夜の鳥の競演-コノハズクとトラツグミ
2年前、A部さんのおかげで30年ぶりにコノハズクの声を聞き、はじめて録音に成功しました。そのときの記事です。
http://syrinxmm.cocolog-nifty.com/syrinx/2010/05/post-e94b.html
その後、A部さんは周辺各地でコノハズクを探し出し、雌の声の録音や声による個体識別まで試みています。おかげでコノハズクは普通種となり、かなり春早くからさえずり始めることもわかりました。コノハズク=留鳥説もありますから、その傍証ともなりそうです。
一昨日、一昨年コノハズクを録音した場所にA部さんと再訪しました。ここは、A部さんが、過去の報告書にコノハズクがいたと記録されている情報をたよりに見つけ出した栃木県北部のダム湖です。夕方、ダム湖に着くと、満水の状態です。おかげで森に囲まれた湖となり、とても神秘的で良い感じです。
日が沈むとほぼ同時に、コノハズクが鳴き始めました。ちょうど、谷間なので声が反響して、これまた神秘的です。方向が定まりませんが、対岸の山の斜面のようです。遠くでも、もう1羽鳴いており少なくとも2羽が鳴き合っています。沈み始めた細い三日月が山陰に浮かんでいるように見えます。風もなく、夜の帷があたりを包み込みます。コノハズクらしい舞台装置が整ったなかに響くコノハズクの声です。鳥をその鳥にとってぴったりの雰囲気のなかで楽しむことこそバードウォッチングの醍醐味だと思う瞬間です。
その後、タイマー録音を仕掛けたら、トラツグミとの競演が見事に入っていました。夜の鳥たちの命に満ちあふれた音をお楽しみいただければ幸いです。
YAMAHA W24で録音。ボリュームのアップ、低音ノイズの軽減、ノイスリダクションをかけています。
「ScalyThrush130514.mp3」をダウンロード
A部さん、おかげさまでコノハズクに今年も会えました。お礼申し上げます。
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