ヨタカの地鳴きか
ヨタカは、野鳥カメラマンのS原さんのご希望によるツアーでした。
今回の日光行きは現在、企画をすすめている文一総合出版の『ミニこのは・声から鳥がわかる本』の取材です。新緑のミズナラの森で録音している私を撮影したら、あとはゆっくりと日光の野鳥を楽しんでもらうつもりでした。ところが、S原さんによると渡り途中の昼間のヨタカを撮影する機会があるけれど、夜行性のヨタカなのだから夜のヨタカを撮りたいとの希望でした。そうなりますと、私では無理なのでA部♂さんに助けを求めて実現したものです。
栃木県北部のダムにたどり着き、日没を待ちます。日没とともに谷間でヨタカが鳴き始めてくれたものの近くにやって来てくれません。そのうちに、暗くなるし寒くなってきて、そろそろ帰ろうかと諦めかけたところで、駐車場の草地に1羽がおりているのを見つけました。これは、ツアイスの双眼鏡Victory SFの威力です。暗い中でもヨタカがいるのがわかりました。
S原さんが、暗闇の中まるで獲物に近づくネコ科の動物のように少しずつ、そっと近づいて撮影に成功。撮れた写真を見せてもらうと、ヨタカの目が大きく写っているのに驚きました。昼間の写真では、目をつぶっていたり半開きです。それでは、夜行性のヨタカなのですから本来の姿を捕らえていないことになります。さすがに、プロのこだわりは違います。この目の大きな夜のヨタカの写真は、『ミニこのは・声から鳥がわかる本』を飾るはずです。
この間、私は録音機を稼働させておきました。入っていた声が、この声です。PCM-D100で録音。声の部分のみボリュームアップ、500Hz以下のノイズの削除、ノイズリダクションをかけています。
「grey_nightjarcall160618_005.mp3」をダウンロード
いかにも地鳴きらしい鳴き方です。ただ、ヨタカの地鳴きが明記されている文献を見つけることができませんでした。また、xeno-cantoにも地鳴きは収録されていませんでした。ちなみに、xeno-cantoでは「キョキョキョ・・・」を”Call”としているものあります。
A部♂さんによると、以前まだ明るさの残る中での観察では雄が出していたとのこと。そのため、バードリサーチのA部♂さんの投稿では「雄」となっています。いずれしても、ヨタカがいろいろな声を出すことがわかったツアーとなりました。
S原さん、お疲れさまでした。A部♂さん、重ねてありがとうございました。
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