« 2016年9月 | トップページ | 2016年11月 »

2016年10月

2016年10月31日 (月)

価値ある音源-『鳴き声ガイド日本の野鳥』メーキング

 蒲谷先生に「○○が、こんな声で鳴いていました」と、ご報告すると「リップシンクロしていましたか?」と、良く聞かれました。リップシンクロとは「嘴の動きと鳴き声が一致しているのを確認できたか」ということです。たとえば、「チッ」とう声が藪の中から聞こえてアオジが飛び出してきても、藪のなかにクロジがいて鳴いたかもしれないからです。
 私自身、クマタカを見つけて鳴いているので一生懸命録っていたら、ノスリの声に聞こえて確認したらノスリだったことがあります。木々の間からの観察で、いつの間にか入れ替わってしまっていたです。あとで考えますと、ノスリの声はクマタカへの威嚇、警戒の声だったのです。
 録音していると、リップシンクロの確認というのは、なかなかできません。見るために体を動かすと、その音がノイズになるからです。また、動いたことで鳴きやみ、飛んでいってしまうかもしれないからです。それだけに、リップシンクロした録音は貴重です。鳴き声の図鑑を作るときに多少ノイズがあっても、いちばん確かな音源は「リップシンクロした鳴き声」となります。
 といって、すべてリップシンクロした声を収録することは不可能です。そのため、次善の策は、別の機会にリップシンクロを確認できた音源となります。遠くて録音できなかった、ノイズの多いところで鳴いていたなど、録音ができなくてもしっかり観察できれば、十分だと思っています。
 さらに、『野鳥大鑑420』や『野鳥の声283』と聞いて一致、声紋も似ている音源となります。ただ、似たような声で鳴くものがないという条件があります。ホオジロ系の地鳴きは、やはりリップシンクロした音源を使用しています。
 重ねて、飼育下の録音です。野外と違って、ほぼ目の前で鳴いてくれるので種の確認は間違いありません。そのため、参考資料として機会を見つけては録音していました。今回は、これらの鳴き声も収録しています。
 以上は種類の確認ですが、図鑑に収録するのには、さらなる条件が必要です。自然のなかで1種類だけが鳴いていることはまずありません。だいたい、他の鳥の声がかぶっています。そのような音は写真図鑑で言えば、鳥の混群を1種類の写真として示すようなものです。どの声が目的の鳴き声か、わからなくては不親切です。1種類が鳴き、他の鳥の声やノイズがかぶっていないクリアな録音でなくてはなりません。
 これは、録音するときにできる限り近づき1羽をクリアに録ることが、まず必要です。しかし、自然の中ではそのようなチャンスばかりではありません。そのため、長めに録音して、他の鳥の声がかぶっていないところを切り出しわかりやすくします。
 また、鳥の声ばかりではなく環境のノイズも大きいと聞きづらいものです。「ゴーッ」という音や「ポコポコ」と聞こえる風の音、音源によっては人声やシャッター音も取って、クリアに聞こえるように加工しました。これは、コンピュータの編集ソフトでかなり楽にきれいにすることができます。
 今、心配なのは、逆にクリアすぎて音と音の切れ目がわかりにくいというクレームが来るかもしれないことです。

2016年10月30日 (日)

典型とはなにか-『鳴き声ガイド日本の野鳥』メーキング

 なぜ初心者には、イラストの図鑑が良いかというと、イラストらならばその鳥の姿の最大公約数的なところを捕らえて描くことができるからです。なかでも『フィールドガイド日本の野鳥』が素晴らしいのは、高野伸二さんが長年観察されたその鳥の姿の印象が凝縮されて描かれているからです。写真であれば、たまたま個体差のある写真が掲載されてしまうかもしれません。そうならないためには『♪鳥くんの比べて識別!野鳥図鑑670』のようにたくさん写真を載せるという手法をとらざるをえないのです。
 鳴き声はイラストのように人工的に表現することが困難です。そのため『鳴き声ガイド日本の野鳥』では、少しでも多くのバリエーションを収録することにしました。それでも、収録する数には限りがあります。そのため、できるかぎり典型的な鳴き方を選ぶことになります。ここで、困ったのは典型とは何かです。
 たとえば、ウグイスのさえずりは「ホー、ホケキョ」で亜種や北海道をのぞけば、おおむねこの鳴き方です。典型がかなり限られている鳥の代表です。では、センダイムシクイはどうでしょう。「鶴千代君」あるいは「焼酎一杯ぐーぃ」と聞きなしされるさえずりは、関東では一般的ですが、北海道では「チヨチヨ」と鳴き続け、私は最初わかりませんでした。しばらく、聞いていると「ジーィ」と鳴いてくれて、センダイムシクイとわかりました。逆に北海道のバードウォッチャーには、関東で録音した音源ではわからないことになります。
 また、アカハラのさえずりは図鑑には「キョロン、キョロン、チリリ」と書かれ、2音節半で鳴くと教わりました。ところが、音源をチェックしてみると「キョロン、キョロン」だけや最後が「チッ」のもの、1音目と2音目が違うものなど、バリエーションが多いのです。そのため、アカハラはさえずりだけで4パターン収録しました。シロハラのさえずりは、このアカハラのバリエーションのなかにあり、この2種類を聞き分けるポイントをいまだ見いだせないでいます。
 さらにオオルリやキビタキ、クロツグミといった複雑な節でさえずる鳥であればあるほど、個体差が大きく典型を示すことが困難になります。
  地鳴きも同様で、たとえばキビタキは「ヒッ、ヒッ、ヒッ」のなかに「グリリ」が入るのが特徴と言われています。しかし、「ヒッ、ヒッ、ヒッ」だけの鳴き方をするものもいて、姿を見るまでジョウビタキかルリビタキか判断できなかったことがあります。
  今回、音源をチェックすると典型がわかりにくい鳥、あるいは典型がない鳥がいることがわかりました。それなのにベテランがわかるのは、節ではなく音色で識別しているからでしょう。そして、そう鳴くと思い込んでいるからそう聞こえるのではないでしょうか。
  聞けば聞くほど、知れば知るほど、鳴き声は奥が深いですね。『鳴き声ガイド日本の野鳥』が、その入り口になってもらえれば幸いです。

2016年10月29日 (土)

謎の解決と新たな謎-『鳴き声ガイド日本の野鳥』メーキング

 『鳴き声ガイド日本の野鳥』の制作にあたって、謎の解決と新たな謎が生じました。解決は、トカラの謎の鳥です。これは、アカコッコとわかりましたので、森林総合研究所の関伸一さんからトカラ列島で録音した音源をお借りして収録することができました。アカコッコは、三宅島とトカラではまるで違う鳥のように聞こえることをCDで実感してもらえると思います。これで、今まで”トカラの謎の鳥”だったものが、解決されることでしょう。
 今回、制作中に課題となったのは、北海道におけるハシブトガラとコガラのさえずりです。ハシブトガラのさえずりは尻上がり気味に「チ、チ、チ、チ」、コガラはゆっくり「ツーチー、ツーチー」で区別できます。しかし、図鑑やサイトの記述を読むとハシブトガラのさえずりが2パターンあるみたいなのです。今回、音源の提供で協力していただいたH田さんが、ヒントをくれました。H田さんから「北海道のコガラは、亜種のカラフトコガラの可能性があり鳴き方が違うのでは?」というものです。地域によっては、カラフトコガラが生息している可能性が出てきました。では、カラフトコガラはどのようにさえずるのでしょう?
 今のところ、カラフトコガラの公開されている音源は織田敏雄さんがサハリンで録音したものがあるだけです。これは日本野鳥の会札幌支部から発売されているCDに収録されています。これを聞くと、コガラより早口で金属的な声で「ピーチ、ピーチ、ピーチ」と聞こえます。ハシブトガラとはまったく違いますが、コガラとも思えない鳴き方です。
 CD『サハリンの野鳥』は、下記URLから。
  http://homepage3.nifty.com/sapporo-wbsj/osirase/osirase0505.html
 どうも、本州などから北海道を訪れたバードウォッチャーは、ハシブトガラとコガラとは鳴き声が違ういう知見から、違って聞こえるカラフトコガラをハシブトガラと誤認してしまった可能性があるのではと思いました。
 今回、確実なカラフトコガラの音源を入手することができませんでした。今後、野鳥録音が普及することで、北海道のコガラがどのように鳴くのか解明されていくことでしょう。改訂版では、やることがたくさんありそうです。

2016年10月28日 (金)

鳥の名は。-『鳴き声ガイド日本の野鳥』メーキング

  『鳴き声ガイド日本の野鳥』の売りは、バリエーションの多さです。野鳥には、地方によって鳴き方の違うものがいます。より多くの地方のパターンを収録することで、各地の初心者にもわかりやすい声の図鑑にしようと意図しました。ところが、野鳥の名前にも地方差があったのです。
 それぞれのトラックの最初には、プロのナレーターに読んでもらった野鳥の名前が入っています。これは、鳥の名前を確認しながら聞けばおぼえるやすいこと、CDプレイヤーに表示されるトラック番号の見えない目の不自由な方のためです。ところが、鳥の名前を読み始めるとアクセントがどこにあるのか、議論になりました。
 以前、関西のバードウォッチャーが鳥の名前を言うとアクセントが、「エナガ」の”エ”、「オナガ」の”オ”にありました。関東では”ナ”にアクセントを置くか、どこにも置かない平坦な言い方をしてますので、訂正をしたことがあります。また、メジロは”メ”に置くと地名、”ジ”か平坦だと鳥の名前だと思っていました。しかし、関西では違うと思います。クイナやカケスも同じでしょう。だいたい3文字の名前の鳥では、アクセントがかなり違い、さらにそれにつられてヒクイナやシマエナガもどこに置いて良いのかわからなくなりました。スタジオにいた私やT岡さん、S水さんも関東出身です。自分たちで何度か言っているうちに、どれが正しいのかわからくなってしまい、困りました。そのため、2パターン読んでもらって後で選ぶ種類がいくつかでました。
 また、私たちが標準和名で話していないことにお気づきでしょうか。たとえば、和名では「ホオジロ」ですが、話しているときは「ホージロ」と音引きに近い言い方をしています。「オオジシギ」も「オージシギ」と言っています。そのため、初心者は「王子鴫」に聞こえてしまい「それは、どんなに素敵な鳥なのか」と聞かれたことがあります。
 また、名前の中に「がぎぐげご」がある場合の多くは鼻濁音になります。前出のエナガ、オナガの”ガ”は鼻濁音で言っています。でも、頭に”ガ”のあるガビチョウ、ガチョウは、そのままです。
 ですから、鳥の名前が列記されたシナリオは標準和名のままなので、とりあえず数10種続けて読んでもらい、気になるところを再度読んでもらいました。これを377種でやったのですから、手間と時間がかかりました。
 今回、もうひとつわかったことがあります。長い名前は、どう読んで良いのかわからないのです。たとえば、キンクロハジロは、カタカナが並んでいるとどこで切って良いのわかりにくいのです。しかし、「金と黒、そして羽に白いところがあるのでキンクロハジロです」と説明して意味がわかると、切れ目がわかってすらすらと読めます。カタカナはあくまでも記号であり、意味が伝わらないのです。これは、バードウォッチングの初心者に鳥の名前を教えるときも同じことだと改めてわかりました。
 このように鳥の名前のアクセントは地方によって異なるため、まえがきには「これが標準ではありません」と明記しました。

2016年10月27日 (木)

800件の音の統一『鳴き声ガイド日本の野鳥』メーキング

ただいまCDDBの入力が終わりました。これで、コンピュータにCDをい入れて自動的にiTuneが起きれば、トラックごとの種名が表示されるはずです。ただ、表示にはタイムラグがあって、昨日入力したDisk1~3は今日から可能ですが、残りは明日になると思います。いろいろ試しましたが、けっきょく377種の種名を手作業で入力しかなく、2日がかりとなりました。

Birdsoundofjapan2

 ということで苦労話を少し。
 今回の企画に乗ったのは、姿のバリエーションが多数載っている『♪鳥くんの比べて識別!野鳥図鑑670』を見て、これを鳴き声でもできないかと常々思っていたからです。しかし、バリエーションを多くしたおかげで1つ1つの音源を統一することが思わぬ作業となりました。
 たとえば、楽曲のCDならばせいぜい20数曲。それも、歌声、ギター、ピアノなど、音質は同じ、スタジオで同じ距離で録音した音源を使って、ボリュームを調整すればいいわけです。ところが、こちらは800件。言い換えると800曲の音楽を統一することになります。それも、スタジオならば音源との距離はほとんど同じですが、鳥の声の大きさは違う上に録音している距離が違います。当然、自然の中ですから周りのノイズの具合も異なります。中には、シャッター音や人声も入っている音源を同じように聞こえるようにしなくてはならないのですから時間がかかります。写真ならば、画面に対して鳥の大きさを統一して粒子も同じにするようなものです。『♪鳥くんの比べて識別!野鳥図鑑670』も、苦労したことと思います。
 音の大きさに限って言えば、音楽編集のソフトを使ってボリュームを統一することができます。また、波形を見て同じボリュームにすることも可能です。しかし、鳥の鳴き声はこれができないのです。たとえば、ミソサザイのさえずりを同じボリュームにしたら、正直うるさいです。また、フクロウは多少大きめにしないと聞きづらいと思います。また、かすかに鳴くオオコノハズクの声を大きな音にしてしまっては識別できないかもしれません。音質によって聞こえ方が違うのですから、一つひとつ聞いて調整しないとならないわけです。
 さらに、スタジオでの音源確認でのこと。私も含めてスタッフ7人がそろいました。具合のよいことに20才代(女性)から60才代(私)まで、それぞれそろいました。そうすると、年代によって聞こえ方が違うのです。たとえば、ヤブサメのさえずりは20才ではうるさい、T岡さんとS水さんはちょうど良い、私は聞こえづらいとなってしまったです。以前『野鳥大鑑』で「ヤブサメの音が入っていない」というクレームがあったことを思い出しました。ということで、高齢者のバードウォッチャーのために高い音は大きめにしています。

2016年10月26日 (水)

『鳴き声ガイド 日本の野鳥』完成!

 「松田さんが入院したと聞いて『しまった!』と、思ったんですよ」と言ったのは、日本野鳥の会のT岡さん。一昨年の暮れに一瞬左目が見えなくなったので検査を受けたら頸動脈が傷ついていたのがわかって2週間ほど入院いたしました。頸動脈ですから命取り、血栓が大きければ脳梗塞になるところでした。T岡さんはそれを言っています。ですから、私が生きているうちになんとか野鳥の鳴き声のCDを作りたいということでスタートしました。
 私の音源は”Birds of East Asia ”のe-book版のために、ひととおり整理されています。それ以外にも企画に関わっていますので、その後に録音した音源をたせば1ヶ月もあればできるはずです。また、CD1枚99トラック=99種ですから4枚あれば、396種を収録できます。4枚あれば十分と踏んでのスタートでした。
 ところが、1月にスタートして音源を整理すると、バリエーションの多様なものはより多くしたい。亜種も入れたい。資料用に録音しておいた飼育下の音源も使いたいと、どんどん欲がでてきました。そして、さらに録音仲間が録っているはずの音源も借りて、より充実したCDにしたいと思いました。その結果、1ヶ月の予定が10ヶ月もかかりました。おかげで亜種を含む収録数は377種、音源の件数は800件を超えてしまいました。さらに、4枚の予定が6枚。時間にして6時間40分となります。
 そんなわけで手元に届いた今、快い疲労感にひたっております。

Birdsoundofjapan


 なお、価格は4,860円(税込)。下記の日本野鳥の会の通販サイトでのお求めがよろしいかと思います。
 http://www.birdshop.jp/fs/wildbird/visual1/gd3591
 野鳥の鳴き声がわかりにくいのは、バリエーションの多い種類があるからです。初心者にとって、鳴き方がかわるとわからなくなります。しかし、音色や音質は似ています。いろいろなパターンの鳴き方を聞くことで、よりおぼえることができるのではないかと思います。このCDから、野鳥たちの鳴き声の世界をお楽しみいただければと思います。
 T岡さん、まだまだ録音できていない鳥がたくさんいます。録らずに死ねませんので、まだ当分がんばりますね。 

2016年10月22日 (土)

今年もバードカービング

 昨日から、上野の東京都美術館にて「第19回 全日本バードカービング・コンクール」が開催されています。昨日は、審査を行ってきました。
 今年は作品は少なめですが、粒ぞそいの印象を受けました。それだけに、審査は楽しくさせていだきました。上級からマスターまで上位の作品の審査を4名の先生方と審査をしました。いずれの部門も1位2位は票が割れることがなく、誰からも異議がでることのない文句のない受賞となりました。しかし、さすがにマスターの作品は力作ぞろいで優劣を付けがたく、いちばん審査が難航、議論をしました。そんな苦労も、ご覧いただければと思います。
 みどころ満載の展示会です。どうぞ、お近くにおいでのせつは、お立ち寄りいただければ幸いです。

Birdcarbving20161021_2

第19回 全日本バードカービング・コンクール
会期:2016年10月21日(金)~28日(金) 9:30~17:30
   入場は17時まで。
   最終日は14:30終了、入場は14時まで。
会場:東京都美術館(台東区上野) 地下3階 ギャラリーA 
  上野公園内(JR上野駅 公園口より徒歩7分)上野動物園となり
   http://www.tobikan.jp/
   入場無料です。

2016年10月16日 (日)

秋のタイマー録音-六義園

  やっと晴れたため、溜まっていた夏鳥たちが六義園を通っていきます。エゾビタキ、キビタキ、カケスが昨日の成果です。昨夕、これらの鳥を見つけたあたりに、録音機を仕掛けてタイマー録音をしてみました。日の出が午前5時50分ですので、5時から7時までの3時間です。失敗する可能性もありますから、2台を30mほど放して置いてみました。
 今朝、回収して音源をチェックしました。もう、虫は鳴いておらず静かな朝を迎えています。録音と同時に、ネグラしているハシブトガラスたちが鳴き合いながら出勤していきます。ヒヨドリが、にぎやかに鳴き始めたのは5時30分頃です。そして、日の出と同時刻の5時52分にトラツグミらしい声が入っていました。
 YAMAHA W24でタイマー録音。ボリュームのアップ、前後のノイズのカット、ノイズリダクションをかけています。



 この1声のみです。以前、春に仕掛けたときもトラツグミが1声が入っていたことを思い出しました。そのときも1声です。ということは、トラツグミの地鳴きの一つなのでしょうか。いずれにしても、昼間見られない鳥が録音に入っていました。
 そして、さらに明るくなった頃、入っていたのがツミでした。編集加工は、トラツグミと同じです。



 ツミの声は、繁殖期に聞くことがありますが、秋に録音できたのは初めてです。後半、ヒヨドリの声がかぶっていますが、間違いありません。
 このほか、昼間見られたカケスが1声鳴いてくれました。
 音源は、3時間が2台ですので合計6時間、すべてをていねいにチェックしていません。まだ、他の鳥の声が入っている可能性があります。ともかく、昼間の見ている種類は一部であることがわかりました。
 季節外れのタイマー録音、やってみるものです。

2016年10月15日 (土)

デジスコ通信に投稿-「何が楽しいんですか?」

  昔、鳥を見ていると言うとよく言われたことです。
 最近は「良いご趣味ですね」が多いですが、久しぶりに言われました。
 考えてみると、それだけバードウォッチングが市民権を得てきたことになりますし、先人の努力のたまものだと思います。
 これから先、「鳥を見ている」と言ったら何と言われるのでしょうか。今の私たちの行動にかかっていることになります。
 下記URLで、お読みいただけます。
 http://www.digisco.com/mm/dt_96/toku1.htm

2016年10月14日 (金)

クサシギの鳴き声か-佐渡

 先日の佐渡での取材で、案内していただいたY川さんから、クサシギらしい声が入っていたと連絡をいただきました。
 これは、9月27日の夕方の録音で、ねぐらに入るトキをねらって置いた録音機に入っていたものです。時刻は午後5時10分頃、天気がどん曇りだったので、日が沈むとかなり暗くなっていました。現場でも、鳥の鳴き合う声に気がつきましたが、暗くて姿を確認することはできませんでした。「小鳥?シギのよう。小さな感じでトウネンかな」と話し合っていたところです。音源を聞きやすいようにして、クサシギの声を聞いたことのある方に聞いてもらったらクサシギらしいということになりました。
 PCM-D100で録音。鳥の声の音域を増幅、上と下にある虫の声を軽減、ノイズリダクションを強くかけています。



 数羽が鳴き合って飛んでいくようすです。かなり加工していますのでノイズが変調していますが、鳥の声は現場で聞いたときに近いと思います。
 クサシギは、『野鳥大鑑』に収録されていません。蒲谷先生が録音していないということは、かなり難題の鳥ということになります。私は何度が見ていますが、鳴き声を意識して聞いたことはありません。xeno-cantoにはクサシギの音源がアップされていますが、ユーラシア大陸西部での録音です。そのためか、ぴったりと一致する声を見つけることができませんでした。ただ、鳴き声の音域と声紋パターンはよく似ていますので、可能性は高いと思っています。
 このクサシギの6分後にアオアシシギが鳴いて飛んでいきました。声の感じから、飛んでいく方向は同じです。
 私たちのいたところは、加茂湖に近いとは言え海岸沿いではありません。それなのに、佐渡島の上空をシギの群れが飛んでいくとは思っても見ませんでした。

2016年10月10日 (月)

キビタキ雄の地鳴き-芝川第一調節池

 今日は、暑くもなく寒くもなく、風もないので絶好の録音日和となりました。そのため、芝川第一調節池に行きました。
 山から下りてきた漂鳥のモズがさかんに鳴き、ヒヨドリの群れが渡ってきます。まだ、夏鳥のツバメが飛んでいて、池には渡ってきたばかりの冬鳥のヒドリガモ、ハシビロガモ、キンクロハジロがいるという、渡り鳥の交差点のような芝川でした。
 その交差点の藪のなかにいたのは、キビタキでした。地鳴きがさかんに聞こえました。PCM-D100で録音、ボリュームはそのまま、2,000Hz以下のノイズの軽減、ノイズリダクションをかけています。



 藪の中にいるためキビタキからは姿が見えないのか、とても近くで録音することができました。ときどき「グリグリッ」と鳴くのがキビタキの地鳴きの特徴です。ところが、なかには「グリグリッ」がなかったり少ないものもいます。
 地鳴きで雌雄がわかったらと思って姿を探すと、雄のきれいな成鳥でした。ちょうど、毛虫を捕らえたところです。

Narcissus_flycatcher161010

 これでも比較的「グリグリッ」の頻度の多い鳴き方です。この「グリグリッ」の頻度が雄の特徴になるか課題です。食事をしたと思ったら、この後は鳴かなくなってしまいました。雄と雌で「グリグリッ」の有無や頻度に違いがあるのでしょうか。
 

2016年10月 8日 (土)

ヒヨドリは秋にさえずるか?-六義園

 少なくともヒヨドリの鳴き方に、春夏と秋冬があります。これがさえずりなのか地鳴きなのかは、難しいところです。初夏、山地で電線や木のてっぺんにとまり、同じ節で間をあけて鳴き続けるのは、さえずりだと思っています。この節は、1羽1羽によって短かったり、長く複雑なものだったりして個性があります。たいがい次の日に行っても、同じ場所にとまって同じように鳴いています。
 さえずりの定義の「長く大きな声で鳴く」という状況と「求愛となわばりの確保」の意味からも、合致するのではないかと思っています。なお、同じところで鳴いていることから「なわばりの確保」の意味があるという判断です。
 10月になって、六義園でも急にヒヨドリの数が増えてきました。このヒヨドリのなかに、さえずっているのではないかと思われる鳴き方をしているものがいました。PCM-D100で録音。3,000Hz以下のノイズの軽減、ボリュームのアップ、ノイズリダクションをかけています。



 時刻は午前7時、ベランダから六義園に向けて録音しています。10分ほどある録音の一部で、少なくとも10数分は同じ場所で鳴き続けていました。それに、このような鳴き方をするヒヨドリがいるのに気がついたのは、3日前。少なくとも3日間同じところで同じように鳴いていたことになります。
 秋に、シジュウカラ、ホオジロ、ヒバリなどが、さえずりと同じ鳴き方をすることは知られています。来年の春に繁殖するために秋からなわばりの確保、あるいは冬の食べ物を取る場所を守るためにさえずると思っています。このヒヨドリもそうなのでしょうか。
 にぎやかな鳴き方で、ついスルーしてしまうヒヨドリの鳴き声ですが、その鳴き方には、いろいろな意味があるのかもしれません。
   

2016年10月 6日 (木)

鳥たちが動いている-六義園

 珍しく台風一過となった六義園を探索いたしました。
 さっそくカケスの声が聞こえました。一昨日も1羽のカケスがいたのですが、台風のためにそのまま滞在してくれたのでしょうか。今日も1羽でした。仲間を探す声でしょうか。
 PCM-D100で録音。ボリュームはそのまま。2,000Hz以下のノイズの軽減、ノイズリダクションをかけています。



 常連の仲間と合流して歩いていると、今度はエゾビタキに出会いました。いつもは、木の高いところにいてなかなか写真が撮れないのですが、今日は飛んでいる昆虫が多いのか、木の下の方にとまることがありました。

Greystreaked_flycatcher161006

 エゾビタキは、5羽はいたでしょうか。一度にこれだけの数を見たのは久しぶりです。 このほか、キンクロハジロ2羽は本日が初認、カルガモは20羽を超えました。ヒヨドリの声もにぎやかです。
 あまり上ばかり見て鳥を探していたので、今日は首が痛くなりました。

2016年10月 5日 (水)

『朝の小鳥』11月分スタジオ収録-渡良瀬遊水地の野鳥

本日は、文化放送にて『朝の小鳥』のスタジオ収録でした。
 スタッフの皆さん、知識の泉みたいな人ばかりなので、収録の後も話がつきません。今日、話題になったのは鳥が飛ぶことから凧の話になり、ゲリラカイトはゲリラではなくゲイラカイトだと教えてもらいました。あのビニールでできた3角形をした凧です。ちなみに、ゲイラは発売したアメリカの会社の名前だそうです。1970年代のことですから、ときあたかもベトナム戦争まっさり。ベトコンやゲリラという言葉があふれていた時代で、てっきりゲリラだと思っていました。
 ところで、11月のテーマは、渡良瀬遊水地の鳥たちのカワラヒワ、ツグミ、ケリ、シメです。ケリは、今年の春から夏、日光に行くときにスペーシアの車窓から必ず見える田んぼありました。遠くに渡良瀬遊水地の堤防が見えるあたりで、まるで新幹線で岐阜羽島あたりを走っているような錯覚をしてしまいます。こうした風景が関東平野でも当たり前になってしまうのでしょうか。

2016年11月放送内容
 11月 6日 カワラヒワ
    13日 ツグミ
    20日 ケリ
    27日 シメ
   

2016年10月 1日 (土)

サドカケスの鳴き声-佐渡

 佐渡で、サドカケスの声を聞きたい、できたら録音したいと思っていました。
  日本のカケスは、3亜種が記録されています。北海道のミヤマカケス、本州などの亜種カケス、そして佐渡のサドカケスです。亜種が違うと声が違うことが多いので、その違いを知りたいと思っていました。たとえば、亜種カケスとミヤマカケスでは、亜種カケスのほうが音が高く、ミヤマカケスのほうが音域が低め。そのため、「ジャア」と「ガア」と聞こえ方に違いがあります。サドカケスは、どんな声なのでしょう。
 この手の鳥は、会えるときは会えるけれど、会おうと思うとなかなか会えないものです。でも、さすがプロのガイドのY川さんです。なにげなく入った山道で見事、見つけてくれました。
 サドカケスは、数羽の群れでよく鳴いていました。亜種カケスにくらべて警戒心が少なく、姿もよく見えます。私が観察できた個体は、側頭部の白部に黒い斑点がなく、サドカケスは頭が白いと言われているとおりでした。
  PCM-D100で録音。1,000Hz以下のノイズを軽減、軽くノイズリダクションをかけています。



 いかがでしょうか。亜種カケスとの違いがわかりますか。現場で聞いたときは「ジャー」ではなく濁りの少ない「シャー」に聞こえました。あらためて聞いてみますと、大きな違いはありません。声紋で比較してみると、音の中心が亜種カケスでは3,000~5,500Hz、サドカケスは3000~4,000Hzと比較して狭い傾向がありました。また、濁った音は声紋が不明瞭になるのですが、不明瞭さがサドカケスのほうが少なめです。それが「シャー」と聞こえた要因かもしれません。いずれにしても、違いはわずかです。また、いずれも1例の比較ですので、個体差の可能性もあり、参考程度にしてください。
 一説には、サドカケスと亜種カケスのDNAに違いはないとか。亜種としての存在が疑問視されているサドカケスですが、あと100万年くらいすると亜種になるのでしょうか。

« 2016年9月 | トップページ | 2016年11月 »

2017年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

最近のトラックバック

無料ブログはココログ