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2014年2月

2014年2月27日 (木)

フランスなまりのクイナ-芝川第一調整池

 先日の芝川第一調整池では、アリスイも鳴いてくれました。アリスイ狙いで、昨夕にタイマー録音を仕掛けに行き、今朝回収にいきました。雨は今日の昼からの予報でしたが、早く降り始め、録音には午前7時30分頃から雨音が入っていました。幸いにして風防のスポンジが濡れた程度で、録音機は無事。ただいま、検証中です。
 今のところ、アリスイは鳴かず。ただ、次のような声が入っていました。YAMAHA W24でタイマー録音、ボリュームのアップ、低音ノイズの軽減、ノイズリダクションをかけています。
「WaterRail140227.MP3」をダウンロード
  私はクイナの声だと思います。
 録音仲間のTさんからは「ヨシ原から聞こえて来るクイナと思われる声には、いくつかのパターンがある、すべてクイナで良いのだろうか」と、課題をいただいています。私も気にはなっていたのですが、姿が見えないクイナだけに検証が難しく、そのままになっていました。
 日本のクイナはRallus aquaticus indicusという亜種です。朝鮮半島からシベリア東部で繁殖し、インド東部から中国南部などで越冬します。このほか、ヨーロッパ北部で繁殖しているR. a. aquaticus、アイスランドで繁殖しているR. a. hibernans、イラン東部からインド北部で繁殖するR. a. korejewiがいるとされています。
 また、”Birds of East Asia ”(Mark Brazil・2009)では、日本周辺のクイナをRallus indicusとし、種として独立させています。結果、ヨーロッパのものは別種となります。亜種、あるいは種が違えば、鳴き声も違う可能性あるわけです。ヨシ原から聞こえて来るクイナ系の声がいくつかのパターンがあるのは、別亜種、あるいは別種の可能性はないのかということになります。
 ところで本日、録音できたクイナと思われる声は、世界の鳥の声が収録されているサイトxeno-cantoにアップされているフランスで録音されたクイナの声に似ています。下記URLで、聞くことができます。
http://www.xeno-canto.org/156369
 いかがですか?似ていませんか。ということは、もしかしたらヨーロッパ系のクイナが日本で越冬している可能性があるかもしれません。R. a. aquaticusの分布図を見ると、中国南部で越冬していることになっていますので、比較的近くまで渡って来ていることになります。また、ニシオジロビタキがたくさん記録されたり、ニシコクマルガラスが見つかったりしているのですから、クイナだってヨーロッパのものが渡来していると考えられないでしょうか。ただ、クイナ系が皆、同じような声で鳴くかもしれませんし、さらには日本のものがフランスで越冬している可能性もありますが。
 クイナは、姿をなかなか見せない上に大きな模様の違いもありません。ですから、ヨーロッパのクイナが日本で越冬しているのを検証するのは難しいと思います。せめて、鳴き声をヒントに、多くのバードウォッチャーが課題としていただければ今後、新たな発見につながるかもしれません。

2014年2月25日 (火)

「野鳥の声を聴く楽しみ」最終回-『野鳥』誌

日本野鳥の会の雑誌『野鳥』誌に連載しておりました「野鳥の声を聴く楽しみ」は、今月号をもちまして終了となります。当初は、1年間10回の予定でスタートしたのですが、好評のために延長となり、とうとう3年間26回を重ねる結果となりました。
 毎回、凝ったイラストを描いていただいた月之座さん、SさんやS藤さんはじめ編集スタッフの方々には、たいへんお世話になりました。あつくお礼申し上げます。
 なお、この連載は日本野鳥の会のWebサイトにアップされており、会員以外の方でも読むことができます。本日、最終回までアップされましたので、下記URLにてご高覧いただければ幸いです。
 http://www.birdfan.net/fun/matsuda_song/index.html

2014年2月23日 (日)

PCM-D100の初録り-謎の鳥解明

 本日は、東京周辺在住の日光の鳥仲間と芝川第一調整池へ。数日前の天気予報では暖かくなるはずが、今朝の予報では最高気温7度。そよっとでも風が吹くと、かなり冷えます。ただ、鳥の方は多く、チュウヒが飛び、ヨシ原には小鳥の影がたえずよぎります。アリスイは合計3羽に会うなど参加者一同、大満足のバードウォッチングとなりました。
 ところで、録音は無理かもしれないと思いながらも、買ったばかりのソニーの録音機PCM-D100を持って行きました。まだ、ろくな録音をしていませんでの実質、本日が初録りとなります。
 東側の畔で、目の前の水面から奇妙な声が聞こえてきました。蒲谷鶴彦先生も「録音した不明の声は忘れない」とおっしゃっておりましたが、私にとって長年の不明の鳥の声です。これは、syrinx本編の「謎の鳥-16」です。この声は、梅雨時の夜に六義園から何度か聞こえてきて、2006年06月16日に録音に成功。録音ができたのでサイトにアップしたものです。「チチ」という声に続いて「フリリリ」と優しく聞こえます。「チ」が3,000Hz、「フリリ」が2,000Hzです。夜聞こえるということからコウモリの仲間を疑りましたが、声が低いのでコウモリの可能性も低く不明といたしました。
  その後、カイツブリの声ではないというご意見を叶内拓哉さんはじめ、複数の方からいただきました。ただ私自身、カイツブリの姿も気配も見ていませんので、なんとなく釈然としないでおりました。
 ところが本日、目の前でカイツブリが謎の鳥-16の声で鳴いているのを聞き録音することができました。それも、持っていたPCM-D100です。アップした音源は、96kHz/24bitで録音したものを48kHz/16bitに変換、1,500Hz以下のノイズを緩やかに軽減、ノイズリダクションをかけてています。それをアップするためにmp3に変換しています。
「LittleGrebe140223.MP3」をダウンロード

 このカイツブリは目の前で、これ以外にもいろいろな声を出してくれ、こんな声で鳴くのかと感心させられました。チュウヒが飛ぶと鳴くこともあるし他のカイツブリが2羽近づいてきたときもよく鳴きました。警戒や威嚇など、カイツブリにとってはいろいろな意味のある鳴き方なのでしょう。
 ところで、PCM-D100は使い勝手は良いです。液晶は晴天下でも見やすいし、ボタンも押しやすいです。また、感度は高めに感じました。PCM-D1では録音ボリュームのメモリを7で録ることが多いのですが、6.5くらいが同じ感度ではないでしょうか。また、芝川の広がりのある空気感が見事に録れていると思いました。なお、アップした音源は加工しているので、そのあたりの感じが損なわれていることをお断りしておきます。
 新機種の最初の録音で、長年の謎を解明することができました。

2014年2月20日 (木)

ウグイスの初囀をめぐって

 六義園は、大雪の後遺症のため歩けるのは池の周りだけとなっています。今日も1万歩を目指して六義園に行きましたが、池のまわりだけでは歩数がかせげず、1周半いたしました。梅林の近くを歩いていると裏の方からウグイスのさえずりが、かすかに聞こえました。遠かったので、はじめは空耳かと思いましたが、しばらく聞いていると間違いなく「ホーホケキョ」と聞こえます。ウグイスの声のするほうは立ち入り禁止なので、録音は断念いたしました。ただ、ウメの香りのなか、かすかに聞こえるウグイスのさえずりは、今年の寒い春を象徴するようで良い感じでしたね。本日を今年のウグイスの初囀の日といたします。
 ところで、昨日ネットオークションで”日本で最初の日本の鳥のレコード”を落札いたしました。
Bushwarblerrecord_2
 コロンビアレコードの『鶯の啼声 名鳥「寿」』というタイトルです。レコードでデータベースで調べると、1953年に発行されています。日本で最初の野鳥のレコードは、1954年に発行された蒲谷鶴彦先生による『野鳥の声』です。こちらは、自然のなかで録音された野鳥の声で、天然物です。『鶯の啼声 名鳥「寿」』は、その1年前に発行されているのですが、こちらは飼われているウグイスを録音したもので、日本で最初の日本の鳥のレコードとなると思います。こちらは、誰が録音したのか不明です。
 ちなみに、日本で最初の鳥のレコードは1934年のコロンビアレコードの『カナリア』とされています。発行は戦前のことで、こちらは現存するのでしょうか。今だ、実物をみたことがありません。
 日本のレコードにおけるウグイスの初囀は、1953年ということになります。

2014年2月18日 (火)

大雪がシカに与える影響-日光

 たしか1960年代後半のことだったと思います。今回と同じように、関東地方に大雪が降って日光ではシカが餓死するということがありました。日光のシカを救うために、ヘリコプターで干し草を蒔いて給餌をし、ニュースとなりました。ヘリコプターから、干し草の塊を雪の積もった山の斜面に落とす映像がニュースで流れたか、新聞の紙面に掲載されていたと思います。当時は美談として報道され、私もシカのためにそこまでするようになったと感動したものです。
 ところが皮肉なことにその後、温暖化のためか日光では大雪となることは少なくなりました。そのため、日光のシカは増加の一途を辿ります。私が、日光に通いはじめた1990年代は別荘地で昼間、シカに会うことは稀。ところが、今ではごく普通に昼間でも群れで見られるようになりました。写真は、日光駅から車で数分の住宅地に隣接する造成地です。
Dear140218

 おかげで、植生が荒廃し森の中の藪がなくなり、コマドリ、コルリやウグイスなど、藪のなかで生息する小鳥が減っています。
 シカは、本来平地の草原の生き物だと思います。ですから、雪の積もった山で食べ物を得ることから、歩行まで得意ではないはず。実際、斜面から雪とともに落下したシカの死体を何度か見ています。かつての日光では、中禅寺湖が全面結氷し御神渡りができるほど寒かったと聞いています。当然雪も多く、寒さがシカの生息数を制御してくれていたことになります。
 今回の大雪、シカにとって凶となり日光の自然にとって吉となるのか、興味深いところです。

2014年2月17日 (月)

1日1万歩

 家で仕事をしているので、3つの戒めを自分に課しています。「昼寝をしない」「午後6時前にビールを飲まない」「一日1万歩、歩く」です。
 この戒めのうち、昼寝はけっこう破り、ビールは守れます。1万歩は、天候と仕事の関係でときどき破らざるをえませんが、4、5日で平均をとればだいたい達成しています。昨日の夜、寝る前に今日は何歩、歩いたかなと思って携帯電話の歩数計を見たら9が4つ並んでいました。
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 1歩、たりませんでした。

2014年2月16日 (日)

枝折れの音-六義園

 本日、予定されていた奥日光でのスノーシューによる自然観察会は中止になりました。大雪のため、昨日は東武鉄道のスペーシアが1日中、運行停止。本日は、いろは坂の通行止めが続いています。雪のためスノーシューができないという事態になりました。
 そのため今日は、六義園に行きました。ところが、こちらも雪の被害が甚大でした。六義園は、昨日休園、本日も通行可能なのは池の南側だけです。職員の話では、去年(1月14日)の大雪の被害より今回のほうが酷いとのことでした。去年は、雪の量が多かったのですが、短時間でした。今回は14日朝から夜、そして一晩中降っていました。時間が長い上、最後は雨になり雪の重さが増したことになります。
 14日の夜は、夜中に枝が折れる音で目が覚めるほどでした。そのため、録音機を一晩ベランダに置いて録音してみました。YAMAHA W24で録音、枝の折れるところをピックアップし、フェードイン、フェードアウトをかけたのみです。
「snowbrik140215.MP3」をダウンロード

 録音開始は0時から午前6時、約6時間ありますが、このような音が近くで、あるいは遠くで鳴り、一晩中録音されていました。

2014年2月15日 (土)

COOLPIX P600-CP+2014

 昨日は、パシフィコ横浜で開催されているCP+2014のセミナーで講演でした。
 今、サイトで確認したら本日は大雪のため中止となっています。昨日もよく中止にならないと思うくらいの雪でした。それにも関わらず会場は、人と熱気であふれ、講演にもそこそこの人が集まっていただき感謝です。
 今回、見たかった機材のひとつが、ニコンのCOOLPIX P600です。なんと、60倍ズーム、望遠を最大に伸ばせば、カメラレンズの1440mmに相当する倍率で撮影できます。およそ20倍の望遠鏡で見た感じに鳥が撮影できることになります。また、雪景色や夜景といったモードの他、”鳥モード”が設定されています。かなり、野鳥カメラマンやバードウォッチャーを意識した作りのカメラといえるでしょう。
 最安値は5万円を切っています。デジカメの中では高めですが、デジイチに望遠レンズを付けることを考えたら10分の1の予算で、野鳥写真を楽しむことがでるのですから、気になります。ニコンのブースに展示されていたCOOLPIX P600です。広い会場の中から、なんとかこの展示を見つけ出したのですが、一人のオジさんが長い時間、触っていました。やはり気になる機種なのですね。やっと2台並べて写真を撮ることができました。赤もしっとりした感じで、良いですね。
Coolpix600140215

 持った感じは、軽いです。ズームを伸ばすと、さすがに長い!手ぶれ防止がなかり効いている感じで、視野がガタガタという感じではなくフワフワという感じになります。明るくて鳥が動いていなければ、一脚くらいあれば止まりそうです。私が写真を撮っていると、もう待っているオジさんがいて、鳥モードを探しだして試すことができませんでした。
 超望遠が、手軽で簡単に楽しめる時代となりました。鳥との関係も変わってくるのでしょうか。

2014年2月12日 (水)

朝の小鳥スタジオ収録-3月は北浦

 今日は、浜松町の文化放送にて『朝の小鳥』3月放送分のスタジオ収録でした。去年の春に取材に行った茨城県北浦と涸沼の野鳥たちです。春の水辺の雰囲気が伝わればと思い構成いたしました。
 なお、ウグイスは沼のほとりのヨシ原でタイマー録音したものです。前日の夕方もよくさずっていましたので、それを狙って録音機を置いておきました。近くには道路があり朝からけっこう自動車が走っていましたし、朝から風が強くてコンディションはけして良くありません。なにしろ、近くにある旗竿に風でロープがぶつかる「カン、カン」という音をひとつひとつ削除しなくてはなりませんでした。しかし、ねらっただけあって近くで鳴いてくれたので、かなりクリアに聞こえます。
 ところで、ディレクターのS木さんから「ウグイスは森や高原の鳥で、水辺のヨシ原で鳴くのか。イメージが合わないけど」という質問がありました。たしかに、ウグイスは森や高原にもいるけど、それは藪がある森や高原であって、ヨシ原も藪という意味では同じなので、生息していると説明しました。北本でも芝川でも、ヨシ原からウグイスのさえずりが良く聞こえてきますし録音しています。また、釧路湿原のようなところでも多い鳥です。ですから、涸沼の畔のヨシ原からウグイスのさえずりが聞こえてきても、私にとってはなんの違和感がありませんでした。ただ、多くの方がいだいているイメージとかけ離れてしまうと、一言解説が必要だということで意見が一致いたしました。
 こうした一般の方が持っている鳥のイメージというのが、とても難しいですね。そういった意味では、この番組でのS木ディレクターとI川アナウンサーの意見がとても貴重に思えます。
 2014年3月の放送予定です。
 3月 2日 コガモ
 3月 9日 セグロセキレイ
 3月16日 ウグイス
 3月23日 ヒバリ
 3月30日 ムナグロ

2014年2月11日 (火)

目の不自由な人が音の編集ができるのか

 今日の午後、全盲でありながら自然の音を録音している森さんのお宅にうかがいました。森さんには、今まで六義園や三番瀬で録音の方法を伝授したり、行徳野鳥観察舎で生きた鳥に触ってもらったりして研鑽を積んでいただきました。今日は、音の編集の方法を教えて欲しいとのことでの来訪です。
 森さんは、パナソニックのノートパソコンにスピーカー(YAMAHA MSP3)をつないで音を聞きながら編集しています。なお、編集ソフトはSoundForge Pro Ver.10.0を使用しています。
 彼が、ファイルを読み込みませると見慣れた波形が表示されます。目が不自由なのですからマウスは使えません。すべて、コマンドを打ち込みます。また、コマンドは音声案内があって、それにしたがって操作をするのですが、これが早いのです。まず、音声案内はとても早口に設定してあります。私が聞き取れないほどのアナウンスを聞き取ります。例えば、ファイルを読み込むときは、ファイル名が次々と読み上げられていきます。その中から必要なファイル名を聞き取り、あっという間に表示させます。
 そして、編集段階に入ると読み上げてくれるコマンドをキー操作だけで行います。削除、フェードインやフェードアウト、音量のアップ、低音ノイズの軽減、クロスフェードなどキーを操るだけで、あっという間にやってしまいます。
 私自身、今までマウスを使ってサクサクと編集をしているつもりだったのですが、目の見えない森さんのコマンド操作のほうが、はるかに早いのです。これには、驚きました。
 私がアドバイスできるのは、スピーカーの位置の調整、スピーカーの左右のボリュームのズレを教えて上げるくらいしかありません。
 SoundForgeは、波形表示のみでスペクトル(声紋)表示はありません。考えてみれば、音を見えるようにスペクトルで表示しているのであって目の見えない方にとってみれば見えないのですから必要のない機能となります。音の時間さえ把握できれば良いわけですから、波形表示で充分ということになります。
 また、「プッチ」という短いノイズを取るためにには、マウスで短い範囲を指定して削除をするわけですから、見えないと難しい作業だと思っていました。これも、音を聞いて場所を指定して、なんなく取れるとのこと。かなり細かい作業も、可能であることがわかりました。
 SoundForge自体、かなりこなれたソフトで編集機能は満載されています。操作もさほど難しいとは思えません。しかし、編集をする音を聞きながらさらに音声案内も聞きつつ、コマンド操作をするというのは、かなりたいへんな作業です。それを、サクサクとやってしまう森さんは凄いと思いました。
 野外で録音した音源は、フェードインやフェードアウトをかけたり、いらない所をカットしたりしなくては、人に聞かせることはできません。どうしても、編集作業が必要となります。目の不自由な人は、録音はできるけれど編集は難しいと思っていたのですが、森さんの作業を見て、可能であることがわかりました。
 これからは、目の不自由な方々に野外に出て録音をしようという提案を自信持って行えます。

2014年2月10日 (月)

ファーストインプレ-ソニーPCM-D100

 消費税が上がる前にとばかり、カミさんが買い物しまくっています。電子レンジ、食器棚、トイレ、棚などなど。あと冷蔵庫と洗濯機も買い換えたいとのこと。このままで行くと、私も買い換えられそうです。
 ということで、私も何か買うものはないかと考えたところ、やはり録音機を買うことにしました。ソニーのPCM-D100です。
 去年11月の出始めの頃は10万円していたのですが、年が変わると価格コムの最安値は8万円台となりました。当初の予想値段となりましたので、買い時と判断いたしました。昨日、秋葉原のアウトレットプラザで購入、8,2000円(税込み)でした。
 パッケージは大きく厚いので、持って行ったリュックにギリギリ入りました。本体、布製ジャマー、リモコンと受信機、マニュアル、AC電源コード、USBコード、単三電池4本、編集ソフトのSound Forge Audio Studio 10 LE、ケースがセットになっています。思いの他、布製ジャマーがしっかりしています。装着しにくいだけに、取れにくい構造になっています。ケースは、PCM-D50のような側面が剥き出しになるものではなく、PCM-D1に付いていた全体がすっぽり入るタイプです。
 第一印象は、ディスプレイが大きくて見やすいです。今までの機種の1.5倍はあります。メニューから時刻設定、録音設定をしてみましたが、明るく日本語で見やすい液晶です。また、録音設定にDSDや192kHz/24bitがあるのが、新機種ならではです。
 操作ボタンと端子の位置は、PCM-D50とよく似ていていて戸惑うことはありません。大きさと重さもほぼ同じで、持って違和感がありません。
 録音ボリュームのダイヤルがやや軽い感じがしますが、ガードがあるのでずれることを防げそうです。マイクの位置を変えるクリック感は快適、操作ボタンの押し具合も良い感じです。
 現在は、ここまで。実際、野外で録音するとまた違った感想になるかもしれません。いずれにしても、シジュウカラのさえずり、あるいはウグイスの初鳴きで録音機おろしができればと思います。
 写真は、歴代のソニーの録音機。左から古い順にPCM-D1、PCM-D50、PCM-M10、そしてPCM-D100です。
Pcmd100140210



 

2014年2月 9日 (日)

嘴のおかしなスズメ-六義園

 今日の六義園は職員総出の雪かきで、なんかと池の周りだけは歩けるようになりました。皆さん、お疲れさまでした。幸いにして、雪見のお客さんがたくさん訪れてくれました。ただ、歩けるのは一部のため園内は混雑気味、野鳥は少なめとなりました。
 おかげでスズメまで目をやると、1羽のスズメの嘴がおかしなことに気がつきました。左がおかしな嘴のスズメです。右は通常です。
Sparrow140209

 スズメの嘴は太くて短いの普通ですが、上嘴が長くその上、先のほうが平たくなっています。さらに、下嘴も長い上に細く、上嘴と交差しています。イスカより交差の具合は顕著です。
 このスズメは、食べ物をつついて食べるということができません。そのため、落ちているものを食べるときは顔を横に倒し嘴を横にして食べます。とても不便そうです。それだけに、売店のオジさんの与えるパンに餌付いていました。オジさんの話では、このスズメが出現したのは、ここ1ヶ月とのこと。最近だそうです。
 正常なものが傷ついての障害ならば、欠けた感じになると思います。ということは生まれつきなのでしょうか。少なくとも去年生まれたとするならば、この障害にも関わらず7、8ヶ月は生き延びてきたことになります。
 私は、上野公園で嘴に障害のあるハシブトガラスを見たことがあります。原因は不明でですが、こうした障害のある個体が生きて行く生命力には感心させられます。

2014年2月 8日 (土)

雪の日本庭園-六義園

 日本庭園には、雪がよく似合います。なだらかな曲線を生かした風景に、ふわっと積もった雪がいっそう、その曲線を際立たせてくれます。
 ですから、雪が降れば六義園に行って、まず写真を撮るのがならいです。今日の雪は、それにしても凄い降りでした。写真に撮ったら、モノトーンの世界となりました。さらに、古式ゆかしい日本庭園の風景となりました。

Rikugien140208

2014年2月 7日 (金)

デジスコ通信に投稿-写真は撮らないのですか?

 首都圏の公園を歩いていると、明らかに野鳥の写真を撮るために望遠レンズ付きのカメラを持ったり、デジスコを持った方によく会います。ここ数年で、急増した感じがします。この現象は、バードウォッチングが普及しているのではなく、野鳥写真が流行っているだけのことではないかと思うようになりました。
  なぜ、見るだけのバードウォッチングではなく野鳥写真を撮るようになったのか、私なりに考えました。たとえば、バードウォッチングをしていると「写真は撮らないのですか?」と、よくきかれます。これは、昔も今も変わりません。野鳥は写真を撮るものと思っている方が多いのです。それだけに、バードウォッチング=「野鳥写真を撮る」になっている傾向があるという話を、デジスコ・ドット・コムのメールマガジンに投稿しました。下記のURLで読むことができます。ご高覧いただければ幸いです。
 http://www.digisco.com/mm/dt_76/toku1.htm
 こうした傾向の影には、デジタルカメラやデジスコの低価格化による普及が大きく影響していることでしょう。これに加え、ブログやFacebookという発表の場ができたことが大きく作用していることでしょう。ある意味、ブログやFacebookにアップして、「拍手」や「いいね」をもらうために野鳥を撮るという時代になったのだと思います。

2014年2月 6日 (木)

ヒヨドリの水浴び-六義園

 六義園は、真ん中に池がある上に裏には水路が巡っています。しかし、岸には崩壊を防ぐためにクイが並んで打ってあります。そのため、小鳥が水を飲んだり、水浴びをすることができません。
 裏の水路の上に張り出したドウダンツツジの枝は、カワセミが良くとまるので必ず見るチェックポイントです。最近、ここでヒヨドリがさかんに水浴びをするようになりました。
 水面からの枝の高さは数十cm、ツツジの枝にとまっては水にダイビングをして水浴びをします。いったんは、水の上で翼を半開きにしてぬらして、勢いを付けて枝に戻ります。身体の半分は水につかるのですから、そのまま飛び上がることができなければ溺れてしまいます。それにもかかわらず、枝のまわり十数羽のヒヨドリが集まって何度も水浴びを繰り返します。そして、濡れた身体を木陰に入って乾かします。濡れた翼ではタカに襲われたら、逃げることができません。そのため、身を隠すことのできる藪の多いドウダンがお気に入りのようです。
 このヒヨドリの鳴き声と水浴びの音を録ってみました。PCM-D50で録音、1,000Hz以下のノイズの軽減をしています。後ろではウグイスの地鳴き、終わりの方ではシジュウカラの地鳴きが入っています。
「browneared_bulbul140203.MP3」をダウンロード

 録音機とヒヨドリとの距離は、わずか6メートルほどです。ですから、ヒヨドリが大きな声で鳴くと、声が割れてしまうほどで。現場で聞いていると、水に飛び込んだときの「バシャ、バシャ」という音がさかんに聞こえるのですが録れていません。水浴びの音は、思いの他、小さな音なのですね。

2014年2月 5日 (水)

"Bird Research" Vol.9-ご紹介

 野鳥に興味を持ち始めた頃(1960年代)、「都会と田舎のスズメでは、騒音の多い都会のスズメのほうが、鳴き声が複雑だ」という新聞記事があったのを覚えています。私がいたのは、東京都板橋区の奥のほうだったので、まわりは田んぼだらけでスズメの声は単純だと思ったものです。鳴き声でコミュニケーションをとっている小鳥は、まわりの音で鳴き声が変わると言うことがあるのは、録音をしていて実感しています。ただ、これを証明するのは、とても難しいと思っていました。
 先日、購入した"Bird Research" Vol.9(2013)には、植田睦之さんが「大きな声で鳴く沢のミソサザイと小さな複雑な声で鳴く山のミソサザイ-ミソサザイのさえずりへ騒音の影響-」と題し、環境音との検証を行っています。結論は、ミソサザイのさえずりの「音圧は山で低く沢で高い」。騒音のうるさいところほど、大きな声で鳴いているということになります。ソニーのPCM-D1で録音し、AdobeのAuditionで分析できるのですから、こういったテーマを、多くの人が調べることが可能です。
 北海道のノゴマは草原と森のなかにもいるのですが、森のなかのほうが複雑で大きな声の印象がありました。ウグイスは、どうでしょう。などなど、広がっていきますね。
 "Bird Research" Vol.9には、このほか論文3編、短報5編が収録されています。

Birdresearch2014_2

 ミソサザイの論文の要旨はこちらのURLで。                                  https://www.jstage.jst.go.jp/article/birdresearch/9/0/9_S23/_article/-char/ja/
 バードリサーチのURLは、下記。
  http://www.bird-research.jp/

2014年2月 3日 (月)

舎人公園-足立自然にふれあう会

 昨日は「足立自然にふれあう会」の舎人公園探鳥会でした。一般市民にも呼びかけての開催と言うことで、50人以上の参加者となりました。ざっと半分が会員、もう半分が一般参加でした。面白いと思ったのは、会員の平均年齢より一般参加者のほうが若い感じでした。バードウォッチングに関心を持ちイベントに参加するまでの意欲の持ちようは、やはり若い方のほうがあることになります。

Toneri140202

 ところで鳥のほうで、面白いと思ったのは、今年は六義園では少ないツグミが舎人公園では多くて、あちこちにいました。だいたい等間隔で出現するので、なわばりの広さがなんとなくわかります。芝生や疎林、芝生と裸地とでは、違いがあると思いますが、だいたい50m四方に1羽という感じでした。ですから、この配列でいったら六義園では芝生や裸地は池の周りだけですが、いても2羽が限界ということになります。六義園では、多いといっても2,3羽なのですから、符合しますね。
 ところで、池のまわりを歩くと、2カ所でクイナの声を聞きました。クイナの冬の声は、あまり知られていないので気がつく人が少ないですね。まわりにいた方々には、教えることができました。
 2回目にクイナの声が聞こえてきたヨシ原はとても狭く、こんなところにいるのかと思うほどです。ということは、かなり小規模なヨシ原でも生息可能なことになります。冬の声さえわかれば、クイナはけっこういることがわかるかもしれません。意外と都会の鳥のひとつになっているかも。

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