トビは地鳴きをするのか?
この間、行徳野鳥観察舎にある野鳥救護施設で録音を試みました。持ち込まれた傷病鳥獣が、保護飼育されています。自然状態では、見聞きすることが難しい鳥や獣のようすを観察することができるので、ときどきお邪魔しています。大きめの禽舎にはトビが数羽、収容されていました。そのトビが気持ちよさそうな声で鳴いていましたので、PCM-D1を禽舎の前に吊してしばらく録音をいたしました。
離れて見ていると、「キョキョキョ・・・」とつぶやくように連続して鳴く声が聞こえてきました。少し離れた禽舎には、ツミもチョウゲンボウもいるので、その可能性のある声です。よく見ていると、この声と同じタイミングでくちばしを動かしているトビがいます。私は始めて聞く声です。いろいろ調べても、トビの地鳴きの記載はないので確証はありませんが、地鳴きのようです。
PCM-D1で録音、ボリュームの調整、低音ノイズの軽減、多少のノイスリダクションをかけています。
「Black-earedKite-C12072500.mp3」をダウンロード
トビの鳴き声については、「ピーヒョロロ」以外の声の記録を見つけることはできませんでした。多少のバリエーションの違いがあるものの私自身、これ以外の声は聞いたことも録音したこともありません。
普段よく聞くのんびりとした鳴き方の「ピーヒョロロ」は、さえずりだと思っていました。ところが、トビの巣の近くにハシブトガラスが来たときも「ピーヒョロロ」と激しく鳴くだけ。さえずりも威嚇も「ピーヒョロロ」で、ゆっくり鳴くか激しく鳴くかの違いでした。ですから、別の鳴き方をする地鳴きはないと思っていたのです。
今回、ほんとうにトビが鳴いていたのか、そしてトビならば、この鳴き方を自然状態でもするのかなど、課題となりました。
それにしても、トビって身近な鳥のわりに資料が少ない鳥ですね。
« 講演会のご案内-日本バードカービング協会 | トップページ | 脚輪の付いたカワセミ »
「観察記録」カテゴリの記事
- 新年おめでとうございます(2025.01.11)
- 戦場ヶ原に冬が来ました(2024.12.28)
- 伊豆沼のガン(2024.12.10)
- 冬のルリビタキ(2024.11.26)
- 秋の深まり(2024.11.10)
録音仲間のO村さんから「トビに威嚇されたときの声を録音したことがある。ブログにアップしている」とご連絡をいただきました。
私が録音した声とかなり似ています。ただ、私の時は他の個体との諍いの感じはなくつぶやいているという感じでした。いずれにしても、トビにはいろいろな声があることがわかりました。O村さんのトビの記事のURLです。
http://mosp67.blog106.fc2.com/blog-entry-55.html
O村さん、ありがとうございます。
投稿: まつ | 2012年7月28日 (土) 13時59分