冬にさえずるオオコハズク-井の頭文化園
昨日、本降りの銀座から帰ってきたら、青空が見えて来ました。それならばと、懸案の井の頭自然文化園へ行くことにしました。
いきさつをまずお話しします。録音仲間のS木♂さんが、井の頭文化園で飼育されているオオコノハズクが、今年の1月に雛を孵した情報を見つけました。下記URLです。
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&inst=&link_num=22069
http://blog.livedoor.jp/gnohara/archives/7918042.html
また、最初に木魚鳥の情報をくれた黒瀧山の和尚さんも「秋にも鳴く」と言っていましたので、それならば秋にさえずる可能性が高いと思い、録音計画を練りました。秋は虫の声がにぎやかなので静かになる11月まで待ち、さらに日が短くなって開園中に日没を迎える時期になるのを待ちました。そして、先週日曜日にS木♂さんがタイマー録音をと仕掛けに行ったところ、夕方になるとオオコノハズクが木魚鳴きをしていたのを聞きつけ録音にも成功しました。ご自身のブログに、記事を書かれています。
http://blog.livedoor.jp/gnohara/archives/7945836.html
それならば、タイマー録音をしかけ翌日に回収行く面倒もないだろうと、暖かく風のない夕方が訪れるのを待っていました。ということでの昨夕の来訪です。
井の頭公園の周辺は人通りが多く、場所によっては人をかき分けて歩かなくてはなりませんでした。そのため、ぎりぎり入園時間の午後4時前なんとか入ることができました。オオコノハズクの禽舎に行くと、奥の巣箱の上に2羽のオオコノハズクが並んでいます。まだ、目をつむっています。禽舎の前にPCM-D100とW24を置いて、まずは録音開始。
もう夕方なのですが週末のせいか来園者は多く、このコーナーも人通りが絶えません。また、遊戯施設の”メリーさんのヒツジ”が絶えず聞こえてきます。それに、吉祥寺通りを通る緊急車両のサイレン、頭の上ではヒヨドリもにぎやかです。
音楽の合間、人通りが途切れたときに鳴いてくれれば、秒単位のでデータは収集できるだろうと期待して待ちます。待っていると、見慣れた人がデジスコ・システムを担いでやって来ました。なんとS木♂さんです。井の頭公園の自然観察会の方もごいっしょで、オオコノハズク談義に花が咲きます。
明るさはあまり変わらないのに、4時30分を過ぎるとオオコノハズクが活動を始めました。禽舎のなかを飛び、録音機が置いてあるすぐ前の木にとまったり、餌を食べたりしています。この日の日没は4時30分頃、日没が夜の鳥の活動に大きく影響していることがわかります。
ただ、まだ”メリーさんのヒツジ”が鳴っています。閉園を告げるアナウンスも盛ん。これら終わったのは4時50分、閉園時間の10分前でした。警備員のオジさんが、こちらを見ています。門まで歩いて5分、ということは比較的静かな状態での録音時間は4時50分~55分の5分間しかありません。なんと幸いなことに、「プーウ、プーウ」という声が聞こえてきました。まずは、録音成功です。意気揚々と、S木♂さんと引き上げました。
そして、家で音源をチェックすると、なんと木魚鳴きも入っていました。録音されていた時間は、やはり日没後でした。この時のオオコノハズクと録音機の距離は4,5m。私たちとは、10mも離れていたでしょうか。もしかしたら、巣箱に入っているときに鳴いたのかもしれませんが、都会の喧噪のなかでは10m離れたら聞こえない声です。
PCM-D100で録音。全体のボリュームはそのまま、木魚鳴き以下の低音をカット、木魚鳴きの音域のボリュームを少しアップしています。
「Scops-Owl141129.mp3」をダウンロード
「プーウ」と木魚鳴きが重なっていますので、木魚鳴きがさえずりで雄の声だとすると「プーウ」は雌も出す声ということになります。
S木♂さん、お世話になりました。ありがとうございました。
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