タッチカービングを試す
今日は上野の東京都美術館で開催中のバードカービング展にて、タッチカービングを試してもらいました。
タッチカービングは、日本バードカービング協会会長の内山春雄さんが推奨し各地で実際に使用しています。バードカービングコンクールに応募してくる作品は、とても繊細で触ることはできません。そのため、目の不自由な方に触ってもらえるように木彫りの鳥から型を取り樹脂で固め色を塗ったものを用意し、会場で触れてもらっています。細かい所まで彫られているところは、作品と変わりありません。たとえば、ハシボソガラスの脚はウロコまで作り込まれていますので、鳥が恐竜から進化して来たという話もできます。今日は、野鳥録音に熱心なMさんに触ってもらい感想を聞きたいと思ってのご案内です。
タッチカービングは鳥の大きさを知ってもらうために、まずメジロ、スズメ、ハクセキレイ、キジバト、ハシボソガラスが用意されています。内山さんの解説で、メジロから順番に大きさを知ってもらい、尾や翼などそれぞれの名称と役割を説明してもらいました。また、今日は特別に翼を広げた木製のハクセキレイとセッカを触ってもらい、飛んでいる鳥の姿と翼の役割も理解してもらいました。さらに、尾や翼の細いコアジサシ、嘴の太いイカルなど、身体の特徴と食べ物や住んでいるところの違いを触りながら解説してもらい、鳥たちの形と生活まで解説。実際に嘴に触っての解説ですから、とてもわかりやすいものでした。
なお、それぞれのカービングにはタッチペンで音を聞くことができるようになっています。すでに鳥の声を知っているMさんにとって、今日やっと姿と声がいっしょになったことになります。
Mさんの感想は「スズメやメジロなどは思ったより小さかった」です。鳥の声からイメージしていた大きさとのギャップがありました。小鳥の声だけを聞いていると、声の大きさから音の出所は大きく思えてしまうことになります。初心者が、シジュウカラの声を聞いて姿を探してもなかなか見つからない、やっと見つけたらとても小さかったということがあります。もっと大きな鳥だと思って探していたために見つけられなかったのです。鳥を知っている者にとっては当たり前のことが、初心者にとっては戸惑うところでもあります。目の不自由な人も同じように感じていることを知りました。今後、指導の仕方に工夫が必要だと思いました。
毎度、目の不自由な方と鳥を見聞きすると新しい発見があります。今日も、いくつかの課題をいただきました。
今日、始めて立体の鳥の触ったことでMさんの頭の中に鳥のイメージが、しっかりとできたことでしょう。これからは、こういう大きさで形をした生き物が鳴いているのだとイメージできるわけですから、野鳥への思いもいちだんと深まることと思います。
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