目の不自由な方のための録音機-LS-100
目が不自由でありながら野鳥録音をしている方がいらっしゃいますので、盲人用の録音機 を探しています。森さんは、プレクストークにオーディオテクニカのマイクAT9944を外付けして録音しています。しかし、マイク内蔵型のメモリー録音機であれば1台で完結しているのですから、その方が楽ですし失敗は少ないと思います。ということで、YAMAHAのW24を紹介したのですが、使えないと言われてしまいました。機能、大きさ、操作は良いのですが、音声ガイドがないのです。ということで、現行機種から音声ガイドがあって野鳥録音に使えるであろう機種を探しました。なにせ、通販のサイトへ行けば数10機種もあるメモリー録音機ですからいくらでもあるだろうと思いました。ところが、ICレコーダー系にあってもPCMレコーダー系には少ないことが解りました。
また、秋葉原のヨドバシに行って並んでいる機種を触っては音声ガイドを聞いたのですが、猛烈な騒音のなかで細かい検証ができませんでした。OLYMPUSのLSシリーズが、かろうじて音声ガイドが充実していると確認できた程度でした。
野鳥録音をしていると、音を立てるのを極力避けます。ですから、私は録音機はもとよりデジカメから携帯電話も操作音は切っています。まして、音声ガイドなど使ったことがありません。そのため、手放してしまった音声機能があるLS-7などの機種では不明。手元にあるBESETOのDP1000が、音声ガイドがあるとなっていましたが聞いてみるとメニュー操作だけ。これでは、使えません。ということで、OLYMPUSのLS-100をネットオークションで入手することができましたので、本日試してみました。
LS-100は、OLYMPUSの録音機のフラッグシップ機としての位置づけです。他の機種が20,000円台なのに対し、実売40,000円近い価格です。比較して大きいため、ボタン操作はしやすそうです。大きけれど重量は布製ジャマーを付けて300g、持った感じは軽く思えます。機能は、後発機だけに一通り揃っています。たとえば、96kHz/24bitまでの高品位録音に加え、ファンタム電源に対応したXLRと標準Phoneのコンボジャック付きのため、本格的なマイクを付けることができます。このほか、重ね録り、メトロノームなど音楽録音用の機能が付いています。
野鳥録音としては、専用リチュウム電池を使用しなくてはならないこと、タイマー録音機能がないことで、ちょっと引いていました。ただし、バッテリーは48kHz/16bitで録音してもで12時間以上持つとのこと、野外での使用に耐えると判断いたしました。タイマー録音については、目の不自由な方が回収することは難しいので、なくてもよい機能と言えます。
肝心の音声ガイドですが、とても親切です。メニューはもちろんのこと、状況と何をすべきまで言ってくれます。録音開始は「ピ、ピッ」、終了は「ピッ」という操作音で知らせてくれます。今まで音声ガイドを聞いたことがありませんでしたので、ここまで機能が充実しているとは知りませんでした。健常者でも夜明け前や深夜の暗闇のなかので操作をする機会があるのですから、この機能はありがたいと思います。
肝心の音はどうでしょうか。本日、六義園にてヒヨドリの群れの声を録音してみました。ソニーのPCM-D1、YAMAHAのW24との比較です。写真は、左からW24、LS-100、PCM-D1です。
比較音源は、48kHz/16bitで録音、いずれも同じところを約20秒ピックアップしています。加工は、ほぼ同じボリュームに調整、フェードイン、フェードアウトのみ。アップするためにmp3に変換していることもありますが、差を大きく感じることはないと思います。しいて言うと、PCM-D1のグランドノイズが遠くに聞こえる、ヒヨドリの声が近くに聞こえるという違いくらいでしょうか。
LS-100
「W24-121130.mp3」をダウンロード
PCM-D1
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