アシ原の謎の声-葛西臨海公園
昨日は、晴れの予報を信じて葛西臨海公園へ。ところが、薄曇りの天気は朝から変わらず、薄ら寒い一日でした。しかし、鳥の方は多くノスリやハヤブサが飛び交い、大きな望遠レンズを抱えた野鳥カメラマンの姿も多い葛西でした。
目的は、ホシハジロの雌の声です。「葛西臨海公園・鳥類園Ⅱ」によると、ホシハジロの群れが入っているとのこと、これを狙ってみました。この間の日本鳥学会で聞いた小木曽チエさんのポスター発表は、興味深いものがありました。小木曽さんによると、カモ類の鳴管で種類の識別ができるというのです。鳴管は堅いためミイラ化したような死体でも残り、種類の見当が付けられるとのことでした。また、雌には鳴管がないとも教えてもらいました。確かに、ディスプレイの時に「ピィ」など出すの雄、ホシハジロの場合「キュウィン」あるいは「クゥワォン」と鳴きます。では、雌はなんと鳴くのか、確認したことがありませんでしたので、この耳で確認しつつ録音できればと思って出かけました。
ウオッチングセンターの前にある上の池に、ホシハジロの100羽を越える群れが入っていました。しかし、ほとんど寝ていて、ときどきディスプレイをしそうになる数羽がいるのですが寒さのせいか、なかなかしてくれません。とりあえず、PCM-D1を群れに向けて回しておきましたが、思うような音は録れませんでした。
ところで、この長時間録音中に、聞き慣れない声が聞こえてきました。「ピュウ」という感じに聞こえ、これを間をあけて何度も繰り返す声です。PCM-D1で録音。低音ノイズをかなり軽減、ボリュームのアップ、ノイズリダクションをかけています。
「unknown12122305ee.mp3」をダウンロード
声はアシ原のなか、低いところから聞こえてきます。近くにいる鳥は、ホシハジロ、キンクロハジロ、コガモ、オオバン、カイツブリ、そしてオオジュリンくらいです。この中に、このような声を出しそうな鳥はいません。アシのなかですから、いちばん可能性のあるのはクイナ、あるいはクイナ系の鳥です。ただ、クイナがこのような声を出すのを聞いたことがありませんので、不明です。
この間、行徳野鳥観察舎でも謎の声が聞こえたと問い合わせがありました。この声は、ブログ「行徳野鳥観察舎日誌」にアップされています。聞いたときは同じかもと思ったのですが、違いました。
いずれにしても、冬のアシ原からはいろいろな声が聞こえてきます。
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松田様
神戸です。明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願い致します。
年末にインドへ行っておりまして、blog拝見が遅くなり、書き込みが今になってしまいました。すみません。
声を拝聴致しました。以前、冬に渡良瀬遊水池に行ったときに、この声に非常に良く似た声を聞いたことがあります。その後、しばらくして出てきた鳥がクイナであったことと、蒲谷先生の録音された音源が入ったCDで確認したときに、私の聞いた鳥の声と非常に似ていたという経験があります。私も鳴いている姿を見ていないので、なんとも言えないので、ホントに申し訳ありませんが、参考になればと思い、お伝えしている次第です。
私が聞いたCDの名称がはっきり思い出せないのですみませんが(ネット検索してみましたが、該当のものが見つかりませんでした)、5-6巻で日本中の鳥の声が地域ごとに収録され、薮内正幸さんのメグロやアカショウビンなどのイラストがCD内の冊子の表紙に描かれているものでした。
もしお手元にないようでしたら、実家に戻ったときに確認致しますので、お知らせください。
ご参考になれば、幸いです。
ノロウイルスやインフルエンザが流行っていますので、どうぞお気をつけて。
投稿: 神戸宇孝 | 2013年1月 1日 (火) 00時17分
神戸宇孝様
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
蒲谷先生のCDは『日本の野鳥大全集1-5』ではないでしょうか。手元にありますので、確認してみます。Facebookやメールをいただいた方々のご意見でもクイナ説です。おそらくクイナでよろしいかと思いますが、自分で確認したいところです。
インドとは・・・また土産話を聞かせてください。
投稿: まつ | 2013年1月 1日 (火) 16時42分