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2015年9月

2015年9月29日 (火)

自然の生命を描く10人展

 神保町で開催されているグループ展に行ってきました。三省堂の裏、すずらん通りにある文房堂という大きな画材屋さんの4階で行われています。
 まだ、薮内正幸さんがご存命の頃からこのギャラリーで、細密画を中心に始められた由緒ある展示会です。最初の頃は、神保町という土地柄から出版社の編集者が立ち寄り、プロがしのぎを削る緊張感ある展示会でした。ここ数年は、生き物を描くことを楽しんでいるなあという作品が多くなった印象があります。
 今日は幸いにして箕輪義隆さんが当番でいらしたので、いろいろお話をうかがいながら鑑賞することができました。カンムリツクシガモは、力作というか歴史に残る作品ではないでしょうか。
 また、日本ワイルドライフアート協会の展示会でお馴染みの田中豊美さんや福原勝一さんの作品はいずれもすごい迫力、目を引きました。いずれにしても10人10様の生き物のとらえ方を楽しむことができました。
 会期は、まだ10日以上あります。お近くの方はぜひお立ち寄りいただければと思います。

20150929

「自然の生命を描く10人展」
 会期:2015年9月28日(月)~10月10日(土)
    10:00-18:30(最終日は17時まで)
 出展者:梅村有美、大片忠明、菊谷詩子、小堀文彦、杉浦千里、田中豊美、福田竹代、福原勝一、箕輪義隆、渡辺のり子
 会場:文房堂ギャラリー

2015年9月28日 (月)

ゴイサギのねぐら立ち-芝川第一調節池

 昨日、芝川に録音機を3台置き、本日回収してきました。先日の記事のようにモズの声は、なかなか録れません。DATの時代は、マイクを向けスイッチを入れている間に鳴きやんでしまい、モズの声は一生録れないかもしれないと思ったものです。
 ところが、長時間録音やタイマー録音できるメモリ録音機の登場でソングポイントがわかれば、その近くに置くことで録音できる可能性が出て来ました。それも、朝の静かな時間に録音してくれるのですから、ノイズの多い場所でもなんとかなるはずです。ということで、録音機を置いてきました。ただ、見つけたソングポストの近くに隠せる場所が少なく苦労しました。現在、膨大なデータのチェック中ですが、少なくとも近くで数回は鳴いてくれていました。まずは、成功です。去年は、日光で同じ方法で、成功していますので、モズのような鳥には有効な手段と言えるでしょう。
 ところで、モズの他にもいろいろな音が録れました。ひとつが、ゴイサギのねぐら立ちです。LS-14で録音、虫の音域のボリュームを下げています。500Hz以下のノイズを軽減しています。全体にボリュームを上げて、ノイズリダクションをかけています。



  時刻は、午後6時15分頃、2羽が鳴き合いながら飛んで行きます。昨日の日の入りは5時30分頃、6時頃から虫の声がいちだんと高まります。そして、あたりはかなり暗くなった中、ゴイサギたちがねぐらを飛び立って行きました。
 芝川で、ゴイサギを見ることはあまりありません。ときどき、ヨシの生え際でじっとしているのを見ることがありますが、多くはありません。鳴き会って、飛んで行くようすはこのほかにも録音されていました。昼間見ることの少ない鳥が意外といることがわかりました。

2015年9月27日 (日)

モズの雌の声-芝川第一調節池

 どちらかというとモズは、野鳥録音では難題の鳥です。急に鳴き出すので、録音の準備が間に合わず、いつも途中からになってしまいます。フルコーラスを録るのが難しいのです。加えて、開けたところに居るので人工的なノイズがどうしても入ります。さらに警戒心がとても強いので、近くで録れないという3重苦の鳥なのです。
 この間、埼玉県川口市にある芝川第一調節池に行ったところ、モズがよく鳴いていました。これならば、録れると思ったのですが、なかなか思うようには録れませんでした。録れないながら思ったのは「モズは雌も鳴くと言われていますが、雄と雌で鳴き声に違いがあるか」です。
 モズは、秋から冬になわばりを持ち、そのためによく鳴きます。これを高鳴きというのですが、雌雄別々になわばりを構えるために、雌雄とも鳴くと言われています。過去に録音した音源をチェックしてみましたが、モズのファイル名はあるものの雌雄を区別して録音をしていませんでした。考えてみれば、モズを警戒させないために録音中は見ないようにしているために雌雄まで区別していないのです。
 とうことで本日、芝川で鳴いている雌雄の確認をすることにしました。見られたモズは5羽、このうち1羽が雌でした。雌雄の比率がかたよっているのは、普通なのでしょうか。
 そして、これが雌としっかりと確認して録音した声です。PCM-D100で録音、1,500Hz以下のノイズを軽減、300Hz以下のノイズをカット、軽くノイズリダクションをかけています。



 力強く溌剌と鳴いています。鳴き方と節に、雄と違いあるように思えません。ただ、これ1例だけですから、なんとも言えません。これからできる限りサンプルを集めて違いがあるのか、あるいは同じなのか調べられたらと思っています。

2015年9月25日 (金)

ユリカモメの幼鳥の声

 昨日は、日本野鳥の会の理事会でした。今年度は今のところ順調で、まずは安心。この調子で年度後半も進行してくれればと思います。
 理事会のついでに、安西英明さんから依頼を受けていた野鳥の音源を届けました。懇親会で安西さんから「ユリカモメの幼鳥の声が欲しい。もらった音源に少し入っていた。」との指摘を受けました。ユリカモメの成鳥と幼鳥によって声に違いがあるとは、思ってもみませんでした。さすがにバードウォッチャーの最高峰、安西さんです。
 ということで本日、音源をチェックしてみました。音源は2月、上野不忍池で給餌に集まるユリカモメの声です。ほとんどが「ギャーッ」や「バャー」と聞こえる基音が2,000~2,500Hzにある声で成鳥とのことです。このなかに「キュウ」あるいは「キュ」と聞こえる声が幼鳥だそうで、基音が4,000~4,500Hzにあり成鳥の声に比較して高く短い声でした。
 世界の鳥の声が集められているXeno-cantoで確認すると、ロシアで録音された幼鳥の声と一致しています。
 ユリカモメの幼鳥、こんな声です。PCM-D1で録音。約6分の音源の中から幼鳥の声のみを抽出。3,000Hz以下の低音を軽減。ノイズリダクションをかけています。



 これから、ユリカモメが渡って来るので、成鳥と幼鳥の声の違いを改めて確認したいと思います。また、ユリカモメにおいて、これだけ違うのですから他のカモメ類も気になります。オオセグロカモメとセグロカモメの1年生の幼鳥を姿から区別するのは、よほど条件が良くないかぎり私にはできません。まず幼鳥特有の声があるのか、そしてオオセグロカモメとセグロカモメで違いがあれば、野外識別のヒントなると思います。今年の冬の課題ができました。
 安西さん、ありがとうございました。  

2015年9月22日 (火)

日本産ジョウビタキのさえずり

 今年もあっという間に、野鳥のベストシーズンが過ぎていきました。また、来年のお楽しみです。今年は、体調もあってサボり気味、成果の少ない年でしたが、Oさんのおかげで録れたジョウビタキのさえずりが、唯一のなぐさめです。録音のシーズンの終わった今、じっくりと聞き直して気がついたことがあります。
 それは、大陸で録音されたものと日本で録音されたジョウビタキのさえずりに微妙な違いあるのです。
 世界の鳥の声が集められているXeno-cantoには、ジョウビタキのさえずりは、中国、ロシア、韓国のものがアップされています。下記のURLで聞くことができます。
  http://www.xeno-canto.org/explore?query=Daurian+Redstart&pg=1
 また、市販のCDでは蒲谷鶴彦先生がロシアのバイカル湖畔で録音した音源が『日本野鳥大鑑鳴き声420増補版』(2001)に収録されています。
 これらに共通しているのは、短く同じ高さ4,000Hz前後の音を数声続けて、その後に激しい抑揚のある節を早口で一気に鳴きます。間をあけて節に多少の変化を付けながら鳴き続けます。ホオジロより早口で、アオジより単純な節なのですが、これらホオジロ類との違いは、前に付ける短い同じ高さの音です。この声は「ビッ」と聞こえ、このような節を付ける鳴き方をする鳥はいないので、ジョウビタキのさえずりの特徴と言って良いでしょう。
 ところで、日本産のジョウビタキのさえずりは、私が栃木県で録音したものの他、バードリサーチのサイト内にある鳴き声図鑑に、長野県と兵庫県で録音されたさえずりがアップされています。下記URLで聞くことができます。
 http://www.bird-research.jp/1_shiryo/nakigoe.html
 これらの声も、大陸で録音されたものと同じように、前に「ビー」があるのですが、大陸で録音されたものに比べて長いのです。ですから、「ビー」がだんだん強くなって「ビーッ」と聞こえると言ったら良いでしょうか。
 比較のために、私が録音した栃木県のものと、カミさんが韓国で録音したものの声紋をアップします。いずれも、左右は4秒、天地は10,000Hzです。表示は3D、山が高いほど音が強いことを表しています。
Daurian_redstartsona2
栃木産です。この音源は次のとおり。


Daurian_redstartsona1
韓国産です。この音源は次のとおり。


 韓国産のものは前の「ビー」は0.3秒で4音程度、栃木県産は0.7秒で明瞭な部分は20音ありました。時間で倍以上、音では5倍以上あります。現状すべての音源をチェックしたわけではありませんが、日本産の長野県、兵庫県、栃木県のものは、複雑な節の割には差を感じられないほどよく似ています。起源が同じで、まだ違いがでていない可能性があります。
 もし、大陸のどこか。たとえば、Xeno-cantoには収録されていないロシア極東の個体群であるとか、わかると面白いですね。あるいは、ひっそりと日本で代を重ねて、大陸との違いになったのか、などなどいろいろ想像してしまいます。
 いずれにしても、現状のサンプル数では確定的なことは言えません。これからジョウビタキの繁殖が各地で発見され、さえずりが録音されれば新しい発見につながるかもしれませんね。

2015年9月16日 (水)

「朝の小鳥」スタジオ収録-10月は秋ヶ瀬の鳥

 本日は文化放送にて「朝の小鳥」のスタジオ収録でした。
 10月のテーマは、秋だけに秋ヶ瀬公園とその周辺で録音した音源を元に制作いたしました。モズの秋らしい高鳴き、秋のセグロセキレイの声、これでも秋の声となるヒバリのさえずり、カワラヒワの群れの鳴き合いです。
 春のさえずりとは、ちがった野鳥たちの秋の声の魅力をお伝えできればと思っています。

 10月の放送予定はです。
   4日 モズ
 11日 セグロセキレイ
 18日 ヒバリ
 25日 カワラヒワ

2015年9月15日 (火)

本日はデジスコ写真展

 今日から新宿のニコンサロンで開催されている「第12回デジスコ写真展」に行きました。
 デジスコで撮影された50点あまりの写真が展示されています。いずれも、生き生きとした野鳥たちの姿が映し出された傑作ぞろいでした。デジスコは、超望遠の世界が強調されがちですが、趣のある写真も撮れることがよくわかりました。さらなる機材の発展が、作品の広がりと深まる可能性を秘めていると思いました。
Dejisuko150915_2

 会場では、ちょうどfacebookのお友達のS木さんがいらしたので、いろいろお話をうかがうことができました。野鳥写真の展開と問題点から、録音まで幅広い話題を次から次に話が出て、あっという間に1時間以上会場におりました。他の来訪者の方を差し置いて、2人で盛り上がっていたのですから申しわけございません。
 おかげで、野鳥写真とデジスコの最新事情を知ることができて、私の評論の参考になりました。S木さん、ありがとうございました。
 なお、デジスコ写真展の概要を下記しておきます。お近くの方、ご用とお急ぎでない方、ぜひご覧いただければ幸いです。

第12回デジスコ写真展
会期:2015年9月15日~9月21日
開催時間:10時30分~18時30分(ただし、最終日は15時まで)
場所:新宿Lタワー28階(JR新宿西改札口徒歩5分)
デジスコ倶楽部のデジスコ写真展のURL.
http://www.digisco.com/digisco_club/

2015年9月14日 (月)

野生生物・絵と立体の世界-日本ワイルドライフアート協会展

 本日はJR市ヶ谷駅の近くで行われている日本ワイルドライフアート協会の展示会に行って来ました。テーマは「野生生物・絵と立体の世界」です。
 カミさんはじめ、友人知人が作品を出していますので、毎回楽しみにしている展示会です。小品から大作まで、いろいろな手法でいろいろな表現方法、でも生き物の息吹が伝わってくる作品ばかりです。今回は、タイトルどおり立体の作品もあって、楽しい雰囲気の会場でした。会場内は撮影禁止のため、案内ハガキの画像をアップしておきます。
Jwlas12015
 お近くの方、ご用とお急ぎでない方、交通の便の良いところです。ぜひお立ち寄りください。展示会のスケジュールなどは、下記のとおりです。
野生生物・絵と立体の世界-日本ワイルドライフアート協会展
会期:2015年9月11日(金)~17日(木)
        14日(月)~16日(水):11:00~18:00
        17日(木):11:00~14:00
        入場無料です
会場:山脇ギャラリー
     〒102-0074 東京都千代田区九段南4-8-21
                 TEL 03-3264-4027
     JR総武線、東京メトロ南北線、有楽町線、都営新宿線の市ヶ谷駅より徒歩1分
展示会のお知らせのURL:http://www.jawlas.jp/exhibition/

2015年9月12日 (土)

柴田敏隆さんを語る会

 本日は、去年12月にお亡くなりになった「柴田敏隆さんを語る会」でした。私は発起人の末席を汚し、せめて柴田先生の恩返しと受付のお手伝いをいたしました。参加者は160名を超え、会場は開園前から盛り上がるという盛況でした。

Sibata1509124

 柴田先生は、私が学生時代からお付き合いさせていただいておりました。また、日本鳥類保護連盟時代には『私たちの自然』の編集委員として、たいへんお世話になりました。若い頃「野鳥を守らなくてはならない、自然保護が必要」と感じていたのですが、人に説明できず、それを伝えることができないもどかしさがありました。要するに、理論的に理解するすべを知らなかったです。感情と思いだけでは、説得力ある説明はできません。それを、理論的に説明してくれたのが、柴田先生と金田平先生で、当時の若者の理論的なよりどころ、”師”であったわけです。
 また、当時の日本鳥類保護連盟は、山階芳麿先生の元で働くのを名誉と思い、連盟は環境庁(当時)の下請けという感覚の専務理事と事務局長がいました。そのため、環境庁に陳情書を出すなどなど、もってのほかというムードでした。日本野鳥の会や日本自然保護協会の若い職員が熱心に活動できるなかで、同じ世代の者としてもどかしさを感じていました。それを打開してくれたのは、編集会議での柴田先生でした。論説欄や記事に関連した問題を取り上げることで、合わせて陳情を出すべきと言っていただければ、私は先生の発言を根拠に活動できたのです。おかげで、どんなに助かったことか、感謝の言葉がありません。
 その後、柴田先生は日本野鳥の会の『野鳥』誌の編集を中心に運営に関わり、さらに日本自然保護協会への活動の拠点を移されました。いわば、自然保護業界で垣根のない活動をされたことになります。そのため、多くの方がその教えを受け、影響を受けたことになります。今日、参加された皆さんの顔ぶれを見て、先生の考え方が連綿と伝わっていることを確信いたしました。
 考えてみると、私がお世話になった頃の先生のお年は40から50才代。現在私は、当時の先生のお年を4半世紀超える齢を重ねましたが、未だ先生の領域に達していないことに気がつきました。  柴田敏隆先生、ありがとうございました。ご冥福をお祈りいたします。

2015年9月 6日 (日)

ツツドリ、またはホトトギスの地鳴き

 近くの公園では、昨日はサンコウチョウが少なくとも2羽、多くて3羽が出現。今日は、ツツドリが赤色型1羽、ノーマル2羽、ホトトギスの赤色型1羽が見られました。
 これら4羽は交互にサクラの木にやって来ては、毛虫を食べていました。1度に3羽が見られたことがあったほか、型の違いからの推測です。そのため、もっと多いかもしれません。写真はツツドリです。木の中にいて、なかなか姿を見せてくれません。

Oriental_cuckoo150906

 面白いのは、ツツドリがホトトギスを追いかけたり、ツツドリがハシブトガラスに追いかけられたりして、見ていて飽きませんでした。ホトトギス類にめったに出会うことのない東京のハシブトガラス、猛禽類だと思って追いかけていたのかもしれません。
 ところで、ハシブトガラスに追いかけられた時や仲間同士でのいさかいのときに「キャン」と言う声が聞こえました。はじめ子犬の声かと思いましたが、声の聞こえた方向は木の上、ツツドリやホトトギスがいるところでした。このほか、「キッ」や「キャッ」と聞こえるより短い声も聞こえました。声は、かなり大きくセミ時雨のなかでも聞こえましたが、一瞬のことで録音はできませんでした。
 なお、ツツドリとホトトギスが同時に出現していましたので、どちらが鳴いていたかは不明です。しかし、いずれの種類にしても、このような声で鳴くのは初めて聞きました。いろいろ調べてみましたが、ツツドリ、ホトトギスとも地鳴きは多少の違いがあるものの「ポポポ」または「ピピピ」の表記のみでした。
 この「キャン」は、かなりはっきりした声ですから、ツツドリやホトトギスに出会ったらどちらがこのような声で鳴くのか、ご注意いただければ幸いです。

2015年9月 4日 (金)

デジスコ通信に投稿-未来に向けてのビックデータ

 久しぶりに晴れました。待ってましたとばかり、フィールドに出かけた方も多いことでしょう。そして、今日もたくさんの野鳥の写真が撮られたことと思います。こうして、集積されていく野鳥写真について、考えてみました。下記URLで読むことができます。
  http://www.digisco.com/mm/dt_88/toku1.htm
 ちなみに、掲載されているデジスコ通信は、100号を迎えました。おめでとうございます。

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