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2016年6月

2016年6月30日 (木)

江戸家猫八さんお別れ会

 今日は、猫八さんのお別れ会でした。ホテルのパーティ会場を埋め尽くす参加者の数は、500人を超えていました。露木茂さんの司会、河野洋平さんと中村メイコさんの弔辞に坂田明さんの生演奏、参加者のなかに円歌師匠や小倉智昭さんといった著名人の顔もチラホラ、それだけ、猫八さんの交流の広さを実感します。鳥関係も懐かしい人から毎度の方まで、皆さんにお会いできて幸いでした。これも、猫八さんのおかげです。
 それにしても、お亡くなりになったのは、3月21日、あっという間に3ヶ月たったことになります。拙ブログの追悼記事です。

http://syrinxmm.cocolog-nifty.com/syrinx/2016/04/post-f8dc.html

 ところで、我が家のお寺は雑司ヶ谷のはずれにあり、今年も春のお彼岸の墓参りに行きました。雑司ヶ谷墓地を抜けて行くと、ひまそうなオジさんが2人話し込んでいました。そして、墓参りを終えて帰りに同じ道を通ると、まだ話し込んでいるのです。この2人の前を通ったとき、この1人のオジさんが「猫八の墓があるのを知っているか」ともう一人にオジさんに言ったのです。「知らない」「じゃあ、教えてやる」との会話。私も知りませんでしたので、そっと2人の跡をつけてみました。すると、なんといつも通っている道沿いに「初代江戸家猫八」と書かれた岡田家の墓がありました。

20160317_152537

 これ幸いと、オジさんたちが去ったあと「息子さんとお孫さんに、お世話になっています」とお墓に手を合わせたしだいです。まさか、この数日後に猫八さんがお亡くなりになるとは、なんとも不思議な巡り合わせです。
 あらためて、猫八さんのご冥福を心よりお祈りいたします。

2016年6月22日 (水)

『朝の小鳥』7月放送分収録-白河の森

 今日は、文化放送にて『朝の小鳥』のスタジオ収録でした。
 今回、テーマはかなり悩みました。7月は日曜日が5回、たっぷりできます。悩んだすえ、先月に行った白河の森の野鳥たちにしました。
 白河の森は、三菱製紙の社有林です。かつては、軍馬の放牧地であったところに、紙を作るため植林をして40年、今では立派な森になりました。先日、講演を依頼されての来訪。たった1泊でしたが、野鳥が多くいろいろな音が録れました。それだけに音作りもシナリオも苦労しないで、そうそうに完成。お陰さまで、本番も順調に収録できました。
 いわば、録って出しの番組制作となりました。

2016年7月の放送内容
 7月3日 トラツグミ
   10日 ノジコ
    17日 クロツグミ
     24日 コゲラ
     31日 ヒガラ

2016年6月21日 (火)

ヨタカの地鳴きか

 ヨタカは、野鳥カメラマンのS原さんのご希望によるツアーでした。
  今回の日光行きは現在、企画をすすめている文一総合出版の『ミニこのは・声から鳥がわかる本』の取材です。新緑のミズナラの森で録音している私を撮影したら、あとはゆっくりと日光の野鳥を楽しんでもらうつもりでした。ところが、S原さんによると渡り途中の昼間のヨタカを撮影する機会があるけれど、夜行性のヨタカなのだから夜のヨタカを撮りたいとの希望でした。そうなりますと、私では無理なのでA部♂さんに助けを求めて実現したものです。
 栃木県北部のダムにたどり着き、日没を待ちます。日没とともに谷間でヨタカが鳴き始めてくれたものの近くにやって来てくれません。そのうちに、暗くなるし寒くなってきて、そろそろ帰ろうかと諦めかけたところで、駐車場の草地に1羽がおりているのを見つけました。これは、ツアイスの双眼鏡Victory SFの威力です。暗い中でもヨタカがいるのがわかりました。
 S原さんが、暗闇の中まるで獲物に近づくネコ科の動物のように少しずつ、そっと近づいて撮影に成功。撮れた写真を見せてもらうと、ヨタカの目が大きく写っているのに驚きました。昼間の写真では、目をつぶっていたり半開きです。それでは、夜行性のヨタカなのですから本来の姿を捕らえていないことになります。さすがに、プロのこだわりは違います。この目の大きな夜のヨタカの写真は、『ミニこのは・声から鳥がわかる本』を飾るはずです。
 この間、私は録音機を稼働させておきました。入っていた声が、この声です。PCM-D100で録音。声の部分のみボリュームアップ、500Hz以下のノイズの削除、ノイズリダクションをかけています。

「grey_nightjarcall160618_005.mp3」をダウンロード

 いかにも地鳴きらしい鳴き方です。ただ、ヨタカの地鳴きが明記されている文献を見つけることができませんでした。また、xeno-cantoにも地鳴きは収録されていませんでした。ちなみに、xeno-cantoでは「キョキョキョ・・・」を”Call”としているものあります。
 A部♂さんによると、以前まだ明るさの残る中での観察では雄が出していたとのこと。そのため、バードリサーチのA部♂さんの投稿では「雄」となっています。いずれしても、ヨタカがいろいろな声を出すことがわかったツアーとなりました。
 S原さん、お疲れさまでした。A部♂さん、重ねてありがとうございました。

2016年6月20日 (月)

ヨタカの後奏-ポンポン鳴き

 ヨタカのさえずりと言えば、「キョキョキョ・・・」と連続して鳴くことしか知りませんでした。野鳥録音をするようになって、この「キョ、キョ」の前に「ポア、ポア」と鳴くことを知りました。以前、「ヨタカの前奏」として記事にしています。
   http://syrinxmm.cocolog-nifty.com/syrinx/2015/07/post-f9c6.html
 ところが私の夜のバードウォッチングの先生、A部♂さんは「ヨタカは、もっといろいろな声を出す」と教えてくれました。
 今回の日光行きでは、A部さんのご案内で栃木県北部のダム湖に行き、ヨタカのさまざまな声の録音に挑戦しました。今回、録音できたのは「ポンポン」鳴きです。これは、「キョキョ」のあとに鳴くもので、いわば後奏です。
 PCM-D100で録音。300Hz以下のノイズをカット、「ポンポン」の部分のボリュームを上げています。さらに、全体のボリュームを上げて、ノイズリダクションをかけています。

「grey_nightjar160618.mp3」をダウンロード

 この後奏は、かならず付くとは限らず、今回20分あまりの録音で8回鳴いた中で2回でした。また、「キョキョ」に比べてはるかに音量は低く、近くで鳴いてくれないと聞こえない音だと思います。
 それにしても、単純な声でさえずるだけと思っていたヨタカですが、声にいろいろなバリエーションがあることがわかりました。それぞれ意味もあることと思いますが、まっくらななかで繰り広げられるヨタカたちの競演、雌雄もわらないもどかしさもあります。
 A部♂さん、毎度のことながらご案内ありがとうございました。

2016年6月15日 (水)

アカゲラにつつかれる-日光きすげ平

 以前、コゲラに録音機をつつかれたと記事にしました。
  http://syrinxmm.cocolog-nifty.com/syrinx/2016/04/post-f751.html
  今回は、アカゲラにやられました。昨日のコーラスと同じ音源です。時刻は、午前5時14分、コーラスが静かになってきたころ、この後にエゾハルゼミがいっせいに鳴き始めます。YAMAHA W24でタイマー録音、切り出しただけで加工編集は行っていません。

「great_spotted_woodpecker160612_0300.mp3」をダウンロード

 遠くで「ブルッ」という羽音が聞こえます。そして、「キョ、キョ」とアカゲラの声がして、「ゴンゴン」とつつかれる音がします。そして、「ブルッ」という羽音がして、飛び去っていったようです。
 以前のコゲラは、「ガンガン」とマイクとつついている感じがしましたが、今回はそれほど強くありません。もしかすると、マイクではなく録音機の上にかぶせた板をつついているのかもしれません。
 それにしても、枯れ木のなかにいる虫の気持ちが少しわかりました。

2016年6月14日 (火)

野鳥のコーラス健在-日光きすげ平

 毎年、同じところで同じ時期に録音をしていると、野鳥たち種類が少しずつ変化しているのがわかります。毎年、行っている録音ポイントは、霧降高原のきすげ平の近くです。夜明け前、この谷間からわき上がるように聞こえて来る野鳥たちのコーラスは天下一品で、一度聞いて以来、とりこになりました。今年もここで録音してみました。
 YAMAHA W24でタイマー録音、ボリュームのアップ、1,000Hz以下のノイズの軽減、ノイズリダクションをかけています。

「Chorus160612.mp3」をダウンロード

 時刻は、午前4時30分頃です。この30秒ほどの間だけでも、キビタキ、ホトトギス、コルリが鳴いています。このほかの部分では、フクロウ、アカハラ、オオルリ、エゾムシクイ、ウグイス、カッコウ、ツツドリ、ミソサザイ、ルリビタキ、アカゲラ、ハシブトガラスなどの声を聞き取ることができました。以前、ここではウグイスがうるさいくらい鳴き、コマドリ、ルリビタキがコーラスのメインボーカルでしたが、コマドリはいなくなりルリビタキも減りました。
 以前は遠くで鳴いていたキビタキが、近くで鳴くようになったということは、ここでもキビタキが増えたのでしょう。いっけん以前のようにササがあるように見えるのですが、密度が違っているのでしょう。
 ただ、鳥の種類が変化していても、にぎやかなコーラスにかわりがありません。それだけに日光の自然の豊かさ、奥深さを感じます。

2016年6月13日 (月)

キビタキの多い森って-日光阿世潟

 日光野鳥研究会の自然観察会のため、週末は日光でした。
 中禅寺湖の南岸、歌ヶ浜からイタリア大使館、八丁出島の先まで行き、往復しました。天気は、晴れ間の多い曇り、涼しい湖畔の道を歩きました。涼しさのせいか季節のせいか、エゾハルゼミの声はわずかで、野鳥の声がよく聞こえました。
 いちばん良く聞こえて見えたのは、キビタキ。1kmくらいの行程に、6~7羽はいたと思います。実感としては、100m歩くと1羽が鳴いているという感じです。声も姿も美しい鳥なので、会えるとうれしいのですが、キビタキが目立つ森、ちょっと疑問になりました。
 というのは、森の風景がこうなっているのです。
Azegata160612

  シカのおかげで、林床にはほとんど植物がありません。このあたりは、以前ササで覆われていたところです。今残っているのは、シカが食べない毒のあるクリンソウやコバイケイソウなどです。一見、掃除されたみたいにきれいなのですが、以前の風景を知っている者にすると異様です。ササがなくなったおかげで森が乾いてしまい、いくつもあった流れが1本もなくなっていました。そして、ササがないので、ウグイスのさえずりをひと声も聞くことができませんでした。
 今、シカたちは、地面にある植物を食べ尽くし、首が届く範囲の樹木の葉を食べています。ですから、森のちょうど人の背丈くらいから下は、緑がほとんどないのです。
 キビタキは、中層木の鳥です。樹冠部でもなく、林床でもなく、森の中程の灌木を主なすみかにしていると思います。ですから中層木のない、きれいに管理された植林地のスギ林では少ない鳥です。
 ということで、キビタキの領域がかろうじて残っていてことになります。以前ならば、ウグイスがさえずり、道際の地面でアカハラがピョンピョン跳ねながら食べ物を探していたところです。今では、こうした鳥たちがいなくなって、キビタキが目に付くようになったことになります。
 キビタキには罪はないのですが、キビタキばかり目に付く森は不自然に感じました。

2016年6月10日 (金)

ファーストインプレ-ツァイスVictory SF 8×42

 ツァイスの最新型の双眼鏡Victory SFを入手しました。10倍と8倍がありますが、8x42です。これだけの双眼鏡となると双眼鏡おろしには、それなりの場所なり鳥でないと失礼です。ということで、今回の兵庫県北部の山巡りに持参しました。
Victorysf160610

 Victory SF 8x42は、去年の8月に葛西臨海公園で試用させていただきました。その素晴らしさを記事にしています。
  http://syrinxmm.cocolog-nifty.com/syrinx/2015/08/victory-sf-a216.html
 今回、改めて持参し3日間首からブラ下げていた感想です。同行したW辺さんとK島さんにも覗いてもらいました。ご両人とも、手にしての第一印象は「軽い」でした。実際の重さは、780gでこのクラスの双眼鏡としては重くはないものの軽いほどではありません。双眼鏡は、対物レンズが大きいので前のほうが当然重くなります。しかし、手前が重い方が重心が手元に来て安定し、軽く感じることになります。カタログなどでは、重心が手元に近いことをうたっており、この効果は大きいものがあります。また、手元に重心が来ているわりには胴鏡は細く、小さな私の手でもしっくりきて、ピントリングにも余裕で指が届きます。この安定感は、長い間の観察にうれしい機能です。
 今回、夜のバードウォッチングの機会があったので、夜の森を見てみました。森のすみずみまで肉眼よりも明るく見えるのですから、不思議な感じさえしました。藪のなかの鳥の特徴を確認するのには、必要な明るさでしょう。
 丈夫なケース、太めのトラップ、深くフタのできる接眼キャップ、接眼の繰り出しのクリックもしっかりしていますので、いつの間にか縮んでしまうことはありません。
 なかでも、対物レンズのキャップが気に入りました。基本、バードウォッチング中は対物レンズのキャップはしません。というのは、はずす一瞬の間が惜しいのです。ですから、持ち運ぶ時に傷つけないためのものと割り切っています。しかし、左右バラバラだといつのまにか、なくしてしまいます。Victoryのものは左右一体で、紐で本体と結ぶようになっています。さらに、この紐の途中に小さなバックルが付いていて、取り外すことも可能になっています(写真では、キャップをはずしている状態です)。こうした細かいところが、毎日のように使うバードウォッチャーにはうれしいのです。
 ということで、氷ノ山などの山々の広大な風景とブッポウソウやイヌワシを見ることができて、Victory SF 8×42には失礼のない双眼鏡おろしができました。

2016年6月 9日 (木)

ヤブサメは変わらなかった-兵庫県北部の山

 兵庫県北部の山を巡って野鳥たちのさえずりを聞くと、関東地方との違いがはっきりしているのが、オオルリ、イカル。キビタキが少し違うかなと言ったところです。
 今回、違うと思ったのに同じだった種類もいます。ヤブサメです。ヤブサメは、以前東北地方とは微妙に違うことを記事にしました。
 http://syrinxmm.cocolog-nifty.com/syrinx/2016/03/post-6ef1.html
 今回、私より若いW辺さんとK島が同行していますので、車の中からヤブサメがさえずっているのを聞きつけました。私は、ただ彼らの言う方向に録音機をむけて録音しただけです。
 例によって、拙ブログではmp3でないと音源を受け付けてくれません。mp3だとヤブサメの音域である8,000Hzの音を再現できません。そのため、声紋で表示します。上が今回の兵庫県北部の山で録音したヤブサメのさえずり、下が栃木県日光で録音したものです。なお、図の左右が7秒、天地が0~13,000Hzです。

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 ご覧のようにほとんど変わりません。音の高さ、声の長さ、尻上がりのところが似ています。私が聞こえるところまで音量を上げて聞いても、同じに聞こえます。ただ、これは1例のみの比較ですので、多くのサンプルで比較すると違う結果になる可能性もありますが、とりあえず同じ印象です。
 W辺さんとK島さんのおかげで、ヤブサメの地方差について一歩前進することができました。若い人と行動すると、改めてヤブサメが聞こえないことを思い知らされますね。

2016年6月 8日 (水)

コマドリひと声-兵庫県北部の山

 兵庫県北部にある山のひとつ、頂上の標高は約1,000m、その少し下の林道の際に録音機を仕掛けておきました。7年前に来た時、最高のコーラスが録音できた場所です。
 今回、気になったのはシカによる食害です。以前、うっそうと茂っていた笹が完全になくなり、地面が露出しています。残っているのは、タケニグサなどシカの食べない植物ばかりです。かつての最高のコーラスには、藪を好むウグイスはもちろんのこと、クロジやコルリが入っていました。ちなみに、関東地方ではクロジは、1,500mを越えないと出会えない鳥です。それもうっそうとモミが生い茂る亜高山帯の鳥です。しかし、ここでは最高峰が約1,000mで明るい森です。共通するのは下生えが豊富な程度で、クロジがいるとは思えない環境なのです。
 今回も、素晴らしいコーラスが録れましたが案の定、コルリやクロジのさえずりは聞こえませんでした。ところが、思わぬ声が録音されていました。YAMAHA W24でタイマー録音、ボリュームを少しアップしています。

「Robin160604.mp3」をダウンロード

 この声は、午前4時41分に入っていました。鳴き続けていたトラツグミが鳴きやんで、少したった時刻です。そして、キビタキが鳴き始めたのは4分後、そして多くの鳥たちが鳴き始めてコーラスとなりました。夜の鳥から昼の鳥に変わる瞬間です。最初は、以前もいたコルリかと思いましたが、前奏がありません。また、コルリにくらべてしっかりした節なのでコマドリでよろしいかと思います。
 関東地方では、コマドリはクロジと同じように1,500mを越えないと会えない亜高山帯の鳥です。それが、ここでは1,000mたらずの標高、加えてかなり明るい林にいました。クロジがいたのですから、コマドリがいてもおかしくはありませんが、不思議です。
 ただ、この1声だけなのです。それ以降、かなり探しましたが、鳴いていません。コマドリは、さえずり始めれば何度も鳴き続けるのが、鳴き方の特徴です。昨日のオオムシクイのようにまだ移動して行く夏鳥がいますので、渡っていく途中のため、本来のさえずり方と違うのかもしれません。
 また、もしここで繁殖しているのならば、コマドリの常識を覆す環境に思えてなりません。それとも、たとえば亜種のタネコマドリは海岸近くでもいます。標高は数mです。それを思えば、1,500mと1,000mはたいした違いではないのかもしれません。

2016年6月 7日 (火)

オオムシクイの日-兵庫県北部の山

 今回、出かけようと機材をチェックしているところに東京港野鳥公園のF沢さんから電話がありました。なんでも「不明のムシクイの声が聞こえたので録音した。名前を教えて欲しい」とのことでした。聞いてみると、オオムシクイのさえずりでした。
 オオムシクイは、かつてはメボソムシクイの亜種。さらにはコムシクイやコメボソムシクイと誤認されていたものが、晴れて独立した種として認められました。繁殖地は千島からカムチャッカなどの一部、今頃はまだ雪が残るような北方のため、渡りがたいへん遅いのです。
 なんと、昨日のサンコウチョウ・ポイントに仕掛けた録音機にオオムシクイのさえずりが入っていました。およそ7分間にわたりさえずり続けていました。今まで、オオムシクイのさえずりは何度か録音していますが、周辺のノイズや他の鳥の声が重なりコンディションはあまり良い音源はありません。今回、やや遠いもののかなりクリアな録音をすることができました。
 YAMAHA W24でタイマー録音。ボリュームの増幅、3,000Hz以下の低音の軽減、ノイズリダクションをかけています。

「oomusikui160604.mp3」をダウンロード

 ところで、去年同じ6月4日に六義園で記録していました。六義園では、20年ぶりの記録なります。
  http://syrinxmm.cocolog-nifty.com/syrinx/2015/06/20-b10f.html
 六義園のオオムシクイの記録は30年間で9例あり、5月25日から6月5日の間に集中しています。今回、F沢さんの東京港野鳥公園の記録は6月2日、兵庫県が6月4日となります。Facebook情報でも、オオムシクイが鳴いていたと言う記録が5月30日にありました。今年も、同じような時期にオオムシクイが渡っていったことになります。この期間の天候や風向きによっては、かなり集中することになり、いっせいに日本列島を北上しているのでしょう。5月下旬から6月初めに、オオムシクイの日があるかもしれません。

2016年6月 6日 (月)

サンコウチョウもアカショウビンも村落の鳥-兵庫県北部の山

 この週末は、兵庫県北部の山を巡ってきました。有名な山では氷ノ山がありますが、その周辺の山々は標高1,000m前後のなだらかな稜線が続いています。そのような山のいくつかの林道を走りました。W辺さんのご案内で、K島さんもごいっしょです。
 面白かったのは、山に入る前の集落周辺がとても鳥が多いのです。水田が山の間に入り込んだようなところで、山はスギが主ですが広葉樹も多く竹林もあります。人家が点在して、最後は神社があって、そこから山に入るといったパターンです。
 たとえば、道端のスギ林からサンコウチョウのさえずりが聞こえて来ました。これ幸いとタイマー録音を仕掛けておいたら、アカショウビンがバックに鳴いていました。YAMAHA W24で録音。ボリュームのアップ、1,500Hz以下のノイズを軽減、ノイズリダクションをかけています。

「Paradise-Flycatcher150605_0300.mp3」をダウンロード

 なんともあっけなく、あこがれの鳥の声が録れてしまいました。この先には、人家が10数軒あり、午前3時から6時まででも車が3台通るようなところです。
 私の最初のサンコウチョウの録音は、狭山丘陵でした。山道を小1時間も歩いたでしょうか。暗いスギ林のなかにいました。印象としては、深山幽谷の鳥のイメージでした。アカショウビンに至っては、群馬北部の山に泊まりがけで行ったおりに偶然、録音できました。この山の雰囲気は、まさに深山幽谷です。夜は、かなり怖かったです。
 戦前、中西悟堂が書いた図鑑『野鳥ガイド 陸鳥編』(1938年・日新書院)では、サンコウチョウは村落の鳥の項に載っています。ムクドリ、シジュウカラ、カワラヒワといっしょです。当時は、サンショウクイ、チゴモズも村落の鳥です。アカショウビンは渓流の鳥の項に載っていて「低山帯の渓流付近の針葉樹林等で見かける」と書かれています。標高の低い山にいたことがわかります。
 兵庫県北部の山地は、サンコウチョウもアカショウビンも昔のような村落の鳥でした。戦前の『野鳥ガイド 陸鳥編』の世界がまだ残っていたことになります。
 W辺さん、ありがとうございました。おかげで楽しいバードウォッチング旅行を楽しめました。

2016年6月 1日 (水)

キフシススホコリか-六義園

 昨日は雨上がりで蒸し暑く、これは粘菌日和だと思って六義園を歩いていたら、ありました。まるで枯れ葉の上に黄色いペンキをぶちまけたように、粘菌類の変形体が広がっていました。手前から奥まで、およそ50cmほどあります。

Nenkin160531

 毒々しいほどの黄色、キフシススホコリでよろしいかと思いますが、専門外なのでフォーよろしくお願いいたします。
 六義園で遭遇するのは、2013年7月30日以来となり、3年ぶりの出現となります。
 粘菌愛好家の方に言わせますと、六義園は粘菌の宝庫だそうです。道端に宝石が落ちているようなものだとも言われました。これだけ、大きいタイプのものは見つけられますが、小さなものは老眼の私には、見つけるのがきついですね。
 年金は高齢者のもの、粘菌は若者のものですね。

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