近くで鳴いてくれたキビタキ-XS455のタイマー録音
マイクや録音機を持って録音していると、鳥に近づけても20mが良いところです。そのくらい離れていると声の大きさは-48db以下、周辺のノイズと同じレベルとなり埋もれてしまうことになります。ですから、少しでも近づいて-24dbにするように努力します。
ところが、タイマー録音では、鳥の声が-12dbで簡単に録れることがあります。ということは、音のエネルギーは4倍ですから、距離は半分の10m以内にとまって鳴いていることになります。タイマー録音をしていると、いかに自分が邪魔であったのか実感します。
今回の日光では、戦場ヶ原に次いで別荘地のはずれに2台置きました。朝、起きると霧が立ちこめているものの無風です。これは、良い音が録れていると思って回収に趣くと、地面がかなり濡れていました。朝霧が樹木の葉につき、しずくとなって落ちていたのです。そのため、しずくの音がまるで雨音のように入っていました。しずくの音は、遠くに落ちてくれるとしっとり濡れた森の音の雰囲気になることがあるのですが、マイクの前に落ちたら「ドスン」と聞こえて不快な音になります。今回は、不快な音が頻繁に入っていました。これは3時間分、ムダになったかと思って音源をチェックすると、しずく以外の大きな音が入っていました。キビタキのさえずりです。音の大きさは-0、波形はいっぱいに広がっています。実感としては、目の前1mくらいでさえずっている感じです。手で持っての録音では、あり得ない近さで音の大きさです。
それならば、ボリュームを下げればしずくの音も軽減されるだろうと、ピークを60%の-10dbに下げてみました。PanasonicのXS455でタイマー録音、ボリュームをさげている以外、加工編集はしていません。
「narcissus_flycatcher160516.mp3」をダウンロード
環境ノイズはほとんど気になりません。しずくの音も雨の音として聞けば、なんとか絶えられるところまで軽減されました。もし、これでしずくの音がなければ、私が過去に録音したキビタキの声、ベスト10に入る音源となるところでした。
XS455はけして高い録音機ではありませんが、鳥が近くで鳴いてくれれば、さえずりの魅力をしっかりととらえてくれます。
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