サドカケスの鳴き声-佐渡
佐渡で、サドカケスの声を聞きたい、できたら録音したいと思っていました。
日本のカケスは、3亜種が記録されています。北海道のミヤマカケス、本州などの亜種カケス、そして佐渡のサドカケスです。亜種が違うと声が違うことが多いので、その違いを知りたいと思っていました。たとえば、亜種カケスとミヤマカケスでは、亜種カケスのほうが音が高く、ミヤマカケスのほうが音域が低め。そのため、「ジャア」と「ガア」と聞こえ方に違いがあります。サドカケスは、どんな声なのでしょう。
この手の鳥は、会えるときは会えるけれど、会おうと思うとなかなか会えないものです。でも、さすがプロのガイドのY川さんです。なにげなく入った山道で見事、見つけてくれました。
サドカケスは、数羽の群れでよく鳴いていました。亜種カケスにくらべて警戒心が少なく、姿もよく見えます。私が観察できた個体は、側頭部の白部に黒い斑点がなく、サドカケスは頭が白いと言われているとおりでした。
PCM-D100で録音。1,000Hz以下のノイズを軽減、軽くノイズリダクションをかけています。
「sadoJay160927_002.mp3」をダウンロード
いかがでしょうか。亜種カケスとの違いがわかりますか。現場で聞いたときは「ジャー」ではなく濁りの少ない「シャー」に聞こえました。あらためて聞いてみますと、大きな違いはありません。声紋で比較してみると、音の中心が亜種カケスでは3,000~5,500Hz、サドカケスは3000~4,000Hzと比較して狭い傾向がありました。また、濁った音は声紋が不明瞭になるのですが、不明瞭さがサドカケスのほうが少なめです。それが「シャー」と聞こえた要因かもしれません。いずれにしても、違いはわずかです。また、いずれも1例の比較ですので、個体差の可能性もあり、参考程度にしてください。
一説には、サドカケスと亜種カケスのDNAに違いはないとか。亜種としての存在が疑問視されているサドカケスですが、あと100万年くらいすると亜種になるのでしょうか。
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