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2013年1月30日 (水)

一年間録音!?-『Bird Research Vol. 8』の紹介

 NPO法人バードリサーチの論文集『Bird Research Vol. 8』が、今日届きました。友人知人の発表が多いので、丁寧に読ませていただきました。原著論文5編、短報6報、その他2編、合計13件の内、録音や鳴き声に関する論文が5編もありました。メモリ録音機の普及が、鳥学の研究に寄与していることを如実に物語っています。

Birdresearchvol8

 この中には、先秋の日本鳥学会のポスター発表を行った関伸一さんの離れ島で1年間録音して鳥相の解明を行った報告が収録されています。タイトルは「自動撮影カメラとタイマー付録音機で記録されたトカラ列島の無人島群における鳥類相」です。これは、トカラ列島の臥蛇島、上ノ根島、横当島の3つの無人島で行ったものです。この結果、それぞれの島で、新たに記録された鳥が多数ありました。なかでも、アカヒゲとアカコッコの新しい生息地を確認することができ、アカコッコの南限も広がったことになります。
 論文には、機材名が書かれていました。録音機はオリンパスのVoiceTreck DS-750、マイクはオーディオテクニカのAT-9904、これに本体の単3電池2本に加え、外付けで単1電池2本をつなげてのセット構成です。金額にして、1セット2万円くらいでしょう。
 タイマーは、午前5時~8時、午前7時~8時、午後8時~21時の設定で週1回の録音です。いくつかの失敗はあったものの、このセットで1年間録音が可能と言うことになります。それにしても、1年間となるとかなりでデータ量になり、これを聞き取るのですからさぞご苦労されたことと思います。それにしても、機材を雨ざらしで1年間、放置しての録音とは思い切ったことをしたものです。
 先日、関さんからこの音源の一部をいただき、聞かせてもらいました。夜明け前にオオミズナギドリがにぎやかに鳴き合いながら飛び立ち、その喧噪が静かになるとアカヒゲがさえずり始める瞬間をとらえたものです。目をつぶって聞くと、真っ暗な暗い森から朝日が差して来て木々の葉から朝露が光る雰囲気が音として聞こえて来るような感じがしました。
 研究のための録音とは言え、野鳥録音の可能性が広がる音源でした。膨大なデータ量のチェックもこのような録音を聞くのですから、楽しみながらわくわくして、チェックされたことと思います。ある意味、羨ましい作業となっていたのではないでしょうか。
 なお、このほかの録音と鳴き声に関連したものは、雲野明さんの「プレイバック法をもちいたクマゲラの生態調査」、植田睦之さんの「沢音は鳥の局所的な分布に影響を与えている?」、植田睦之さん、平野敏明さん、黒沢令子さんの「長時間の録音データから鳥のさえずり状況を知るための聞き取り時間帯の検討」、植田睦之さん、黒沢令子さん、斎藤馨さんの「森林音のライブ配信から聞き取った森林性鳥類のさえずり頻度のデータ」が収録されています。
 以下のURLで、要約をみることができます。また、購入も可能です。
  http://www.bird-research.jp/1_kenkyu/journal_vol08.html

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