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2015年8月

2015年8月31日 (月)

昨日のおみやげ-ZEISS瓦煎餅

 昨日、ツアイス双眼鏡新機種お披露目のおみやげに、紙袋に入ったお菓子をいただきました。瓦煎餅の老舗の亀井堂、棟方志功の版画が描かれているお馴染みの紙袋をツアイスのK堀さんが「お楽しみに」と意味ありげに手渡ししてくれました。
 家に帰って開けたら、なんとツアイスのロゴ入りの瓦煎餅でした。

Zeiss150831

 瓦煎餅とツアイスのミスマッチがなんとも面白いです。たしかニコン羊羹があると、facebookで盛り上がったことがありましたが、それに匹敵します。
 軽い甘味とバリッとした歯ごたえ、懐かしい瓦煎餅の味がしました。子どもの頃は、瓦煎餅はお菓子のなかではご馳走でした。醤油の付いた煎餅の上に位置していましたね。ちなみに、醤油煎餅の下がソース煎餅です。などなど、昔を思い出しながらいただきました。
 ただ、今回のイベントのみで販売はしないとのこと。ちょっと惜しいですね。

2015年8月30日 (日)

ツアイスVictory SFを試用

 ツアイスから「新機種を出したので触りに来ないか」とのお誘いがあり、葛西臨海公園に行きました。ツアイスの日本支社のスタッフをはじめ、日本野鳥の会の販売担当、Birder誌の編集長、そして本社で開発に当たったドイツ人スタッフなど、総勢11人の探鳥会になりました。
 はじめは曇り、霧のような雨が降り始め、お昼近くには本降りとなりました。そのため、歩くのはあきらめ、鳥類園のウォッチングセンターで雨宿りをしながらのバードウォッチングです。おどろいたことに、飛び交う小鳥の群はみなコムクドリ。おそらく500羽を超えているでしょう。ときどき聞こえるアオアシシギの声が、秋の訪れを知らせてくれる葛西でした。
 さて、新機種はVictory SFです。対物レンズの口径は42mm、8倍と10倍があり、今日はおもに8×42を探鳥会中、お借りしました。
Zeiss150830

 第一印象は「軽い!」です。8×42としては、かなり大型に見えます。しかし、手に持つとふわっとした感じさえするほどの軽さなのです。また、対物レンズは大きいので前のほうが太いのですが、手元が細く手にしっくり来て、持っていてとてもバランス良いのです。この手元が細いことで、大きさの割にはピントリングに指が届きやすく、操作性がとても良いと思いました。また、フォーカスリングは太めで刻みも深いため、指が滑ることはなく確実にピントを合わせることができました。
 この機種の”売り”は明るさとのこと。今日は天気が悪く暗いので、ちょうど良い機能チェックができました。たとえば、肉眼でまっくらに見える藪の中を見ると、葉1枚1枚や細い枝が絡み合っているようすなどがよく見えます。これは、夜の鳥の観察など、悪条件下のバードウォッチングに期待ができます。
 2時間あまりの使用ですが、手になじんでしまいお返しするのが惜しい感じがしました。
 ちなみにお値段は30万円。10×42が31万円。それなりのお値段となります。還暦は過ぎてしまいましたので、次回の古希のお祝いにお願いします。

2015年8月29日 (土)

謎の声、解明

 長い間、録音していると澱のように不明の声が溜まってきます。聞き慣れない声がすると、まずは録音します。しかし、録音している間は音を立てないようにじっとしてます。双眼鏡で姿を探すことができません。結果、鳴きやんでから姿を探しても、見つけられず不明となってしまうケースが多いのです。さらに、タイマー録音や長時間録音では、なおさらです。  ただ、自分自身と知識や録音仲間の情報から、懸案の不明の声が解明することもあります。そのため、ときどき昔録音した音源を聞いては検証しています。今日は、天気が悪いので、この作業をしていました。
 今回、解明できたのは栃木県日光市滝尾で録音した声です。当時は、DATでの録音ですので、タイムコードが入っています。13年前の2002年8月5日の午前11時46分となっています。日光とはいえ、8月5日の昼頃ならば暑いさかりとなります。環境は、スギの古木が生い茂る古い神社があるあたりです。この日は、この声しか録音していません。小鳥のさえずりの最盛期が過ぎて、録るものを探して遭遇したという感じでしょう。
 ソニーのDAT録音機PCM-M1にオーディオテクニカのマイクAT825Nを接続しての録音。ボリュームのアップ、1,000Hz以下の低音ノイズの軽減、ノイズリダクションをかけています。また、声と声の間を詰めています。

「ural_owlck124020805.mp3」をダウンロード

 フクロウの幼鳥の声でよろしいかと思います。
 『野鳥大鑑鳴き声420』に蒲谷鶴彦先生が録音されたフクロウの幼鳥の声が収録されています。また、先生も最初は謎の声として録音し、その後に飼育されている幼鳥の声を聞いて懸案の謎の声が解明されたというエピソードも紹介されています。
 先生の音源は、同じ声を同じ調子で繰り返しています。私の録音では、音の強弱とテンポ、さらに調子が多少変化している違いがあります。ただ、音域や倍音の出方はよく似ています。成長具合や状況による違いかと思われます。
 昼間のために、夜の鳥を思い浮かべることができなかったことになります。思い込みが、識別の判断を誤ってしまい反省しています。 

2015年8月26日 (水)

本日は『夏休み子ども科学電話相談』

 NHKラジオの『夏休み子ども科学電話相談』の放送時間が、午前8時5分からとなり集合時間も7時20分。5時起きとなりました。今日は、台風の余波がもっとも強い土砂降りのなかに、NHKに行きました。
 前回の出演日は国会中継が9時から始まったため、1時間で終了。楽ちんでした。昨日は野鳥担当の中村忠昌さんの出演日だったのですが、台風情報のために中止。今年は、野鳥の質問を受ける時間がとても短くなってしまいました。
 ということで今日はフルに出演できるので、がんばりました。
 やはり鳥の質問は、子ども自身が体験したことが少なく、本やテレビを見てというのが多いですね。飼ったり観察することが簡単にできる植物や昆虫では、実際に手にとって疑問が生じての質問が散見しますが、他の分野も同じです。それでも、疑問に思うということは対象に好奇心を持って見ていることになります。ていねいに答えることで、より広がったり深まったりしてくれればと思っています。
 約4時間、スタジオに座って緊張をしているとかなり疲れます。子供たちの「へえ」とか「ああ、そうなんだ」という一言が、疲れを癒やしてくれました。
 下記URLで、先生方が答えた質問の一部を聞くことができます。もちろん、子どもでなくて大丈夫、お聞きいただければ幸いです。
 http://www.nhk.or.jp/radiosp/kodomoq/

2015年8月25日 (火)

都心でハシボソガラスが繁殖成功

 以前、ハシボソガラスが近所で巣作りをしているという記事をアップしたことがあります。山手線の周辺ですので都心と言える地域、とても珍しいことだと思いました。
 http://syrinxmm.cocolog-nifty.com/syrinx/2012/04/post-5eab.html
 この記事をアップしてから、もう3年前たってしまいました。ここは、私の散歩コースからはずれてしまうので、あまり通りません。しかし、その後もこの周辺でハシボソガラスを見ています。繁殖期だけでなく冬も見ていますので、そのままなわばりを構えていたという印象です。
 今日、久しぶりにこの道を歩いたところ、ハシボソガラスの幼鳥3羽を見つけました。

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 写真には2羽写っていますが、このそばにもう1羽いました。ハシブトガラスではこのサイズの幼鳥は巣立って間もない大きさであり、まだ巣のまわりにいる頃となります。ハシボソガラスも同じだとすると、この周辺で少なくとも3年間なわばりを構え、巣立ちまで至ったことになります。
 ハシボソガラスが都心で巣作りだけでなく、繁殖成功の記録となりました。

2015年8月19日 (水)

エンマコオロギの声-日光

 日光に行って来ました。霧降高原は、ワレモコウにアキアカネがとまっていました。それに、ナナカマドの実が赤くなっていました。標高1,000mを超えると秋の風情があちこちに見られるようになりました。
 夜になると、秋の虫たちの合唱がにぎやかになっていました。エンマコオロギの声です。実際には翅をすりあわせているので声というには正しくないのですが、もしこの小さな虫が鳴いたらこんな声だろうなあと思うような音を出すのですから不思議です。
 PCM-D100で録音、フェードインとフェードアウトをかけてだけで、編集加工をしていません。  

「enma150818_007.mp3」をダウンロード

 こんな可愛い声で鳴くのに、恐ろしい閻魔の名前が付いているのは可愛そうですね。

2015年8月17日 (月)

『山怪 山人が語る不思議な話』-読了

 暑いので、昼寝と読書の日々を送っています。近所の書店で見つけた本です。夏の読書向きかと思って購入、昨日1日で読了しました。

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 私の知人のなかには、ただ「山のなかで心霊現象を体験した」と多くを語らない方、「山の中で車中で寝ていたら一晩中、人の気配がした。朝起きたら墓地の横だった」とか、ストレートに雪の中で死体を発見した者がいます。
 私は、車中での野宿やまっくらな夜の林道を走るなどをしています。道を外れ、道なき道を歩くことも少なくありません。また、本書の怪奇現象の多くはキツネやタヌキのせいにされていますが、林道を走っているとキツネやタヌキとの遭遇はかなり多いのです。しかし、それにも関わらず残念ながら心霊体験はしたことがありません。本書によると体験できる人とできない人がいるようで、私はできない人のようです。本書は、できる人の体験談が綴られています。
 秋山郷や湯西川など、私が行ったことのある地名もたくさん出てきますので、風景を思い出しながら読むと、なるほど何かいてもおかしくないなあと思いながら読むことができました。また、このような怪奇談は、明治大正、あるいは昭和初期の話であることが多いのですが、本書に収録されているエピソードは、体験したから方から筆者が直接、聞き取った話と筆者自身が体験した話です。ですから、今でも、現在進行形で日本の山で怪奇現象が、たくさん起こっていることがわかります。
 ただ、読んでいてそんなに怖くはありません。鳥肌がたつというようなことになりませんし、この本を読んで夜にトイレに行けなくなるということはないと思います。というのは、筆者が客観的に伝えようと努力し、自然現象の可能性のあるものは科学的な解説を加えてくれているせいだと思います。そのため、山で生活する人が山にいだいている畏敬の念が伝わってくる内容となっています。
 なお本書にある、山の中での聞こえたと言う不気味な声は、フクロウの雌の可能性が大きいですね。私自身、初めて聞いたときは震え上がりました。やっと怪奇現象の遭遇できたと喜んだものです。
 アマゾンのURLです。
 http://www.amazon.co.jp/%E5%B1%B1%E6%80%AA-%E5%B1%B1%E4%BA%BA%E3%81%8C%E8%AA%9E%E3%82%8B%E4%B8%8D%E6%80%9D%E8%AD%B0%E3%81%AA%E8%A9%B1-%E7%94%B0%E4%B8%AD-%E5%BA%B7%E5%BC%98-ebook/dp/B00YGRC60U/ref=sr_1_2?s=books&ie=UTF8&qid=1439781359&sr=1-2&keywords=%E5%B1%B1%E6%80%AA

2015年8月15日 (土)

ハクビシンの足跡-六義園

 今日の午前中は、六義園をゆっくりと探索しました。もっとも鳥の少なく、もっともセミのにぎやかな時期です。クマゼミは4ヶ所で確認、今までいちばん多いかもしれません。
 ところで、水香江付近でハクビシンと思われる足跡を見つけました。

Hakubisintrack150815

 大きさは、ネコより少し小さめ。写真に写っている防虫スプレーは、長いところが11.5cmありますので目安にしてください。
 足の形は、丸みがあり爪の跡がはっきりと地面に食い込んでいます。調べてたとこと、これは後ろ足の跡、前足は細長いようです。今回は、前足らしい痕跡は、明瞭なものはありませんでした。
 実は、以前もこの場所で同じような足跡を見ています。最近の六義園は、入園者数が多いために順路は踏み固められて、足跡の付く場所が少なくなりました。このあたりは、数少ない地面が柔らかいところで、昨夕の夕立がより足跡が付きやすくしてくれたおかげです。
 六義園のまわりでハクビシンの死体を見たことがありますし、園内で写真を撮られたこともあります。また、夜に鳴き声らしいものを聞いています。いずれにしても、いまなお六義園にハクビシンが生息し続けていることになります。

2015年8月14日 (金)

「谷中の自然を見る 本草学者・岩崎灌園の世界」

  今日は、台東区中央図書館で行われている「谷中の自然を見る 本草学者・岩崎灌園の世界」展へ。上野駅からコミュティバス・めぐりんに乗って行くと、御徒町や浅草橋、鳥越神社、合羽橋、浅草寿町と、ちょうど江戸の下町巡りの感じで図書館のある生涯学習センターに着きました。
 展示は「えっ、これだけ・・・」という感じのコーナー展示で、よほど興味のある方しかこないのではと思うほど。私としては、拙著『江戸のバードウォッチング』が目立つところに麗々しく展示してあったことで、まず満足。灌園の著作であり江戸の生物に関してのネタ本である『武江産物誌』のオリジナルが見られたことも行った意味がありました。
 解説を読むと面白いことがわかりました。灌園は、シーボルトに会っているのです。このとき、同席したのが福岡藩10代藩主・黒田斎清(なりきよ)、大名です。ちなみに、14代が鳥類学者の黒田長禮、そして黒田長久と続きます。黒田家が、日本の生物学の礎と発展に寄与したきっかけが斎清と言われています。
 一方、灌園の身分は直参の徒(かち)の子で、御徒町に住んでいました。徒は下級の武士、その徒が住んだということから御徒町の由来にもなっています。ですから、当時は大名と同席することなどできないはずなのです。それにも関わらず、斎清が席をともにしたのは灌園の本草学の知識を買っていたことになるではと思いました。昭和初期の鳥業界でも、貴族と平民が隔たり無く交流したことを考えますと、学問の世界では身分を超えて情報を交換、共有することに専念したのではないかと想像してしまいます。
 さらに、灌園は水谷禽譜の水谷豊文(尾張藩)、灌園が植物採集に行った日光のガイドブック『日光山志』を描いた画家の谷文晁とも交流したとあります。当時は学会はないしインターネットもないなかで、どのように情報を交流し切磋琢磨しあったのか興味は尽きません。
 薬として価値から植物を見た本草学から植物を科学的に見る植物学へと変化していく歴史の狭間に、灌園がいたことがわかりました。この流れが、近代の牧野富太郎につながって行き、日本の植物学が確立して行くことになります。
 図書館の当展示についてのURLです。
https://www.taitocity.net/tai-lib/contents/news/20150526_kyodo-kikakkuten_iwasakikannenn.html

2015年8月12日 (水)

クマゼミ-六義園

 今朝、六義園からクマゼミの声が聞こえてきました。昨日も聞こえたのですが、録音をしようと思ったら鳴きやんでしまいました。今日は、録音することができました。PCM-D100で録音。6,000Hz以下の低音を軽減、ボリュームを少しアップしています。

「kumazemi150812.mp3」をダウンロード

 六義園でクマゼミが聞こえるのは、年に数回あるかないかです。去年は、なかったと思います。今日は、塀のまわりの散歩でも聞こえましたので、今年はすでに2ヶ所で鳴いています。
 矢島稔先生によると、クマゼミは「関西のクマゼミ好きの人が東京でも聞きたいと思って運んできた」とのこと。また、クマゼミの震源地は代々木公園や明治神宮ですので、日本中から献木されたときに土に入っていたなどの説があります。
 ただ、江戸時代の岩崎常正著による『武江産物誌』(1824 年・文政7 年)には「馬蜩」の名前があります。これには、「志ね志ね」のルビがふってあります。他のセミの名前のルビは鳴き声なので、馬蜩が「志ね志ね」と鳴くセミであることがわかり、クマゼミの声に聞こえます。「しね」から発想する悪い語感を「志ね」という良い意味の漢字を当て縁起担ぐ当時の心情が伝わってきます。また、他のセミには地名が書いておらず、どこにでもいたのではと思われますが、馬蜩は「本所」と地名が書かれています。このことから、多いセミではなく、もしかしたら本所にお屋敷を構える西日本の大名が故郷の夏を懐かしんで持ち込んだものが居着いたのかもしれません。
 関連情報で、「谷中の自然を見る 本草学者・岩崎灌園の世界」が開催されています。灌園は常正の号。資料が多いとは思えないので小規模な展示かと思いますが、会期中に訪れてみたいと思っています。
  https://www.city.taito.lg.jp/index/event/shogaigakushu/kyoudokikakuten.html

2015年8月 8日 (土)

ハシボソガラスの部分白化

 日光市内を流れる大谷川の河原で、部分白化のハシボソガラスを見つけました。

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 以前にも部分白化と思って観察したことがありますが、羽毛がすり切れたり欠けたりして下の羽軸の部分が出てきて、白く見えることがありました。とくに、ハシボソガラスは、付け根のほうが白い羽毛がありますので、風で羽がめくれただけで下の白い部分が見えて、部分白化に見えることがあるので注意が必要です。
 今回のハシボソガラスは、雨覆羽の数枚が全体に白く部分白化と言えるでしょう。写真のように右側に白い部分がはっきり見えますが、左側にも白い部分があるものの面積は狭く不明瞭でした。  

2015年8月 5日 (水)

「朝の小鳥」スタジオ収録-9月は干潟の鳥

  これより、文化放送に向かいます。シナリオはすでに送ってあるので、音源を持って行きます。その後、そのまま出かけるつもりなので、今日は放送予定のみにて失礼いたします。
  9月と言えば、干潟に訪れるシギやチドリたちです。谷津干潟や三番瀬、葛西臨海公園で録音した音源を使用しました。野鳥録音的には、遠いのとノイズの多い環境にいるので難易度の高い鳥たちです。過去の音源から、よりすぐりの音を選んでみました。この暑いなか、干潟を渡る秋風を思いながらの音源とシナリオの制作、これもかなり難易度の高い作業となりました。

9月の放送予定はです。
  6日 キアシシギ
 13日 メダイチドリ
 20日 ソリハシシギ
 27日 アオアシシギ

2015年8月 3日 (月)

小林重三の原画「ケリ」

 以前、小林重三の原画「イワシャコ」を入手したことを記事にしました。その記事を読んだ方から、原画を所蔵しているとのメールをいただきました。なんでも、伯父さんからお父さんへ、そしてご自身へ受け継いだものと出所がしっかりしています。写真を送っていだいたところ、描かれているのはケリでした。私自身どこかで見た記憶がある絵です。私は、日本鳥類保護連盟が山階鳥類研究所のなかにあった頃、職員だったのですが、林野庁のカレンダーのバックナンバーがあって、それを見たのではないかと思います。
 メールをやりとりしているうちに、譲っていただけることになりました。なんとも、ありがたいことです。
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  先日、手元に届き原画をじっくりと見ることができました。原画には、草原に佇むケリの端正な姿が描かれています。絵は、板に描かれています。絵の具は盛り上がっているところから油絵の具を用いていると思います。アクリル絵の具が日本で普及するのは1960年代以降のことですから、油でよろしいかと思います。
 そのため、風景はさらっと描いています。しかし、ケリ自体は丁寧に描かれ、くちばしから目にかけての表現は細かく描写されています。原画は、縦21.5×横27cmですから、鳥は小さく油絵の具で細い描写は難しいそうです。
 なお、絵の裏には伯父さんが書いた一文が貼ってありました。これには「農林省林野庁の依頼で小林重三画伯が描いたもので小林氏は鳥類の生態を得意とし、右に出るものはないと言われています。適当な額に入れて書斎に飾って下さい。鳥はケリという種類です。」と署名が書かれていました。
 その後、小林重三さんのお孫さんからもメールをいただき、現存するカレンダーの絵はすべて板に描かれているとのこと。私の記憶もまんざらでもなかったことになります。

2015年8月 2日 (日)

コガラの変わった声

 中禅寺湖の奥、千手ヶ浜に行ったカミさんが、聞いたことのない声が録れたとのこと。 YAMAHA C24で録音。ボリュームの増幅、3,000Hz以下の低音を軽減、10,000Hz以上の虫の声を軽減。ノイズリダクションをかけています。

「willow_tit150731.mp3」をダウンロード

 「チュ、ジー」または「チ、ビー」と聞こえる声です。録音されている方のなかにはご存知の方も多いと思いますが、あまり知られていないコガラの声です。私も以前、聞いたときはわかりませんでした。たまたま、山の中の餌台でしたので、姿がよく見えてリップシンクロもしていたので、コガラとわかったしだいです。
 ただ、この声との遭遇は2回のみ、2002年3月10日と2007年4月14日です。いずれも、早春の頃。そのため、勝手に「コガラの早春の声」としていました。「ツーチー、ツーチー」がなわばり宣言で、この声がラブソングかもと思っていたのですが、今回は真夏です。
 また、バードリサーチの「鳴き声図鑑」には、平野敏明さんが栃木県那須塩原で録音した同じコガラの声がアップされています。さすがです。
  http://www.bird-research.jp/1_shiryo/nakigoe.html
 録音したのは2015年3月31日で、やはり早春といえる季節に収録されていました。ただ、メモは「争い」。ラブソングとは逆の意味となっています。
 今回、真夏に聞かれたことから争いの意味のほうが合っているかもと思いつつも、以前録音したときは争っている感じはなかったで、今後の課題とさせていただきます。

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