『山怪 山人が語る不思議な話』-読了
暑いので、昼寝と読書の日々を送っています。近所の書店で見つけた本です。夏の読書向きかと思って購入、昨日1日で読了しました。
私の知人のなかには、ただ「山のなかで心霊現象を体験した」と多くを語らない方、「山の中で車中で寝ていたら一晩中、人の気配がした。朝起きたら墓地の横だった」とか、ストレートに雪の中で死体を発見した者がいます。
私は、車中での野宿やまっくらな夜の林道を走るなどをしています。道を外れ、道なき道を歩くことも少なくありません。また、本書の怪奇現象の多くはキツネやタヌキのせいにされていますが、林道を走っているとキツネやタヌキとの遭遇はかなり多いのです。しかし、それにも関わらず残念ながら心霊体験はしたことがありません。本書によると体験できる人とできない人がいるようで、私はできない人のようです。本書は、できる人の体験談が綴られています。
秋山郷や湯西川など、私が行ったことのある地名もたくさん出てきますので、風景を思い出しながら読むと、なるほど何かいてもおかしくないなあと思いながら読むことができました。また、このような怪奇談は、明治大正、あるいは昭和初期の話であることが多いのですが、本書に収録されているエピソードは、体験したから方から筆者が直接、聞き取った話と筆者自身が体験した話です。ですから、今でも、現在進行形で日本の山で怪奇現象が、たくさん起こっていることがわかります。
ただ、読んでいてそんなに怖くはありません。鳥肌がたつというようなことになりませんし、この本を読んで夜にトイレに行けなくなるということはないと思います。というのは、筆者が客観的に伝えようと努力し、自然現象の可能性のあるものは科学的な解説を加えてくれているせいだと思います。そのため、山で生活する人が山にいだいている畏敬の念が伝わってくる内容となっています。
なお本書にある、山の中での聞こえたと言う不気味な声は、フクロウの雌の可能性が大きいですね。私自身、初めて聞いたときは震え上がりました。やっと怪奇現象の遭遇できたと喜んだものです。
アマゾンのURLです。
http://www.amazon.co.jp/%E5%B1%B1%E6%80%AA-%E5%B1%B1%E4%BA%BA%E3%81%8C%E8%AA%9E%E3%82%8B%E4%B8%8D%E6%80%9D%E8%AD%B0%E3%81%AA%E8%A9%B1-%E7%94%B0%E4%B8%AD-%E5%BA%B7%E5%BC%98-ebook/dp/B00YGRC60U/ref=sr_1_2?s=books&ie=UTF8&qid=1439781359&sr=1-2&keywords=%E5%B1%B1%E6%80%AA
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