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2014年4月17日 (木)

ホウロクシギの声か-谷津干潟

 本日は、へクロツラヘラサギを録りに行きました。午前中、目の前によく来てくれましたが、一声も鳴かず。日に焼けただけでした。
 午後は、先日谷津干潟で長時間にわたって録音した音源のチェックを行いました。もし、そのまま聞いてチェックしたら24時間かかります。ですので、Adobe Audition3.0で声紋表示をしてチェックします。波形表示では、ノイズ以上の音量の音があれば見つけることができますが、ノイズの音量以下だと音があってもノイズにまぎれて見えません。Audition 3.0で、声紋表示をすると濃淡で表示されるので音があるのがわかります。色の濃い部分だけ音を聞いて、なんであるかチェックすればよいことになります。まず、5,000Hz以下を中心に表示して流すように見ていきます。そして、終わりまで見たら逆に5,000Hz以上を見て往復します。2G、3時間の音源であれば、20分ぐらいでチェックすることできます。今回のように、夜は音のないところが多いので、もっと早くチェックすることができます。
 ところで、目的のホウロクシギらしい声が録れていました。場所は、小学校近くのハイドの裏に置いた録音機に入っていたもので、14日午後10時14分頃に鳴いていました。YAMAHA W24でタイマー録音、ボリュームを少し下げています。1,500Hz以下の低音ノイズをゆるやかに下げています。軽くノイズリダクションをかけています。

 そうとう大きな声です。この前後でダイゼンが時折鳴いていますが、同じような声が応えることはありませんでした。また、この声と同じような声は、他には録音されていませんでした。
 ホウロクシギの音源は、蒲谷鶴彦先生の『野鳥大鑑鳴き声420』(2001・小学館)と上田秀雄さんの『野鳥の声283』(1998・山と溪谷社)にも収録されていますが、雰囲気は似ているものの、ぴったりとは一致しません。蒲谷先生と上田さんのもの自体、雰囲気はにているものの違って聞こえます。
 世界の鳥の声がいちばんアップされているxeno-cantoには、ホウロクシギが1件だけアップされています。ロシアの北朝鮮国境近くのPrimoryeで収録されたもので、callとなっています。これを聞くと、少しは雰囲気が似ていることがわかります。
 http://www.xeno-canto.org/93921
 声紋で比較してみます。まず、谷津干潟の音源です。左右が約7秒、天地は11,000Hzです。
Far_eastern_curlew140715
 xeno-cantoに収録されているPrimoryeで録音されたものです。天地と左右は、同じです。
Xcfar_eastern_curlew
 いちばん音の強い基音が2,000Hz付近にあること、倍音が幾重にも重なっていること、最初の部分は倍音がつながって縦に一筋になっていることなどのパターンが、よく似ています。それが、聞いたときに同じような音質に聞こえるのだと思います。
 ただ、他のシギで同じような声で鳴くものがいる可能性がありますので、確定とまでは言えません。
 ホウロクシギの英名は、Far Eastern Curlew=極東のシギです。それだけに、分布が東アジアに限られています。ダイシャクシギが、ユーラシア大陸に広く分布しているのに対してたいへん狭いのです。そのため、ダイシャクシギの音源はヨーロッパのCDにも収録されていますし、xeno-cantoには87件もアップされています。しかし、ホウロクシギの音源は、CDにも収録されておらず、xeno-cantoでは1件、貴重です。このような鳥がどう鳴くのか、解明するのは極東に住む私たちの仕事だと思います。

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