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2013年2月

2013年2月28日 (木)

商品化が具体的になったForest Notes

  今日の午後は、丸の内にあるJVCケンウッドのショールームへ。以前、記事にした木製のスピーカーForest Notesの商品化が具体的になったための発表会です。ご招待いただきましたので、初回のプレゼンテーションにおじゃまいたしました。
 Forest Notesは、震動させて音を出すコーンのないスピーカーです。四角い木枠だけ、この木枠そのものが震動して音を出します。そのため、爆音系の音楽を聴くのは適しません。森の音を聞くために形から材質などが調整されている自然音専用のスピーカーなのです。また、Bluetoothで音声データを送るのでコードもありません。そのため、どこに置いても違和感のないデザインです。さらに、インターネットで森の音を配信するパッケージも用意されています。スピーカーを売るだけでなく音声も同時に提供することで、ひとつのプロジェクトになっています。いわば、自然の音のインテリアです。
 去年の9月に日本鳥学会の休憩室で見たものより、木枠が多少厚くなっていました。鳥の声や自然の音を忠実に再現するための試行錯誤の結果だそうです。材質はクリ材を選定し、釘などをいっさい使わないというこだわりで、組み立てられています。
 会場を見る限り、丸の内らしい関係者が多くアウトドアぽい業界関係者は私くらいでした。そのため、制作にあたったオークビレッジの社長さんとも話が合って、楽しいひとときを過ごすことができました。
 ちなみに発売は3月中旬。大きなYG-FA30HVが30万円、小型のYG-FA2HVが6万円。配信プランは、高音質(320kbs)が月980円、標準(128kbs)が月490円となります。
 いずれにしても、自然音を楽しむひとつの可能性を感じるプレゼンテーションでした。
Forestnotes1302281

会場は、満員。盛況でした。

Forestnotes1302282

 どこから、どうして音が出るのか、誰でも気になります。
 メーカーのプレスリリース資料のURL。
 http://www.jvckenwood.co.jp/press/2013/02/press_130228_01.html

2013年2月26日 (火)

浅草でヤンバルクイナ

 昨日は法事、精進落としは浅草でフグ料理を堪能いたしました。人生4度目のフグです。
 フグ料理店だけに店内には、大きな絵皿がたくさん展示されていました。この中に、松に鶴かと思ったら松にヤンバルクイナの絵皿を発見。

Okinawarail130225

 もし、この絵皿が江戸時代のものならば大発見。なにしろ、ヤンバルクイナは1980年代になって確認された鳥なのですから、それ以前の記録があれば初めての記録となります。今のところ、博物画などからは見つかっていませんが、沖縄に近い薩摩焼の陶器に描かれているかもしれないと予想しています。ですから、こうして陶器の絵柄は必ずチェックしています。もしやと思って女将に聞くと「沖縄に行ったときのお土産です」とのこと。う~ん残念でした。でも、そんなラッキーなことに巡り会ったら、フグにも当たってしまうかも。

2013年2月25日 (月)

強風のなかでの録音-銚子

 週末は銚子でした。
  去年同様、兵庫県でお世話になったヒクイナのW辺さんがお出でになるということでの銚子行きです。今回、土曜日は日本野鳥の会奥多摩支部のF沢さんら、日曜日は目の不自由なMさんもお出でになるということで、それぞれの方々といっしょに行動いたしました。ただ、寒いのと昨日の風は半端でなく、コンディションは良いとは言えず苦労しました。せっかく録音に来たMさんとは車の中でお話をしただけで、ちょっと残念でした。
 銚子は、イワシの不漁と放射能で汚染された福島県沖で漁ができないため漁獲高は少ないとのこと。それに比例して、カモメ類も去年に比べると少なめでした。それでも、総計すれば万単位となり、たえず鳥が見える風景は健在です。青空をバックに白いカモメたちが飛んでいく様は、銚子ならではの風物詩です。さらに、この群れの中から珍しいカモメを探し出すのも銚子の醍醐味となります。これには眼力、識別力、知識がものを言いますが、この競争には生半可な姿勢ではついては行けません。私は教えてもらうばかりで、おかげさまでオビハシカモメ(旧称:クロワカモメ)が初見となりました。
 このほか、犬吠埼の灯台ではハギマシコの群れを見て、外川漁港からは洋上発電の風車を見ました。思った以上に陸に近く、大きな構造物なのですね。これが、海鳥たちに影響がないとは思えません。
 録音的には、風が強いために思うような音は録れませんでした。しかし、それでもなかなか録れないセグロカモメをゲット。魚の作業場で鳴いています。そのため、声が反響して不思議な感じの音となりました。PCM-D1で録音、ボリュームは下げ、低音ノイズの軽減、ノイズリダクションをかけています。

2013年2月22日 (金)

イタヤカエデのシロップ-日光産

 日光の自然の師匠、E村さんからメイプルシロップをいただきました。なんと、日光のイタヤカエデの樹液から作ったものです。この小さなな容器に入っているだけで、樹液1,3リットル。牛乳の1リットルパック1本以上を煮つめて作ったとのこと。37倍に濃縮したものだそうです。
Maplesyrup130223

 たいへんお恥ずかしい話なのですが、私はカナダのメイプルシロップはあの売られている状態のまま木から出てくるものとずっと思っていました。濃縮することで、蜂蜜と同じくらいの甘さと濃度になるというのを教えてくれたのもE村さんです。
 さっそく、パンケーキを焼いてその上にかけて食べてみました。色は、メイプルシロップらしい蜜の色をしていますが、カナダ産のものより薄い色です。かけてみると、さらっとしています。そのため、パンケーキの上を流れず染みていきます。ほのかにメイプルシロップ独特の香りがあり、どちらかというとすっきりとした甘さです。おかげで、いくらでも食べられます。
 この甘さは、日光の自然の恵みです。春の芽吹き、夏の葉陰を通る涼風、秋の紅葉、冬の落ち葉を踏みしめて歩く山道を思い浮かべながら、おいしくいただきました。
 E村さん、ごちそう様でした。

2013年2月20日 (水)

ふたたび和田倉門-ハチジョウツグミか

 昨日の観察会は雪の中。それでも多くの参加者の皆さんに集まっていただき、鳥もそこそこ出現してくれました。この見つけた鳥のなかに、ちょっと気になる鳥がいました。それは、集合場所近くにいたツグミです。吹雪のなかでしっかりと確認できなかったのですが、脇に赤みのある亜種ハチジョウツグミに見えたのです。
 気になったので今日の午後、確認のために同じ場所に行ってみました。今日は、昨日とはうって変わって良い天気です。ただ、お堀端を吹き抜ける風は冷たく、寒さは変わりない感じです。近くを探すと、くだんのツグミを見つけました。

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  以前記事にした六義園のハチジョウツグミ同様、色の淡いタイプです。本来、脇腹の黒い部分がほんのりと赤茶色をしています。羽毛の先の白い部分がもっと擦れてくれば、もう少しははっきりすると思います。なお、頭には丸みはありますが嘴はそれほど太く長く見えませんでした。よりツグミに近いハチジョウツグミ、3畳ツグミくらいかなと言ったところでしょうか。
 昨日と同じコースを歩くと、ツグミがこのほかに2羽がいました。いずれも、よりきれいなタイプで脇腹はほとんど黒、ただよく見ると下腹の脇に赤茶色の羽が少しありました。腹の脇に赤茶色の羽毛が出る形質は多くのツグミが持っているものかもしれません。それにして、1時間ほど観察を続けましたが、一声も鳴かず。声による違いは、確認することはできませんでした。

2013年2月19日 (火)

吹雪のなかの観察会-丸の内さえずり館

 今日は、丸の内さえずり館主催の「お昼休みのバードウォッチング~丸の内の冬鳥を探そう!」でした。去年は雨の上にNHKテレビの取材もあって、たいへんでした。今日の天気予報は曇り、少し風が強いかなと言ったところ。去年に比べれば、どうってことはありません。ところが、家をできるときにチラチラ降っていた雪が、丸の内に着くと本降りとなってきました。その時点で、気象レーダーを見ると濃い青色マーク、厚めの雨雲が覆っています。そのため、さえずり館には「今日の観察会は行われるのか」という電話が入ってきます。雪がチラチラ降っているときに、電話をいただいた方には「実施します」と言ってしまっているので、今更中止にするわけには行きません。
 ということで雪の中、集合場所の和田倉門に行くと、すで4名の方が待っていました。そして、なんと開始時間には20名となりました。皆さん、熱心な方ばかりです。しかし、天気はますます悪くなり横殴りの風の中、雪が舞っています。今まで長年、観察会の指導をしてきましたが、こんな吹雪の中での実施は初めてです。いずれにしても、寒さと雪を避けながら、四阿のなかで肩を寄せ合っての観察会となりました。
 ただ、雪のなかでもキンクロハジロの群れがいて、ユリカモメが飛び交ってくれました。近くの街路樹では、ハシブトガラスの夫婦が巣を作る場所を探しているようです。この程度の雪は、鳥たちには関係がないようで元気に活動しています。
 数年前のこの観察会では、カワアイサやミコアイサがいました。よく「どうして、いなくなったのか」と聞かれますが「居るほうがおかしかったのでは」と答えています。
 たとえば、カワアイサは伊豆沼のような広い水面にいます。そして、湖の中央にいて岸近くに来ることは希です。日光でも中禅寺湖や湯の湖にいますが、同じように岸近くに来ることはありません。とても警戒心の強い鳥なのです。ミコアイサもカワアイサほどではありませんが、広い水面を好み、近くに来ることのない警戒心が強い鳥です。それが、狭いお堀に入るなんて、とても不自然な感じがしていたのです。でも、今日のような天気では、不自然でもいてくれたらどんなに良かったかとせつに思いました。
  Saezurikan130219_2

  写真は、丸の内さえずり館のF須さんに撮っていただいものです。
  参加者の皆さん、スタッフの皆さん、お疲れ様でした。どうぞ、カゼなど引かぬようお気を付け下さい。

2013年2月18日 (月)

スノーシューでバードウォッチング-奥日光情報

 昨日は、日光野鳥研究会の自然観察会でした。この季節、定番となった奥日光でのスノーシューです。コースは、湯滝から泉門池の間を周遊しました。この観察会は、ここ10年の間に8回ほど行っています。ほぼ毎年、同じ時期に同じコースを歩いています。そのため、年による違いが解るコースです。
 今年はマイナス8度、午前中は風が強く奥日光の寒さをたっぷりと味わえました。この寒さは、例年とかわりありません。今年は、一昨日に降った雪が数10cm積もっているので、ふかふかです。バウダースノーを舞い上げて歩きました。
Snowshoe130217_3

 鳥の方は、例年と同じくらい。とくに、今回は森の奥でキレンジャクの10数羽の群れに会いました。わずかに残りドライフルーツになったズミの実をさかんについばみ、ときどき雪の上に舞い下りては雪を食べていました。それも、群れがだんだん近づいてきてくれるのですから、一同は氷ついたように動けませんでした。
 泉門池には、珍しくヨシガモのきれいな雄とヒドリガモの雌がいました。ヒドリガモのイメージは内湾ですから、こんな真冬の標高の高い湖沼での出会いは、珍しいと思います。今では、マガモとコガモがこの池の冬の主ですが、カモの種類が少しずつ変わってきているようです。
 帰り道では、これまた定番のキバシリの姿とさえずりが聞かれ、キツツキのドラミングが森に響き渡っていました。湯川の名物のアオシギは、このところ出会いが少なくなっています。とくに今年は、湯川の水の量が多く、アオシギが食べ物を探す瀞や干潟状のところがありません。以前、アオシギが居たところを探すと水没しているのですから、生息条件が悪くなり出会えないということでしょう。
 中禅寺湖の菖蒲が浜は、オオワシやオジロワシのポイントですが、この出会いも減りました。ここを通る度に覗いて行きますが、今シーズンは見ていません。以前のように、オオワシとオジロワシが並んで木にとまっているというシーンは、過去の栄光となりました。
 今年の傾向で面白いのは、中禅寺湖でもオオバンが増えたことです。オオバンの生息地のイメージは東京湾沿岸の湿地、あるいは手賀沼や印旛沼など平地の湖沼の鳥です。ですから、湯湖の見たときは驚いたものです。この時は、迷って来たものと思っていました。それが、奥日光に定着し中禅寺湖でも多くなりました。
 そのため「オオバンが多いね」「こりゃ、おおばん振る舞いだ」と、観察会のオチがつきました。 

2013年2月14日 (木)

ハチジョウツグミの語源は八丈紬だ

 今日は六義園のセンサス調査を行いました。これまで、大雪の後遺症で入れないところが多かったですが、今日はほぼいつものコースを通ることができるようになりました。そのため、K藤さんとK久保さんにもお手伝いをお願いいたしました。
 今日は、小鳥が多かったですね。シロハラとシメが特に増えています。また、カモ類のキンクロハジロも20羽を越え、今シーズンとしては多い方です。きっと南で越冬していたものが北へ帰り初めての増加でしょう。
 ツグミは、このところ森を出て芝生に2羽が滞在中。1羽は翼のレンガ色がとてもきれいな眉も白いタイプ。もう1羽が、英名のDuskyといった地味なタイプです。ところが、地味なほうをよく見ると脇胸に赤茶色があることに気がつきました。どうも亜種のハチジョウツグミが入っているようです。画像検索をすると、この程度でもハチジョウツグミとしている方もいますが、間のタイプもあるのでなんとも言えません。仲間うちでは、四畳半ツグミか3畳ツグミと言っています。
 また、この個体は脇胸の色以外、典型的な亜種ツグミに比べて嘴が太めで額のラインが出ているという違いがあります。額のラインは、ハシブトガラスとハシボソガラスほど顕著ではありませんが、比べるとそう見えるという程度です。そのため、顔つきが丸味を帯びて見えます。脇胸の羽毛の先にある白い部分がもう少しすり切れてくれば、よりハチジョウツグミらしくなるかもしれません。

Duskythrush130214


 
  ところで、ハチジョウツグミのハチジョウが気になって調べて見ました。ハチジョウツグミの名前が出てくるのは江戸時代中期の『観文禽譜』(1794年)、いわゆる堀田禽譜あたりまでさかのぼれます。ハチジョウは、八丈で八丈島というのが通説です。ただ、八丈島で捕らえられたとか、八丈島に多いという記述は見つかりません。ハチジョウツグミの名前の由来は不明というのが大方の意見ですので、勝手に想像してみます。
 この頃の八丈島は、江戸の人から見れば津軽や蝦夷と同じように異境の地の地名だったことでしょう。この頃、江戸では八丈島産の絹織物が注目を浴びます。八丈島の地名の由来も織物の長さの単位ですから、それだけ八丈島の織物は有名だったことになります。中でも、黄八丈が珍重されました。黄色と言っても少し茶色がかった色ですので、ハチジョウツグミの脇腹の色にちょっとイメージが近いですね。また、八丈紬(はちじょうつむぎ)としてのブランド名も広まっていたことと思います。八丈紬の起源は、室町時代まで起源をさかのぼれますから、八丈紬という名称が知れ渡っていて、それに似た色のツグミが見つかり、珍しい鳥なので異境の地に似た名前のハチジョウツグミになったというのはいかがでしょうか。
 当時の着物は、現在の耐久消費財ぐらいの価値がありました。ユニクロも着物の青山もありません。ですから、庶民は木綿、絹は半襟くらいにしか使えず、八丈紬は大名、お大尽のものだったでしょう。今で言えば、高級外車くらいの価値があったといっても過言ではありません。ですから、大名のお抱え絵師であった堀田正敦さんが八丈紬の着物を着て「八丈紬?、ハチジョウツグミか、こりゃ良いね」と言ったのではないかと想像します。八丈島産の織物のブームとハチジョウツグミの名前の初出の時代が近いと言うことでの想像です。
 六義園のツグミの少しでも長い間滞在してくれて、よりハチジョウツグミらしくなり一声でもさえずってくれて、さえずりの違いまで教えてくれるとうれしいですね。

2013年2月11日 (月)

ハシボソガラスの巣作り開始-日光

 連休は日光でした。それにしても、今日の戦場ヶ原は寒かったですね。自動車の温度計では、マイナス6度。風があるので、体感的にはマイナス10度以下に感じます。地吹雪が吹き荒れ、鳥はコガラが1羽だけ。昨日は、レンジャク類が見られたそうですが、今日はダメでした。
 市内に下りてきても、この寒さは変わらず。それなのに、杉並木では巣材を運ぶハシボソガラスがいました。写真は、巣材を置いたスギの中から飛び出すハシボソガラスです。

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 日光では、カワガラスがさえずり、アカゲラがドラミングする季節ですから、もう鳥たちの繁殖期は始まっています。ですから、珍しいことではないと思います。ところで、一方のハシブトガラスの巣材運びが見られるのはだいたい3月下旬、お彼岸の頃です。ハシボソガラスの方は、1ヶ月以上早い巣作りとなります。一説には、ハシブトガラスは南方系、ハシボソガラスは北方系のため、寒さに強いハシボソガラスは寒い季節から繁殖を始めるということだそうです。
 私が六義園で調べたところ、ハシブトガラスの死骸が見つかるのは3~4月。この期間で年間のおよそ70%の死骸が見つかっています。野生動物の死因の多くは餓死だと思いますから、ハシブトガラスにとって食べ物のない季節となります。木の実を食べ尽くし、昆虫がまだ出てこない逢魔時と解釈しています。
 一方、ハシボソガラスは今巣作りをしているのですから、ハシブトガラスの死骸の多い頃に卵が孵り、子育ての真っ最中となります。ハシブトガラスが餓死する季節に、ハシボソガラスは食べ物を必要とする子育てをしていることになります。ハシブトガラスの木の実食とハシボソガラスの草の実食という食性の違いだけでは、ちょっと説明ができない事柄です。
 いずれにしても身近なカラスたちですが、解らないことが多いですね。

2013年2月 9日 (土)

シメのさえずり-六義園

 今日の六義園は、北風が強くあまり良いコンディションではありませんでした。しかし、待ちに待ったシジュウカラの初囀りを記録しました。まだ、短くて心許ないさえずりでしたが、遅い記録を更新することはなくほっといたしました。
 そして、シメのさえずりと思われる声を録音することができました。1羽が1羽を追いかけて、そのあと枝にとまって鳴き続けていたもので、数mの距離で録音できました。PCM-D50で録音、ボリュームはそのまま、低音ノイズの軽減、軽くノイズリダクションをかけています。



 『野鳥大鑑』の執筆のとき、蒲谷鶴彦先生と悩んだのは、このシメのさえずりです。シメのさえずりは、地鳴きとの区別がつきにくいのです。地鳴きは「チッ」あるいは「ピッチ」という短い声、1声です。これを連続して鳴き続けてたらさえずりで良いかと悩んだのです。ですから、『野鳥大鑑』に収録されている蒲谷先生の音源は、「チッ」の連続で、ときどき同じ音質で「チー」と伸ばす声を交えています。
 今日のシメの声は、「チッ」以外の声はないのですが、気がついてから3分以上、録音は2分45秒あります。その間、鳴き続けていたので、さえずりでよろしいかと思います。
 また、蒲谷先生は北海道で、シメがイカルのようにはっきりした節のある声で鳴いたのを聞いたというのです。その後、このことが気になっていろいろ調べて見たのですが、今だシメのイカルのような声の記録を見つけられないでいます。近い仲間のカワラヒワは、ラブソングとテリトリーソングが違うと思っています。シメにもそんな違いあるのか、あるいは地域による違いなのか、気になっています。
 これから、シメのさえずりが聞かれることが多いと思います。シメのさえずりに気をつけていただければ幸いです。

2013年2月 7日 (木)

吉井正さんのお葬式-駒込・吉祥寺

 ウメの花にメジロがやって来ています。ついでヒヨドリが来て、花を丸ごと食べています。窓の外のウメの花が満開の駒込・吉祥寺です。
 「戦後間もない頃、図鑑の原稿料だかでもらった40万円で、ここ吉祥寺のお墓を買ってしまったの」とお話しをされるのは、故・吉井正さんの奥様。御年91歳、次からつぎに出てくる裏話に一同唖然。お葬式でこんなに盛り上がってしまって良いのかと思う、吉井さんのお葬式でした。
 吉井さんは、山階鳥類研究所の標識室長として、戦後日本のバンディング調査の礎を築いた方です。脚輪を付けた鳥は世界中をとびまわっているのですから、バンディング事業は海外との交流が必須です。吉井さんは、得意の英語を生かし世界への窓口として当時の日本の鳥学を世界に発信されました。現在ならば、インターネットを通じて世界の研究者と交流できますが、当時は吉井さんが世界への窓口であったといっても過言ではありません。
 私が最初に就職した日本鳥類保護連盟は、渋谷区南平台にあった山階鳥類研究所に間借りしていました。どちらの理事長も山階芳麿さんでしたので仲間意識を持って、仕事をしていました。職員は、リタイアされたご老人と私のような何もわからない新人と年代のギャップが激しい人員構成です。そのなかで、吉井さんは当時40代後半、中堅として間を埋めてくれる貴重な存在でした。若い職員にとっては、鳥のことも知らないでただお金のことだけでプレッシャーをかけてくる老人たちと戦ってくれる心強い味方であったと思います。また、私は連盟時代にしっかりと叱られたのは吉井さんしか記憶にありません。鬼軍曹のような、ちょっと怖い存在でもありました。その吉井さんが、お亡くなりになったは去年の12月26日、享年91歳でした。本日は、本葬とのこと。ご家族と山階鳥類研究所のOB、現職の方々が集い、当時の仲間意識のまま私も列席させていただきました。
 葬儀が行われた吉祥寺は、家から歩いて行けるところです。法事帰りの吉井さんに何度かお会いしたことがあります。吉祥寺は、江戸名所図会に描かれた当時のままに本殿や並木が残っています。散歩で訪れたことはありますが、なかに入ったのは初めてです。迷路のように部屋が並び、所々に飾ってある浮世絵や彫り物は見事なものばかり。お経の前に打ち鳴らされた太鼓は、江戸時代に徳川家から下賜されたものとか。また、お坊さん5名での読経は大きな本殿に響きわたり、1時間を越えるお勤めではありましたが、飽きることはありません。録音をしたくて、うずうずしてくるようなお葬式でした。
 そして、葬儀の後の歓談で奥様からいろいろ裏話をうかがいました。黒田長久さんが、家に来たときの話。GHQの鳥類調査のアメリカ人があまりにも威張っていたので、新潟に置いてきてしまった話。鹿児島県出水に行ったときの話、新浜の話。昔、入院していたときは消灯後にベッドの下で原稿を書いていた話。そして、冒頭の吉祥寺にお墓を買ってしまった話。「当時は、喰うや喰わずの時でしたので、どうしてと思いましたが、今こうして皆さんとお会いできたと思うと良かったと思います。」「好きな鳥の仕事をして来た主人はとても幸せでした。」と奥様のお話に一同うなずくばかり。これも録音したくなる話でした。
 終戦後、食べるのがやっとの時代、鳥業界を支えてくれた恩人が、また一人お亡くなりなってしまいました。吉井正さんのご冥福を心からお祈りいたします。

2013年2月 6日 (水)

『朝の小鳥』スタジオ収録-リュウキュウウグイスの問題

 文化放送のスタジオにて『朝の小鳥』の3月放送分の収録でした。3月は日曜日が5回あるので5回分を録りました。
 3月は沖縄県石垣島の鳥たちを取り上げました。石垣島は2回行っています。この中での傑作選ということで、雰囲気の良い音源を選びました。ところで、シナリオを書いていて困ったのはリュウキュウウグイスです。
 リュウキュウウグイスは、ウグイスの亜種です。南西諸島では、冬鳥で繁殖は確認されていません。そして、リュウキュウウグイスと同じように背中に灰色のあるカラフトウグイスがサハリンから千島列島にいて繁殖しています。どうやら同じ亜種らしいということで、DNAによる判定も行われ確認されています。しかし、今回の日本産鳥類目録第7版では、そのままで変更されませんでした。
 将来的には、どちらの亜種名が残るのか興味のあるところです。故郷となる繁殖地名を生かすのならば、カラフトウグイスでしょう。どちらが先に発見されたかでは、リュウキュウウグイスは黒田長禮さんが1925年に発表、カラフトウグイスは山階芳麿さんによって1927年に発表されていますから、リュウキュウウグイスのほうが2年早く有利となります。
 今回は、とりあえずリュウキュウウグイスの名前を生かしてシナリオを書きました。石垣島の話で、カラフトウグイスの話もしづらいですね。

 3月放送予定です。
 2013年3月3日 リュウキュウウグイス
        10日 シロガシラ
           17日  イシガキヒヨドリ
           24日  シロハラ
           31日  リュウキュウアカショウビン

2013年2月 4日 (月)

久しぶりの更新-バイノーラルで野鳥録音

 仲間と録音をしていて「こんなに楽しくて良いのだろうか」「私たちだけ、こんなに良い思いをしてバチが当たらないだろうか」と語りあったことがあります。価値観を共有できる仲間がいることで、こんなに楽しめる世界に浸れることは幸せだと思います。
 その仲間からバイノーラル録音と言う世界があることを教えてもらいました。これがまた、作る楽しみから録音の楽しみまで、2度美味しい世界でした。
 私は不器用で工作は得意ではありません。家にはろくな工具もありません。どちらかというと、出来合いのものを買って使う方が簡単で便利だと思っています。ところが、バイノーラル録音に使うダミーヘッドは高価です。作った方がはるかに安く、使いやすいことがわかりました。ということで、不器用な私がろくな工具も使わずチャレンジしたダミーヘッドによるバイノーラル録音です。サンプル音源もアップしています。
 皆さまもこの楽しい世界を試してはいかがでしょうか。
 そういえば、syrinx本編の久しぶりの更新でもあります。
 http://www.birdcafe.net/index/syrinx-index.htm
 →archives→バイノーラルで野鳥録音へ

2013年2月 3日 (日)

あしだち自然にふれあう会-舎人公園探鳥会

  今日は、あしだち自然にふれあう会の探鳥会で舎人公園へ。本日は、区報などを通じて一般の方にも参加を呼びかけての探鳥会です。それだけに参加者が多く、総勢50名ほどとなりました。数えてみたら、このうち30名ほどが女性。4対6の比率で、女性が多い傾向がここでも見られました。この会のリーダーも男性です。しかし、幹事役の方は女性が多く、皆さん熱心に世話役をこなしています。
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 日本野鳥の会の支部でもないし他の組織と交流の少ない独立したグループです。しかし、全国のバードウォッチング関連の会と同じ傾向にあるのが、とても興味深いと思いました。バードウォッチングの持つ魅力に反応する年代や性別には、特性があるのかもしれません。
 そんなことを思いながら鳥を見ていたら、ツグミがたいへん多いことに気がつきました。ここでも去年のツグミの少なさは、いったいなんだったのかと思わせるほどの数です。それに、見られるツグミが皆きれいなタイプです。眉斑が白く翼のレンガ色がきれいで、胸も黒いタイプです。そして、警戒心が薄くそばまでやって来てくれます。去年は、少ない上に、いても全体に淡い色をしたタイプで警戒心が強いツグミばかりでした。
 実は、私は減少したら復活するまで2、3年、ひょっとしたら5、6年はかかるもの密かに予想していました。ところが、1年で復活し、それ以上に多くなった感じです。つくづく、予言などと言って記事にしないてよかったと思います。

2013年2月 2日 (土)

行徳野鳥観察舎-冬の公開講座-

 今日は、行徳野鳥観察舎の冬の公開講座にて、「野鳥の声と録音-最新情報」と題して、新しい録音機材の紹介、録音方法、そして鳥の声の研究にまつわるお話をいたしました。天候が不安だったので早めに行ったら、観察舎の前にはミサゴがいたり、カモメの群れが飛び交うなど、部屋のなかで話すのがもったいないくらいの鳥の多さでした。
 お出でいただいた方の多くは顔なじみでしたのでアットホームな雰囲気のなかで話をすることができて、私としても楽しいひとときとなりました。皆さんが、いちばん興味を持ってくれたのは、バイノーラル録音でした。実物のウィッグを持って行きましたので、ご覧いただき耳にも触ってもらいました。虫の録音をされている方もお出でになっていたので、これで虫の録音をしてみたらとオススメいたしました。
 いずれにしても、録音機材の発展をうまく利用し、いろいろ工夫をすることで野鳥録音の幅と深さを広げることができると思います。そのためには、新しいことを取り入れる柔らかい頭と柔軟性を持った行動力が必要ということで、いろいろな方の録音方法や研究もご紹介いたしました。中西悟堂さんの時代には野鳥の声の収録と言ったら、カタカナでノートにメモをする時代であったのですから、簡単に録音できる時代となった今、これからもいろいろ発見があっても良いはずです。
 さて、次は日本野鳥の会のバードプラザでの講演です。
タイトル:野鳥の鳴き声と楽しみ方
内容:野鳥はなぜ美しい声でさえずるのか、野鳥の声の魅力や仕組み、そして覚え方を初心者の方にもわかりやすく解説します。
日時:2013年3月2日(土曜日) 13時30分~15時
場所:日本野鳥の会事務所会議室(品川区西五反田)
定員:30名(先着・要予約)
詳しいことやお申し込み方法は、下記URLへ
  http://wildbird.seesaa.net/article/317438018.html
 翌週には、安西英明さんの講演もあります。合わせてお出でいただければ幸いです。

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