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2014年2月27日 (木)

フランスなまりのクイナ-芝川第一調整池

 先日の芝川第一調整池では、アリスイも鳴いてくれました。アリスイ狙いで、昨夕にタイマー録音を仕掛けに行き、今朝回収にいきました。雨は今日の昼からの予報でしたが、早く降り始め、録音には午前7時30分頃から雨音が入っていました。幸いにして風防のスポンジが濡れた程度で、録音機は無事。ただいま、検証中です。
 今のところ、アリスイは鳴かず。ただ、次のような声が入っていました。YAMAHA W24でタイマー録音、ボリュームのアップ、低音ノイズの軽減、ノイズリダクションをかけています。

  私はクイナの声だと思います。
 録音仲間のTさんからは「ヨシ原から聞こえて来るクイナと思われる声には、いくつかのパターンがある、すべてクイナで良いのだろうか」と、課題をいただいています。私も気にはなっていたのですが、姿が見えないクイナだけに検証が難しく、そのままになっていました。
 日本のクイナはRallus aquaticus indicusという亜種です。朝鮮半島からシベリア東部で繁殖し、インド東部から中国南部などで越冬します。このほか、ヨーロッパ北部で繁殖しているR. a. aquaticus、アイスランドで繁殖しているR. a. hibernans、イラン東部からインド北部で繁殖するR. a. korejewiがいるとされています。
 また、”Birds of East Asia ”(Mark Brazil・2009)では、日本周辺のクイナをRallus indicusとし、種として独立させています。結果、ヨーロッパのものは別種となります。亜種、あるいは種が違えば、鳴き声も違う可能性あるわけです。ヨシ原から聞こえて来るクイナ系の声がいくつかのパターンがあるのは、別亜種、あるいは別種の可能性はないのかということになります。
 ところで本日、録音できたクイナと思われる声は、世界の鳥の声が収録されているサイトxeno-cantoにアップされているフランスで録音されたクイナの声に似ています。下記URLで、聞くことができます。
http://www.xeno-canto.org/156369
 いかがですか?似ていませんか。ということは、もしかしたらヨーロッパ系のクイナが日本で越冬している可能性があるかもしれません。R. a. aquaticusの分布図を見ると、中国南部で越冬していることになっていますので、比較的近くまで渡って来ていることになります。また、ニシオジロビタキがたくさん記録されたり、ニシコクマルガラスが見つかったりしているのですから、クイナだってヨーロッパのものが渡来していると考えられないでしょうか。ただ、クイナ系が皆、同じような声で鳴くかもしれませんし、さらには日本のものがフランスで越冬している可能性もありますが。
 クイナは、姿をなかなか見せない上に大きな模様の違いもありません。ですから、ヨーロッパのクイナが日本で越冬しているのを検証するのは難しいと思います。せめて、鳴き声をヒントに、多くのバードウォッチャーが課題としていただければ今後、新たな発見につながるかもしれません。

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