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2012年11月 5日 (月)

初心者向けの双眼鏡を探す-JBF

 ジャパンバードフェスティバル(JBF)の良いところは、一度に光学器機メーカーの製品が比較できることです。これだけ、一同にメーカーのブースが並ぶことはありません。それも野外での展示ですから実際に使用する状況で比較する機会は、JBFだけでしょう。
 今回の課題のひとつは”初心者用の双眼鏡を探す”でした。私は、初心者を対象とした観察会を指導する機会が多いのです。そのとき「家に双眼鏡があったら持って来てください」とお願いしています。そして、皆さんが持ってくる双眼鏡のひどさには驚きます。たとえば、霞がかかったような視野の双眼鏡が多いですね。いくらレンズクリーナーで拭いても見えません。もっと酷いのは無限大にピントが合わないもの、さらに100倍という考えられない倍率の双眼鏡などを持ってきます。その中には、名の通っているメーカーの製品もあります。こんな双眼鏡を作り売っているメーカーの企業倫理を疑ってしまいます。これでは、せっかくの野鳥の素晴らしさを知ってもらえることはできません。
 ということで、初心者に勧める機種をどれにするか課題なのです。ベテランになれば、10万円を超える双眼鏡を買うのはためらうことはないでしょう。それだけのグレードのものを持てば、野鳥がよりクリアにきれいに見えることを知っているからです。しかし、初心者の方に最初からこの金額のものを進めるのはためらいます。
 初心者の方に聞いてみると、趣味として最初に出せる金額は1万円程度という返事が返ってきます。今までいろいろ見ていますが、1万円では満足できる双眼鏡を見つけることはできません。さきほど述べた酷い双眼鏡の値段を聞くと1万円か、それ以下の機種です。そのため、せめて3万円まで出してとお願いしています。
 ということで、3万円台の双眼鏡を中心に覗かせてもらいました。しかし、残念ながら今回は、これっと言った機種を見つけ出すことができませんでした。今までは、3万円台ということでニコンのモナークのシリーズを薦めていたのですが、今回発表されたモナーク7は5万円台となってしまいました。3万円台の良い双眼鏡というのは、無い物ねだりなのでしょうか。
 そんな思いでうろうろしていたら日本野鳥の会千葉のS村さんに捕まり「トンボを観察する低倍率の双眼鏡はないか」と相談を受けました。要するに、移動の激しいトンボを観察するのには低い倍率で良いから広い視野の双眼鏡が欲しいということでした。ちょうど、気になっていた機種がありました。それは、阪神交易のブースにあったエクストラワイド900です。最初に一巡したときは、一人の若者が「凄い」と言って覗いているのは良いのですが、なかなか離してくれません。そのため、見るのをあきらめていた機種です。そのためもう一度、阪神交易のブースに行って覗かせてもらいました。
 この双眼鏡は、驚くほどの広い視野68.4度、倍率は4倍です。この性能は、スポーツ観戦用の仕様なのです。ですから、見るべきところは決まっているのでピント合わせがありません。ただ、数mから無限大まで合いました。二人で覗き「これでピント合わせがあって近くに来たトンボやチョウを見ることができたら買いなんだけどなあ」と意見が一致しました。
 これだけ多くのメーカーが顔をそろえても、担当者がバードウォッチャーなのは一人か二人です。営業や光学のベテランではあるかもしれませんが、自然観察や野鳥についての知識のある方は限られています。しかし、バードウォッチャーほど、双眼鏡をとことん使い、こだわる人たちはいないです。そのバードウォッチャーが認めれば、ほかの分野でも通用する機種になると思います。JBFは、バードウォッチャーと接するせっかくの機会なのですから意見を聞いて、より良い機種を開発して欲しいものです。

Birdfestival20122

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コメント

初心者向け双眼鏡が話題になりましたので私のお薦めを聞いてください。
私も20年間で5台くらい双眼鏡を買いましたが、今お勧めは1万円でお釣りが来てしかも鳥見以外でも使える「ペンタックス パピリオ6.5×21」です。最短焦点距離50cmは他にありません。
ハイキングで植物観察と野鳥観察を同時にしたいときは必携です。防水機能が付いていないのが残念ですが、小さくてそこそこ明るいので気に入っています。ちなみに私はペンタックス社から1円ももらっていませんよ!

つな様
 ペンタックスパピリオは、覗いたことがあります。双眼鏡とルーペが一体になったという感じで、近くの花に来たチョウを見るには良いと思いました。ということで、私もブツももらっていませんが、以前雑誌のビーパルで紹介したことがあります。ただ、見え味は1万円という感じで、遠い鳥を見るのは物足りなさを感じました。

パピリオシリーズはその名の通り、チョウなど近距離観察をテーマに作られた双眼鏡です。ウミウシやフィッシュウォッチングもやる私はその点では圧倒的にベストで、観察会で訊ねられるたびに周囲に薦めています。ただ、遠くの鳥にはそりゃー2万円台以上ののものに及びません。鳥は鳥、虫は虫、でしょう。
新聞の通信販売で見かける手のひらサイズで20~100倍などというのは、あれはもう作ること自体が犯罪に近いものがあると思っています。

まつ様 ひろ様
私も双眼鏡の使い始めは倍率こそ大切と思っていました。鳥を見始めの人は信じられないような双眼鏡を持ってきます。中には肉眼の方がまだまし、というのまであります。
低倍率でも明るい方がよく見えるというのはなかなか分かってもらえません。
やはり現物を見てもらうのが一番です。
私も手のひらサイズで20~100倍ズームは犯罪だと思います。

つな様 ひろ様
 日本野鳥の会に在職していたとき、V社の双眼鏡をショップで扱っただけなのに、日本野鳥の会推薦といって量販店で販売され、トラブったことを思い出しました。そのため、日本野鳥の会認定双眼鏡をいう企画を提案したのですが、いろいろ事情があってボツってしまいました。バードウォッチャー認定と言うのができると良いと思うのですが・・・
 
 
 
 

エクストラワイド900を覗いたのでしたら、ほぼ同じ性能でピント付き(IF)の笠井SV422を知ってみえるとおもいます。そのSV422と同じ外観で、像質をよくした製品がミザールからsw422という製品名で今年の8月からででいます。 値段は8000円前後です。機会があれば一度覗いてみてください。一台もってますがすごく使いやすいです。

私は一度でいいからJBFに行きたいのですが、山口からは遠過ぎるのと、土日が仕事ということで泣く泣く諦めています。
いろんな光学機器メーカーさんの製品を手に取って比較出来るなんて夢のようです。
今使っているのは、N社の一万円程の双眼鏡で軽くて良いのですが、そろそろ新しいのが欲しいと思っています。
実際にいろいろ目で見て、手に持って、納得して購入したいのですが、地方にいると難しいです。
広島や福岡などの地方都市でも開催して頂けると嬉しいのですが・・・

おがわ様
 いただいた情報の双眼鏡は、知りませんでした。ありがとうごいます。これだけ視野が広ければ、ピント合わせが左右でも使えるということになりそうですね。

piyoco様
 今のところ、いちばん近いのは大阪ですね。ただ、このところ各地でバードフェステバルが開催されるようになったので、いずれ九州でも行われるかもしれません。
 ただ、このイベントに共通の仕掛け人(広告代理店など)がいるわけではなく、それぞれ地元の有志により自然発生的に行われている感じがします。

書き足りなかったようで、すみません。SW422は、ピント調整はついていますが、焦点深度が深いので、無限遠や至近距離を見るとき以外は、ほぼフリーフォーカス(EW900と同じ)です。一度自分の目にあわせておけば、たいていの場面で再調整なく見えます。ですのであちこち見るにはすごく使いやすいです。

おがわ様
 重ねて情報、ありがとうございます。
どこかで実機に触ってみます。

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