ヤマガラのさえずりのバリエーション
昨夕は、S木♂さんのご案内で奥多摩に夜の鳥の探索に行きました。夕闇ととともに温度がどんどん下がり、雨も降ってくるという悪条件となり、残念ながら早めに引き上げることになってしまいました。数ある体験のなかには、こんなこともあります。
でも、夕闇のなかを飛ぶオシドリや渡って来たばかりのクロツグミのさえずりを聞くことができましたので、まんざら成果がなかったわけではありません。そして、もうひとつは変わった声でさえずるヤマガラです。
SONY PCM-D100で録音、ボリュームはそのまま、2,000Hz以下の低音ノイズを緩やかに軽減、軽くノイズリダクションをかけています。
「VariedTit140419.mp3」をダウンロード
ふつうヤマガラのさえずりは「ツツ、ピー、ツツ、ピー、ツツ」などを一節として間を空けて繰り返します。ところが、このヤマガラは「ピー」の部分が最初に来て、間に入る音は「ビュー」と震えるような声になっています。そのため「ピー、ビュー、ピー、ビュー、ピー」と聞こえます。また、ふつう「ピー」の部分は3,500Hzくらいなのですが、5,000Hzと高く、「ビュー」の部分も4,000Hzに基音があり倍音が20,000Hzまで伸びていて、全体的にとても高いのです。ですから、老耳の私には録音しているときは音が小さく聞こえましたが、家に帰ってきて波形で見ると音割れしそうなくらい大きなボリュームで録音されていました。また、「ビュー」の部分は0.4秒の間に20回振幅があり、とてもデリケートな音になっています。
それにしても、あまりさえずりにはバリエーションがないと思っていたヤマガラですが、こんな鳴き方もあることを知りました。
S木♂さん、寒いところご案内いただきありがとうございました。
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まつ様
先日はお疲れ様でした。
オシドリ・ペアの姿やムササビの声などもあり、短時間で予想外の観察ができ、日が暮れて舞台は整い、もうあと一声あれば・・・最高の成果だったのですが、一声が無かったのがちょっと残念です。
自然相手というのは、こちらの思うようにはいかないものですね。
クロツグミの前奏のことなど教えていただき、興味深く感じました。
これに懲りず、またご一緒させて下さい。
投稿: S木♂ | 2014年4月21日 (月) 14時32分
まつ様
連投すみません。
私にはこのヤマガラの第一声は「ツー」に聞こえます。よって普通ヤマガラの最初の「ツツ、」が「ツー」と一音になり、続く「ピー」が少しにごって「リューー」というようなビブラートのかかった発声になっているととらえました。
このヤマガラの最初の「ツー」は5000hzあたりのほかに18khzくらいの高音も含まれているので、人によって聞こえからが違うのかもしれませんね。
投稿: S木♂ | 2014年4月21日 (月) 15時05分
S木♂様
このたびは、たいへんお世話になりありがとうございました。
そういえば、ムササビも鳴いていましたね。まだ、音源の整理が追いついていません。
ヤマガラのさえずりについては、バードリサーチのU田さんからFacebookに「早朝に鳴く声だ」とコメントをいただきました。日没時にも同じ、鳴き方をしたようです。
投稿: まつ | 2014年4月21日 (月) 20時48分
こんばんは。ヤマガラのバリエーションについて興味深く読み、聞かせていただきました。
私には「ビュー」のほうがかなり高く聞こえ、ヤマガラの警戒音かなとも思いました。(私もこういう声を一度録ってみたいものです。)
投稿: ケルビーノ | 2014年4月21日 (月) 21時09分
ケルビーノ様
このあたりの表現が難しいのですが、「ツー」の基音は比較して高いものの高音域まで倍音は伸びていません。それに対して、「ビュー」のほうは基音が低いものの倍音は高音域まであります。ですから、相対的に「ビュー」のほうが高く感じて良いと思います。ただ、私はたぶん上のほうは聞こえないので、下の方の音だけを聞いているので、「ビュー」と濁った音に聞こえるかもしれません。
また、録音していて感じたのは高い音なので老耳には聞こえないのですが、ビンビンと響いてくる感じがあって、音圧を感じる声でしたね。
投稿: まつ | 2014年4月22日 (火) 09時09分