『鳥類地方書集成』完成-早川ご夫妻再訪
以前、記事にした日本の鳥に関する本のリスト『鳥類地方書集成』を完成させた早川貞臣さんがご夫婦で、ご挨拶にこられました。梅雨が明けたという暑さのなか、わざわざ大阪からのご来訪です。
先日「1ヶ月遅れで、リストがやっとできました」と電話をいただきました。そして、翌日届いた小包は分厚いものでした。何冊も送ってくれて悪いなあと思い、開けるとなんと1冊。A3版860ページ、厚さ36mmにもなる本になっていました。考えて見れば、14,000冊を見開きでタイトルはもとより、著者、出版社、出版年、大きさ、ページ数、価格などを記載。それを見開きで40タイトルが収録されていますから、800ページを越える大著になることは計算できます。厚さが解るように撮影してみました。
圧倒されるのは厚さばかりではなく、内容です。すべて、早川さんが実物を見て記録しているのです。ですから、協力してくれた図書館や博物館の施設、個人名のリストだけでも6ページにもおよび、鳥類や自然関係のリストとしても有効な資料になるというものです。
さらに、ただ文字が並んだリストでは味けがないと、奥様が描かれた水彩画が各都道府県の扉を飾っています。本を求めて日本中を旅しているわけで、そのときの思い出の風景が描かれているのです。いわば、夫婦二人三脚で作り上げた書籍ということになります。
私は、巻頭言を依頼され執筆いたしました。とんだ偉業に関わらせていただき、なんとも光栄の極みです。
現状では200冊印刷し、関係機関やお世話になった個人に無料に配布されるとのこと。将来的には、ネットを通じてどう公開するかということになると思います。書籍は、毎年何冊も発行されていきます。さらに、これだけにリストですから誤記、誤植もあるでしょう。それを、管理しなくてはなりません。こうしたデータベースは生き物です。ですから、育て続けなればならないのです。
早川さんの旅はまだ終わらないと思いますし、この”早川リスト”を育て生かす野鳥業界であって欲しいと思います。
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