2年ぶりの三番瀬-目の不自由なMさんと
三番瀬には、毎年数回は行っています。ところが3.11震災以来、立ち入り禁止となり行きそびれていました。この季節、野鳥の声を録りたいと頑張っている目の不自由なMさんが、行ってみたいとのこと。ちょうど、2年ぶりの三番瀬です。久しぶりに行ったら、名称が船橋市海浜公園から”ふなばし三番瀬海浜公園”に変更になり、バスは30分に1本あったものが1時間に1本程度になっていました。
どうせ行くならばと、イラストレイターの月之座さん、日本野鳥の会で目の不自由な方々にバードウォッチングの普及を企画しているH田さん、そしてカラス仲間で10年来のつきあいをしていたK藤さん、K藤さんは2年目に会ったときは目が悪くなったと言っていたのですが、今日は白杖をついての姿で登場。ちょっとショックでしたが、盲学校でバードウォッチングの普及を図りたいと前向きの姿勢には感心しました。それに、Mさんのお父さんを加えてのバードウォッチングです。
10時に着くと干潟は出ていません。三番瀬が地盤沈下をして、最近は干潟が出ないと聞いていただけに不安です。そのため、波の音を聞いたり、アシ原で鳴くエンマコオロギの声を録ったりして待ちます。鳥たちも、なかなか引かない干潟にがまんができなくなって飛んできました。まず、ミユビシギの100羽ほどの群れが私たちのいる前の波打ち際にやってきました。鳴き合う声が聞こえます。さっそく、森さんがマイクと録音機をセットします。
そして、まだ干潟が引いていないのに、近くの海面にミヤコドリが50羽ほどが飛んできました。なんと、ここがいちばん最初に干潟が出たところでした。干潟が顔を出すと、ダイゼン、ハマシギ、メダイチドリ、オオソリハシシギ、オバシギ、ソリハシシギ、トウネン、そしてウミネコ、オオセグロカモメ、アジサシがやってきました。狭い干潟に皆が集まっているので、とてもにぎやかです。ちょうどここが、Mさんがマイクを置いた前だったのです。
Mさんは、今日の成果をさっそくWebサイトにアップしています。下記のURLでお聞きいただければと思います。メニューの自然の音、そして今日の日付のところでお聞きください。
http://mori1134.sakura.ne.jp/
台風の後でやや波の音が大きいもののミヤコドリ、ダイゼン、ウミネコ、オオソリハシシギの水浴びの音が録れています。たった1回でしたが汽笛も良いですね。1時間ほど録音していたはずなので、そこから5分間に編集されています。目が不自由でも、これだけ録れて、ここまでコンピュータで編集できるのですね。視覚障害者の方々のなかに、録音の楽しみを広げられる可能性が見えた今日の三番瀬でした。
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