鳴かないコブハクチョウの声-北浦
海外ドラマ『NCISネイビー犯罪捜査班』を見ていたら、デビット・マッカラム演じるダッキーの「ハクチョウは生涯を通してほとんど鳴かず、死ぬ前にたった一度だけ歌う」という台詞がありました。Swan Song=生涯最後の作品・演奏という意味があります。有終の美を飾るということでしょう。小説や歌の題名でも、使われる言葉です。
しかし、オオハクチョウもコハクチョウも良く鳴きます。この鳴かないハクチョウとは、コブハクチョウのことです。英名はMute Swan、直訳すれば沈黙の白鳥です。野鳥録音としては、鳴かないのですから録音のできない鳥であり難題の鳥となります。
私のコブハクチョウの音源は手賀沼で以前、録音した幼鳥の声があるだけです。親鳥とほとんど同じくらいの大きさの幼鳥でまだ灰色の体をしていました。親鳥の後を泳ぎながら、良く鳴いていました。ところが、親鳥は一言も鳴きません。といって、移入種のコブハクチョウの声を録るために時間とお金を費やす気にもならず、そのままになっていました。
今回の茨城県北浦の2日目、カンムリカツブリの声を録ろうと仕掛けて置いた録音機を回収に行くと、昨日はいなかったコブハクチョウ5羽が岸辺にいました。近づくと向こうも近づいてきます。そして、録れた声がこれ。PCM-D1で録音、低音ノイズを軽減して、コブハクチョウの声を強調しています。
「mute_swan130405mix.mp3」をダウンロード
鼻息のような声です。録音機との距離は、数十cmですから小さな声です。しばらくすると餌をもらえないとわかって、離れていきました。そのときの声は、ため息のように聞こえました。
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