聞きいただければ幸いです。
 http://www.nhk.or.jp/radiosp/kodomoq/

2012年7月22日 (日)

『野鳥の声を探して-良ちゃんの韓国一人旅日記』

 バードコールの田中良介さんからご著書をいただきました。題して『野鳥の声を探して-良ちゃんの韓国一人旅日記』です。自費出版です。

Tanakabook
 田中さんは、福岡を中心に野鳥録音をされている方です。録音された野鳥の声をCDに焼いて、目の不自由な方に配布するなどの活動を行っています。私には、タイマー録音の方法を伝授してくれた方でもあります。
 その田中さんが去年2週間、韓国に行きジョウビタキ、セグロカッコウ、ダルマエナガ、コウライウグイスなどの声を録音してきました。お得意のタイマー録音で、韓国のコノハズクもなんとかゲット。韓国での録音は、お寺に行くと良いということを知りました。お寺の周りには樹木が多く、野鳥がいるのです。交通の便もそこそこ良くて、宿もあるということになります。そのため、野鳥ばかりではなくお寺の梵鐘から読経など、韓国らしい音も録音しています。言葉が通じず文化も異なるなか、チャレンジ精神をめいっぱい発揮して録音する田中さんの奮闘記でもあります。団体旅行では、ありえないアクシデントの数々、一人旅ならでは苦労と楽しさがいっぱいです。
 ところで、私が粟島で録音した謎の鳥の声が田中さんが韓国で録音したコウライウグイスと一致してコウライウグイスとわかったのも、この韓国旅行のおかげでした。
 韓国で野鳥録音はもちろんバードウォッチングをしようと思ったら、とても良いガイドブックになっています。さらに、韓国の文化、韓国の人々の暮らしと考え方もわかり、人情にも触れてほっこりとさせられました。私もいつか行ってみたいと思いました。
 田中さん、どうもありがとうございました。

2012年7月21日 (土)

カラスはジャマーが好き?

  長時間録音やタイマー録音のために、録音機を自然の中に長時間、置いておくことが多くなりました。山の中に置いた録音機を獣が臭いをかいで行く音が入っていたり、アシ原に置いたらタヌキにかじられたりと、今まで経験したことのない面白いアクシデントに出会っています。
 この間の粟島の録音行で、いっしょに行ったTさんがオオミズナギドリのコロニー近くにタッパにいれたPCM-D50を一晩置いておきました。ところが翌朝、回収に行くと録音機がひっくり返っていたのです。タヌキか野犬かとその場では推測しましたが、後で録音を聞いたら、カラスがつついている音が入っていて犯人の声も録音されていたとのことでした。さらに最近、またカラスにやられたとTさんから報告を受けました。
 私も去年、同じ粟島で神社の縁の下に同じくタッパに入れたPCM-D50を一晩置いておきました。録音を後で聞くと、ハシブトガラスが録音機をつつく音が録れていました。PCM-D50で録音、編集加工をしていません。そのままです。

 なかなか臨場感ある面白いシーンの音だと思いませんか。手に持っていたら、けして録ることのできない音でもあります。また、作ることもできない音ですね。
 面白いのは、Tさんは草陰、私は縁の下に置き、けして目立つところではないのです。それにも関わらずカラスは見つけ、つついたり、ひっくり返したりするのです。ハシブトガラスもハシボソガラスもなわばりにいる時は、見張り場所が決まっています。とくに、繁殖期は定位置にかならずと言ってよいほどとまっています。そこで、たえず風景を見回しているのです。ですから、いつも見慣れた風景の中に見慣れないものがあると確かめたくなるのでしょう。知能が高く好奇心の強いカラス類のこと、考えられます。
 今のところ、布製のジャマーは被害に遭ったことはありません。スポンジ製のものが被害に遭っています。カラスから見ると一見美味しそうに見えるのでしょうか。万が一、持って行かれないように何か縛り付けておく工夫が必要ですね。

2012年7月19日 (木)

今年もNHKラジオ『夏休み子供科学電話相談』

 もういくつ寝ると夏休みという時期になりました。そして、NHKのラジオ番組、子供科学電話相談の季節がまいりました。
 まず、例年通り去年の番組で取り上げられた質問の中から選ばれた『NHK子ども科学電話相談キッチンから宇宙まで ふしぎなんでもQ&A』が出版されました。私の部分は、カラスネタです。小学生から大人まで楽しめる内容になっています。よろしければ、ぜひお買い求めください。
タイトル:『NHK子ども科学電話相談なるほど解決!地球のふしぎ65』
編:NHKラジオセンター「子ども科学電話相談」制作班
定価:998円 (本体950円)
判型:B6判
ページ数:128ページ
ISBN:978-4-14-011310-3
 詳しくは下記URLで。
  https://www.nhk-book.co.jp/shop/main.jsp?trxID=C5010101&webCode=00113102012

Fusiginandemoqa

  また、今年の出演日が決まりましたのでお知らせいたします。
 私は、7月24日、30日。8月7日、30日に出演いたします。なお、もう一人の鳥の解答者であるシェアリング・アース協会理事の中村忠昌さんの出演日は、7月26日、8月1日、25日です。合わせてお聞きいただければと思います。いずれにしても、鳥の質問が少ないので、質問をお待ちしております。
 放送時間は基本、午前8時5分~11時45分です。多少日によって放送時間が変わりますので下記URLでご確認ください。ときに、事件事故、国会中継が入る可能性があり、放送時間が変わったり中止になることもあります。あらかじめご了承ください。詳しくは、下記URLでご覧いただければ幸いです。
http://www.nhk.or.jp/radiosp/kodomoq/

2012年7月17日 (火)

『鳥類地方書集成』完成-早川ご夫妻再訪

以前、記事にした日本の鳥に関する本のリスト『鳥類地方書集成』を完成させた早川貞臣さんがご夫婦で、ご挨拶にこられました。梅雨が明けたという暑さのなか、わざわざ大阪からのご来訪です。
 先日「1ヶ月遅れで、リストがやっとできました」と電話をいただきました。そして、翌日届いた小包は分厚いものでした。何冊も送ってくれて悪いなあと思い、開けるとなんと1冊。A3版860ページ、厚さ36mmにもなる本になっていました。考えて見れば、14,000冊を見開きでタイトルはもとより、著者、出版社、出版年、大きさ、ページ数、価格などを記載。それを見開きで40タイトルが収録されていますから、800ページを越える大著になることは計算できます。厚さが解るように撮影してみました。

Hayakwa1

 圧倒されるのは厚さばかりではなく、内容です。すべて、早川さんが実物を見て記録しているのです。ですから、協力してくれた図書館や博物館の施設、個人名のリストだけでも6ページにもおよび、鳥類や自然関係のリストとしても有効な資料になるというものです。
 さらに、ただ文字が並んだリストでは味けがないと、奥様が描かれた水彩画が各都道府県の扉を飾っています。本を求めて日本中を旅しているわけで、そのときの思い出の風景が描かれているのです。いわば、夫婦二人三脚で作り上げた書籍ということになります。
 私は、巻頭言を依頼され執筆いたしました。とんだ偉業に関わらせていただき、なんとも光栄の極みです。
 現状では200冊印刷し、関係機関やお世話になった個人に無料に配布されるとのこと。将来的には、ネットを通じてどう公開するかということになると思います。書籍は、毎年何冊も発行されていきます。さらに、これだけにリストですから誤記、誤植もあるでしょう。それを、管理しなくてはなりません。こうしたデータベースは生き物です。ですから、育て続けなればならないのです。
 早川さんの旅はまだ終わらないと思いますし、この”早川リスト”を育て生かす野鳥業界であって欲しいと思います。

2012年7月15日 (日)

特集・鳥たちの”夜の世界”-BIRDER誌8月号

 以前、記事としてご紹介いたしましたBIRDER誌8月号の特集は「鳥たちの”夜の世界”」です。今日あたりから書店に並んでいると思いますので、どうぞお手にとってご覧いただければと思います。

Birder1209

  私は、総論部分と図鑑部分の執筆と音源を担当いたしました。総論では、夜の鳥の魅力と録音のコツ、図鑑部分では今までの図鑑には書かれていない鳴き声の知見をできるかぎり書きました。これ以外にも、シバラボさん、石川勉さん、中村純夫さん、中村忠昌さんなど友人知人がたくさん執筆しています。
 また、何度か記事で紹介したフクロウの亜種による鳴き声の違いを発見した大阪市立大学のMさんとI上さんも登場しています。彼女たちが、東京にフクロウの声を録音しに来られたとき、ファミレスで雨の止むのを待ちながら機材を見せてもらったことがあります。同席したTさんは、彼女たちが”初号機”と言うのを聞いて「さすがガンダム世代」と妙なところを感心しておりました。
 私は、タッパに穴をあけてマイクを出して録音する方法を知ったのは、このときが初めてです。当時、タイマー録音ができる機種を持っていませんでしたので、とても新鮮に思えました。また、さすが若い人は頭が柔らかくて斬新なアイディアを駆使して研究されるものだと感心したものです。その成果が、フクロウの亜種による鳴き声の違いの発見なのですから、たいしたものです。私自身も影響を受けた彼女たちの苦労話も、合わせてご覧いただければ幸いです。

2012年7月14日 (土)

飛行機の音を回避する方法-Flightradar24

 このところ、うれしいことに友人知人が野鳥録音を始めてくれています。ところで皆、異口同音に言うのは「航空機が、こんなに飛んでいるとは思わなかった」「飛行機ってうるさいね」「どうしたら、飛行機の音を回避できますか」と航空機の騒音に悩まされています。なかには「スティンガーミサイルで撃ち落としたい」とぶっそうなことをいう友だちもいます。
 たしかに野鳥録音をしていると航空機の音が気になります。せっかく野鳥が鳴きだしたと思ったら、「ゴーッ」という音が聞こえて来ると頭に来ます。癒やしの作業のはずが、ストレスになります。
 この間、日光で録音仲間のkokekokkoさんが、面白いアプリを教えてくれました。Flightradar24です。コンピュータの場合、下記のURLで体験できます。iPhoneのアプリもあり、kokekokkoさんはアプリで持っていました。
 http://www.flightradar24.com/
  ようするに今、飛行機がどこを飛んでいるか、すべて解るwebサイト、アプリです。なぜ、これが野鳥録音に役に立つかというと、あと何分くらいで上空に飛行機がやってくるのかがわかるのです。飛行機が来るのがわかれば、録音を切り上げたり、場所を移動したり、体勢を整え直したりと、次の作業に移れます。あらかじめ来るのがわかることで、いろいろなメリットがあります。また、飛んでいる飛行機のアイコンをクリックすると、機種名や便名はもとより出発地や目的地などがわかります。今、上を飛んでいる飛行機がこれからパリまで飛んでいくのかと思って見上げれば、多少はストレスが減ると言うものです。
 また、野鳥録音に行く前に、目的地が航空路に当たっているかもわかります。飛行機が頻繁に通るような環境であれば、その時点で計画を変更すれば良いのです。
 閑なとき、このサイトを見ていると、あっという間に時間がたってしまいます。いろいろな意味ではまります。ご興味のある方、お試しください。
 kokekokkoさん、面白い情報をありがとうございます

2012年7月12日 (木)

清棲幸保さんとカミさん

 ネットオークションで、清棲幸保さんの『原色日本野鳥生態図鑑1-2』(1959年・保育社)を格安で落札することができました。この本には、思い出があります。中学校の図書室で見つけ、毎日見ていた本です。当時、写真だけの図鑑というのは珍しく、これからは写真の時代になると予兆させる本でした。2の巻末に「野鳥を撮影する」があり、コピーのない時代ですからノートに書き写しました。勉強もこれくらいやれば、成績も上がったことと思います。それにも関わらず、この本が手元になかったのは2冊で8,600円と高価だったことです。ちなみに当時、新入社員の給料は1~2万円です。

Kiyosuzukan120712

 やっと手に入れた本を眺め至福の時を過ごしていると、カミさんがとんでもないことをいいだしました。なんと「清棲さんに会ったことがある、お宅にうかがった」と言うのです。今まで37年間、そんな大事なことを黙っているなんて驚きです。バードウォッチャーならば中西悟堂さん、野鳥録音を志す者ならば蒲谷鶴彦さんにお会いしたことがあるのと同じくらい研究者ならば思う方です。その方に会ったばかりではなく、お宅にうかがっているなんて、なんとも光栄なことです。ところが、お宅に行ったこと以外、記憶が曖昧なのです。過去にこだわらないカミさんならではのことなのですが、なんと罰あたりなことでしょう。
 カミさんが中学生か高校生の頃のこと、どうしてお宅に行くことになったのか覚えていません。お宅は、当時は珍しいマンションで、奥さんにお茶とお菓子を出してもらい、野鳥の写真をたくさん見せてもらったそうです。清棲さんは優しい感じの方で、その後お亡くなりになったを知ったと言うことくらいしか記憶していません。
 清棲さんは1975年に74歳でお亡くなりなっていますから、カミさんが中学生の時ならば、お亡くなりなる数年前のことになります。また、当時のお住まいは目黒区のマンションですから間違いないでしょう。
 私がなぜ清棲さんの住所を知っているかというと、高校生だった私は中西悟堂、山階芳麿、そして清棲さんなどに年賀状を出したことがあるです。当時の本には、筆者の住所が奥付に載っていたので可能だったのです。そして、返事をくれたのは清棲さんだけで、感動したことを覚えています。
 一流の鳥類学者であり元貴族という家柄にも関わらず気さくな人柄であったことが、一介の高校生に年賀状の返事くれ、カミさんを自宅に招待してくれたエピソードからもうかがえます。
 私と時代を生きた大御所でお会いできなかったのは、清棲幸保さんと内田清之助さんくらいなのですから、珍鳥をカミさん一人で見てしまった以上に悔しいですね。
 

2012年7月11日 (水)

今日の仕事-バードカービングと『朝の小鳥』収録

 午前は、日本野鳥の会の事務所に日本バードカービング協会の水上清一副会長とコンクールの後援と日本野鳥の会賞のお願いに行きました。今日は、協会の理事としてのお願いです。
 今までバードカービング・コンクールは、秋に我孫子で開催されるジャパンバードフェステバルのイベントのひとつとして実施されてきました。今年からは、10月21日~28日に東京都美術館にて独自のイベントとして開催されます。そのため、より企画を充実させるためのお願いです。上手く展開してくれると良いと思います。
 なお、コンクールならびに展示会の実施要領は下記URLでご覧ください。今からスケジュールを空けておいていただければ幸いです。
 http://homepage2.nifty.com/jbca/
 午後は、文化放送にて『朝の小鳥』のスタジオ収録です。8月放送分のナレーション録りをいたしました。8月は、宝剣岳の裾野に広がる千畳敷カールの野鳥たちです。暑い季節だけに、少しでも涼しさを感じてもらえればと思っての音造りとナレーションを考えました。
 以前、標高1,000mで体調の変化、とくにお腹に膨満感を感じる話をいたしました。千畳敷カールは2,400mですから、より感じました。まず、坂道がきついです。普段ならば、どうってことのない登りで息が切れます。とくかく、身体が重く感じます。また、アルコールのまわり方がいつもと違うのは驚きました。1階のレストランで、夕食のときに中ジョッキ1杯のビールを飲みました。これは、いつもと同じ量です。そして、食事が終わり2階の部屋に行くために階段を上ると猛烈にアルコールが回ってきました。部屋にたどり着くと、立っていられないほどです。昔、高校の恩師が「金がない時は、酒を飲んだら鼻をつまんで駆けると酔える」と教えてくれましたが、そんな感じです。とにかく動悸が収まるまで、動けませんでした。気圧が低いということは、こうまで身体に影響するのか驚きました。
 しかし、メモリー録音機は良いですね。気圧の変化の影響を受けるということはありません。いつも通り、良い音を録ってくれました。その一部を番組に使用いたしましたので、お楽しみいただければ幸いです。
 なお、放送内容は下記のとおりです。
 8月5日 イワツバメ
   12日 ビンズイ
    19日 カヤクグリ
    26日 メボソムシクイ

2012年7月10日 (火)

アオバズク再び-六義園

 先週の2日、夕食後にNHKの『クローズアップ現代』を見ていると、かすかに「ホッホ、ホッホ」と聞こえます。前にもお話ししたことがありますが、この手の声は空耳であることが多いのです。念のためベランダに出て耳を澄ますと、確かに聞こえます。アオバズクのさえずりです。この季節の午後7時30分は、夜の鳥のゴールデンタイムです。
 その後、夜空を過ぎる姿が見え、近くでも鳴いてくれました。PCM-D1で録音、ボリューム調整、低音ノイズの軽減、ノイズリダクションをかけています。



 この夜は一晩中、PCM-D50を稼働させておいたところ、断続的に鳴いているのが録音されていました。そして、翌3日の夜は本降りの雨で鳴き声は聞こえませんでしたが、4日~6日と、夜になるとアオバズクの声が聞こえてきました。7日は日光に行って不在、8日以降は確認できません。ということで、このアオバズクは少なくとも5日間滞在していたことになります。
 今年は、渡り途中と思われるアオバズクの声を5月18日に聞き、六義園では24年ぶりの記録になったと記事にいたしました。それから2ヶ月近くたっているので、別のアオバズクだと思います。ただ、4半世紀も記録のなかったアオバズクが今年に限って2回も続けて記録されるとは、面白い現象です。
 ところでこのアオバズク、7月ですから渡り途中とは思えません。といって、今まで声を聞くことはなったのですから繁殖をしているとも思えません。この季節、六義園では突然、ウグイスのさえずりが聞かれたりします。ホオジロの唯一の記録も、このシーズンです。どうも、相手を見つけることができなかった、あるいはなわばりを構えることのできなかった雄が、漂行して来て、最後のチャンスにかけているのという印象があります。
 そう思って録音を聞くと「ホッホ」の回数が3回や5回で終わっています。多いと10回程度鳴くのが普通です。また、声量も大きくありません。アップした音源も近くで鳴いてくれたわりには、大きく録音できませんでした。いずれにしても、鳴き声から力強さを感じませんでした。これが、理由で雌もなわばりも確保することができなかったのならば、声が命の夜の鳥としては致命的なことです。
 このアオバズクの声を編集していて感じたことがあります。都会の騒音のなかでは、フクロウ類の低音の声はノイズに埋もれてしまい、その声を遠くまで響かせることができないのではと思いました。都会のノイズは、主に自動車の音です。このノイズと同じ音域で鳴くアオバズクの声は、ノイズに埋没してしまうわけです。編集していてノイズと重なったアオバズクの声を聞こえるようにするためには、とても手間がかかりました。山の中のように静かな環境であれば、どこまでも聞こえるはずの声が、都会ではノイズと音域がかぶってしまい低音の効果を発揮することができないことになります。そのため雌に聞こえず、結果子孫を残せないということになり、都会から姿を消してしまったのかもしれませんね。

2012年7月 9日 (月)

日本野鳥の会の原発に対する考え方

 今はボランティアという言葉は一般的になりました。しかし、1980年代はなじみのない言葉でした。当時、知床半島で木が切られるのを身体を鎖で木に結びつけて反対した運動がありました。これがボランティアという言葉が知られるきっかけになったと思っています。この時、住んでいたマンションにあった寿司屋の主人が「あれは絶対、裏があるに違いない、どこかの不動産屋が金を出している」と確信していました。自然を守るために、そのくらいのことをするのは、私には理解できますから「そんなことはないよ」と説明しても納得してもらませんでした。考えてみれば、北海道に1週間行くと、交通費や宿泊費で10万円はかかります。まして、寿司屋が1週間休業すれば、月の4分の1の収入がなくなるわけですから、実質相当の出費と言うことになり、どこかがお金を出して裏で画策しているに違いないという発想につながります。
 このころ日本野鳥の会も、私の在職中にかなりのバッシングに会いました。平常の仕事に加えて、これに対応して行かなければならず、肉体的にも精神的にも疲れたことを思い出します。このバッシングの根底のひとつが、企業からお金をもらって自然保護運動の手を抜いているというもの。良いことをしているものには裏があるという考え方です。
 今でも、日本野鳥の会が風力発電に反対するのは、原子力発電を推進するためのもので、裏で電力会社からお金をもらっているからではないかというものがあります。事実、電力会社のいくつかは法人会員になっていただいていますが、百数10社ある企業の内の数社にすぎません。会費は10万円です。日本野鳥の会は、年間8億円を超える事業経費で運営されています。毎年ぎりぎりの経営をしていますので10万円といえども貴重なお金です。しかし、だからといってその金額に影響されるようなヤワな運営はされていません。また、電力会社だって10万円くらいでどうこうできるとは思っていないでしょう。
 「日本野鳥の会は電力会社からお金をもらっている」という一言からは、多くの人は億単位の金額を想像してしまうと思います。こうした発言をする人は、わざと曲解させ日本野鳥の会の活動を阻害するつもりなのか、あるいは裏も取らず勝手気ままに発言しているのか真意はわかりませんが、大いに迷惑です。
 また、反原発についての積極的な反対運動をしていないは、少ない職員でいろいろな野鳥にかかわる問題に取り組んでいるため、そこまで手が回らないのが実情です。やらないのではなく、やれないのです。これには、内心忸怩たるものがありますが、現実として受け止めています。さらに批判されては活動が阻害され、より手が回らなくなります。
  ところで日本野鳥の会では、原発についての考え方をまとめ公表いたしました。
  http://www.wbsj.org/activity/conservation/law/nuclear-opinion/
 基本は、省エネ型のライフスタイルの提案です。
 理事会、評議員会の承認を得ての文章の作成と公表ですので、ここまでまとめるのには時間がかかりました。佐藤仁志理事長のご苦労のたまものですが、ひとつの指針で公表されたことで日本野鳥の会の考え方が明確になったと思います。
 ところで先日、柳生博会長の講演会で参加者から「日本野鳥の会は原発に賛成か反対か」という質問がありました。会長の回答は明確でした。「野鳥にとってためにならないものは反対です」。

2012年7月 8日 (日)

雨の日光-金精峠

 週末は日光でした。数日前の予報では曇りだったので、今シーズン終盤の録音をしようと仲間とナイトツアーまで企画しての来訪でした。しかし、昨日は着いた時から寝るまで雨。しかたがありませんので、温泉に入って居酒屋で盛り上がりました。
 今日は、日光野鳥研究会の自然観察会で金精峠の亜高山帯の野鳥たちのコーラスを楽しみに行きました。コマドリ、メボソムシクイ、ルリビタキと言った鳥たちです。空は雲に覆われていますが、一ヶ所青空も出ています。登山道に入ったとたんコマドリのさえずりが迎えてくれました。これは、さい先のよいスタートです。
 ただ、歩き始めるとぽつりぽつりと雨が降りはじめました。日が差しているのにザーッと雨が降ったり、気が抜けません。コースは、行きも帰りも同じですので、YAMAHA W24を登山道横の雨の当たらない木陰に置いておきました。帰りに回収したら、1時間20分録音できていました。雨の音、雨が降っていなくても木の滴の音が、たえず聞こえます。その一部の音源です。ボリュームはそのまま、ノイズリダクションをかけています。



 鳥は、ミソサザイとメボソムシクイです。ミソサザイは、とても近く鳴いてくれリミッターがかかっています。おそらく10m前後で鳴いているのでしょう。録音機を持っていては、こんなに近くで鳴いてくれません。いかに野鳥録音には、自分が邪魔かわかります。
 つぎは、キクイタダキのさえずりです。かなり雨が降ってきていますが、高音で鳴いているので鳥の声を損なうことなく低音のノイズを軽減することができました。これもボリュームはそのまま、雨音の大きなところはカット、雨音が声にかぶっているところは自動修復をしています。最後にノイズリダクションをかけています。



 これもかなり近くで鳴いてくれました。10m以内でしょう。こんなに大きくキクイタダキのさえずりが録音できたことがありません。また、老耳の私には5,500~10,000Hzの高音でさえずるキクイタダキの声は、もう聞こえません。「キクイタダキが鳴いている」と義弟に教わり、適当に置いたら入っていました。これも長時間録音が、可能になったメモリー録音機のおかげです。
 雨が降っていても長時間録音をすることで、小降りになり近くで鳥が鳴いているところをピックアップすれば音として成り立ちます。そして、少し加工をすれば、ここまで聞くことができるという見本でアップしました。まずは、ご参考まで・・・

2012年7月 6日 (金)

デジスコ通信に投稿いたしました-遠い珍鳥ポイントが空いている理由

 粟島は、魅力的な探鳥地です。野鳥録音的には、静かな環境で身近な野鳥たちの声を録音するにはかっこうの場所だと思っています。スズメの交尾、ツバメのさえずりなどなど。毎年、ツグミのさえずりが録れそうで録れなくて通っています。もちろん珍鳥の出会いも楽しみです。行けば、初めて出会う鳥が2、3種類増えます。でも思いの他、粟島は空いています。それは、なぜなのかと言ったお話しです。
 http://www.digisco.com/mm/dt_64/toku1.htm
   都内の公園では、首から双眼鏡をぶら下げた人に良く出会います。カワセミの来る池ならば、野鳥カメラマンがかならずいます。しかし、多くの人は遠出までして野鳥を探しには行かないようです。でも、ワイバードなどのバードウォッチング専門の旅行会社があって、なかなか繁盛しています。ガイドがいれば野鳥を見つけてくれるので行くけれど、一人では見つけられないので行かないといった事情があのでしょうか。このあたりの日本のバードウォッチング事情を分析すると、いろいろなことが見えてきそうです。

2012年7月 5日 (木)

セミの鳴く前に-カオグロガビチョウ

 そろそろ梅雨明けの声が聞こえてきました。梅雨明けとともに関東地方ではセミの合唱がはじまります。その前に、一仕事も二仕事も残っています。というわけで、今日はあきる野市の秋留台公園にカオグロガビチョウを録りに行きました。
 カオグロガビチョウは、このあたり一帯に勢力を広げつつある移入鳥です。日本の野鳥ではありませんが、日本でバードウォッチングをする場合には移入鳥も識別できるようにしておかなければなりません。私の関わった Nintendo DS の『にっぽんの野鳥大図鑑』のレビューに外来種が入っているのはおかしいというコメントをした人がいましたが、この人はバードウォッチングをしたことがないのでしょう。今、いちばん問い合わせの多いのはガビチョウ類の声なのです。
 公園に着くと、いきなり「キュル、キュル」という聞いたことのない声が聞こえてきました。姿を探すとカオグロガビチョウです。こんなに簡単に出会えて声が聞けるなんて、多い証拠です。これは、簡単に録音できそうです。
 ところが、昼間の公園というのは郊外といえども騒音だらけです。幸い道路から離れていましたので、自動車の音はなんとかなります。しかし、草刈りの音と隣の高校の太鼓の練習の音がさかんにします。草刈りの音は、夏の録音の悩みです。人通りや航空機の音はしばらくすれば静かになりますが、草刈りの連続音はどうしようもありません。太鼓の音とともに昼休みを待つしかありません。
 ところがカオグロガビチョウが、意外と鳴かないのです。警戒心があまりなく、とまっているソメイヨシノのすぐ下に録音機を置いてものんびりと羽繕いをしています。しかし、この間30分ほどをかけて50mを移動しましたが、最初に聞いた声で鳴くことはありませんでした。よく見ていると、口が動いているので耳を澄ますとつぶやくように鳴いていました。PCM-D1で録音、ボリュームのアップ、低音ノイズのカット、ノイズリダクションをかなり強くかけています。草刈りの音の合間の3声だけです。



 最初は、近くで鳴いているヒヨドリの声かと思いましたが、カオグロガビチョウです。このような、かわいげな声も出すのですね。

2012年7月 4日 (水)

ワシミミズクのザーリャ-井の頭文化園

 今日の夕方は、井の頭文化園へ。以前、六義園にいらしたH中さんが井の頭文化園にいます。飼育中のワシミミズクにH中さんが「ポー」と言うと「ポー」と答えると教えていただきました。ワシミミズクの声は、聞いたことはありませんのでぜひ聞きたい、できたら答えるところが録音できればと思って出かけました。
 しかし、今日は暑かったですね。涼を求めて井の頭公園はたくさんの人出です。ところが、有料の文化園は空いていてワシミミズクの禽舎の前はときおり人が通る程度、鳴いてくれればなんとか録音できそうです。
 禽舎の前に来て数分たった頃、2人のお客さんがのぞき込んだときに一声「ポー」と鳴きました。柔らかく深みのある声です。ところが、まだ録音の準備すらしていませんでした。人がいなくなったら録音機を設置しようと思っていたのです。これならば録音ができそうと、YAMAHAのW24を金網に差し込んで録音状態にしておきました。ところが、それから2時間。閉園時間までねばりましたが、一声も鳴いてくれませんでした。
 H中さんの言われるように真似をすれば鳴くかと思い、できるかぎりさっき聞いた声のような音を出してみました。しかし、目をつぶってしまったり羽繕いをしたり、まったく反応がありません。どちらかというと、リラックスしています。
Eagleowl120704

  閉園時間近くになってH中さんが来てくれ鳴き真似をしてくれましたが、今日は鳴かず。次回にお預けとなりました。
 ところで、禽舎の前にある解説版には、このワシミミズクの名前はザーリャ、ロシア語で夜明けの意味だそうです。そして、1999年3月29日生まれだとか。なんと、誕生日が私といっしょです。だからなんなんだと言われそうですが、親近感を持って心を込めて録音をしますから、ザーリャさん次回は鳴いてください。
    T中さん、暑いところありがとうございました。

2012年7月 3日 (火)

なぜ、高い山の鳥は声がきれいなのか

 いつも行っている日光駅周辺は標高500mくらいです。だいたい高尾山の頂上と同じ高さです。市内のマーケットで売っているポテトチップの袋やカップ麺は少し膨らんでいます。日光の鳥仲間のE村家やA部家は車で10数分ほど登った所にあります。どちらも標高800mくらいです。この両家にうかがうとお腹が張った感じになります。膨満感を感じるのです。さらに、いろは坂を登った戦場ヶ原まで行くと標高1500mくらいになりますから、さらにお腹が張ります。
 調べて見たら1000m登ると1割くらい気圧がさがります。ですから、いろは坂を登ってペットボトルを開ければ「プシュッ」言いますし、下りてくると「ペコ」とへこんでいます。ペットボトルが感じるくらいなのですから、人間の腹腔が気圧の変化を感じると思うのですがいかがでしょうか。意外とこれを感じる人は少ないようで賛同者は少ないのです。この数少ない賛同者の一人に録音仲間のTさんがいます。実は、私もTさんもお腹が敏感な体質で、Tさんは牛乳を飲めないほどです。
 ところで、この季節になるとそろそろ森林の野鳥たちのさえずりは静かになります。しかし、2000m前後の亜高山帯の野鳥たちはまだ良く鳴いています。コマドリ、ルリビタキ、メボソムシクイ、ビンズイと言った鳥たちのさえずりの最盛期です。こうした標高の高いところでさえずる野鳥たちの声はきれいです。きれいというのは、声が大きい、音質が高い、声に張りがある、そして複雑と言った要素が揃っています。そこで、高い所は気圧が低い、空気が薄いために音の伝わり方が悪い。そのために、より大きく、より高い音、より複雑にさえずっていると考えられないだろうかと、思い立ちました。これを証明するのには、高い所の鳥のさえずりの音域や強弱を声紋と波形で比較すればできそうです。
 しかし、生き物は北へ行くほど生息している標高が低くなります。サハリンへ行けば海岸の林でルリビタキやコマドリが鳴いています。ということで、空気の薄さと鳥の声の善し悪しの関係は無いですね。
 それにしても、高空を飛ぶ鳥たちもお腹は張らないのでしょうか。 

2012年7月 2日 (月)

映画『ビック・ボーイズ』を見てきました

 今日は朝から雨。六義園の調査をする予定でしたが、中止にして映画『ビック・ボーイズ』を見に行ってきました。
 それにしてもバードウォッチャーが主人公でバードウォッチングをテーマにした映画ができるなんて夢のようです。とにかく文句なく楽しめ面白かったですね。喜劇俳優が主人公たちを演じているからと言って、ドタバタ喜劇ではありません。途中、泣かせるところもあって、年取ってこのところ涙腺が弱くなった私は、数回ウルウルいたしました。日本人好みの笑いのなかに涙ありの人情味あふれるストーリーです。このうち、いくつかはバードウォッチャーではないとその心情は理解できないでしょう。といって、バードウォッチングもバードウォッチャーの心持ちも解らない人でも、鳥オタクの生態をとらえた映画として見れば、また別の視点で楽しめるのではないかと思いました。
 私なりの見所として主人公たちの使っている双眼鏡は、大会社の社長のスチューはスワロフスキーのEL8.5x42 SWAROVISION、戦闘的なバードウォッチャーのボスティックはツアイスのConquest 8x40あたり、資金難に苦しむブラッドはコーワBD42-10GRあたりと見たのですがいかがでしょうか。それぞれの立場と小道具の双眼鏡がぴったり合っているのは、かなりバードウォッチングを研究してのマッチングだと思います。また、出てくるバードウォッチャーはアメリカも高齢者が多いですね。それに情報をたよりに1ヶ所に集中するのも日本と変わらないなど、アメリカのバードウォッチング事情も学ぶことができると思います。
 ただ、翻訳はところどころ気になりました。ガン類をガチョウ類というのはお約束ですが、アメリカにはセッケイはいないでしょう。
 昨日、日曜日1回目に行ったK久保さんは50人ほどの入りだったとか。今日、平日の1回目の上映で20人ほど、顔なじみに会うかと思いましたがおりませんでした。私が行ったシネマート新宿のWebサイトのタイムスケジュールには、7月6日までしか載っていませんので、これは早めに行った方が良いと思います。http://www.cinemart.co.jp/theater/shinjuku/lineup/20120427_9362.html

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