鳥の見える喫茶店-干潟茶屋
1987年、NHKテレビのドラマに『友だち』がありました。倍賞千恵子、河原崎長一郎が出演、バードウォッチングで知り合った中年の男女が、友だちとしてお付き合いしていくお話しです。ふつうならば不倫となる当時の風潮のなか、バードウォッチャーだけに清いお付き合いとなるわけで、今思い出すとなんともゆるい流れのドラマだったと思います。
ところで、この2人がバードウォッチングしていたのが、現在の東京港野鳥公園のあるあたり、当時の大井埋立地の”汐入の池”でした。男性が羽田空港の航空整備士という設定のため、いちばん近い探鳥地が選ばれようです。また、2人が喫茶店で鳥談義に興じる場面では、喫茶店の窓の外をヨシ原のバックしてユリカモメの群れが飛んでいきました。要するに、汐入の池の前に喫茶店があることになり、これは合成でした。
当時、日本野鳥の会に事務所には「あの喫茶店は、どこにあるのか」という問い合わせが何件もありました。それだけ、バードウォッチャーにとっては、コーヒーを飲みながら鳥が見られる喫茶店というのは、あこがれであったわけです。
本日は、足立自然にふれあう会の谷津干潟探鳥会におじゃまし、シギやチドリを堪能いたしました。そのあと、谷津干潟自然観察センターのなかにある干潟茶屋で一休みをいたしました。考えてみれば、ここが鳥が見える喫茶店、バードウォッチャーあこがれのロケーションになっています。
窓辺の席に座っていると、目の前をセイタカシギがゆっくりと歩いて行きます。ハクセキレイが、忙しそうに窓の前を飛び交います。クイの上には、池のほとりにはダイサギとコサギがのんびりとたたずんでいます。コガモの群れがいっせいに飛び立ちました。オオタカでも出現したのでしょうか。こうしたドラマが、私がいた小一時間の間につぎからつぎに起きていきます。まるで窓の外は、大型画面で見る自然番組のようです。
干潟茶屋は、今までセンターに入るための入館料を払った上にさらに代金が必要でした。最近、窓口で「干潟茶屋に行く」と言えば黄色いリボンを渡され、タダではいることができるようになりました。コーヒーは380円、それで目の間でセイタカシギを見られるのですから安いものです。
今日は一人でまったりとしていたら、所長をはじめ旧友のBチャンがやってきて、話が弾みました。私の場合、男友だちばかりなのが少し寂しいです。
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