クマゼミ-六義園
今朝、六義園からクマゼミの声が聞こえてきました。昨日も聞こえたのですが、録音をしようと思ったら鳴きやんでしまいました。今日は、録音することができました。PCM-D100で録音。6,000Hz以下の低音を軽減、ボリュームを少しアップしています。
「kumazemi150812.mp3」をダウンロード
六義園でクマゼミが聞こえるのは、年に数回あるかないかです。去年は、なかったと思います。今日は、塀のまわりの散歩でも聞こえましたので、今年はすでに2ヶ所で鳴いています。
矢島稔先生によると、クマゼミは「関西のクマゼミ好きの人が東京でも聞きたいと思って運んできた」とのこと。また、クマゼミの震源地は代々木公園や明治神宮ですので、日本中から献木されたときに土に入っていたなどの説があります。
ただ、江戸時代の岩崎常正著による『武江産物誌』(1824 年・文政7 年)には「馬蜩」の名前があります。これには、「志ね志ね」のルビがふってあります。他のセミの名前のルビは鳴き声なので、馬蜩が「志ね志ね」と鳴くセミであることがわかり、クマゼミの声に聞こえます。「しね」から発想する悪い語感を「志ね」という良い意味の漢字を当て縁起担ぐ当時の心情が伝わってきます。また、他のセミには地名が書いておらず、どこにでもいたのではと思われますが、馬蜩は「本所」と地名が書かれています。このことから、多いセミではなく、もしかしたら本所にお屋敷を構える西日本の大名が故郷の夏を懐かしんで持ち込んだものが居着いたのかもしれません。
関連情報で、「谷中の自然を見る 本草学者・岩崎灌園の世界」が開催されています。灌園は常正の号。資料が多いとは思えないので小規模な展示かと思いますが、会期中に訪れてみたいと思っています。
https://www.city.taito.lg.jp/index/event/shogaigakushu/kyoudokikakuten.html
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