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2012年8月31日 (金)

謎の痕跡-ミゾゴイか

 この間の日光で、気になる痕跡を見つけました。場所は、市内から離れた別荘地のはずれです。最後の別荘があって、あとは人家はないというところです。「いつでも使って良い」と鍵のあるところを教わっている知人の別荘です。敷地には、キャンプ場のような炊事場が作られています。炊事場は、四方が吹き抜けで大きな四阿となっています。この階段のところに白い大きな糞が、数個落ちていました。大きさは、カラスサイズの糞です。かなり水っぽくビシャという感じで落ちています。要するに、この炊事場のすぐ上の木か炊事場の梁にとまってネグラしていた鳥の落としものです。
 さて、この糞の主は誰でしょう。

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 森の中ですから、ハシブトガラスがいるところです。いちばん怪しいのがハシブトガラスなのです。ただ、日光のラス類のねぐらは、夏は神主山の中腹に形成されます。このようなところに単独で、ねぐらはしないでしょう。また、カラスにしては水っぽくサギ類の糞に似ています。山の中でサギ類というと、ミゾゴイの可能性が高いことになります。
 ミゾゴイは、かつては村落の鳥、あるいは里山の鳥として身近な鳥でした。ところが、サンコウチョウやコサメビタキなど、同じ環境と鳥といっしょに減少の著しい鳥になってしまいました。
 実は7年前に、この別荘の敷地でミゾゴイの声を数声、録音しています。当時は、DATにマイクを付けていたので、慌ててバタバタしているうちに飛び去ってしまいました。そのため、ガサゴソという音のなかに数声、ミゾゴイの声が入っているという音源です。またこの頃、となりの別荘にも同じように炊事場があり、ここでも同じような糞を見ています。
 季節、環境、大きさ、形質、そして過去の記録を鑑みると、やはりミゾゴイの可能性が大ということになります。実は、この周辺では今年、何度もタイマー録音を仕掛けています。しかし、その中にミゾゴイの声が入っていることありませんでした。来年は、ここで集中的にタイマー録音を試みてみたいと思います。
  

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コメント

日光でミゾゴイの話題が出ましたので、私の思い出を一つ聞いてください。
今から20年くらい前の9月中旬、友達と太郎山に登りました。その日は千手が浜の草加市の宿舎に泊まり、翌日の早朝一人で千手が浜を散歩しました。
場所は千手堂跡手前の旧キャンプ場の沢のなかです。2羽のサギが降り立ちました。羽のあちこちにミミズが這ったような黒とブルーの虫食い斑が印象的でした。私に気がついてすぐに飛び去って行きましたが、ミゾゴイ幼鳥と信じています。まだ野鳥観察を始めて間もない頃ですが、その後20年、この場所でこのような鳥との出会いはありません。
ミゾゴイだとして千手が浜では標高が高すぎるとも思いますが、ほかに該当する鳥が見つかりません。

つな様
 私も同じシーズンに日光でミゾゴイに会っています。10年ほど前に植物園、8年ほど前に東電池です。いずれも9月か10月のことで、秋の渡りの途中に日光に立ち寄ってくれたのではと思っています。
 繁殖期のど真ん中では、記事に書いた声を録音しそこねた1回だけです。
 千手ヶ浜のものも渡り途中ならば、標高が多少高くても納得できますが、あの森の深さから繁殖の可能性もありますね。

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