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2012年9月20日 (木)

”Forest Notes”という名のスピーカー

  まだ、日本鳥学会ネタを続けます。
 以前、記事にしたように学会は発表を聞くだけでなく休憩室でのおしゃべりも勉強になります。今回、休憩室は教室を2つ解放してお茶やコーヒー、お菓子のサービスがありました。教室なので教壇があります。その教壇の上に30cmくらいの四角い木の枠が置いてありました。不思議なことにこの木枠から鳥の声が聞こえるのです。

Forestnotes_5

 私が怪訝な顔をしていると「これは、スピーカーなのです」と教えてくれました。スピーカーならば、振動するコーンがなくてはなりません。厚さ1cmほどの木枠なのですからどこから音が出るのか不思議です。実は、コーンにあたる部分は、木の枠に左右に収まっているのだそうです。また、枠の上部にはバッテリーや基板が隠され、アンプ、通信機の機能が入っています。
 さらに、流れている鳥の声は八ヶ岳山麓からの生中継とのこと。スピーカーのみならず、自然音も同時に配信するというプロジェクトなのです。この企画は、株式会社 ケンウッドデザインと東京大学の産学協同のプロジェクトでもあるのです。
 音に関しては、教室ということと生中継の音源ということで、検証はしていません。ただ、スピーカーらしくない装置のためインテリアとしては、とても魅力的だと思いました。
 蒲谷鶴彦先生が良く「野鳥の声は、隣の部屋にスピーカーを置いて聞くくらいの方が良い」とおっしゃっていたことを思い出しました。野鳥の声は、近くても10m、遠ければ数10m離れて録音しているのですから、スピーカーの前で聞くものではないのです。部屋を隔てて聞くくらいのほうが、グランドノイズも聞こえず自然に聞こえるのです。
 ひとつ部屋を隔てたくらい、あるいは広間の片隅にこのスピーカーを置き野鳥の声を流せば、とても自然に聞こえるわけです。あるいは、サンクチュアリのネイチャーセンターのなかにこのスピーカーを置き、外の音を流すというのも有でしょう。そのとき、スピーカーらしくないスピーカーですから、どこから音が聞こえてくるか解らない、そのためムードが醸し出させるという効果があるのではと思いました。
 ただ、まだ試作段階だそうで、価格も決まっていないとのこと。いずれにしても、これからの発展が楽しみです。

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