数打ちゃ当たるタイマー録音
先週末の日光では、YAMAHA W24を4機投入してタイマー録音を行いました。
お気に入りの森に置きました。別荘地がおわり、森が始まるところです。標高は800mほど、広葉樹の林とスギの人工林が交互に続くエリアです。
タイマー録音では、いつも置く場所に悩みます。まず、人家に近いと車や人声が入る可能性があります。森もスギ林より広葉樹の林のほうが鳥が多そうなので、広葉樹の林を選びます。また、沢から離れていること、窪地に置くことで環境音を軽減します。さらに万が一、雨が降っても大丈夫なように岩の下、倒木の下に置きます。低い位置だと風の影響を受けにくいので地面や地面に近いところを探します。基本、人の来るところではありませんので人に取られる可能性はないのですが、タヌキやカラスが興味を持ちますので、ヒモで木や岩にくくりつけておきます。
そしてなんといっても、もし私がオオルリだったら、あのモミの木のてっぺんでさえずったら気持ちが良いだろうなあ想像しながら置く場所を考える楽しみがあります。
ということで、1機目は比較的人家に近い明るい林の木の根元です。去年、トラツグミが近くで数声鳴いてくれたポイントです。
2機目は、1機目よりさらに森の奥50m入った山の斜面、岩の下です。先週、カラ類が多かったので、できたらエナガ狙いです。
3機目は、さらに1kmほど林道を行った場所で、標高も50mほどあがります。やはり広葉樹の林です。倒木の下に置きました。
4機目は、3機目から50mほど離れた岩の下に置きました。ちかくに良い感じにモミの木があります。
タイマー設定は、午前4時~7時の3時間です。なお、この日の夜明けは午前5時です。
それぞれの場所の録音状態を波形で表示してみました。実際はステレオですが、モノラルにしています。
1機目
2機目
3機目
4機目
1機目のはじめの方と真ん中にある大きな音は、風の音で鳥の声ではありません。夜明けと共にセンダイムシクイが鳴き始め、ヒガラやハシブトガラスが入っています。ただ、波形にはっきり現れないほど遠い声です。
2機目は、うまく風が避けられ、夜明けと共にセンダイムシクイがかなり近くで鳴き始めています。ただ、あとはヒヨドリが遠くで鳴いている程度です。しかし、6時27分に哺乳類と思われる謎の声が入っていました。
3機目は、録音開始から30分間フクロウの鳴き続けています。そして、トラツグミも鳴いています。夜明けと共にゴジュウカラが鳴き始め、カケス、アオゲラの声が聞こえますが、近い声はあまりありません。大きな波形の近い音は、キツツキのドラミングなのですが、種類は不明。5時30分にヤブサメが数声鳴いています。今年初めてのヤブサメです。オオルリ、ヒガラなどもさかんに鳴いていますが、波形は小さくいずれも遠めです。
4機目、最初のぎざぎざに見える波形はフクロウです。4時50分頃からゴジュウカラがさかんに鳴き始めます。そして、日の出5時と共に大きく見える波形はキツツキのドラミングとゴジュウカラ、そしてクロツグミのコーラスです。クロツグミが鳴きやんだあとの小さな波形はホオジロ、このホオジロは休憩しながらずっとさえずっていました。そして、6時30分には森は静かになりました。
こうして見ると同じエリアの森でも、ずいぶん鳥の声のにぎやかさに違いがあることがわかります。タイマー録音は運任せ、複数の録音機を置いて近くで鳴いてくれる鳥に出会う確率を高めるというのが、コツとなります。
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