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2014年3月27日 (木)

96,000Hzの世界

 人の耳は、100~20,000Hzまで聞こえると言われています。そのため、音楽CDのサンプリング周波数は44,1kHz/16bitで、高い音は22,000Hzまで収録できます。科学的に人の聞こえる音の上限をカバーできるように規格が設定されたのだと言われています。
 メモリー録音機では、さらにこの上のサンプリング周波数となる48kHz/16bitや96kHz/24bitでの録音が可能です。私は、長時間録音は48kHz/16bit、短時間は96kHz/24bitで録音しています。そのため、高い音は、43,000Hzまでカバーしてます。数字を見ておわかりのように、サンプリング周波数の約半分の数字が、録音できる高い方の音となります。
 この間、購入したソニーのPCM-D100は、最高192kHz/24bitでの録音が可能です。ということは、数字を半分にした96,000Hzの高さの音まで録音できることになります。人の耳には、聞こえない音域を収録できる機械がはたして必要なのか疑問ですし、仮に録音できたとしても、マイクやスピーカーやヘッドフォーンの能力が追いついていないのが実情です。なお、PCM-D100のマニュアルには、192kHz/24bitの設定で高音は45,000Hzまでマイクで録れることになっています。
 この間、はじめてPCM-D100で192kHz/24bitの設定で録音してみました。六義園で録音したウグイスとハシブトガラスの声です。鳥の声が下の方だけにしかありませんね。

96khz40327_2  
  たとえば、ヤブサメの声は8,000Hzに音の中心があります。倍音は、その倍の16,000Hz、さらに36,000Hzにもあるはずですから、これをカバーできることになります。鳥の声にふくよかさを感じさせる倍音を録音することで、より本物に近い音を収録できることになります。人には聞こえない音が録れて再生できるならば、耳で聞くのではなく身体で聞きくことになるのでしょうか。
 また、シジュウカラの警戒声などは10,000Hz近くに音があります。私たちには、聞こえないさらに高い音でコミュニケーションをとっているかもしれません。高音を録音できることで、新しい発見があるかもしれません。このほか、コウモリの声は30,000~100,000Hzと言われています。ですから、192kHz/24bitで録音すれば、ぎりぎり音を収録することができます。夜の暗闇のなか、見ることも聞くこともできないコウモリの存在を新しい録音機で、見つけることができるかもしれません。

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コメント

こんばんは。96,000Hzとは気の遠くなる数字ですね。
先日、シジュウカラの声を録っていたときに耳をつんざくような声がありました。ひょっとしたらそれは10,000Hzに近かったのかもしれませんね。
楽器より高い音を出せることに驚くばかりです。

ケルビーノ様
 シジュウカラは、そうとう高い音で鳴いていますね。私には聞こえないのが、難点です。

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