シマアカモズか?-六義園
15日の六義園のセンサス調査中、手伝ってくれているK久保さんが「これは何?」と1羽の鳥を見つけました。見ると、中之島のサツキの上に白っぽい鳥がとまっています。双眼鏡で見るとモズのようです。しかし、小型で体つきがスマート、頭に丸みがなく細面に見えることで、普通のモズには見えません。さらに、翼に白斑がないことがわかり、モズでないことは間違いありません。
いちばん可能性のあるのは、シマアカモズです。シマアカモズは、アカモズの南西諸島から九州南部で繁殖している亜種です。この分布域からはずれた日本海側の離島でも記録されることがありますから、六義園に出現しても不思議はありません。
ただ、アカモズには、亜種アカモズのほかにカラアカモズ、ウスアカモズの4亜種がいます。いずれの亜種も、亜種アカモズほど赤くありません。このなかで、もっとも赤みがなく灰色ぽいのがシマアカモズとなります。ただ、いくつかの図鑑を見ると過眼線が黒く明確なこと、そのため白い眉斑が見えることなどの違いがありました。情報が少ないなか画像検索をすると、石垣島で撮影されたシマアカモズの雌とされているものに近いことがわかりました。雌のために、模様が不明瞭であることは納得できます。ただ、資料が少ないので、間違っていたらごめんなさい。ご存知の方、ご教授願えれば幸いです。
シマアカモズの記録は、ざっと調べたところ東京都での記録は見つけられず、都内初記録かもしれません。亜種であるためにアカモズの記録に埋もれている可能性がありますので、なんともいえませんが、いずれにしても珍しい記録だと思います。
この鳥は、午前10時に発見され12時30分頃まで、たびたび姿を見せてくれました。それ以降は、吹いてきた南風に乗って渡ってしまったのか、見えなくなりました。一期一会の野鳥との出会いとなりました。
« 対談-夏休み子ども科学電話相談30周年 | トップページ | 白っぽいモズか?-六義園 »
「観察記録」カテゴリの記事
- ジョウビタキの威嚇の声-芝川第一調節池(2023.02.02)
- アオサギの威嚇の声-六義園(2023.01.29)
- ミソサザイのさえずりか?ー六義園(2023.01.21)
- ウグイスの真似をするガビチョウ-日光(2023.01.14)
- オオカワラヒワの地鳴き-日光(2023.01.13)
「考証」カテゴリの記事
- オオダイサギの鳴き声-芝川第一調節池(2023.02.01)
- 黒田長久さんのことーその5(2023.01.11)
- 黒田長久さんのことーその4(2023.01.10)
- 黒田長久さんのことーその3(2023.01.09)
- 黒田長久さんのことーその2(2023.01.07)
コメント