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2012年11月 3日 (土)

ジャパンバードフェスティバル2012

  千葉県我孫子市で開催されている「ジャパンバードフェスティバル2012」に行ってきました。今年で12回目、その前にバードカービングコンクールのみが行われていましたので13年間、皆勤しております。このイベントでは、審査員やらシンポジウム、トークショーと毎回なんらかのお座敷がかかっておりました。バードカービングコンクールが上野ですでに開催されてしまったこともあって、13年目にして始めて一般参加者としての来訪です。おかげで、じっくりとイベントを楽しむことができました。
 一廻りして感じたのは、例年にない多い人出です。午前10時に会場に到着したのですが、すでに光学メーカーの並んだテントの前はたくさんの人で賑わっていました。そこを通り抜けるだけでも苦労をするほどでした。飲食店のテントでは、昼前に長蛇の列ができるお店もあって繁盛しておりました。
Birdfestival2012

 ♪鳥くん+富士鷹なすびさんの「フェールどの今、マナーとモラルを考える」は、とても面白かったし考えさせられました。まず、会場にはこの問題に関心を持った顔なじみの方がたくさん。隣にはシバラボさん、後ろには葛西のN村さん、沖縄から来たK高さんまでおりました。それだけ、関心の高いテーマということになります。
 ♪鳥くんの軽妙な話し方と富士鷹さんの即興のイラストで進行していきます。♪鳥くんが今まで見たトンデモさんやトンデモ事件の数々、実際と写真を元にした報告は説得力がありました。このトンデモさんたちの行動パターンの分析がまた面白く、今度珍鳥が出て人が集まったら行ってみたいと思うほどです。珍鳥ポイントほど、人間観察に適した場面はないかもしれません。
 また、珍鳥に人が集まるのは仕方の無いこと、人が集まることを前提にどうしたら良いか考えようという姿勢は、人を集めない方法を考えていただけに新鮮に思えました。人がたくさん集まれば抑止力が働いてマナーが守られる、人が耐えずいることでたとえばサンコウチョウがカラスに襲われることがなくなり巣立率が高まるかもという指摘もありました。それと、関西ではマナー違反をすれば怒鳴られるけれど、関東では怒る人がいないというのも思わぬ指摘でした。確かに、関東の人のほうができたら諍いを避けたい、仕方ないと黙っているシーンが多いように思います。少なくとも、私もその一人です。ケンカしてでも、マナーを守らせようというほどの意欲はないと思われてもしかたないですね。
 ただ、開会時間が12時からの1時間、長蛇の列に並んだら間に合わない時間となりました。イベントのゴールデンタイムにプログラムが組めなかったのは、ちょっと残念でした。
 つぎに「ぜひ聞きに来てください」と整理券を渡させた斎藤武馬さんの講演は午後1時からでしたので、かなり慌ただしい昼となりました。しかし、こちらも中身の濃い講演でした。テーマは「日本産コマドリの亜種の謎をDNA から探る」です。コマドリの亜種、タネコマドリの検討です。初めて知ったのですが、タネコマドリのタネは種子島で最初、捕獲されたからでした。また、種子島にはコマドリはいないので、これは屋久島産のようで、かつてはヤクシマコマドリ、シチトウコマドリの亜種が提案されたこともあったとのことです。本題は、屋久島にいるとされているタネコマドリは胸にコマドリと同じように黒い模様があり、DNAからも本州などのコマドリと同じタイプであり、亜種と言えないというものです。また、近似種アカヒゲとのDNAの比較から、それぞれが分化した時代が100万年単位で説明できるというお話でした。
 亜種コマドリのさえずりは比較的単純です。それに対しアカヒゲはバリエーションに富んでいます。三宅島の亜種タネコマドリは、亜種コマドリのような鳴き方もありますが、ときどきアカヒゲのような複雑な節が入ります。今まさに、種として分化していく途中なのかもしれません。もちろん、あと100万年はかかりますが。ところで、屋久島のコマドリはどんな声で鳴くのでしょうか。

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