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2012年8月

2012年8月31日 (金)

謎の痕跡-ミゾゴイか

 この間の日光で、気になる痕跡を見つけました。場所は、市内から離れた別荘地のはずれです。最後の別荘があって、あとは人家はないというところです。「いつでも使って良い」と鍵のあるところを教わっている知人の別荘です。敷地には、キャンプ場のような炊事場が作られています。炊事場は、四方が吹き抜けで大きな四阿となっています。この階段のところに白い大きな糞が、数個落ちていました。大きさは、カラスサイズの糞です。かなり水っぽくビシャという感じで落ちています。要するに、この炊事場のすぐ上の木か炊事場の梁にとまってネグラしていた鳥の落としものです。
 さて、この糞の主は誰でしょう。

Nightherontrack_2

 
 森の中ですから、ハシブトガラスがいるところです。いちばん怪しいのがハシブトガラスなのです。ただ、日光のラス類のねぐらは、夏は神主山の中腹に形成されます。このようなところに単独で、ねぐらはしないでしょう。また、カラスにしては水っぽくサギ類の糞に似ています。山の中でサギ類というと、ミゾゴイの可能性が高いことになります。
 ミゾゴイは、かつては村落の鳥、あるいは里山の鳥として身近な鳥でした。ところが、サンコウチョウやコサメビタキなど、同じ環境と鳥といっしょに減少の著しい鳥になってしまいました。
 実は7年前に、この別荘の敷地でミゾゴイの声を数声、録音しています。当時は、DATにマイクを付けていたので、慌ててバタバタしているうちに飛び去ってしまいました。そのため、ガサゴソという音のなかに数声、ミゾゴイの声が入っているという音源です。またこの頃、となりの別荘にも同じように炊事場があり、ここでも同じような糞を見ています。
 季節、環境、大きさ、形質、そして過去の記録を鑑みると、やはりミゾゴイの可能性が大ということになります。実は、この周辺では今年、何度もタイマー録音を仕掛けています。しかし、その中にミゾゴイの声が入っていることありませんでした。来年は、ここで集中的にタイマー録音を試みてみたいと思います。
  

2012年8月30日 (木)

『夏休み子供科学電話相談』終了

 私にとって、この番組が終わらないと夏休み気分になれません。しかし、もう8月も30日なのですから夏休みがなかった感じになってしまいます。
 この番組に私が関わって10数年になります。そのため、昔とはずいぶん雰囲気が変わってきました。始めた頃は、昆虫の矢島稔先生、魚の杉浦宏先生が毎日出演され、分野も野鳥の他は天文、植物、一般科学だけでした。先生が8人の年もありました。放送時間も午前9時から11時30分と今に比べる短めでした。
 ところが、今年は13分野、先生は23人も関わっています。そのため、若い先生が増えて平均年齢はかなり若返っています。なお、放送時間も午前8時から11時50分と4時間近くなり長くなりました。
 このようなバージョンアップは、ひとえにこの番組が評判が良いことにほかなりません。評判が良すぎて1度、午後もやった年もありました。あまりの負担に午前だけになりましたが、それでも放送時間が長くなっているのですから疲れます。
 放送には、回答される先生と進行のアナウンサーが登場します。しかし、スタジオの隣の部屋には、10人以上のスタッフが右往左往しています。ディレクターをはじめ電話を受ける係、分野ごとに分けて先生にチェックしてもらう係、質問を選び連絡する係、そのほか調整するオペレーターなどがいるのです。私たちは、彼らに支えられていることになります。いずれにしも、皆さまお疲れ様、ありがとうございました。
 ところで、本日は私が最後の回答者となりました。質問は「どうしたら猛禽類の区別ができるようになるのか」という小学校4年生の質問でした。こうした直接バードウォッチングに関わる質問は滅多にないだけに、とてもうれしくて時間ギリギリまで話してしまいました。私が「将来、立派なバードウォッチャーになるでしょう」と言ったら藤井彩子アナが「将来、こちらに座っているかもしれませんね」とオチを付けてくれました。
 私は、本日が最終日ですが番組は明日まで。今年最後の放送をぜひお聞きください。

2012年8月28日 (火)

アオマツムシが鳴かない-六義園

  昨夜は、山階鳥類研究所の馬場孝雄さんのお通夜でした。馬場さんは大学の後輩。昔は葬儀と言えば年上の方が多かったのですが、このところ年下の方もちらほらあるようになりました。これも、私自身年取った証拠ですね。
 帰ってきてから、暑いので窓を開けていたら気がついたことがあります。今年は、まだアオマツムシが鳴いていないのです。皆さんのところではいかかですか。
 ここ28年間の六義園の記録では、早いと8月12日、遅い記録が9月3日です。平均ではお盆すぎには鳴き始めます。ちなみに一昨年が8月14日、去年が8月23日です。ですから、今年はまだ鳴かないというのは遅めとなります。だいたい秋らしい風が吹いて、ほっとした頃に鳴き始めていることになります。
 今年はそのほっとする風がまだ吹いていません。このまま行くと、遅い記録を更新するかもしれませんね。

2012年8月26日 (日)

観察会下見-八方ヶ原

 1週間、日光で過ごしていました。毎日、文庫本を1冊読み1万歩あるき、昼寝をしていました。
 いい加減飽きて来た昨日、義弟が来て日光の鳥仲間と観察会の候補地を下見に行きました。場所は、栃木県北部にある八方ヶ原です。標高は1200mほどの高原です。昨日は日光市内では気温が30℃を越えていました。しかし、ここでは23℃。高原を渡る風がとても涼しくさわやかです。
 最初に迎えてくれたのは、上空を舞う3羽のノスリ。あとで、オオタカなどが出現してくれ猛禽類の多いところだといういう印象です。森の中を歩くと、コゲラが出迎えてくれてカラ類、アカハラが姿を見せてくれました。このシーズンとしてはまずまずの出会いです。
 私は日光で、タカの渡りを見たことはありません。一度、トビが列をなして飛んでいくのを見たことがありますが、サシバやハチクマが渡っていくだろうという姿は見たことがないのです。時期を狙っては赤薙山に続く尾根で観察をしたことがあります。メジロやカワラヒワ、ヒタキ類が渡って行くのですが、猛禽類は地付きのノスリが舞う程度です。どうも、山並のなかにある上に日光連山の標高が高すぎて、渡りのコースにはなっていないようです。そのため、日光以外の場所で渡りコースを探し求めているのです。
 日本地図を見ると、本州に奥羽山脈が東北から関東地方にかけて背骨のように伸びています。その東の縁の一つがこのあたりになります。見晴らしがきく所に登ると、背骨の山地が終わって平らになった那須が原や矢板の市街地が見えます。八方ヶ原などの山並ひとつひとつが海に突き出た岬のように見えます。
 地形的には、海に突き出た渥美半島の伊良湖岬、関東平野に突き出た狭山丘陵の六道山に良く似ているのです。もし東北地方で繁殖したサシバたちが山沿いに南下したら、ここを通りそうです。そして、那須ヶ原で立ち上る上昇気流を求めてタカ柱ができるかもしれません。この秋の渡りが待ち遠しくなる観察会の下見でした。
Happougahara

2012年8月20日 (月)

ツバメのねぐら-芝川第一調整池

 昨夕は、昼間の暑さをさけて夕方のバードウォッチングに行きました。以前より気になっている芝川第一調整池にツバメのねぐらができていないか、見に行きました。家を午後4時に出て現着5時半。湿地は、すでに赤みを帯びた夕景になっていました。アシが波打つほどの風が湿地を渡って来るので、とても気持ちの良い夕方です。この風の強さでは、録音は無理ですが、涼しい方がありがたいと思ってしまいます。
 遠くでホオジロが鳴き、近くでハシボソガラスの鳴き合う声がします。時折聞こえるヤマシギの声に良く似たカエルの声が気になります。すでにスズメのネグラ入りは、はじまっていてアシの間に群れが入っていきます。
 昨日の日没時間は午後6時30分。今までの経験では、この前後にツバメのネグラ入りが行われます。日没時間間近になると、やはり私のいる土手を越えて数羽のツバメが鳴き合いながら湿地に入ってきます。薄暗くなったアシ原を双眼鏡で眺めると、いつのまにか集まってきたツバメの群れがアシ原すれすれを飛び交っています。ただ、私のいるポイントから遠く、場所の設定を誤ってしまいました。今日のポイントでは6月3日の夕方、数羽のツバメがアシ原にいたので決めた場所です。今から行っても、間に合わないのでそのまま観察を続けます。
 アシ原の上を飛び交うツバメの数は、多くて500羽前後、300羽くらいかもしれません。もっとたくさん集まっているかと思いましたが、それほどでもありませんでした。
 2007年9月9日の渡良瀬遊水地では上空で渦を巻くように飛び交っていたツバメに群れに比べればささやかです。渡良瀬に比べると時期が早いためなのか、芝川第一調整池自体新しい環境なのでまだツバメに認知されていないのか、これから推移を見ていきたいと思います。
 すっかり太陽が沈むと、ゴイサギたちが鳴き合いながら湿地から飛び立っていきます。同時に秋の虫の声がいちだんと大きくなっていきました。
Sibakawa120819

2012年8月18日 (土)

神戸さんの写真展と望遠鏡の新機種

 昨日今日と、銀座でした。昨日は映画『トータルリコール』、今日はスワロフスキーのショールームで行われている神戸宇孝さんの写真展と望遠鏡の新製品を見に行きました。
 写真展は、神戸さんが2010年秋から2011年夏まで滞在した南ウェールズ・アファン森林公園で写真です。緑豊かな自然の中での野鳥たち、のんびりとした写真がほのぼのとした気分にさせてくれました。
 写真展の要領は下記の通りです。
神戸宇孝写真展「英国ウェールズ・アファン森林公園の自然 鳥と風景」
 期間:8月18日(土)~31日(金) ※日曜日はお休みです
 月曜日~金曜日 10:00-19:00
 土曜日 10:00-18:00
 場所:スワロフスキー・オプティック銀座
    東京都中央区銀座6-4-6 花の木ビル6F
    http://www.swaro-optik.jp/shop/
    展示会インフォメーション
    http://blog.goo.ne.jp/uncle-tsukamoto/e/ecd6fa05a71166382d5ad450135491be
        http://www.swaro-optik.jp/news/2012/08/post-1.php
Goutophoto

  先日、スワロフスキーで望遠鏡の新製品の発表会が行われたのですが、山形への取材のため行けませんでした。ウワサでは、望遠鏡の胴鏡が2つに別れ対物レンズの口径を差し替えることができるという、今までないコンセプトだとのこと。気になります。
 この望遠鏡は、Xシリーズと命名されています。対物レンズユニットは、口径が65mm、85mm、95mmの3機種が用意されています。これに共通のアイピースユニットが交換可能な設計となっています。アイピースユニットは、ズームで対物口径によって幅が異なります。例えば、徒歩でのバードウォッチングの時はアイピースユニット一つと65mm対物レンズユニット、デジスコで写真を撮るときは95mm対物レンズユニットに交換ということができます。かなり贅沢なバードウォッチングではありますが、状況に応じて、対物レンズの口径を変えることができるのです。今までは接眼レンズで倍率を変えるというものでしたが、接眼はズームが当たり前となった今、対物レンズの口径を変えるという発想になったのでしょう。
 写真は、奥から95mm、85mm、そして接眼ユニットを付けた65mm。
Swarox

 コンセプトに目を奪われてしまいましたが、実際に覗くと光学性能は1ランク上の印象です。より明るくよりシャープに見えます。とくに95mmは、凄さを感じました。別にユニットを交換しなくても、自分にいちばん合った口径を選べば十分に望遠鏡の世界を楽しめるのではと思いました。
 http://www.swaro-optik.jp/news/2012/08/x.php
 http://www.swaro-optik.jp/product/scope/x/
  いずれにしても、銀座に行った折には神戸さんの写真展とXシリーズを見にいくべきでしょう。

2012年8月16日 (木)

今日の六義園-ショウジョウトンボとクマゼミ

 今日は、六義園のセンサス調査を行いました。暑くて鳥がいない、そして蚊の猛攻という3重苦のなか、K藤さんとK久保さんも同行していただきました。
 シジュウカラ、スズメ、ヒヨドリ、メジロと言った常連の鳥たちですら少ない時です。ハシブトガラスもいることはいますが、多くはありません。ですので、今日は昆虫との出会いが多く、カブトムシ、ノシメトンボ、赤くなったアキアカネを観察しました。そして、私は六義園で、1回しか見たことのない真っ赤なショウジョウトンボを発見。とてもきれいなトンボでした。

Syoujyoutonbo120816

 そして、森の中から聞こえてきたのは、クマゼミでした。クマゼミの声は昨日が初認。六義園では、今回の録音が初めてです。PCM-D50で録音、500Hz以下の低音ノイズを軽減しているだけで、ほぼそのままです。



 
 六義園でクマゼミの声が聞こえるようになったのは2000年になってからだったと思います。それに、1シーズンに数えるくらいしかありません。
 NHKに行くときに通る代々木公園では、7月下旬にはさかんに鳴いていて、耳が痛くなるほどです。六義園とは、直線でわずか5,6kmしか離れていないのに、それほど増加しないのはなぜでしょう。人為的に持ち込まれたことより無理矢理、生息させられているからでしょうか。

2012年8月15日 (水)

コシジロウミツバメとオーストンウミツバメの聞きなし

  若い人と言葉が通じないことが、年を取るとともに多くなりました。だいぶ前ですが「ホウロクシギは、焙烙で煎ったように焦げた色をしているのでホウロクシギと言う名前が付きました。」と、観察会で話したら焙烙を知りませんでした。私は使ったことはありませんが、子供の頃の我が家にはありました。ですから、一般的だと思ったのですが通じませんでした。
 流行語はもっと悲惨です。ウズラの声の聞きなしに「アジャパー」があります。これは、伴淳三郎のお得意芸で、追い詰められたときにその場を逃げるために言う言葉です。使用例と意味は、谷啓の「ガッチョーン」に近いです。これはラジオ番組でも話ましたが、若い女性アナウンサーは知りませんでした。そうそう「ガッチョーン」も、もうだめですね。
 このほか、流行語の鳥の聞きなしではコシジロウミツバメの「オツペケペーオツペケペツポーペツポーポー」があります。これは、日本野鳥の会東京支部(当時)の名幹事(のちに支部長)と謳われた川田潤さんのご提案です。明治時代一世風靡した川上音二郎の『オッペケペー節』の一節です。もちろん、私はオリジナルを聞いたことはありませんが、昭和30年代の寄席では伝承されていましたので何度が聞いています。リズミカルな節と歌詞は、いつまでも頭に残っています。まさに、この調子でコシジロウミツバメは鳴くのですが、何せ離島で繁殖する鳥のこと録音の難しい鳥のひとつです。
 このたび日本野鳥の会のカンムリウミスズメ調査隊が、神津島の祗苗島に上陸しました。このさいカンムリウミスズメの生息確認に設定した録音機にコシジロウミツバメの声が入っていたとK林さんから連絡をいただきました。そして本日、日本野鳥の会のブログにアップされています。聞きやすいように、私が加工編集しています。ぜひお聞きいただければと思います。
 http://kanmuriumisuzume.seesaa.net/article/273392456.html
 風とオオミズナギドリの声に紛れていましたが、編集加工することでここまで聞きやすくすることができました。これが、『オッペケペー節』で鳴くコシジロウミツバメです。YAMAHA CXで録音、かなり加工しています。いかがですか。このリズミカルな感じがそっくりだと思います。
 蒲谷鶴彦先生からは、オーストンウミツバメは「面白いことに、オーストン鳴く」と教わりました。そのオーストンウミツバメの声も同時に録音されていました。合わせてお聞きいただければと思います。同じくYAMAHA CXで録音、かなり加工しています。
 どうですか。そう聞こえませんか。ちなみに、鳴き声が名前の由来ではありません。オーストンは人名です。Alan Owston(1853-1915)と言い、明治時代の初期に日本に来たイギリス人の商人です。鳥の研究家でもあり、当時の日本人と海外との窓口の役目をしてくれました。ある意味、黎明期の日本の鳥学を支えてくれた一人です。そのため、彼の名前は、オーストンヤマガラ、オーストンオオアカゲラなどにも献名されています。
 離れ小島の夜、海鳥たちが、にぎやかに鳴き合っていることになります。

2012年8月14日 (火)

花火の録音

 花火の季節です。各地で夜空を飾っていることと思います。そして、腹に響く花火の音、これを録音しようと思うと、なかなか難しいですね。もし、野鳥録音のために録音機を持っているならば、花火の音の録音を試みてください。録音のテクニックを磨くことができると思います。大きくて低音の多い花火の音をちゃんと録音するのには、マイクや録音機の性能がかなり影響します。花火の音が花火の音として固定できるか、マイクや録音機の性能のチェックをすることができます。重ねて、スピーカーなどの再生装置についても同じことが言えるでしょう。
 私の経験からコツを述べておきます。録音機の設定では、基本マニュアルです。低音までちゃんと録音できるようローカットの設定の解除、急激に入る大きな音でボリュームが下がらないようリミッターも解除しています。
 問題は、録音場所です。花火会場は、にぎやかです。誘導員の声や笛の音、人の話し声、自動車の音など、騒音だらけです。花火の音は大きいので人混みを離れ、花火の音が録れるところをいかに確保するかにかかっています。また、のちのちのために雑踏や花火に歓声をあげる音も録音しておくとよいでしょう。
 まずは、何度か花火の音をとらえて録音ボリュームを調整しましょう。できたらヘッドフォーンでモニターして確認すると良いでしょう。花火の打ち上げは何度も行われるので、録音ボリュームを変えて録音しておくことも可能です。
 ご紹介するのは、日光市の花火大会です。日光は山に囲まれているので、花火の音が山に木霊するという特有の音が録れます。録音機は、DATのPCM-M1にマイクAT825Nを付けて録音しています。編集加工はしていません。

 ちなみに日光市の花火大会というのは、実は10月なのです。そのため、かなり寒くおでんを食べながら花火を見ることになります。

2012年8月12日 (日)

タイマー録音-今シーズンの総括

 今シーズン、霧降高原でほぼ月1回、タイマー録音を行いました。その波形を見てみるとおもしろことがわかりました。
 タイマー録音は、YAMAHA W24を使用。設置場所はすべて同じ、霧降高原の旧有料道路の際に置き、谷に向けています。時間は、午前3時~6時(4月は午前4時~7時)の3時間です。音源を波形表示し、見やすいようにモノラルにしています。横軸が時間で、左端が午前3時(4月は4時)、右端が午前6時(4月は7時)です。波形の最大が0dbです。
 なお、4月は8日、5月は6日、6月18日、7月はなくて8月は10日で、ほぼ1ヶ月おきとなります。時折ある大きな波形は、通過する自動車やバイクの音です。さすがに連休の5月6日は通過する自動車やバイクが多く、その他の月は5時を過ぎてからです。
 4月は全体にまださえずりが少なく、鳴き始めも遅く5時48分、鳥はシジュウカラです。その後、ヒガラとゴジュウカラがさえずる程度です。
Kirifuri120408

 5月は小鳥たちの前にフクロウが鳴き、3時58分に最初にルリビタキがさえずり始めます。中央の大きな波形は、すぐ近くで鳴いているエゾムシクイです。そのほか、ウグイス、キビタキなど、いろいろな鳥が鳴いています。
Kirifuri120506

 6月は小鳥たちの前にホトトギスがさかんに鳴いています。小鳥の鳴き始めは、3時36分のアカハラです。その後、最初の大きな波形はアカハラが近くで鳴いたためです。その後の長い大きな波形はミソサザイ、その後も鳴き続けています。このあたりは、キビタキ、ウグイス、カッコウ、モズ、コルリなどの素晴らしコーラスとなります。
Kirifuri120618

 そして、この間の8月。早くからある小さな波形は、鳥の声ではなく風の音です。鳥の声は、だいぶ静かになっているのがわかります。この日の鳴き始めは、4時15分のアカハラです。その後は、ほとんどがウグイス、少しホトトギスがありました。5時頃の大きな波形はたぶんルリビタキの地鳴きです。
Kirifuri120810

  やはり6月の午前3時台は、最高のコーラスが楽しめることがわかりました。今回は、データがありませんが、過去の経験からこれが7月まで続きます。このように、鳥のさえずりが多ければ近くで鳴いてくれる確率も高くなり、クリアな音が録れることになります。毎年6月から7月のゴールデンタイムにどのように活動するのか、思案のしどころです。

2012年8月10日 (金)

熊棚-今年のクマ予想

 日光に行っていました。一昨日の夜は10時間も寝た上に昼寝もして、眠りにいったようなものです。そのため、いつもの場所にいつものように録音機を仕掛けて置きタイマー録音をしておきました。ざっと聞く限り、この季節でも午前4時代にはコーラスが健在で、けっこうにぎやかでした。ただ、ウグイスのさえずりが減りホオジロのさえずりが増えているという季節の変化があります。いずれにしても、今年も野鳥の季節の終盤となってしまいました。野鳥録音をしていると季節の移ろいを切実に感じます。
 ところで、お気に入りの別荘地を歩いていたら熊棚を見つけました。熊棚は、ツキノワグマが木に登り、手の届く枝を折って手元に引き寄せた跡です。いっけん大きな鳥の巣のように見えたりします。この場合は、枝が折れて枯れていました。

Bear1208102

 樹種はソメイヨシノ、そのサクランボを食べた跡です。根元には、サクランボの種がびっしりと入った糞もありました。また、木に登るために付いた爪の跡もあります。

Bear1208101

 また、近くのスギ林ではクマが木の皮を剥き食べた跡、熊剥ぎも見られました。いわば濃厚なツキノワグマの痕跡です。
 
 サクランボの時期と糞の古さから、クマがいたのは1ヶ月以上前の感じがします。
 以前、同じ場所で同じような痕跡を見つけたことがあります。2004年6月26日のことで、このときは糞はとても新鮮でその日の朝という感じがしました。同様に熊剥ぎもありました。
 2004年来、この場所では熊棚も熊剥ぎもなかったと記憶しています。8年経って、同じクマが食べ物があるのを思いだして、同じ場所に来るものでしょうか。それとも、別のクマが彷徨っているうちに同じ嗜好のため、同じような痕跡を残したのでしょうか。興味のあるところです。
 2004年は、その後も日光では各地でクマの目撃例が多かったと記憶しています。今年も、その再来になるのでしょうか。なにしろ、野鳥録音をしていると音を立てるクマ除けの鈴を持つことがないので、たいへん神経質になります。

2012年8月 8日 (水)

『朝の小鳥』-9月は水辺の鳥たちです

 日本鳥類保護連盟、日本野鳥の会の在職中、そしてその後も野鳥のカレンダーの制作に関わっていました。ほとんどの月は、写真がすぐに決まります。5月や6月は、どれにしようかと迷うほど写真があります。ところが、いつまでも決まらないのが9月です。冬ならば雪や枯れ木など、春ならば新緑、夏は海や入道雲、秋は紅葉とそれらしい風景が映り込んでいるものを選べばそれぞれの月の雰囲気が出ます。しかし、9月のイメージは残暑なのです。できたら、暑さになかにある秋の気配を感じる写真が理想的なのですが、なかなかありません。
 同じように『朝の小鳥』の制作に関わっていて、9月らしい音というのも難しいです。もう、さえずりの季節は終わっていますから、ほとんどの鳥は鳴くことが少なくなります。といって9月には録音をしていないかというと、そうでもありません。8月の猛暑のなかで外に出られなかった分、9月はフィールドに出ることは多いのです。とくに、三番瀬や葛西など干潟に訪れるシギやチドリたちの声をかなり録りに出かけています。ただ、山の野鳥たちのさえずりと違って、図鑑的な音は録れても番組に使えるような雰囲気のある音、とくに9月らしい音となるとなかなか録れなくて苦労します。
 今日、文化放送にて9月放送分のスタジオ収録でした。9月は、葛西、谷津干潟、三番瀬、城ヶ島、手賀沼と、水辺の鳥たちです。波の音と鳥の声で、残暑のなか少し涼しさを感じてもらえればと思います。
 放送内容は下記のとおりです。
 9月2日 アオアシシギ-葛西臨海公園
    9日 ソリハシシギ-谷津干潟
    16日 ウミネコ-三番瀬
    23日 トビ-城ヶ島 
     30日  キジバト-手賀沼

2012年8月 7日 (火)

東北のカワラヒワ

 蔵王の帰りに天童市に立ち寄りました。日本野鳥の会やまがたのY川さんによると、私が6月に訪れたチゴハヤブサが巣立ち、良く鳴いているので録音も可能かもとのこと。重ねてY川さんのご案内で、チゴハヤブサポイントへ行きました。
 水田に隣接した集落のなかの神社の森で、ケヤキの巨木が何本もあります。ここでは、チョウゲンボウ、アオバズク、そして地続きの民家のスギの木でチゴハヤブサが繁殖しているという不思議な場所です。
 行ってみると、すでに巣立った雛が3羽、樹冠部の下に並んでいます。さらにその下の枝には雄のチゴハヤブサが、翼を半開きにしてとまっています。この日の天童市の気温は30度を超えており、少しでも体温を下げるための行動なのでしょう。
 そして、空にトビが来たときにチゴハヤブサは飛び立ち、良く鳴きました。しかし、真夏の午後のこと、セミの大合唱が耳にキンキンくるほど。録音には、厳しい条件です。
 ところで、チゴハヤブサを観察していると、近くの電線にカワラヒワがとまって良く鳴いてくれました。ところがこのカワラヒワのさえずりが、いつも聞く関東地方ものと感じが違うのです。まず、このシーズンにカワラヒワが、こんなによくさえずることはありません。長く複雑に鳴くのは2~4月、早春から春爛漫の頃です。また、さえずりの節のなかに「チュルル」や「チュンチュン」が良く入っています。「ビーン」や「コロコロ」はほぼ同じですが、この小刻みな節があることで、とても複雑な印象を与えています。
 私がチゴハヤブサを追っているときに、カミさんがカワラヒワを録音してくれました。録音機はYAMAHA C24、5000Hz以上のセミの声を大幅に軽減、3000Hz以下の低音のノイズも大幅に軽減しています。その後、ボリュームを上げてノイズリダクションをかけています。



 以前、北海道で聞いたカワラヒワのさえずりは、すぐにはカワラヒワとわからないほど、違っていました。東北のカワラヒワはカワラヒワとわかりましたが、よく聞くと違いがある鳴き方といったところでした。カワラヒワのさえずりには、地方差がありそうです。
 重ねてY川さんにはお世話になりました。ありがとうございます。

2012年8月 5日 (日)

午睡のBGM

 このところ暑いので、午後は昼寝をすることが多いですね。
 窓を開けておくと、六義園からの風が通り抜けて行きます。六義園からは、風だけでなくミンミンゼミやニイニイゼミ、今日あたりはツクツクボウシも加わってのセミ時雨が聞こえてきます。
 現在、六義園のサービスセンターは建て替え中です。大きなビルでも建てるのかと思ったら、木造平屋の造りで六義園の環境にマッチした雰囲気です。そのため、電動工具の音は少なく大工さんがトンカチで釘を打つ音が良くします。この大工仕事の音が、とても眠気を誘うことがわかりました。不規則で微妙な間が自然なのです。音もきつくなく、のんびりとした感じが眠気を誘うのです。人工的な音なのですが、いやな感じはしません。
 この大工仕事の音とセミ時雨がマッチして、とても良い昼寝のBGMになります。おかげで眠りすぎて、午後のない日があります。
 別荘地で録音をしていて大工仕事の音がすると録音は中止。人工的な音をさける習性が染みついているのです。ところが、こうして聞くと音として快いことがわかりました。眠気を誘う音は、自然度が高いことになります。
 PCM-D50で録音、低音の軽減をしています。

2012年8月 4日 (土)

イワヒバリを求めて-蔵王

 今年もイワヒバリを求めて高山帯へ。8月2-3日は、山形県蔵王に行ってきました。6月にトラフズクでお世話になった日本野鳥の会やまがたのY川さんのご案内です。
 イワヒバリのいるところは、高山帯の岩がゴロゴロしたようなところです。関東甲信越ならば、標高二千数百mを越えなくてはなりません。それだけに、行くのがたいへんです。今回、候補にしたのは蔵王のお釜周辺、北へ行けば垂直分布が低くなるというもくろみです。また、新幹線の駅(かみのやま温泉)から車で小1時間、頂上の駐車場に着きます。そこから歩いて10分でいるときはいるというのでから、今まで訪ねた中では、もっとも楽な生息地です。それにプロのネイチャーガイドのY川さんが、ごいっしょしてくれるのですからこんな贅沢なことはありません。
 初日は、現地着が午後ですから、もう鳴いていることはないだろうと姿と生息地の確認です。足元は悪いですが、なだらかな登りですからさほど苦にはなりません。五色沼などの絶景を見ながらの探索です。私は始めてコマクサを見ました。

Komakusazao

 さすがに、駐車場から10分は無理でしたが、1時間ほど歩いたところで近くの草むらから飛び立つのを発見。繁殖地でのイワヒバリを始めて見ました。ここと、他1ヶ所にタイマー設定したYAMAHA W24を仕掛けて、この日は撤収。
 翌朝、回収に行くと今度は、イワヒバリ3羽を確認。2羽は幼鳥、遠くで鳴くさえずりも聞こえました。現在、データをチェック中ですが、残念ながら今のところ近くでさえずるイワヒバリは入っていません。楽をしての録音ですから、あきらめもつきます。場所は間違いありませんので、遅くとも7月、できたら6月に来るべきでした。
 ただ、午前3時38分頃にヨタカの声が入っていました。Y川さんによると、ここでもヨタカの記録は始めてとのこと。考えてみれば、駐車場は午後5時で閉まるなど、夜間は立ち入りにくいエリアだけに夜の鳥の記録がありません。タイマー録音により、夜の蔵王の鳥の生態を垣間見ることができました。
 イワヒバリは来年の楽しみに取っておくことにします。ちょっと負け惜しみです。
 Y川さん、お世話になりありがとうございました。

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