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2016年4月

2016年4月28日 (木)

シブイロカヤキリモドキ

 話は前後しますが、先日の東京郊外の里山で夕方、虫の声が聞こえてきました。「ジーッ」という抑揚のない声(音)で、長く鳴き続けています。あたりがうす暗くなると、鳴き始めました。環境は、湿地のようなところで枯れたヨシ原と藪、ヤナギの灌木が点在しているようなところです。
 この季節に鳴く虫は少なく、まず思い浮かぶのクビキリギリスです。ところが、クビキリギリスの声は、私には聞こえない10,000Hzから15,000Hzという高音です。聞こえないクビキリギリスについては、以前記事にしました。
 http://syrinxmm.cocolog-nifty.com/syrinx/2010/05/post-6fe0.html
 私に聞こえるということは、別の虫の可能性があります。「4月 鳴く虫 ジー」というキーワードで検索すると、シブイロカヤキリモドキという舌を噛みそうな名前に行き当たりました。渋い色をしたカヤキリに似た虫というのが、語源でしょうか。それにしても、一度ではおぼえられない名前です。
 解説には、4月に鳴き始め、声は「ジー」、食草はススキ、アシ、オギなどとあり、習性や環境が合っています。音は、クビキリギリスより低いとありますから、間違いないでしょう。私が録音をしてシブイロカヤキリモドキの声を声紋で見ると、6,500~16,000Hzとおよそ10,000Hzの幅で鳴いていることがわかりました。私には、このなかの低い音の部分が聞こえていることになります。
 では、シブイロカヤキリモドキの声です。PCM-D100で録音。3,000Hz以下の低音ノイズを大幅にカット、ボリュームを少しアップしています。



 シブイロカヤキリモドキ、この名前を来年まで覚えてられるかな。

2016年4月25日 (月)

サンショウクイのさえずり-日光

 週末は日光で、顧問を仰せつかっている日光野鳥研究会のオオルリを迎える自然観察会でした。開催場所は、市内にある東京大学付属の日光植物園です。
 オオルリの渡来は4月中旬でしょう。そうすると、オオルリが来る頃には東京のサクラはもう葉桜となってしまいます。ところが日光では、まだサクラの花が残っていて花とオオルリをいっしょに見ることができます。おそらく、日光から北の地方ならではの取り合わせでしょう。
 今回、録音でねらったのはサンショウクイのさえずりです。野鳥録音としては、サンショウクイは難題の鳥です。かつてのDAT録音の時代は、録ることが難しい鳥でした。というのは、サンショウクイは鳴きながら飛んできます。そのため、声が聞こえてからスイッチを入れ起動してマイクを向けるころには、飛んで行ってしまうからです。それが、メモリ録音機になって起動が速くなったために、とらえられるようになりました。それでも、声が聞こえてから準備をすると頭の上にきて、だんだん通り過ぎるシーンの音となります。
 今回、園内に録音機を4台、タイマーを設定して仕掛けてみました。結果、なんとか録音することができました。YAMAHA W24で録音。タイマーは午前3時30分~6時30分です。ボリュームのアップ、4,000Hz以下のノイズの軽減、ノイズリダクションをかけています。



 はじめの方は、コサメビタキのさえずりがかぶっていますが、後ろの方はサンショウクイのさえずりのみで、クリアに録れました。今回、気がついたのはサンショウクイの声はとても高いことです。低い部分が3,500Hz、高い所で6,000Hzまであり、2,500Hzの幅があります。そのため、水音の多い園内でも、ばっさりと低音をカットすることで、鳥の声を浮き上がらせることができました。
 ただ、これだけ高い声になると、私には聞きづらい音域となります。近くならば聞こえますが、遠いと聞こえません。サンショウクイが飛んできて近くまで来て、やっと聞こえることになります。そうすると、メモリ録音機も間に合わないかもしれませんね。

2016年4月22日 (金)

今月号の『野鳥』誌は、夜の鳥特集

 本日、日本野鳥の会にて打ち合わせでした。ちょうど、雑誌『野鳥』の5月号ができ上がったばかりでした。今月号の特集は、「夜の鳥を観察しよう」です。企画に関わり、原稿を書きました。
Yacho160422

 録音をしていると、日没の前後と日の出の1時間前が、ゴールデンタイムであることがわかります。野鳥たちの多くは活動が活発になり、いろいろなドラマがあり素顔を見せてくれる時間です。ところがこの時間は、人は寝ているか夕食時であり、いちばん良い時間を見逃して聞き逃していることになります。また、野鳥写真が全盛のなか、写真の撮れない暗い時間帯は、外に出ないこともあるでしょう。それでは、もったいないと思っての企画です。
 私の担当した原稿部分では、東郷なりささんが、良い感じでイラストを描いてくれました。その他、夜の鳥の研究者の方々による解説記事も読み応え十分、今年の繁殖期のバードウォッチングに大いに参考にしていただければと思います。

2016年4月21日 (木)

ヤブサメの長鳴き

 以前から、渡って来たばかりのヤブサメは長く鳴く、夜は長く鳴くなど、バリエーションがあることをヤブサメの研究家のK沖さんから教えてもらっていました。私が、日光で録音している限り「シリシリシリ・・・」という、尻上がりの鳴き方ばかりで、長く鳴く声を聞いたことも録ったこともありませんでした。
 ところが先日、東京郊外里山での録音に長く鳴くヤブサメのさえずりが入っていました。ご案内のように、ヤブサメのさえずりは8,000Hz前後であるためにmp3に変換すると高い音なのでカットされてしまいます。mp3しか受け付けない拙ブログでは、聞くことができません。そのため、声紋で表示します。左右の幅が時間で、どちらも4分です。天地が音の高さで、0~22,000Hzまで表示されています。
Stubtail160419

 上が、2015年5月23日栃木県日光市で録音したもの。YAMAHA W24で録音、44.1kHz/16bitモノラルに変換しています。ヤブサメは、間を空けて6回鳴いています。1節は約3秒です。
 下が、先日の2016年4月19日東京都郊外で録音したもの。Panasonic SX455で録音、モノラルに変換しています。4分間に断続的に鳴き続け、長い節は32秒あります。また、全体では約30分にわたり鳴いています。
 長い鳴き方は30秒、短い鳴き方は3秒と、10倍も長さが違います。また長い方は平坦、短い鳴き方は尻上がりです。30分にわたり鳴いていますが、音の強弱があって移動しながら鳴いていることがわかります。
 ちなみに音のある音域と音の幅がほぼ同じであること、節のなかの一声ずつを見ると声紋パターンは同じであること、聞く限り同じ声に聞こえるのでヤブサメであることは間違いないと思います。
 日光ではヤブサメがやってくるのは5月に入ってからです。もう高い音が聞こえない私には、タイマー録音がたよりで仕掛けるとよく入っています。しかし、入っているのは短い尻上がりの声ばかりです。ですので、4月のヤブサメの声というのは今回初めて録音できました。
 故・蒲谷鶴彦先生も「渡って来たばかりは長く鳴く、録音してみたい」とおっしゃってましたが、とうとう録音はできませんでした。今回、S木♂さんの情報のおかげで、念願の音が録れました。感謝です。

2016年4月19日 (火)

里山で鳴き合うフクロウ

 昨日今日と、東京郊外の里山で録音してきました。ちょうど芽吹きのときで、雑木林はやわらかい黄緑色に包まれていました。
 昨夕は、曇り。風もやや強く、録音にはぎりぎりの条件でした。日没時間になると、オシドリが鳴きながら飛び交い始め、遠くでヨタカが数声、鳴いているが聞こえます。いよいよ、夜のゴールデンタイムと思ったら、雨が降ってきました。こういうこともあります。
 タイマー録音をしかけて、やもうえず撤退です。録音機は、18~21時と3~6時のタイマー設定した各2台を2ヶ所、合計4台。プラスしてパナのSX455を実験用に置いておきました。
 本日は、良い天気でした。しかし、風が強くて録音は無理。ということで録音機の回収のみとしました。5台分各2G、合計15時間のチェックですから、まだ終わりません。
 今のところ良い感じに録れたのは、フクロウのさえずりです。21時のタイマー終了間近に入っていました。1羽が鳴いていると遠くでもう1羽が鳴き、それに刺激を受けたように頻繁に鳴き始めます。
 YAMAHA W24で録音。300Hz以下のノイズの軽減、フクロウの音域のボリュームアップ、カエルの音域のボリュームを下げています。さらに、ノイズリダクションをかけています。



 新緑の里山で繰り広げられるフクロウたちの鳴き合いとカエルの大合唱。里山の夜がこんなににぎやかでエキサイティングだとは思いませんでした。

2016年4月17日 (日)

月刊誌「ラジオ深夜便」に載りました

 かつてラジオは若者のものでしたが、今はお年寄りの楽しみとなっています。なかでも、NHKラジオの「ラジオ深夜便」は根強いファンがいて、番組をテーマとした雑誌も発行されています。
 私は、2月10日に放送された「明日へのことば」のコーナーに出演いたしました。タイトルは「僕と野鳥の50年」でした。録音した野鳥の声を流すという、昔ならばいくらでもあった構成だったのですが、関係者の方々には、これが新鮮だったようです。そのため、月刊誌のほうでも取り上げてもらえることになりました。
 記事はただ今、発売されている5月号のグラビアに5ページにわたり掲載されています。たまたま、ハクガンポイントで会ったFacebook友達の松井淳さんにシマフクロウの写真、そのほかの野鳥の写真を菅原貴徳さんに提供いただき、とてもきれいなページになりました。どうぞ、ご興味のある方、書店でご覧いただければ幸いです。Radiosinnyabin160417

2016年4月16日 (土)

キジの地鳴き-芝川第一調節池

 仕事と悪天候の合間の晴れが、とても貴重な季節です。今日は、芝川第一調節池に行きました。
 着いたときは、ちょっと肌寒い感じでしたが、歩いているうちに暖かくなりました。都心では終わっている菜の花が満開で、池から聞こえて来るコガモとカイツブリの声が春らしい感じの芝川でした。ホオジロがさえずり、シジュウカラも忙しいそう。
 土手の上から下を見下ろすと、キジの雄がいました。顔の裸出部が大きく、赤みも鮮やかな雄です。草むらから出てきて一声さえずります。よく見ると、すぐ近くに雌もいてさかんに草をついばんでいます。録音機をスタンバイさせて置くと、今度は雄が砂浴びを始めてくれました。
Pheasant160416
 そして、砂浴びのさいちゅうにときどきつぶやくように鳴きました。おかげで、貴重な雄の地鳴きが録音できました。
 PCM-D100で録音。声と声の間をつめています。実際は、3分30秒の間に3回鳴いています。1,500Hz以下の低音ノイズを軽減しています。



 以前、雄同士が戦っているときに似たような声を連続して出していました。現場では、気がつかなかったですが、今聞くと遠くで他の雄がさえずると、この声を出しています。雄の自己主張の鳴き声の可能性もあります。いずれにしても、このように一声ずつ鳴いているのを聞くのも録音できたのも初めてです。  

2016年4月15日 (金)

XS455とW24の比較-日光

 今年度から行われる全国繁殖調査に100台投入されるPanasonicのXS455が、調査に有効な機種なのか簡単な検証をしてみました。

P1040045

 日光の山のなかに、XS455とYAMAHAのW24を、一晩置いての比較です。2台をプラスチックケースに入れ倒木の下に置きました。写真は、手前の茶色のジャマーがSX455、緑色のがW24です。タイマー設定は、午前4時30分~7時30分の3時間です。録音ボリュームは、どちらもマニュアルで最大にしています。SX455の録音設定は、楽器演奏です。
Wave160401_3

 まずは、3時間の波形表示です。上がXS455、下がW24です。わかりやすいようにモノラルに変換しています。横軸が時間で3時間です。波形は音の強さを表してdb表示です。波形のパターンが同じですが、上のXS455方が波形の幅が広いことがわかります。ようするにXS455のほうが音が大きく録れています。
 つぎに、一部を声紋表示してみます。モノラル表示にしています。録音開始から58分頃で、波形表示の左から3分の1の場所にある波形の大きななところです。それを、4分30秒ほど表示しています。同じく上がSX455、下がW24です。
Spectrum1604011

 上のXS455のほうが、鳥の声のない部分の色が濃いことがわかります。これは、全体にノイズを拾っていることになります。また、W24のほうが音のコントラストが比較してはっきりしていることになります。
 実際にこのあたりの音を聞いてみます。フェードインとフェードアウト以外、いっさい未加工です。
   XS455

 W24


 キバシリとイカルのさえずりが聞こえて、イカルの地鳴きが1声聞こえると思います。きわめて高い声のキバシリのさえずりと低めのイカルのさえずり、さらに声量の低いイカルの地鳴きが収録されています。これらを聞き分けることができる音質と音量は、録れていると思います。
 鳥の声の大きさは聞いて違いがわかるほどではないと思います。しいて音の違いはXS455のほうが、グランドノイズの「ゴーッ」という音が大きく聞こえます。感度が良いだけに、ノイズを拾っていることになります。
 いずれにしても、野鳥の声を聞き分けられるだけの音源を収録することができる機種だといえるでしょう。この検証は、環境を変えて今後とも行っていきたいと思います。

2016年4月13日 (水)

『朝の小鳥』スタジオ収録-5月は軽井沢

 本日は、文化放送にて『朝の小鳥』の5月放送分のスタジオ収録でした。5月の日曜日は5回ありますので、5本の収録です。
 テーマは、長野県軽井沢の夏の鳥たちです。軽井沢は、大学のサークルの合宿でよく通いました。当時から高級な別荘地であった軽井沢に行けたのは、大学の山荘があったからです。1泊100円(素泊まり)で泊まれました。当時の貨幣価値から10倍としても、1,000円ですから格安です。また、記憶では上野から中軽井沢まで普通料金が500円くらいでした。ただし、食事は食材を持参し自炊です。それでも、食費を加えて3泊4日で5,000円かからなかったと思います。
 録音を始めてからは、夏期セミナーでのバードウォッチングの指導を頼まれ、4年ほど続けて行く機会がありました。もちろん時間を作って、懐かしの山荘にも行きました。面白かったのは、30数年たっているのに星野からスケート場の横を抜けて大学の山荘に向かう間に出現する鳥が同じだったことです。スケート場でキセキレイ、坂の途中でオオルリ、登り切ったところでコルリ、別荘が続くあたりでキビタキと、変わることなく出会えたのです。
 新幹線が通り星野温泉が星野リゾートになるなど、大きく変化をした軽井沢ですが、野鳥たちが変わらず会えたのは感動でした。そんな、素晴らしい軽井沢の野鳥たちの歌声が少しでも伝わればと思ってのスタジオ収録でした。
 2016年3月の放送内容
 5月1日  キセキレイ
 5月8日  オオルリ
 5月15日 センダイムシクイ
 5月22日 キビタキ
 5月29日 アカハラ

2016年4月11日 (月)

デジスコ通信に投稿-カメラマンの罪悪感

 探鳥や珍鳥ポイントに行くと野鳥カメラマンのオジさんがいて、親切にいろいろ教えてくれます。中には眉唾物の情報もありますが、毎日通っているような方の情報は貴重です。なかには、プリントした写真を見せてくれ、さらにくれることもあります。基本的には、人の良い人が多いと思います。
 また、珍鳥ポイントに集まったリーダーのいない100人が鳥を驚かさないような動きをするのは驚異です。ですから、基本マナーを守っている人が多いと思っています。これには、救われます。
 ただ、数が多ければとイケナイ人もいるということで、言いたいことを言わせていただきました。今度、公園を歩いていたら、どこから石が飛んでくるかもしれなないなあ。
 下記のURLで読むことができます。
  http://www.digisco.com/mm/dt_92/toku1.htm

2016年4月10日 (日)

懐かしのプロミナー

 本日は、足立自然にふれあう会(あしだちの会)の谷津干潟探鳥会におじゃまいたしました。大潮だったのですが、なかなか潮が引きません。そのため、シギチドリ類よりもカモ類とオオバンの観察をたっぷりしました。
 谷津干潟自然観察センターの前で、石川勉さんに遭遇。石川さんは、谷津干潟ができた頃から毎週、鳥の数を数えています。ですから、もう40年以上も谷津干潟に通っている干潟の主のような人です。2人で、昔話から仲間のウワサ話に興じました。そのまま、以前センターで行ったトークショーになります。
 ところで、石川さんが持っていた望遠鏡があまりにも懐かしいので写真に撮らせてもらいました。
Purominaa160410

 コーワのスポティングスコープ、通称プロミナーです。正しくは、TSなんとかと型番があるはずなのですが、基本これ1機種しかなかったので「コーワのプロミナー」で通じてました。そして、三脚はスリックのマスター3段デラックスです。
 あしだちの会の村澤会長は、いまでも望遠鏡のことをかたくなにプロミナーと言います。私は初心者には通じませんので望遠鏡というようにしていますが、カミさんもときどきプロミナーと言います。それだけ、当時のバードウォッチャーにとっては必携のアイテムでした。当時というのは、1965年頃から1981年にニコンがフィールドスコープを発売するまでです。ですから、当時のバードウォッチャーはニコンのフィールドスコープを「ニコンのプロミナー」と言っていたほどです。ある意味、プロミナーのおかげで野鳥の識別が発展し科学的にできるようになったと言えるでしょう。コーワさんには、感謝です。
 私は、プロミナーを2本つぶしました。石川さんは3本つぶし、写真のものは壊れた部分を古い機材から部品どりをして合体させたものだそうです。ざっと40年使うとこれだけの風格が出てくることになります。
 今の機種では部品どりなんて考えられませんが、プロミナーは分解して組み立てることができました。私も雨の中の調査で筐体に水が入ったため、バラバラに分解してドライヤーで乾かしてまた組み立てるということを何度もしています。下手な防水機能より便利です。
 今でも見えるのかと心配になりますが、見えます。ただし、今日は春霞が濃いかなという感じです。
 今日は、懐かしい人と懐かしい機材に会えた谷津干潟でした。

2016年4月 5日 (火)

タヌキの鳴き声か-日光

 先日の日光でのタイマー録音に奇妙な声が入っていました。
 YAMAHA W24で録音、ボリュームのアップ、2,000Hz以下の低音ノイズの軽減、ノイズリダクションをかけています。



 時刻は午前5時3分、まだかなり暗い時刻です。環境は、別荘地をはずれた山の斜面に広がる雑木林です。近い声と遠い声があり、鳴き合っているようです。少なくとも、鳥の声ではないと思います。
 いろいろ調べたところ、Youtubeにアップされている「タヌキの鳴き声」によく似ていました。前後に、ササをかき分けて歩く「ガサゴソ」という音も入っていました。シカだと足音は「ドス、ドス」という感じとなり、かなり存在感のある音を立てます。タヌキくらいの大きさの動物が、歩いて音を立てている感じは合っていますので、タヌキでよろしいかと思います。
 まだ暗いなか、お互いの存在を確認しないながら鳴き合い、かろやかに山の斜面を登っていくタヌキの声です。  

2016年4月 4日 (月)

リミッターのおかげ-ミソサザイのさえずりとコゲラの叩く音

 先日は久しぶりの日光でしたので、がんばってあちこちに録音機を仕掛けました。録音機5台を2日間、午前4時30分から3時間のタイマー設定です。ということは、全部で30時間、20Gというデータ量となります。ただ、PanasonicのXS455はYAMAHA W24との比較実験ですので、同じ場所での録音です。
 ざっと、チェックをするとすごい大きな音が入っているの気がつきました。聞いてみると、ミソサザイのさえずりです。YAMAHA W24で録音、編集加工はしていません。そのまま切り取って、フェードインフェードアウトをしているだけです。



 どうも、録音機にミソサザイがとまって、さえずっていったようです。突然、大きな音量が入って来たためにリミッターが作動して、自動的に録音ボリュームを絞ってくれています。実は、最近の録音機は同時に小さな音で録音していて、突然大きな音が入って来たら小さな音に置き換えてくれる機能があります。昔のテープレコーダにもありましたが、音がしてから反応するので、どうしてもタイムラグあってはじめの何秒かは音割れしてしまいました。しかし、今では音を置き換えるのでそのようなことはありません。リミッターが効いているのは、バックの音が急に小さくなっているのがわかると思います。
 つぎに、別の場所に置いた録音機に入っていた大きな音です。こちらもYAMAHA W24で録音、編集加工はしていません。そのまま切り取って、フェードインフェードアウトをしているだけです。

 こちらは、ヒガラ、コガラ、コゲラのいずれかが録音機にとまって、叩いているようすです。前後で、コガラ、ヒガラ、コゲラの声がしています。叩き具合からコゲラかなという音です。録音機は、プラスチックのケースに入っているので枯れ木には見えないと思いますが、スポンジ製のジャマーが枯れてすかすかになった木だと思ったのでしょう。長い間叩いてます。叩かれた録音機もスポンジ製のジャマーにも穴は空いていなかったので良かったです。野鳥録音をしていて、録音機を鳥に壊されたなんてシャレになりません。 

2016年4月 3日 (日)

オオアカゲラ-ドラミングで区別できるか

 2ヶ月半ぶりに日光に行って来ました。東京はサクラが満開、電車の窓からはそれが栃木あたりで5分咲きから3分咲きとなり、今市あたりでウメの花となりました。まるでタイムマシンに乗って、時間が戻っていくような錯覚をします。ですから、日光の山の芽吹きはまだ、標高千メートルを超えると谷筋には雪がたくさん残っていました。
 でも、野鳥たちは春まっさかり、ウグイス、コガラ、ヒガラ、ゴジュウカラ、ミソサザイと言った早春の鳥たちがさえずり、午前5時半ごろはコーラスとなっていました。
 今回の成果は、オオアカゲラのドラミングです。以前、北海道でエゾオオアカゲラのドラミングは録音していますが、本州の亜種オオアカゲラのドラミングは初めてです。
 PCM-D100で録音、フェードアウトとフェードインだけで、ボリュームはそのまま、低音の軽減もしていません。



   20~30mしか離れていない上に大きな音なので、とてもクリアに録ることができました。近いがゆえに姿もしっかりと確認することができて、オオアカゲラのドラミングと解ったしだいです。
 キツツキ類のドラミングの録音は多数ありますが、姿が確認できての音源はわずかしかありません。キツツキ類は警戒心が強いうえに良く茂った森にいるので、姿がとても確認しづらいのです。まして、無人のタイマー録音ではドラマーの主を特定することができないもどかしさがあります。
 以前、ドラミングから種の同定ができないか録音仲間が、チャレンジしたことがあります。しかし、アカゲラとアオゲラすら検証するだけのサンプルを集めることができないで頓挫しています。まして、数の少ないオオアカゲラはもっとたいへんでしょう。
 今回、オオアカゲラのドラミングを波形を見て気がついたことがあります。アカゲラより叩く回数が多いのです。アカゲラは、20回前後。少ないと17回、多くて27回程度の回数になります。今回のオオアカゲラは、37回が多く、少なくても34回でした。10回多く叩いていることになります。ただ、これはコンピュータで波形表示し数えての数字です。野外で聞いて数えることができませんし、その違いがわかるかどうか微妙な差です。少なくとも今回は、現場では気がつきませんでした。
 私のコレクションでは、サンプルの多いアカゲラすら10数例しかありませんし、オオアカゲラは1例だけですから、まだなんとも言えません。成鳥と若鳥、繁殖のステージ、地方差、個体差をクリアするのは、まだまだ先が長い話です。ただ今後、録音機の普及にともなって、データ収集ができれば、将来ドラミングによる種類の同定ができるようになるかもしれません。いずれにしても、楽しみな課題です。  

2016年4月 2日 (土)

江戸家猫八さんが・・・

 江戸家猫八さんが、お亡くなりになりました。
 先日の「徹子の部屋」に出演されたとき、たいへん痩せていたので心配はしていたですが、まさかお亡くなりになるとは思ってもみませんでした。私と同じ年でもあり、たいへんショックです。
 猫八さんとはじめてお会いしたのは、1979年7月1日です。日本野鳥の会が、新宿野村ビルで行った「第1回鳴きまね日本一コンクール」でした。猫八さん(当時は小猫)が司会、私は審査員の一人でした。この時の優勝者の中学生が、ブログ「野原から」のS木♂さんでした。S木♂さんのことは猫八さんもよく覚えていて、「ぜひ会いたい」と言っていましたので、二人を引き合わせたいと思っていたのですが、これが叶わぬこととなりました。なんとも悔やまれます。
 これ以降も猫八さんとは、覚えているだけで雑誌の対談3回、トークショー3回、テレビの共演1.5回(0.5回分は別撮り)など、仕事をさせていただきました。このほか、パーティやらイベントでごいっしょする機会は何回もありました。そうそう、蒲谷鶴彦先生のお別れ会にもおいでいただき、心のこもった弔辞を賜りました。
 猫八さんは、タフという印象があります。寄席の芸人なんて青白い顔をしているものですが、いつも日に焼けていました。以前、テレビの取材で奥日光の戦場ヶ原を歩いたことがあります。拙ブログの記事にしています。
  http://syrinxmm.cocolog-nifty.com/syrinx/2011/05/post-d796.html
 この時は、赤沼に午前7時に集合。中禅寺湖畔に泊まった私は5時半に起床。いろは坂を登って来なくてはならない猫八さんはもっと早く起床しているはずです。そして、取材をしながら戦場ヶ原を縦断しました。湯滝に着いたときは午後2時近くとなり、やっと昼食。番組はせいぜい20分くらいなのですから、これで終わりかと思ったら、さらに上の湯の湖まで行こうとのこと。おかげで、湯の湖では珍しいミサゴを見ることができました。ここでシメのコメントを録られて、ようやく終了かと思ったら「せっかくだから、もう一度戦場ヶ原をもどる」との提案。電車の予約時間の関係で私はここで失礼させていただきましたが、足取りが軽やかな猫八さんに比べて、若いテレビ局のスタッフの後ろ姿は疲れていましたね。この時、ネコはネコでも野生のネコなんだなあと思ったものです。また、仕事に対しては全力を注ぎ、手を抜くことのない猫八さんの姿勢に驚きました。そういえば、トークショーで「芸でお客さまによろこんでもらうためには健康でなくてはならない、そのために普段から鍛錬している」と舞台の上でスクワットを披露してくれたことを思い出しました。そんな、タフな猫八さんがお亡くなりになるなんて信じられません。
 いつか猫八さんから、物まねから見た野鳥の鳴き声の本質なんっていう課題を語ってもらおうと思っていただけに、残念でなりません。
 江戸家猫八さんのご冥福を心よりお祈りいたします。
 ネットにアップされている猫八さんとの対談のURLです。猫八さんを忍んでいただければと思います。
「サイエンス・ウインドウ」2009年秋号(10-11月)
https://sciencewindow.jst.go.jp/html/sw28/sp-002
「野鳥」2011年2-3月号
http://www.birdfan.net/fun/matsuda_song/pdf/01.pdf

 

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