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2014年11月

2014年11月30日 (日)

冬にさえずるオオコハズク-井の頭文化園

 昨日、本降りの銀座から帰ってきたら、青空が見えて来ました。それならばと、懸案の井の頭自然文化園へ行くことにしました。
 いきさつをまずお話しします。録音仲間のS木♂さんが、井の頭文化園で飼育されているオオコノハズクが、今年の1月に雛を孵した情報を見つけました。下記URLです。
  http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&inst=&link_num=22069
 http://blog.livedoor.jp/gnohara/archives/7918042.html
 また、最初に木魚鳥の情報をくれた黒瀧山の和尚さんも「秋にも鳴く」と言っていましたので、それならば秋にさえずる可能性が高いと思い、録音計画を練りました。秋は虫の声がにぎやかなので静かになる11月まで待ち、さらに日が短くなって開園中に日没を迎える時期になるのを待ちました。そして、先週日曜日にS木♂さんがタイマー録音をと仕掛けに行ったところ、夕方になるとオオコノハズクが木魚鳴きをしていたのを聞きつけ録音にも成功しました。ご自身のブログに、記事を書かれています。
  http://blog.livedoor.jp/gnohara/archives/7945836.html
 それならば、タイマー録音をしかけ翌日に回収行く面倒もないだろうと、暖かく風のない夕方が訪れるのを待っていました。ということでの昨夕の来訪です。
 井の頭公園の周辺は人通りが多く、場所によっては人をかき分けて歩かなくてはなりませんでした。そのため、ぎりぎり入園時間の午後4時前なんとか入ることができました。オオコノハズクの禽舎に行くと、奥の巣箱の上に2羽のオオコノハズクが並んでいます。まだ、目をつむっています。禽舎の前にPCM-D100とW24を置いて、まずは録音開始。
 もう夕方なのですが週末のせいか来園者は多く、このコーナーも人通りが絶えません。また、遊戯施設の”メリーさんのヒツジ”が絶えず聞こえてきます。それに、吉祥寺通りを通る緊急車両のサイレン、頭の上ではヒヨドリもにぎやかです。
 音楽の合間、人通りが途切れたときに鳴いてくれれば、秒単位のでデータは収集できるだろうと期待して待ちます。待っていると、見慣れた人がデジスコ・システムを担いでやって来ました。なんとS木♂さんです。井の頭公園の自然観察会の方もごいっしょで、オオコノハズク談義に花が咲きます。
 明るさはあまり変わらないのに、4時30分を過ぎるとオオコノハズクが活動を始めました。禽舎のなかを飛び、録音機が置いてあるすぐ前の木にとまったり、餌を食べたりしています。この日の日没は4時30分頃、日没が夜の鳥の活動に大きく影響していることがわかります。
 ただ、まだ”メリーさんのヒツジ”が鳴っています。閉園を告げるアナウンスも盛ん。これら終わったのは4時50分、閉園時間の10分前でした。警備員のオジさんが、こちらを見ています。門まで歩いて5分、ということは比較的静かな状態での録音時間は4時50分~55分の5分間しかありません。なんと幸いなことに、「プーウ、プーウ」という声が聞こえてきました。まずは、録音成功です。意気揚々と、S木♂さんと引き上げました。
 そして、家で音源をチェックすると、なんと木魚鳴きも入っていました。録音されていた時間は、やはり日没後でした。この時のオオコノハズクと録音機の距離は4,5m。私たちとは、10mも離れていたでしょうか。もしかしたら、巣箱に入っているときに鳴いたのかもしれませんが、都会の喧噪のなかでは10m離れたら聞こえない声です。
 PCM-D100で録音。全体のボリュームはそのまま、木魚鳴き以下の低音をカット、木魚鳴きの音域のボリュームを少しアップしています。

 「プーウ」と木魚鳴きが重なっていますので、木魚鳴きがさえずりで雄の声だとすると「プーウ」は雌も出す声ということになります。
 S木♂さん、お世話になりました。ありがとうございました。

2014年11月29日 (土)

木部一樹さんの個展-明日まで

 本日は、銀座で開催されている木部一樹さんの個展に行ってきました。木部さんとは、蒲谷先生の著書『日本野鳥紀行 東北関東編』(小学館・1998年)でイラストをお願いした以来のお付き合いです。
 今回は、「冬隣り-深冬の鳥景色」というタイトルで冬景色のなかの鳥たちがたくさん展示されています。荒波のなかのウミウ、断崖のハヤブサ、斜光のなかのカワセミなど、光と影のなかに鳥を置くことで、より生き生きとした感じに仕上がっています。木部さんの絵の良い所は、鳥と風景のタッチに差がないことです。鳥はしっかり描かれているのにとまり木、あるいはバックの風景が残念という絵が良くあるのですが、木部さんの絵は画面の隅々まで同じ調子で描かれ、手抜きがないのです。ですから、見れば見るほど発見のある絵でもあります。こんなところに羽が落ちている、こんな所に花が咲いていると見つけることができます。ですから、絵の中で自然の発見が楽しめることになります。
 どうぞ、銀座にお出での節は、ご覧いただければ幸いです。ただし、開催は明日まで。 画廊の場所は、歌舞伎座の隣という位置。歌舞伎座に向かって右の路地を入って、右側にあるビルの2階。ビルには大きく医療ビルの看板、ガラス窓に煉瓦画廊の文字がありますので、すぐにわかると思います。最終日となる明日の開催時間は11:00~17:00です。
 写真は木部さんです。今日も二日酔い気味でした。
Kibe141129_2
 以下は、画廊の情報です。
〒104-0061東京都中央区銀座4-13-18
医療ビル2F
銀座煉瓦画廊(歌舞伎座横・木挽町通り)
電話:03-3542-8626
http://ginzarengagarou.com/

2014年11月28日 (金)

デジスコ通信に投稿-野鳥識別のプロセス

 どうやって野鳥を野外で識別しているか、系統的な解説は意外と少ないと思います。初心者にとっては、ベテランがスラスラと鳥の名前を言い当てるのを不思議に思うはずです。それを見て、尊敬する人もいれば懐疑的なる人もいることでしょう。
 初心者は、探鳥会で鳥の名前を教ええくれるものの、どうやって識別しているのか丁寧に教えてくれないという不満が残ります。私は、鳥の名前が頭に自然に浮かぶことが多く、これを「どうやって」と言われても解説のしようがないというのが正直な気持ちです。
 先日の「鳥声クイズ イントロどん!」を見て、鳥の名前が浮かばなかったことから、解説のヒントがありました。そんな話をデジスコドットコムの「デジスコ通信」に投稿いたしました。下記URLでお読みいただけます。
http://www.digisco.com/mm/dt_82/toku1.htm

2014年11月25日 (火)

蕪栗沼でのタイマー録音

 今回の蕪栗沼では、YAMAHA W24を3台投入してタイマー録音を行いました。朝のねぐら立ちは、千羽単位のマガンが次々と飛び立つので、ものすごい迫力となります。これをいかに録音するか、毎回工夫をしています。
 ときに、パラパラと波状的に飛び立つ時もあります。どうも、小さな群の飛び立ちは、人が近づいたことが原因のようです。以前は、岸から離れたところに群がいたので遊歩道を歩いても飛び立つことはなかったです。しかし、数が多くなり岸辺までマガンの群がいるため真っ暗な時に行っても飛び立たせてしまう可能性があります。ですので、録音機を持っての録音より、録音機を置いておくタイマー録音が有効だと思いました。
 まず、周辺にはいくらでも藪がありますので、録音機の隠し場所に苦労しません。なおカメラマンは藪が切れ視界が開けたところに来るので、水面が見えない所ならば人が来ることないでしょう。今回は、岸辺2ヶ所でアップの音、離れた堤の上1ヶ所でロング音を狙いました。実は、23日は予報にない雨がちょうど夜明けにありましたが、録音機を藪のなかに置いたため水が染み込むことはなく機材は無事でした。以前、ここ蕪栗沼では、どう考えても人の来るはずのない所に置いた1台を失っています。タヌキなどにいたずらされないよう録音機を木に縛り付けておきました。
 なお、置き場所は、前の日の夕方にネグラ入りするマガンのようすを見て判断すると良いと思います。録音ボリュームは、フルに設定したら音割れをしているシーンがありました。群の近くに置く場合は、少し絞った方が良いと思います。
 録音時間は、今までの経験だと日の出前後30分、東の空が赤く染まって来て太陽が顔を出し明るくなるまでに行われます。先日の日の出時刻は午前6時26分、そのため5時~7時の2時間に設定しました。実際、飛び立ちが始まったのは、5時50分で6時過ぎてから盛んに行われ、最後の大きな飛び立ちはぎりぎり6時55分でした。数が多くなった分、飛び立ちにも時間がかかるようになったようです。これを波形で見ると、おおよその感じがわかると思います。左が午前5時で右が7時、真ん中6時頃から音が大きくなっていることがわかります。
Hakei141124
  以上は、あくまでも目安で、天候や渡り間近になれば、また違って来ると思います。いろいろ工夫をしてみてください。
 この日の気温はマイナス1度、東北の朝はやはり寒いです。土手の上に置いたW24は、霜がついて白くなっていました。これでもちゃんと撮れているのですから、今の録音機はタフです。
W24141124
  まずは、これから録音される方の参考になれば幸いです。

2014年11月24日 (月)

この連休の蕪栗沼

 この連休は、3年ぶりに宮城県北部にある蕪栗沼に行ってきました。この周辺にある水鳥の渡来地の伊豆沼を含めると、もう40年も通い続けていることになります。
 とにかくマガンが増えました。蕪栗沼には2万羽、伊豆沼10万羽と言われています。私が通い始めた頃は千単位でしたので、こうなると”たくさん”としか言い様のない数字となります。そのため、新幹線の中から見える田んぼにもマガンが降りていますし、道路を走っていると飛んで行くマガンの群がよく見られます。
 鹿児島県出水にツル類が集中するのは餌付けの効果と言われますが、マガンには給餌していません。それなのに、この地域一帯に集中する不思議があります。ときあたかも、鳥インフルエンザの報告が当地からもありました。集団感染のリスクを軽減させるためにも分散させる方法はないものでしょうか。
 何はともあれ、蕪栗沼で録りたい音はマガンの飛び立ちの音です。かつてカセットテープのTC-D5で録音して以来、機種が新しくなるたびにチャレンジしていますが、なかなか思うように録れません。数千羽のマガンが飛び立つのですから、羽音が「ドドド・・・」となります。これを、凍てついた沼の畔で聞くと自分のお腹に響くような感じになるのですが、そうなりません。自然の音を録る限界を思い知らされる音です。
 今回は、PCM-D100で録音。マガンとの距離は、50~100m離れています。飛び立った数は千羽は超えていると思います。録音ボリュームは、普段は7ですが5と低めで録音しています。音源は、サンプリング周波数の変換、mp3に変換、前後にフェードをかけただけです。

 M田ご夫妻、宿の手配から車でのご案内、ありがとうございました。Y成ご夫妻も、ご一緒できて幸いでした。


2014年11月21日 (金)

紅葉と大名庭園のライトアップ-六義園

 今年も六義園のライトアップが始まりました。実は、昨日から始まっていたのですが、あいにくの雨で、今日から本格的に人が入っています。
 六義園を午前中に一回りしてみました。今秋はゆっくりと寒くなっているので、色つき具合はさまざまです。すでにハゼは散り、見頃を迎えたイロハモミジがあるかと思えば、まだイチョウはまだ緑色です。この連休も暖かいとの予報ですので、じっくりと染まっていくのではないでしょうか。
 連休や土日の夕方は、かなり混みます。入園するのに2,30分並ぶことがありますので、早めに入ることをお勧めします。写真は、まだ夕日の残照が空に残っている時間、午後5時前が良い感じに撮れます。また、夕方はかなり寒いです。十分な防寒をされてほうが良いと思います。
 地元民としては、駒込が急に観光地になった感じとなります。観光バスが何台も止まり、歩道が人であふれます。近所のレストランや蕎麦屋は、昼も夜も満席となります。
 ところで、通勤、地元、観光と、人によって歩き方に違いがあることに気がつきました。とうぜんのことながら通勤がいちばん早く観光客がゆっくりです。地元民は、通勤に追い抜かれ、観光客をかき分けて歩くことになります。しばらく気ぜわしい、駒込となります。
Rikugien141121

  紅葉と大名庭園のライトアップの概要です。
   期間:2014年11月20日(木)~12月7日(日)
       期間中は、通常17時までの開園時間が21時までとなります(最終入園は20時30分)。また、駒込駅から徒歩2分の染井門を開門します。
  六義園のURL。
  http://teien.tokyo-park.or.jp/contents/index031.html

2014年11月19日 (水)

かも展-箕輪義隆作品展

  今日から原宿で箕輪さんの個展が開催されるということで、久しぶりに原宿へ。午前中に行ったら最初の来訪者、口開けとなりました。
 箕輪さんは2年に1度、この画廊で個展を行っているとのこと。前回の「猛禽」から、あっという間に2年たってしまったですね。
 今回はカモ類の絵が中心です。細密画で、鳥の躍動感や質感を表現しています。細密画はややもすると雰囲気が堅くなってしまい鳥の質感とはそぐわないのですが、ふわっとした感じがなんとも言えない魅力の絵です。まさに、箕輪義隆の世界が確立した感じです。
 原宿駅前のイチョウが、黄色に色付き始めていました。そろそろせわしない季節となりますが、鳥の絵を見てゆっくりとした時間をお過ごしいただければと思います。とにかく駅から近い画廊なので、ぶらっと寄れるロケーションです。どうぞ、皆さまもご覧いただければ幸いです。
Kamoten141119

会期:2014年11月19日(水)~24日(月・祝)
   11時~19時(最終日は17時まで)
会場:積雲画廊
   渋谷区神宮前1-19-14 サンキュービル1F
   JR山手線原宿駅 竹下口改札を出て徒歩1~2分

箕輪義隆さんのURL。
http://blog.goo.ne.jp/yminowa_2000/e/7ff8d4ae43ff107b511d4872303a20f4
積雲画廊のURL。
http://www.sekiungarou.com/

2014年11月17日 (月)

初冬の中禅寺湖南岸を歩く

 週末は日光でした。土曜日午後はだいや川公園を歩きました。日曜日は、日光野鳥研究会の自然観察会で中禅寺湖の南岸を皆で歩きました。
 寒かったです。まだ、身体が寒さに慣れていないからでしょうか。防寒は、ヒートテック+厚いフリースと羽毛服という中の下ランクの準備だったのですが、中の上ともう2ランク上げても良かったです。
 日曜日は、午前9時30分から開始でしたが、風もあってなおさら寒かったです。寒いと鳥も出てきません。おかげで、植物や菌類の観察をしながら歩きました。昼を過ぎると少し温度が上がってきて、それに伴い野鳥たちも行動を始めました。お弁当を食べている会員のO島さんの1mほど後ろにアトリがやって来たのは、そんな時でした。鳥にいちばん近いO島さんなのですが、皆に動かないで言われて見ることができません。思う存分、写真が撮れてやっと動くのを許されました。この後も、エナガやコガラのカラ類の群に囲まれたり、カケスが頭の上に来てくれたりして、平均すれば上々のバードウォッチングを楽しめました。
 この日の記録で気になったのは、中禅寺湖にカンムリカイツブリがいたことです。私の記録では初めてです。仲間も、ここでは見たことのある人はいませんでした。カワウが増えて定着し、そのあとアオサギが増えて来ました。それを、追随するようにカンムリカイツブリがやって来たことになります。加えて、カワアイサも増加傾向にあります。いずれも、大型の魚食性の鳥たちです。
 単純に魚が増えていることになるのでしょう。鳥を見ていると、湖の自然が変化していることが実感できます。
 写真は、雪雲が抜けると雪化粧して顔を出した白根山です。
Sirane141116

2014年11月14日 (金)

『朝の小鳥』スタジオ収録-12月放送分

 今日は、文化放送で12月放送分のスタジオ収録でした。先月はS木さん、今日はI川アナが、カゼを引いていました。皆さん辛そうでしたが、そこはプロ。番組は、いつも以上にていねいに作られていきました。この調子で行くと来月は、私の番かと思うと憂鬱です。
 ところで長年、番組を担当されていた蒲谷鶴彦先生も、カゼでスタジオに来ることができなかったことがあったそうです。シナリオと音源のテープは送られ、先生欠席のまま収録をしました。
 確認のため、収録した音を電話で先生に聞いてもらったそうです。ところが、先生は怪訝なようす。そして、「回転数が違う」とのこと。なんと、当時はオープンリールのテープであったために、回転を間違えて再生し収録してしまっていたのです。S木さん曰く「どうして、今回は低い声の鳥ばかりなのだろうと思った」とのこと。回転数は、遅いほうに間違えたことになります。当然、全部録り直しをして事なきをえたとか。よりによって先生が来られないときに、回転数のつまみが切り替わっていたのです。今では笑い話ですが、当日はかなりあせったことでしょう。
 誰かがカゼをひくたびに、このエピソードが語られます。今では、MOでの納品ですから回転数を間違えることはありえませんので、私も安心してカゼをひけます。
 さて、12月のテーマは栃木県真岡市にある井頭公園の鳥たちです。日光の鳥仲間と何度も行っています。そのときに録音した音源から、冬の雑木林の雰囲気が伝えわればと思い構成いたしました。
2014年12月放送内容
12月 7日 ジョウビタキ
     14日 シジュウカラ
    21日 セグロセキレイ
     28日 ヤマガラ

2014年11月11日 (火)

ヤマドリ雌の全長

 先日の日本野鳥の会の総会で、安西英明さんから『フィールドガイド日本の野鳥』改訂の進捗状況の報告を受けました。膨大な量であるばかりでなく、間違いがあってはならない作業なのですからたいへんです。
 このたいへんなところ、誠に申し訳なかったのですが、以前より気になっていることを申し上げました。それは、ヤマドリの雌の全長です。現在、『フィールドガイド日本』では、ヤマドリの雌の全長は55cmになっているはずです。というか、連盟図鑑、叶内図鑑、真木図鑑、鳥くん図鑑、文一図鑑と、どの図鑑をみても55cmとなっています。私の関わった『野鳥大鑑』も同様です。ところが、全長の原典である『野鳥便覧・下』(榎本佳樹・1941)では、♀505mmとなっています。それも、亜種のシコクヤマドリであり、平均の欄が空欄なので1件しか記録がないことを示しています。ちなみに、♂1250mmとなっています。
 この全長が図鑑に生かされるのは連盟図鑑の前身である『野外観察用鳥類図鑑』(高野伸二、柳沢紀夫・1965)からとなります。これには、ヤマドリの全長は♂1250mm、♀500mmとなり、明らかに『野鳥便覧・下』を参考にしていることがわかります。雄は同じですが雌は5m短くなっています。どうも1cm以下は切り捨てたようです。
 次いで全長が表示がされている『野鳥識別ハンドブック』(高野伸二・1980)、『フィールドガイド日本』(高野伸二・1982)では、どちらも♂125cm、♀55cmとなっています。これも『野鳥便覧・下』を参考にしたことは明らかで、雄は同じですが、なんと雌は5cm伸びています。野外で1割大きいとなると、かなり差を感じる数字となります。そして、この数字は今に至るまで伝承し続けられていることになります。
 ヤマドリは日本特産の鳥ですから海外の文献にあるとは思えず、1965~1980年の日本の文献のなかに55cmの根拠がないかと調べましたが見つけることができませんでした。ということは、高野さんの転記ミスの可能性が高いと思います。また、私も含め多くの図鑑が、『フィールドガイド日本』を参考にしていることがわかります。
 ちなみに、ほぼ最新の”Birds of East Asia”(Mark Brazil・2009)では、♂87.5cm-136cm、♀51-54cmとなっています。
 だからこそ、図鑑の制作は間違いがあってはいけないことであり、それにはたいへんな能力と労力が必要な作業となります。安西さん、無理をしないで頑張ってくださいね。

2014年11月10日 (月)

ソウシチョウ来訪-六義園

 ちょっと、ご無沙汰だった六義園をK藤♂さんと歩きました。アオジ、クロジ、ウグイス、シロハラがいて、冬鳥と山から降りてきた漂鳥たちがそろいつつありました。
 ヒヨドリの声のにぎやかな中に、聞き慣れない声が聞こえてきました。さっそく録音機を向けて録音しました。PCM-D100で録音。ボリュームのアップ、3,000Hz以下のノイズをかなりカット、ノイズリダクションを強めにかけています。

  ソウシチョウのさえずりでよろしいかと思います。この後、かなり間をあけてもう一声鳴いてくれました。合計3声でした。ソウシチョウは一年中さえずりますが、秋はさすがに頻度は少ないですね。
 過去の記録を見たら、六義園では2006年10月19日に数羽のソウシチョウが記録され、六義園初記録となっています。そして、年内は滞在しました。この年は、都内の各地の公園でも記録され、宇都宮付近の知人の家でも見られました。この時は、ソウシチョウがいっせいに勢力を伸ばしたような印象がありましたが、今年はどうなることでしょう。
 以前、DSのソフト『にっぽんの野鳥大図鑑』にソウシチョウやガビチョウを収録したら「野鳥でないのに登録されているのは良くない」というレビューがありました。ソウシチョウやガビチョウの問い合わせが多いことをご存じないのですからしたかありませんが、野外で聞くことの可能性の高い声を収録しなくては図鑑の役割を果たせないのことになります。
 ということで、このさえずりを聞いたらソウシチョウです。あまり知られていませんので、聞き逃す可能性があります。外来種の動向を知る上で、貴重な記録を見逃し聞き逃さないように、もう少しクリアに録音できた音源をアップしておきます。

2014年11月 9日 (日)

日本野鳥の会総会2014

 昨日と今日は幕張で開催された日本野鳥の会の総会に出席しました。去年は、カゼで体調を崩し欠席したので、全国の皆さんにお会いできるのは久しぶりです。
 ところで、日本野鳥の会の総会は年1回開かれます。会の運営は、理事と評議員が法律上は担っていることになります。理事、評議員には、支部の代表や出身者がいることはいるのですが、全国に90ある支部を網羅することはできません。そのため、年に1度1泊2日ではありますが、支部の代表者が集まって勉強会と意見交換会が行われます。今年は50名ほどの参加者があり、意見交換会でも盛り上がり懇親会でさらに盛り上がりました。
 なお今年は、創立80周年のため顕彰が行われ、柳生会長より総会に出席された対象者の方々に感謝状が授与されました。岐阜支部でカスミ網撲滅に奔走された丹羽宏さんもそのお一人でした。ちょうど一昨日に見た映画『鳥の道を越えて』に出演され、インタビューに元気に答えていたお姿を拝見したばかりです。生で見てもお元気でした。
 昨日のプログラムは勉強会で、中西悟堂研究家の西村眞一さんの「日本野鳥の会誕生の秘話」は、悟堂追っかけの本領発揮のマニアックな内容。西海功さんの「DNA解析で見えてきた東アジアの鳥類の多様性と分類の今後」は、DNAによる新分類の話でしたが、マガモとカルガモのDNAに違いがないには皆ショックでした。
 今日のプログラムは事務局と支部からの報告で、葛西のオリンピック問題の現状を東京の飯田陳也さんが報告。昨日、私の目の前でかなり飲んでいたのですが、ちゃんと報告していたのには驚きました。このほか、各支部からの問題提起や報告が発表されました。いずれにしても、皆さんお疲れさまでした。
 昨日、丹羽さんのお話のなかに「昔の仲間に会えると思ってきた。しかし、知っているのは一人だけ。寂しいけど、考えてみれば当たり前だった」という言葉が残りました。私の世代でも、昔からの仲間は事務局を入れても10人もいないでしょうね。財団事務局は新人を多く出席をさせたので、なおさら若い感じがしました。それに加え、支部の方々も執行を担っている方々は若い人が多くなりました。少し世代が、交代していくのを感じた総会でした。
 写真は、セミナーハウスのある海浜幕張駅前で行われた早朝探鳥会の様子。鳥がいなくても雨が降っても探鳥会を楽しませてくれる安西英明さんの熱弁が楽しめました。
Soukai141109



2014年11月 8日 (土)

日本野鳥の会が青山にあった頃

 昨日、映画『鳥の道を越えて』を見に行った渋谷イメージフォーラム劇場は、私が勤めていた頃(1987~1993年)の日本野鳥の会の事務所があった近くでした。ちょうど、青山通りを挟んで反対側になります。
 久しぶりに、渋谷から宮益坂と青山通りを歩きました。渋谷駅からは渋谷ヒカリエができたおかげで、遠回りをしなくてはなりませんでした。昼飯を食べた和食屋やレストラン、飲みに行ったお店はほとんどなくなっていて隔世の感があります。また、日本野鳥の会のあったところは、しばらく駐車場でしたが、今回行ってみるとこの界隈ではもっとも高いビルが建っていました。
Aoyama141107

 ところで、私がこの界隈に初めて行ったのは学生時代で、志賀昆虫社に解剖セットを買いに行きました。1970年代このあたりの青山通りは、鉄筋のビルは志賀昆虫社くらいで、あとは瓦葺きの屋根の家が並んでいた記憶があります。
 その後、日本野鳥の会が財団法人となり最初の事務所となった第一園芸もプレハブのような作りで、2階の物置のようなスペースが最初の事務所となります。そこに夕方になるとボランティアの学生が何人も集まったものです。
 その後、日本野鳥の会は3ヶ所事務所を替え、私が勤めていた頃は、第一園芸と同じ場所に建てられた青山フラワービルとなります。1階が第一園芸で、花屋の店舗でした。同じビルにはアリコジャパンが入っていて、日本野鳥の会と同じスペースだったのですからとても小さな会社だったことになります。
 図らずも、この頃の日本野鳥の会では署名活動などカスミ網撲滅運動を行っていたときになります。毎週、何人の署名が集まった、何万人を超えたという報告が保護部からあり、事務所全体が熱くなっていた頃です。
 つい懐かしい青山通りを歩いたことで、思い出話になってしまい申しわけございません。
  ところで、今日明日は日本野鳥の会の年に1度の総会です。全国から連携団体の重鎮の皆さんが集まり、泊まりがけで熱く日本野鳥の会の活動について語り合います。私も、そろそろ家を出なくてはなりません。

2014年11月 7日 (金)

映画『鳥の道を越えて』

 今日は青山にある渋谷イメージフォーラム劇場へ、映画『鳥の道を越えて』を見に行きました。この映画の試写会に行ったカミさんから「絶対に見るべき」と言われました。そう言われたとS木♂さんに言ったら、公開初日に行かれてブログに面白い記事を書いています。下記URLです。
  http://blog.livedoor.jp/gnohara/archives/7913890.html
 というわけで、私が行かないわけにいかず、本日見に行った次第です。
 一言で言えば「面白かった」です。ドキュメンタリーとしては長尺の90分ですが、飽きませんでした。ストーリーは、監督の祖父がカスミ網猟を体験していたということをきっかけに、カスミ網と何か、伝統猟法はと取材をして行く過程を淡々と綴っていきます。途中に思わぬドラマはありませんし、衝撃映像もありません。それでも飽きさせないのは、しっかりと事実を追い求める姿勢に引き込まれてしまうからでしょう。
 また、監督はカスミ網はもちろん鳥のことを知らないという前提で、一つひとつ取材し調べて行きます。ですから、知識の無い人でもわかりやすい内容になっていると思います。
 私にとっては、いろいろ学ぶところがあった映画でした。まず、ツグミのおとりの声についてはS木♂さんが、すでに述べていますので前掲のURLでご覧ください。
 ひとつ感じたのは、日本各地の山は鳥屋場を作ることができるほど、山に樹木がなかったことがわかります。見張り小屋を建てカスミ網を張り猟をするためには、鳥の通り道の尾根に樹木が生い茂っていてはできないのです。戦前戦後の林野は、人の手が多く入った明るい林だったことになります。カスミ網を張るような、標高1,000m以下の山地は広い意味で里山として管理されて、活用されていたわけです。
 栃木県日光も鳥屋場がたくさんあったと言われています。戦前の日本野鳥の会の日光探鳥会は鳥屋場巡りで、お土産に野鳥をもらったという話が残っています。また、日本野鳥の会の参与であり日光に美術館のある小杉放菴は、日光の鳥屋場で捕まった鳥をたくさんスケッチに残しています。しかし、日光の山々を見渡して、鳥屋場を作れるような場所がないので不思議に思っていました。考えてみれば、今のように樹木に覆われた山ではなかったとしたら、あちこちに鳥屋場があっても良いことになります。
 今度、日光の鳥の道を探してみたいと思います。

『鳥の道を越えて』のサイトのURL
 http://www.torinomichi.com/

2014年11月 2日 (日)

今年もジャパンバードフェステバル-2014年

 昨日今日は、千葉県我孫子で開催のジャパンバードフェステバルでした。昨日は、雨でさすがに欠席、本日出向きました。10時のシャトルバスは満員で、乗れない人が出るほど。昨日の雨のために、2日分の参加者が本日に集中したのでしょう。
 会場を巡ると、友人知人に出会います。最近は、Facebookのお友だちとの出会いが、楽しいですね。挨拶し損ねた方々、失礼いたしました。
 一通り巡り、11時40分から始まる「鳥声クイズ・イントロどん!」の会場へ行きました。去年、私が出演したイベントです。去年の報告は、下記です。
 http://syrinxmm.cocolog-nifty.com/syrinx/2013/11/post-7ef3.html
 評判が良かったのか、今年は2回開催されています。昨日は大学対抗、本日はベテラン対抗となります。応援団もいて、なかなかの人だかりで盛り上がりました。
 しかし、声だけで鳥の名前を当てるというのは、難しいですね。普段ならば、鳥の声が聞こえてくれば自然に名前が頭に浮かぶのですが、それがありません。それでも、いつくかの難題で名前がわかったのは録音したことのある鳥となります。正直、壇上に座らされるよりは、多少は成績が良かったです。♪鳥くんがかける有言無言のプレッシャーがないのが良いのでしょう。
Dscn1419
 ♪鳥くんも最初に言っていましたが、鳥が鳴いている環境がわからず声だけでは、わからないものなのです。鳥の声の識別は音色や節という要素に加えて、環境が大きなヒントになっていることになります。それから、木の上か藪かなど、どこから聞こえて来るのかの情報がないとわかりません。ですから、鳥の声がわかるためには、声を覚えるだけではなく、鳥の習性も同時に知識として必要ということが改めてわかりました。
 出演者の皆さんをはじめイベントの関係者の皆さん、お疲れさまでした。

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