『朝の小鳥』11月放送分スタジオ収録-蒲谷の法則
今日は、浜松町にある文化放送にて『朝の小鳥』の11月放送分のスタジオ収録でした。
11月のテーマは、東京都伊豆大島の鳥たちです。大島には何度か行っていってます。ですから、報道されている土砂災害の映像を見ると、通ったことのある道路が崩壊しているのには心が痛みました。人も鳥も早く復旧してくれることをせつに祈ります。また、この番組から、のんびりとした島の風景とそこに住む野鳥たちの声が伝わればと思います。
シナリオを書いていて、ヒヨドリは南へ行くほど声が高くなるという話を思い出しました。これは、蒲谷鶴彦先生が『野鳥』(1990年3月号)のヒヨドリ特集で「ヒヨドリの声を分析する」に書かれています。ご自身で録音した音源を声紋分析して、沖縄や石垣のヒヨドリは10,000Hzを超えるが、本州はそれ以下の音域で鳴いていると指摘されています。伊豆諸島のヒヨドリでも、同じ傾向にある書かれています。今回、音源を編集していて大島のヒヨドリの声も少し甲高く聞こえました。
では、なぜ南に行くほど高い声で鳴くのでしょう。南の森ほど、葉が茂っています。あるいは、冬になっても葉を落とさない常緑広葉樹の森です。木の葉は、音が伝わるのを阻害します。音は、低いほど障害物があると減衰してしまいます。しかし、高いほど障害物の隙間をぬって遠くまで届くという特性があります。ですから、茂った森では高い音のほうが有利となり、南へ行くほど高い声で鳴くことになるのではと思いますが、いかがでしょうか。
現状、この傾向が見られるのはヒヨドリだけですが、他の鳥でも同じ傾向が見つかれば面白いと思います。これを証明できたら、”蒲谷の法則”として先生の名前を残したいですね。
2014年11月放送内容
11月 2日 メジロ
9日 ヒヨドリ
16日 ウソ
23日 イソヒヨドリ
30日 トビ
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