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2012年10月17日 (水)

ヤマガラ爆発

 六義園のヤマガラの記録は、センサス調査を始めた1984年の記録は1例のみ。1986-1987年と1988-1989年は1羽が越冬し、1990-1991年の冬季は2羽を記録。この2羽が繁殖をしました。その後は、1992年は冬季のみ。1993年は、繁殖期に記録されましたが繁殖の確認はできませんでした。ところが、2000年以降の記録はほとんどなく繁殖期に見られることはありませんでした。ヤマガラは普通に見られる鳥ですが、このように六義園では少ない鳥です。そのヤマガラが、9月上旬に4羽が来て1羽がツミに食べられたものの、そのまま居着いています。今では、数は増えて10羽近くはいると思います。
 この現象は、六義園だけではなく都内の公園各地で見られます。この間の葛西臨海公園でも2ヶ所で数羽のヤマガラに出会いました。、ヤマガラで検索するとブログ、ツイッターでたくさんヒットします。日本鳥学会では関西の会員の方から同じだと情報をいただきました。そして、さらにヤマガラの分布域の中国や韓国でも同じような情報があると聞いています。まさに、ヤマガラが爆発しています。
 おそらく、このような現象は過去にもあったと思います。たとえば、2006年の秋に六義園で始めてソウシチョウが記録されました。その時は、数羽が2ヶ月ほど滞在しました。このとき、ネット検索すると都内の公園で同じように見られていました。また、栃木県宇都宮郊外に住む仲間からは、六義園とほぼ同じ頃に庭に来たと報告を受けて驚きました。ソウシチョウが関東地方にいっせいに沸いて出た感じでした。この現象は、このシーズンだけで終了し、継続して見られることはありませんでした。
 今日、六義園でヤマガラを観察しているとさかんにスダジイの実を脚で押さえ嘴でコンコン叩いては食べていました。スダジイの堅い実でも割ることのできるヤマガラの力に感心させられます。さらに、スダジイの実をくわえては木の根元に隠していました。貯食をしているのです。ということは、このまま六義園で冬を越すつもりなのでしょうか。爆発したヤマガラ、今後どのような展開になるのか楽しみです。

Variedtit121017

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コメント

ソウシチョウは2004,2009,2010年の冬も国分寺周辺の雑木林では普通に見られました。通常の越冬地の積雪の影響で下りてくるのかなと思ってみましたが,あっている年も多いのですが,あっていない年もあって,結局理由はよくわかりません。理由はともかく,こうした年と分布拡大が関係のか興味深いです

植田様
 ヤマガラが今年に限って増えたと言うことは、生んだ卵の多くが孵って巣立ったということになります。ということは、今見られるヤマガラはほとんどが若鳥、それだけに分散していくのではと思っています。
 ソウシチョウなどもそうだったかもしれませんね。

今年は低地の林でもうマヒワが普通にみられるなど,冬鳥の動きが早いようですし,宇都宮ではヒガラも多いそうです。
原因はいろいろ複合しますので,簡単ではありませんが,留鳥(漂鳥)だけ多いなら,松田さんが言うように,今年の繁殖成績の可能性が高くなりますし,冬鳥含めて低地で多いようだと,(世界規模で繁殖成績が良かった可能性もありますが)山の木の実の不作など冬の食物条件の可能性が高くなるように思います。色々な場所のこの冬の状況に注目したいと思います。

植田様
 そうですね。ヤマガラだけ見ていると増えたことになりますが、他の鳥の動向によって、原因がわかるかもしれません。いずれにしても、普段からのデータの積み重ねがものをいうことになりますね。

ヤマガラが例年いないところに出没している傾向は、日本だけでなく韓国や中国でも起こっているようです。遠く分布域から離れている香港などでも観察されているとのことです。

シバラボ様
 腰のほうは大丈夫ですか。私は、カイロプラクティックで良くなりました。
 ヤマガラ爆発の現象が、分布域全体で起きているのは面白いですね。いずれにしても、これからも見ていきたいと思います。

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