« 2015年11月 | トップページ | 2016年1月 »

2015年12月

2015年12月31日 (木)

謎の鳴き声・その2-芝川第一調節池

 昨日の続きです。録音機を置いたのは、昨日とは別の場所です。環境はほぼ同じ、池のほとり、水面とヨシ原が前面に広がっているところです。
 まず、12月27日午前7時22分に録音されていた声です。YAMAHA W24で録音。2,000Hz以下のノイズの軽減、ボリュームを少し上げ、ノイズリダクションをかけています。

「unkown141227_0530-3.mp3」をダウンロード

 小刻みに3秒ほど鳴いて間を開け、同じようにまた2秒ほど鳴いています。カサコソと音がしていますので、この間に近づいてくれたようです。その後に聞こえるのは、ホオジロ系の地鳴きに聞こえます。もし、連続した声と地鳴きしている鳥が同じならばホオジロとなりますが、ホオジロがこのような声で鳴いたのは聞いたことがありません。連続した声が地鳴きとは別とするならば、最初に聞いたときはオオセッカの印象がありました。バードリサーチの「鳴き声図鑑」にアップされているオオセッカの威嚇や警戒の声に少し似ています。なお、芝川でのオオセッカの記録は、過去にあります。
 次は、同じ録音機に入ったいたもので28日午前7時5分です。2,000Hz以下のノイズの軽減、ボリュームを少し上げ、ノイズリダクションをかけています。

「unkown141227_0530-2.mp3」をダウンロード

 前日と時間が近いです。最初のほうに、小刻みな鳴き方の声が短く入っています。その後「ピイ、ピイ・・・」と鳴いています。小刻みな声は前日の声に似ているのですが、オオセッカは「ピイ、ピイ」とは鳴かないと思います。「ピイ、ピイ」は、カイツブリの警戒の声に似ているのですが、小刻みな声がカイツブリとは思えません。同じ鳥が鳴いているとすると、まったく思いつきません。
 ただ、小刻みの声、ホオジロ系の地鳴き、カイツブリの警戒の3つが入りまじってしまったのでしょうか。それとも、どれかは同じでヒントを与えてくれているのか、いろいろ考えると、夜も寝られません。もちろん、楽しくてです。
 この楽しみ、今年もたっぷりと味わいました。また、来年も楽しみたいと思います。
 では、皆さま。良いお年をお迎えください。

2015年12月30日 (水)

謎の鳴き声・その1-芝川第一調節池

 先日、芝川第一調節池に2泊、3台を置いたタイマー録音の音源は、18時間に及びます。もちろん、すべてを聞くわけではありません。波形で音のあるところを見つけて聞いたり、スペクトル表示をさせて見慣れないパターンがあると聞くなどして探します。
 例によって、聞いたことのない声が収録されていました。
 YAMAHA W24で録音。ボリュームを少しアップ、500Hz以下のノイズを軽減、ノイズリダクションをかけています。

「unkown151227_0530-1.mp3」をダウンロード

  いったい何でしょう。まず、鳥でしょうか。獣のようにも聞こえます。
 録音機は、池のほとりに置いています。池は浅く、ヨシが水の中から生えているようなところです。ヨシは枯れていて倒れています。時間は午前5時55分、まだ暗い時間です。
 この音の前ではカルガモが「ガ、ガ、ガ」鳴いています。そこへ突然、この声が入ってきます。一度遠くなり、また近づいてきてすぐ近くで鳴いてくれます。少なくとも移動していると思うのですが、ヨシの間を歩いたとしたらバキバキと音がすると思います。その音が、まったくしないのですから、タヌキなどの獣ではないと思います。
 移動は、水面を泳いでいるか、ゆっくり飛んでいることになります。そうなると、鳥ということなります。しかし、この声は聞いたことがありません。しいて言うと、フクロウの雌の声が近いのですが、こんな水辺にいるでしょうか。それとも、ほかのフクロウ類の雌でしょうか。
 夜明け前の水辺で、いったい何がどうしたでしょうか。

2015年12月28日 (月)

ノラニワトリ-芝川第一調節池

 本日は、埼玉県川口市にある芝川第一調節池に行きました。一昨日、しかけた4台の録音機の回収です。
 調節池を巡る土手に登ると、土手の上を何かが走っています。タヌキかと思ったらニワトリ、散歩をしている老夫妻といっしょです。この2人とすれ違ったので「お宅のニワトリですか?」と聞いたら「勝手についてきた。200mくらいいっしょだった」とのことでした。どうやら、野生化したニワトリのようです。
 芝川での録音で、遠いニワトリの声が入っていることがありました。人家の方から聞こえるので、どこかでニワトリを飼っていると思っていましたが、それが逃げ出したようです。
 歩いて行くと、ニワトリと遭遇。そして、付いてきました。
Chicken151228
 餌をもらえると思っての行動でしょうが、大きな声で鳴かれては録音に支障をきたします。こまったなあと思ったら、200mくらい歩いたら離れていきました。ニワトリにもなわばりがあるのでしょう。
 さて、このニワトリのいた近くに置いた録音機には案の上、時を告げる声が入っていました。芝川のカモとの共演、面白い音になりました。YAMAHA W24でタイマー録音。右チャンネルのほうが大きかったので右のみに変換。500Hz以下のノイズの軽減、ボリュームのアップ、軽くノイズリダクションをかけています。

「chicken141228_0530.mp3」をダウンロード

2015年12月27日 (日)

行徳野鳥観察舎、最後の日

 今日は行徳野鳥観察舎、最後の日でした。野鳥観察舎には、いろいろお世話になっております。また、活動の中心にいらっしゃる蓮尾純子さんは、私がこの業界に入るきっかけを与えてくれた人でもあります。恩人の一大事、馳せ参じました。
 なんでも、野鳥観察舎の耐震性に問題があり、取り壊しが決まりました。そして、新規に建て替えるかどうか不明という状況です。管理者は千葉県なのですが、このさい廃止という気配もあり、関係者一同おおいに心配しているところです。

Gyoutoku1512271

 新浜鴨場は宮内庁ですから、このまま維持。前面の湿地は、日本鳥類保護連盟と保護していくことの協定が取り交わされていますので、反古にすることはできないはず。東日本大震災で周辺では液状化などの被害があった割には、建物には大きな被害はなかったのですから、いまさら取り壊しというのもおかしな話です。また、この話が正式に発表されたのは12月10日、そして17日後の本日閉館なのですから、あまりにも急な話です。
 また、隣接する野鳥病院については、そのまま継続するようで職員の業務の多くが傷病鳥の世話に費やさせている以上、現在の人員は必要そう。建物が無くなることで、根城が無くなり、県内市内の小学校の見学で自然にふれあう機会が無くなる懸念があります。
 野鳥観察舎の入館は無料です。ですから、自治体としては持ち出しばかりであり計算すればマイナスであることは自明の理です。そうした目先の利益とは関係無く、得るものがあるということで建設されたわけですし、長年維持されてきたのですから、もし廃止するならば理由をはっきりと表明してほしいものです。とりあえず、署名運動が始まっていますので、ご協力をお願いいたします。
 本日は、蓮尾さんが関わったいきさつを1時間ごとに20分5回話されるというトーク。豚汁とお汁粉のオオバンぶるまいなどのイベントで、最終日が飾られました。
Gyoutoku1512272

  私が、この施設にこんなに多くの人が集まっているのを見たのは、初めてです。久しぶりに野鳥イラストレーターの箕輪義隆さんとお会いし、あしだちの会の方も参集され、楽しいひとときを過ごすことができました。
 それにしても、自然保護運動のさきがけとなった新浜を守る会の運動の成果である行徳野鳥観察舎です。その後の野鳥保護運動に、大きな影響を与えた活動です。その影響を受けた一人の私は、昔の血が騒ぎます。  

2015年12月24日 (木)

本のおまけ

 本を買うときにもっとも気を付けているのは、内容や値段ではありません。いかに同じ本を買わないようにするか、なのです。とりあえず買っておいたり、資料として役にたつだろうと思って買っておくとブッキングしてしまいます。ちゃんと読んでいれば、もちろんそんなことは起きないはずなのですが、買ったという満足感だけで本の山に埋もれさせてしまうと、やります。興味があり必要な本なのですから当然といえば当然、同じ本を3冊買ったこともあります。
 先日、竹野家立の『野鳥随想』(1936年・橡書房)でやりました。著者の竹野さんは、日本で最初に野鳥と入ったタイトルの本を出版し、野鳥を飼うだけではなく繁殖させる名人であり、日本野鳥の会の創立に関わった一人です。そのため、この本にはコノハズクの飼育記録が収録されており鳴き声についての記述もあるので購入しました。それも1年の間をおいて2冊。せっかくなので、コノハズクの声について興味を持っているA部♂さんに差し上げました。
 A部♂さんから「本のおまけ」というタイトルのメールとともに、本の間に古い新聞のスクラップが挟まれていましたと、画像が添付されていました。

Scopsowl151224

 この切り抜きは、昭和12年の東京朝日新聞、仏法僧の鳴き声をラジオ中継するという予告の記事です。当時のラジオ局はNHKしかなく、各地の地方局が独自の番組作りをしていました。そのなかで、愛知県鳳来寺山からのコノハズクの生中継は、画期的な番組として注目を浴びました。なにせ、テープによる録音機すらない時代、生中継をせざるをえないわけです。それにしても、なんとリスキーな企画でしょう。
 ちなみに、この中継された声を聞いて飼われていたコノハズクが「ブッポウソウ」と鳴き、ブッポウソウが「ブッポウソウ」と鳴かないことがわかったのですからセンセーショナルなことでした。それから3年目たっての中継にもかかわらず新聞が取り上げています。このことからも、当時の関心の高さがうかがえます。
 この元の蔵書者は、コノハズクに興味を持っていて、この本を買いラジオを聞いたのでしょう。などなど、いろいろ想像をかき立てられるます。これも古書の楽しみの一つ、2冊買ってしまったことを正当化できますね。
 A部♂さん、ありがとうございました。

2015年12月23日 (水)

一年目

 去年の今頃は入院し一年前の昨日、退院していました。この1年間、無事に過ごせたうえに、さらに充実した時を過ごすことができました。なんとも、幸せなことです。
 病名は、内頸動脈乖離。病名がわかったとたんにベットに縛り付けられた状態で脳卒中集中治療室(SCU)で1週間、幽閉となりました。このSCUにはずらっとベットが30床は並んでいたと思います。これだけの人がいても、患者用のトイレは一つしかありませんでした。要するにトイレに行けるような人は、私を含めて2,3人だけ。ほんどの方は、意識がないか不明瞭なのです。このSCUは、意識がしっかりしている私にとっては、騒音に満ちた耐えがたい環境でした。ガラケーF03Aで録音、ボリュームの調整のみ。

「Voice151223-1.mp3」をダウンロード

 これが一日中、続きます。MRIの検査でもらった耳栓がとても役立ちましたが、それでも寝られないので睡眠導入剤をもらったほどです。ほとんどの音は、検査器機のモニター音です。心拍計、血圧計、心電図、呼吸などの計器が正しく作動しているかのチェックの音です。
 よく、ドラマで心肺停止になると波形が1本になり「ピー」と音がしますが、あれはウソであることを知りました。実際は「ピーコン、ピーコン、ピーコン」という大きな音です。ご心配なく。亡くなったのではなく、センサーが外れても同じ音が出るのです。考えてみれば「ピー」では、警告の意味が弱いですものね。でも、人が亡くなったという演出としては「ピー」のほうが合うため、業界ではこれで通っていることになります。
 主治医に光で警告を出すようにならないか、たとえばパトカーの屋根に付いているようなものはダメなのかと聞きました。すると「光では見落とすが、音は何かをしていても気がつく、警告は音でなくてはダメなのです」とのこと。なるほど、音の大切さをここでも認識させられました。
 音とのつきあい、これからも続けます。

2015年12月22日 (火)

デジスコ通信に投稿-ハクガン飛来・雑感

 荒川に飛来したハクガンについて、思ったことを書いてみました。下記のURLで読むことができます。
 http://www.digisco.com/mm/dt_90/toku1.htm
 投稿した後、次のことも考えてみました。
 渡来後、14日後に行った時は30人ほどのギャラリーがいました。その後、数えたら50人になっていました。この規模ですと、入れ替わりがあって1日100人くらいは来訪していたことでしょう。それが、10日後には数人になっていたのですから、100人規模の来訪者があったのは20日間と仮定してみます。そうすると、このようなイベントがあると集まる人は、関東周辺では2,000人くらいと推定することができるのではないでしょうか。仮に倍としても4,000人くらい。全国規模にすると、1万人規模になるかもしれません。
 企画を考えるときに、この数字を多いとみるか、少ないとするかで変わってきますね。

2015年12月21日 (月)

ルリビタキ、幼鳥雄の地鳴き

 寒くなったおかげで、六義園では冬の小鳥が増えてきました。渡って来たジョウビタキ、シロハラ、ツグミ、山から下りてきたアカハラ、ウグイス、アオジ、クロジの姿が見られます。葉が落ちたため、姿を見るのがたいへん楽になりました。2週間ほど前に声を聞いたルリビタキも姿が良く見られるようになりました。
 このルリビタキを良く見ると、尾羽の青さがはっきりとしていて、脇胸のオレンジ色もとてもきれいな個体です。そのため、雄の幼鳥と思われます。今日は、ときどき鳴いてくれました。
  PCM-D100で録音。ルリビタキの声の部分のみボリュームアップ、500Hz以下のノイズを軽減、ノイズリダクションをかけています。

「redflanked_bluetail151221_004.mp3」をダウンロード

  ルリビタキの地鳴きは「ヒッ、ヒッ、ヒッ」という声の合間に「ギ、ギ」という怒ったような声を交えるのが特徴です。「ヒッ、ヒッ、ヒッ」は、はっきりしている上に大きな声なので、ヒタキ系の鳥がいることがわかり、近づいて「ギ、ギ」が聞こえてルリビタキだ確認できます。しかし、「ギ、ギ」は声量が少ない上に頻度も少なく、近くで鳴いてくれないと聞きづらい声です。今回も、鳥との距離は2、3mの上、ボリュームをアップしてこの程度です。
 この時は「ギ、ギ」のみ。近くに来たウグイスへの威嚇していたように見えました。「ヒッ、ヒッ、ヒッ」と「ギ、ギ」に意味の違いがあるのでしょうか。若い雄特有の地鳴きなのでしょうか。興味はつきません。

2015年12月19日 (土)

タイマー録音用のケース

 先日、日本野鳥の会にて『野鳥』誌の対談に同席いたしました。
 対談は、シマフクロウの保護のために協力していただいた企業の担当者によるものです。これは、ヤマハ株式会社が録音機を40台提供し、その録音機で録った音の分析ソフトを富士通株式会社が開発してくれ、その結果見つかった生息地の所有者である日本製紙株式会社が日本野鳥の会と保護のための協定を結ぶという流れがありました。このように、企業の連携によって野鳥が守られるのはとても珍しいことだと思います。対談は、実際に現場で協力していただいた担当者による生の声ですから、とても面白かったです。来春早々、『野鳥』誌に掲載予定ですので、楽しみにしていただきたいと思います。
 私としては、タイマー録音のやり方を指南したことで、シマフクロウの保護が一歩進んだのですから嬉しい限りです。最初、このシマフクロウの鳴き声を確認するためのタイマー録音は、ジプロックに入れただけでしたが、その後専用のケースが使用されました。対談当日、北海道から持って来てくれました。

Case151219

 いっけん重そうですが、実はとても軽いです。軽いのは、塩ビパイプ製のためです。ポイントは、片方を斜めに切ることで屋根がわりに雨を避けるようになっています。後ろのほうもつぶしたようになっていて雨が入りにくくなっています。また、全体を迷彩ぽく塗装してあります。なかは、スポンジが2段重ねで詰めてあって、その間にYAMAHAのW24を差し込み、振動などを防ぎつつ保護する仕組みです。前後には、紐が2本通してあり枝にくくり付けられます。注意書きと連絡先は、パウチされマジックテープで取り外しができるようになっています。
 ボランティアさんが作ってくれたそうですが、実用的で良いセンスをしています。商品化しても良いかもね。

2015年12月18日 (金)

六義園のモミジが見頃

 六義園のモミジのライトアップが終わって2週間経ちましたが、モミジがやっと染まって来た感じです。ライトアップ中は、モミジもイチョウも青々としていて、なんとかハゼが染まっていた六義園でしたが、ここに来てやっと秋色になりました。

Momiji1512181

 山に雪が降ったためか、地面で食べ物を探す冬の鳥たちの姿も増えました。1時間ほど、一回りしただけでシロハラが3羽、ツグミは5羽、アオジとシメ1羽。先日は、ルリビタキ♀を見ています。また、ジョウビタキ♀やクロジを見た常連さんもいますから、だいたい揃ったことになります。
 ライトアップ中の喧噪もなくなり、平日ならば静かな日本庭園の秋を楽しむことがここしばらくはできると思います。それにしても、30年前の六義園と比較して、少なくとも半月、ものによっては1ヶ月近く冬の到来が遅くなった感じです。

2015年12月16日 (水)

ハクガン幼鳥、草をはむ音-荒川

 荒川のハクガンが飛来して早いもので、もう2ヶ月半ほど経ちました。人が減ったという情報をいただいて行った渡来2週間後(11月13日)は、それでも50人を超えるギャラリーに囲まれていました。ところが、その10日後、休日にも関わらず3名。それから2週間後の平日に行ってみたら、天気はまずまずなのに2名。そして、本日も5、6人でした。こんなバードウォッチング日和なのに人がいません。あっという間に、人気が凋落してしまいました。「珍鳥も1ヶ月いればただの鳥」といったところでしょう。しかし、身体がだんだん白くなり黒かったくちばしの色にもピンク色が出てくるなど成長していくことがわかって、面白いです。
 本日は近くに住む義弟と月之座さんと再訪。相変わらず近いです。録音機を置いたままにしていたらどんどん近づいてきて、録音機をつつかれるのではないかと思うほどでした。

Snowgoose1512161

 そのため、草を食べる音とつぶやくような声が録れました。写真のように、録音機がハクガンのほうに向いていないために、右チャンネルのほうが音が大きく入っています。PCM-D100で録音。1,500Hz以下のノイズを軽減、ボリュームを少しアップ、ノイズリダクションをかけています。

「snow_goose151216.mp3」をダウンロード

 このすぐ後、ハクガンは飛び立ち荒川で水浴びを繰り返していました。そして、1羽がさかんに飛び、飛ばない2羽を促すように鳴いていました。ひょっとしたら「そろそろ渡ろうよ」と言っているのかもしれない行動でした。
 ハクガンの幼鳥たち、いつまでいてくれるのでしょうか。

2015年12月14日 (月)

ビール・梟の森

 Facebookで、新しいビール「梟の森」が発売の情報が流れてきました。コンビニ限定発売ということで昨日、近所のコンビニを4軒廻りましたが、ありませんでした。本日、残り2軒で発見。購入いたしました。330ml、255円です。
 ラベルには「しんしんと降る雪の中、遠く梟の声が響いている。そんな冬夜の森を思い浮かべながら、ふくよかな薫りと深い余韻を、ゆったりとお愉しみください。」とあります。また、梟の文字から「ホー・ホー・・・」の吹き出しがあります。
 フクロウの繁殖期は、早いので冬でも鳴き声を聞くことがありますので、まあ良いかなと言ったところ。「ホー・ホー・・・」は、フクロウの声より、トラフズクかなとちょっと監修してしまいました。
Fukurounomori151214
 ところで、美味しいです。甘味があるのでフルーティに感じて、ビール特有のこくが強くあります。ですから、食事といっしょに飲んでもビールが負けない力強さがあります。この味は、今はなき日光ビールにもありました。ちょっと懐かしい感じもしました。ただ、アルコール分が7.5%は、お酒に弱い私には強すぎで、かなりまわりました。

 

2015年12月10日 (木)

スピーカーを替える-YAMAHA MSP5

 自然のなかで野鳥と出会い、録音するのは最高です。山の空気を吸いながら野鳥たちのさえずりに耳を傾けるのは、至福の時です。しかし、野鳥録音は室内での作業を伴います。編集や加工をして人に聞いてもらえる音にしなくてはなりません。ところが、音を聞くためのスピーカーやヘッドフォーンは、ピンキリです。安いものは数千円、高いものは高級車なみの価格となります。
 クラシックならばクラシック用、ジャズならばジャズの音が得意なスピーカーを選ぶことになりますが、編集加工をするためには色つけのない音を出してくれるスピーカーを選ばなくてはなりません。たとえば、重低音が得意のスピーカーでサンカノゴイを編集してしまったら、普通のスピーカーで聴いている人には物足りない音になってしまう可能性があるからです。そのため、リファレンススピーカーとか、スタジオ用と銘打っている機種から選びました。
 メーカーのサイトには「プロフェッショナルクオリティのフラッグシップスタジオモニター」とタイトルが付けられているYAMAHA MSP5を購入。2日前にアマゾンで注文して本日、届きました。ペアで54,000円です。
 現在、コンピュータからCECのDA53Nへ光ファイバーTOSLINKでデジタルデータを送り、アナログに変換。3ピンコードでMSP5に流して鳴らしています。問題は、3ピンコードをそろえていなかったため、家にある長さの違うコードを臨時に使っています。そのため、左右のバランスに難があるかもしれません。
 現状、にぎやかなコーラスから低いサンカノゴイとシマフクロウ、高いヤブサメとエゾライチョウ、深みのあるクロツグミなどを聞いてみました。
 感想としては、クセはありません。私が野外で聞いているように聞こえます。また、以前使っていたRoland MA-150Uより解像度が良い感じです。後ろで鳴いている鳥の声がよくわかります。ということは、ノイズもわかり見つけやすく除去しやすいことになります。また、ノイズリダクションをかけたことによるひずみが、ときどき気になりました。これは、小まめに設定して調整しなくてはならないことになります。
 難をいいますと、スイッチの位置です。スイッチが後ろにあるため、後ろに回らないとパワーを落とせないのです。MA-150Uは前面にありましたので、手を伸ばせば切ることができましたが、MSP5は壁際に置いたら不便このうえないですね。
 野鳥の声を聞きながらの編集、野鳥といっしょにいるように感じることができるスピーカーのおかげで、これまた至福の時を味わえます。

Msp151210

 中央がDA53N。本当は、もっと左右を離して置かないとステレオ感の確認ができないと思います。年末の大掃除には、本棚のまわりをかたづけて理想の位置に置きます。

2015年12月 9日 (水)

「朝の小鳥」スタジオ収録-来年1月は芝川調節池の鳥たち

 今日は、文化放送にて「朝の小鳥」のスタジオ収録でした。
 もう、来年の番組づくりです。来年の放送初日は、三が日。また、申年なのでサルにちなんだ鳥として、芝川調節池で録音したベニマシコに登場してもらいました。マシコは猿子と書き、顔の赤いことが名前の由来です。このベニマシコに合わせて、芝川の鳥たちです。
 そして、1月24日は蒲谷鶴彦先生から、この番組を引き継いで500回目となります。500という数字はけっこう大きいと思うのですが、鶴彦先生は13,000回も制作していますから足元にも及びません。それにしても、500回イコール10年、あっという間の10年間でした。ということで、500回目は思い切ってサンカノゴイを選びました。芝川で昼間に聞き、その場所で、タイマー録音した音源を使用しました。
 サンカノゴイの音源は、家のスピーカー(Roland MA-150U)で腹に響くような低音をかなり良い感じに仕上げることができました。しかし、文化放送のスタジオにある大きなスピーカー(dynaudio AIR15)で流すと、音は小さくなるし重低音がちょっと寂しい感じになりました。波形表示では、充分なボリュームがあるはずなのですが、念のために全体の音を大きくして収録してもらいました。
 今まで、低い声の鳥はあまり扱ったことはありません。サンカノゴイは、日本でもっとも声の低い鳥の一つですから、機材によってはかなり印象がちがってしまうことがわかりました。皆さまのラジオ、コンピュータのスピーカーでどう聞こえるのか、お確かめいただければと思います。

2016年1月の放送内容
  3日 ベニマシコ
 10日 カイツブリ
 17日 オオジュリン
 24日 サンカノゴイ
 31日 アリスイ

2015年12月 6日 (日)

雪の中の観察会-戦場ヶ原

 今日は、日光野鳥研究会の自然観察会で戦場ヶ原を歩きました。
 今年は、暖冬気味と言われていますが、日光は例外。とにかく寒い一日でした。さらに昨夜のうちに雪が降って10数cmの積雪があります。午前中は、この雪が溶けない上に風速5~6mの風もあって、体感的には氷点下5度ぐらいに感じました。
 戦場ヶ原の木道を歩いたのですが、あまりの寒さの上、鳥の姿も見えないので方向を変えて森の中を歩くことにしました。
 ミズナラの森の中は、少し風がやわらぎほっとする一同です。そして、コガラとエナガの群れに出会いました。ていねいに見ていくと、ヒガラ、シジュウカラ、ゴジュウカラ、コゲラ、そしてひときわ大きなアカゲラがいて、いつのまにか鳥に囲まれていました。
 じっとしていると目の前までやって来てくれて、楽しませてくれます。冬、森の中で混群との出会い、至福の時です。
 この森の中の道を2時間くらい歩く間、混群に3度遭遇しました。ヒガラとエナガの比率やキバシリが入っているなど種類構成が違うので、おそらく別の群れだと思います。なにもいないように見える森でしたが、意外とにぎやかでした。
 このあと、湯川沿いの道ではカワガラスが追いかけ合っていたり、さえずっているなど、もう繁殖期が始まっているようすでした。
 寒い!しかし、いろいろな出会いのあった観察会でした。
Senjyogahara151206

2015年12月 4日 (金)

フクロウは雌もさえずるか?

 我孫子市・鳥の博物館のS田さんからフクロウの音源を数点借りたいのとの依頼を受けました。そのなかに、「雌のさえずり」がありました。私は、雌の声とされている「ギャ」系の声を聞いたり録音したことはあります。しかし、雌がさえずることは知りませんでした。また、雄との違いがあるのか大いに気になり、おたずねすると「雌のさえずりは、雄のゴロスケホーホーを濁らせたような声」だとのこと。近くの巣箱でフクロウが繁殖しているのを長年、観察されているだけに貴重なお話しです。
 ということで、私の音源を総ざらいしてみました。さえずりを引っ張り出しては、濁っていないかの確認をしましたがありません。しかし、今年7月13日に奥日光の戦場ヶ原に一晩置いた時の録音に、それらしい声がありました。雌同士の鳴き合いのなか「ゴロスケホーホー」と鳴いているシーンがありました。ファイル名は♀のマークだけの雌が良く鳴いている音源です。ゴロスケは2声のみ、そしてそのゴロスケは濁って聞こえました。お聞きいただいたところ、雌のさえずりで間違いないとのことでした。
 OLYMPUS LS-14で一晩録音。ボリュームの増幅、300Hz以下の低音の軽減、ノイズリダクションをかけています。

「uralowls150713.mp3」をダウンロード

 よく聞くと、遠い「ギャ」と近い「ギャ」があり、2羽の雌が鳴き合っているのがわかります。アップした音源は一部ですが、実際は遠い雌が1分27秒ほど鳴き続けているところに近い雌が「ギャ」と鳴き始め、鳴き合いが1分42秒行われます。そして、近い雌の声がなくなり「ゴロスケホーホー」と鳴き、また遠い雌の声だけとなり、さらに45秒鳴き続けます。そして、56秒ほどの間があって遠くで「ゴロスケホーホー」と1声鳴きます。全体で5分ほどのドラマです。
 7月中旬ですから繁殖期が終わった頃です。子育てから解放された雌同士が遭遇し、鳴き合って自己主張。そのうちの1羽が強く自己主張して、さえずったということでしょうか。闇夜の高原で繰り広げられた音だけのドラマ、想像が膨らみます。
 それにしても、フクロウの雌がさえずるとは。一件バリエーションが増えました。
 鳥の博物館の皆さん、ありがとうございます。

2015年12月 3日 (木)

JUNとCANONのサイトで野鳥の声が聞けます

 日本野鳥の会がお世話になっている企業が、自社のサイトのなかにバードウォッチングについて紹介していただきました。関連して、野鳥の鳴き声を提供いたしましたので、お聞きいただければと思います。
 まずは、アパレルのJUN。オジさんにとってはあこがれのファッションブランドです。このなかのMAGASIN LABOで、バードウォッチング長靴を取り上げていただくとともに野鳥図鑑で、野鳥の魅力を紹介していただきました。
 http://www.lemagasin.jp/special/magasinlabo/products/wildbird/
 続いて、カメラメーカーのキヤノン。バードブランチと題し、自社の周辺に生息する野鳥たちを紹介。こちらは、安西さんからカルガモの雛とか、ユリカモメの幼鳥とか、なかなか厳しい要求があっての対応、それだけに盛りだくさんの内容となっています。
 http://canon.jp/ecology/bird-branch/index.html
  さすが企業の作るサイトは、違いますね。とても、わかりやすくて見やすいです。どうぞ、お楽しみいただければ幸いです。

« 2015年11月 | トップページ | 2016年1月 »