BINOS Vol.19-日本野鳥の会支部の論文集
日本野鳥の会神奈川支部の研究年報『BINOS Vol.19』をいただきました。
僭越ながら宮脇佳郎さんの「ほかの鳥の声を真似て鳴くメジロ」の論文にコメントを依頼されたために編集に協力いたしました。私もメジロの声を録音していますが、他の鳥を真似ている声を録音したことはありません。宮脇さんは、目のつけどろというか耳のつけどころを心得ていらっしゃいます。宮脇さんの報告では、録音した地域では少ない鳥の声を真似しているので、メジロが他の地域から移動して来た可能性を示唆しています。鳥の移動は金属製の足輪、最近では発信器を着けての調査がされるようになりました。それを鳴き声の鳴きまねから移動がわかるなんて、なんともアナログ的で面白い記録です。これ以上の詳細は、BINOSをご覧ください。
この他にも、ICレコーダーを活用した鳴き声の報告、声紋が掲載されいる論文が収録されています。日本鳥学会での発表も含め、最近こうした鳴き声についての記載が増えたのはうれしい限りです。まだまだ未解明な分野ですから、いろいろ発見があるはずです。今後の研究に期待します。
なお、このほか昨日訪れた葛西をテーマにした「葛西臨海公園鳥類園におけるシギ・チドリ類の渡来状況と来園者の意識から見た現状と課題」が面白かったです。こうした取り組みから、野鳥に対するマナーが欠如した人たちのコントロールまで展開して行くと良いですね。このほか、珍鳥の記録など満載です。
日本野鳥の会神奈川支部Webサイト、BINOS最新号についてのURLです。購入方法も書かれています。
http://www.mmjp.or.jp/wbsj-k/binos19.htm
これだけの知識と情報が、定価1,200円・送料80円で入手できます。
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