『私の野鳥記-70年の回想』のご紹介
岩手県の遠藤公男さんから、いただきましたのでご紹介いたします。
著者の林武雄さんは福井県の鳥獣保護担当の職員でした。今では、鳥の保護と言えば「良いことですね」と多くの方が賛同してくれますが、林さんが現場にいた1960年代は「野鳥は捕るもの、食べるもの」の時代でした。私自身、「野鳥を見て、お腹がくちくなるのか」とよく言われました。まして福井県はカスミ網の本場、取り締まる立場の林さんのご苦労は、今からは想像もできないほど苦難の連続。当時、カスミ網猟は密猟、違法な行為であったにも関わらず、大手を振って行われていたのですから、そこには利権があって一役人ごときで太刀打ちできるものではなかったはずです。しかし、それにも関わらず密猟者と戦い、取り締まりに奮闘した林さんは、すごい方です。いわば、現在の野鳥保護の活動は神経戦的なところがありますが、当時は肉弾戦だったと実感する事件、事案のかずかずが語られています。
『私の野鳥記-70年の回想』は500部発行され、図書館や自然保護団体関係者らに寄贈しているとのこと。機会があったらぜひお読みいただきたいと思います。
地元、福井新聞の関連記事のURLです。
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/society/41689.html
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